海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

4・28屈辱の日 辺野古・大浦湾県民大行動

2015-04-28 20:48:31 | 米軍・自衛隊・基地問題

 28日はサンフラシスコ講和条約の発効から63年を迎える一方、安倍首相が訪米し辺野古新基地建設推進をオバマ政権に示そうとしていることに抗議し「4・28屈辱の日 辺野古・大浦湾県民大行動」が行われた。キャンプ・シュワブのゲート前では午前6時から大勢の市民が集まり、工事関係車両や海上保安庁の車両への抗議と国道329号線を行く車両へのアピール活動を行っていた。

 海上抗議行動にはカヌー25艇と市民の抗議船4隻が参加した。他にもサバニや漁船、有志による抗議船などが辺野古の海、大浦湾にくり出した。朝、松田ぬ浜にカヌーを出して準備しているとき、米軍の水陸両用車の訓練が行われていた。前日27日は作業船のような船で訓練を行っていた。浅瀬を水陸両用車が通ると海草がえぐり取られ、白い砂地の跡が残る。上陸訓練による海草の被害も大きい。

 カヌーの点検、準備をしたあと、全体で抗議行動の内容を確認した。平日にもかかわらず25艇のメンバーが集まったことで、ふだんよりも広範囲で行動できる。その分、各班、各自が役割分担をしっかりと実行し、全体の統一がとれた行動ができるかが重要となる。確認のあと、辺野古ブルーは負けない!……と気合いを入れて、辺野古崎に向かった。

 先に汀間漁港を出港した抗議船は、県議会議員や市議会議員を乗せて、大浦湾のフロートの状況やキャンプ・シュワブ内の解体工事の状況を視察し、海底ボーリング調査に対し海上から抗議の声をあげた。それが終わっていったん港に帰った抗議船が戻るまで辺野古崎と長島の間で待機した。

 午前10時45分頃、抗議船と合流し、カヌー16艇が長島の間を抜けて大浦湾に出た。残りの9艇は長島と辺野古崎の間で抗議行動を展開した。大浦湾側では長島の近くから沖合のフロートまで幅広く広がり、海上保安庁のゴムボートや巡視艇、沖縄防衛局が雇った警戒船、ゴムボートなどと向き合った。

 午前11時20分頃、カヌー全艇と抗議船2隻が一斉にスパッド台船を目ざして進んだ。大浦湾に出てからは抗議行動に集中していたので、写真や動画はほとんど撮ることができなかった。いつもながらカヌーや抗議船、海保のゴムボート、巡視艇が走り回り、緊迫した中で抗議行動が行われたのだが、そのさなかに市民の抗議船・ラブ子号が海保によって転覆させられた。

http://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/5093916112.html

 NHKのニュース映像を見れば、海保の保安官が海から左舷に上がって舷側を下に押し、ラブ子号を傾けたうえで再び海に降りて引っ張り、船を転覆させているのが分かる。ラブ子はこれまでも何度か、海保によって転覆寸前まで傾けられている。ラブ子号は左右のバランスが悪いのを海保の保安官はよく知っている。最近の海保のやり方は、抗議船を破壊し、使用不能にして、海上抗議行動をつぶそうという意図があからさまだ。一歩間違えば乗員の命が失われるところだった。これが海保の言う「安全確保」か?

 ラブ子号が転覆させられ、1人が救急車で運ばれた、ということで皆心配していたが、無事に帰ってきたのでよかった。カヌーメンバーは25艇すべてがフロートやオイルフェンスを越えて抗議し、海保に拘束されてゴムボートで松田ぬ浜に運ばれた。この日の海上抗議行動は午前中で終えて、片付けのあと一部は那覇の県民集会に向かった。

 


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