海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

仲井真知事が県民大会へ参加表明

2010-04-23 19:19:32 | 米軍・自衛隊・基地問題
 今日の名護は小雨模様で、4月後半とは思えない肌寒い一日になっている。
 昨日はティダの会の集まりがあり、25日の県民大会に向けてゼッケン作りを行った。ティダの会もそうだが、大会にはお年寄りも大勢参加する。天気予報では25日は曇りとなっている。暑くもなく、寒くもない天気になってくれると有り難い。
 県民大会まであと二日になったのだが、仲井真知事は今日になってやっと大会への参加を表明した。ここまで態度決定を引き延ばしてきた知事の優柔不断ぶりと紆余曲折ぶりは呆れるほどだった。三日前の20日付県内紙は「知事 出席を決断」と報じた。仲井真知事は20日までの回答を大会実行委員会に約束しており、当日、県政与党に大会参加を伝えると見られていた。それが同日午前に平野幹事長から電話があり、その後、再び態度を保留したままになっていた。
 平野幹事長からの電話を仲井真知事は否定しているが、一方の平野幹事長は電話をかけたことを認めている。いずれかが嘘をついていることになるが、はぐらかしによる一時しのぎを重ねてきた知事の言葉を信じる人がどれだけいるだろうか。平野幹事長が仲井真知事の不参加を望んでいて、電話に限らず多様な形で知事に働きかけを行ってきたのは分かりきっている。それがなかったかのようにごまかせば、二人の「交渉」内容をめぐって憶測が飛び交うだけだし、何か「密約」が交わされたのではないか、という疑いさえ生じさせるだろう。
 この段階まで態度を決めきれなかったことで、仲井真知事は自らが知事として、政治家として不適格であることを露呈した。問題は参加するか否かだけでなく、この段階まで態度を決めきれなかったことにある。参加するならするで、仲井真知事は早めに態度を決め、県民への呼びかけや県としての取り組みを行うべきだった。行政のリーダーとしての役割をいっさい果たし得ず、参加することで最低限の義務は果たすにしても、大会実行委員会や県民を混乱させ、足を引っ張ってきた責任が問われる。
 これから大会当日の仲井真知事の発言に注目が集まる。県民大会の趣旨を曖昧にし、後退させるような発言は許されない。SACO合意以降の沖縄の状況を見れば、「県内移設」が不可能なことは明らかだ。県民大会に出席し、県民代表として発言するからには、仲井真知事は全国に向かって、「県内移設」反対の明確な意思表明を行うべきだ。「県外がベスト」という程度でお茶を濁し、「県内移設」の余地があるかのような発言をすれば、大会の趣旨とは逆のメッセージを知事が送ることになる。参加したから県民の支持を得られる、と思うなら大きな間違いであり、壇上に立つ知事の発言に県民の厳しい目が注がれていることを、仲井真知事は自覚すべきだ。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ゆくしぐとぅニュース | トップ | りっか、県民大会かい »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2010-04-25 22:36:08
平野「官房長官」でしょうか?
返信する
お礼 (目取真)
2010-04-27 03:31:13
ご指摘、有り難うございました。
うっかりミスでしたので、訂正しました。
返信する

米軍・自衛隊・基地問題」カテゴリの最新記事