海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

ヘリパッド建設現場の崩落について沖縄防衛局へ抗議と要請

2013-02-15 23:57:08 | 米軍・自衛隊・基地問題

 

 2月15日に嘉手納町の沖縄防衛局において、沖縄・生物多様性市民ネットワークによる「高江ヘリ/オスプレイパッド建設工事に対する抗議と要請」が行われたので、同席させてもらった。琉球朝日放送がその様子を報じている。

http://www.qab.co.jp/news/2013021541228.html

 途中、沖縄防衛局の担当者が「上司と相談する…」と休憩をとったこともあり、話し合いは2時間40分ほどに及んだ。話し合いでは、こちらの追及に沖縄防衛局の担当者である糸数氏がしどろもどろとなり、沈黙で乗り切ろうとする場面が目立った。

 今回土砂崩れが起こった場所は、現在工事が進められているN4のヘリパッド本体である。オスプレイやヘリが着陸する接地帯のすぐそばまで崩落しているという深刻な事態でありながら、沖縄防衛局は事実の矮小化と隠蔽に努め、形ばかりの「補修工事」ですませようとしている。それでヘリパッドの「完成」を演出しても、再び崩落を引き起こすのは時間の問題である。

 やんばるの森は世界自然遺産に登録されるだけの価値を持つ、生物多様性に富んだ貴重な場所である。にもかかわらず沖縄防衛局は、杜撰な工事によって土砂崩落を引き起こし、あまつさえ土砂流出の事実を沖縄県に即座に連絡せず、1ヶ月も経ってやっと立ち入り調査をさせている。米軍基地内で起こったが故にこのような隠蔽、対処の遅れが生じるなら、世界自然遺産登録にも悪影響を及ぼす、という批判がなされていた。

 やんばるの森は新緑が芽吹き、ノグチゲラをはじめとした鳥類の繁殖期を迎えようとしている。話し合いの中で防衛局の担当者は、3月以降の工事は行わない、と明言していた。しかし、3月を待たずに工事を即時中止し、建設そのものを断念すべきだ。沖縄防衛局は年末・年始の雨が崩落の原因だとしているが、2012年12月と2013年1月の東村の降雨量を見てほしい。

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=91&block_no=1374&year=2012&month=12&day=8&view=

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=91&block_no=1374&year=2013&month=1&day=8&view=

 この程度の雨でヘリパッド本体が崩落を起こし、かつ南、西、北の三方を谷間に囲まれ、直径45メートルの接地帯を一部盛土してやっと確保できるような場所が、ヘリパッド建設地として不適地であることは明白である。集落に近いN4での事故発生は、住民の生命と生活を危険にさらす。沖縄県や東村も問題の深刻さ、重大さを正確に認識し、建設工事の即時中止、断念を求めるべきだ。

 


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