海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

海に向けて工事用道路の整備が進められる。

2017-04-27 21:18:46 | 米軍・自衛隊・基地問題

 27日は朝、カヌー10艇で瀬嵩の浜を出発した。辺野古弾薬庫下の海域まで漕ぎ、抗議船3隻と合流して、小浜で行われているK9護岸の建設に向けた工事用道路の整備に抗議した。

 午前中は一昨日に運んであった布団かごを、波打ち際に向かって積み重ねる作業が行われた。約30袋ほどの布団かごが敷かれて、海に向かって伸びる形でクレーンの足場ともなる工事用道路の建設が進められた。

 今日、ダンプカーでゲートから搬入された石材は、栗石よりも捨て石用の大きめの石材の方が多かったとのこと。5月に入ると海への捨て石の投下が本格化しそうだ。

 フロートのそばだけでなく、浜や岩場にも海保がずらりと並び、警備にあたっている。米軍基地建設のために駆り出され、こき使われている海保も哀れなものだ。しかし、海を破壊した挙句に出来上がる基地が、沖縄県民をどれだけ苦しめるか。基地あるが故に起こる事件、事故、犯罪に海保は加担したのだ。

 瀬嵩の浜で昼食をとり、午後の抗議行動に行く途中、瀬嵩側の汚濁防止膜の様子をみた。鉄の棒とロープが付いたフロートがカヌーと船対策のために弾薬庫下に移されていて、汚濁防止膜のそばまで近づける。瀬嵩の森から見える白い部分は、海中に下りている汚濁防止用の膜だった。

 前日、ヘリ基地反対協が汚濁防止膜の問題点について記者会見を行っている。

http://ryukyushimpo.jp/news/entry-486075.html

 深場では海底に届かず、浅場では波で膨らんでフロートの横にはみ出している。いずれにしろ、現在工事が行われているK9護岸からは遠く離れており、まったく役に立たない。こんないい加減な汚濁防止膜を仲井真前県政は認めたのだから呆れ果てる。政府・沖縄防衛局ともども、沖縄の貴重な自然を破壊することに何の痛みも感じないのだろう。

 午後は風が強く、雨が降る予報だったので船上からの監視活動となった。キャリアダンプで布団かごを運んできて、クレーンで海に向かって工事用道路を伸ばす作業が引き続き行われていた。大潮の干潮時で浜が広く見えるが、満潮時なら波打ち際に近いところまで布団かごが積まれている。

 25日にわずか5袋の石材を波打ち際に落としたのは、埋め立て工事が始まった、もう後戻りはできない、と印象付けるためのセレモニーだった。本来なら海のそばまで工事用道路を作ってから、本格的な石材の投入を始める予定だったのだろう。

 名護市出身の女性が殺害されてから一周忌を迎える前に、とにかく埋め立て着工という形を作るため、無理に前倒しされたことがよく分かる。そこまでして沖縄県民をあきらめさせたいか。そのやり方は殺された女性の尊厳を踏みにじるものだ。安倍首相や菅官房長官の強権的かつ沖縄差別むき出しの工事強行を許してはならない。

 米国のトランプ政権は、沖縄近海に空母カールビンソンの艦隊を送り込み、自衛隊のイージス艦と護衛艦を引き連れて、北朝鮮への威嚇を行っている。軍事挑発を行っているのはどちらなのか。トランプが戦争を仕掛ければ、沖縄の米軍・自衛隊基地もミサイル攻撃の標的となる。国のやることだから…、といつまでも負け犬根性を吐露していてはダメなのだ、ウチナンチューよ。

 


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