海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

ティダの会・辺野古有志の会の申し入れ

2009-08-16 15:48:14 | 米軍・自衛隊・基地問題
 8月14日(金)の午後から、ティダの会と新基地問題を考える辺野古有志の会が名護市に申し入れを行った。
 現在、名護市辺野古にV字型滑走路や港湾機能を持つ新基地の建設計画が打ち出され、それに対する環境アセスメント調査「準備書」の県審査会が行われている。去る8月11日に行われた県審査会の様子は本ブログでも書いた。これから同「準備書」に対する名護市長や県知事の「意見書」も提出されていく。
 ところが名護市は、県の審査会が継続中であり、名護市長や県知事の「意見書」もまだ出されていないというのに、新基地建設を既定の事実として、キャンプ・シュワブの汚水処理と久辺3区の下水道整備事業を一体化して進めるための調査費を計上し、8月17日に開かれる臨時議会で成立させようとしているのである。
 その強引な手法の背景には、防衛省・沖縄防衛局と名護市幹部、久辺3区の有力者との間で、新基地建設と地元企業の工事受注をめぐる駆け引きや利害の一致が、キャンプ・シュワブ・サポート事業組合設立の動きとも絡んで進んでいることがありはしないか。
 また、新基地建設と久辺3区の下水処理施設を一体化させることで、新基地ができないと下水処理施設もできないという形にし、仮に民主党政権が誕生して普天間基地の「県外移設」の動きが強まっても、久辺3区と名護市がそれに反対していく根拠を作ろうとしているのではないか。このような懸念を抱かずにおられない。
 調査費といっても2670万円もの予算額であり、それだけの金を使って、一体化はできません、という結論を出せはしない。環境アセスメント「準備書」への名護市長の「意見書」も出していない段階で、新基地建設と一体化した事業を「再編交付金」を使ってスタートさせようというのだから、名護市の行政手法は余りにも乱暴であり、基地がらみの金を使うことになれきって堕落しているとしか言いようがない。
 以下にティダの会と辺野古有志の会が名護市長に出した申し入れ書を紹介したい。辺野古の新基地建設をめぐる現在の状況を理解する参考にしていただければと思う。
 

 新基地建設促進と基地の固定化に繋がるキャンプ・シュワブ汚水処理と久辺3区の下水道整備事業一体化案に反対する申し入れ

 名護市が米軍普天間飛行場の移設先キャンプ・シュワブと辺野古、豊原、久志3区の汚水などをまとめて処理する下水道整備計画の策定方針をかためたことが明らかになったと報道されています。
 名護市長は8月10日、第234回名護市議会臨時議会を招集する旨告示しました。そして、新基地建設の促進と基地の固定化に繋がる、キャンプ・シュワブ汚水処理と久辺3区の下水道整備事業一体化計画の調査費を計上した平成21年度名護市公共下水道事業特別会計補正予算(第1号)を議題として提案しようとしています。
 かねてより久辺地域では下水道整備事業について、強い要求がありました。今回名護市が提案しようとしているキャンプ・シュワブの汚水処理と久辺3区の下水道整備事業の一体化は、地域の要求をからませて、名護市と防衛省・沖縄防衛局が新基地建設の促進と、基地の固定化を目論んだものであり絶対に容認できるものではありません。
 「名護市民投票」で示された海上基地建設反対の名護市民の意志は、新基地建設反対に引き継がれています。去る5月15日に行われた地元紙の世論調査でも名護市を含む北部で76%が反対、賛成は13%に過ぎませんでした。にもかかわらず、島袋市長が市民の意思を無視して、新基地建設と地域の下水道整備事業一体化を提案することは、主権在民の地方自治の原則と地方分権を踏みにじる暴挙です。地域の区民や市民として認めるわけにはいきません。市長は直ちにキャンプ・シュワブ汚水処理と久辺3区の下水道整備事業一体化計画の提案を断念し、久辺3区のみの下水道整備事業計画に切り替えて提案することを求めます。新基地建設促進と基地の固定化に繋がるキャンプ・シュワブ汚水処理と久辺3区下水道整備事業の一体化案に強く反対することを申し入れます。


 上記の下水道整備事業の調査費について審議する名護市臨時議会が、8月17日(月)の午前10時から開かれる。ティダの会と新基地建設問題を考える辺野古有志の会では、議会傍聴の呼びかけを行っている。

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