海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

国家権力の剥き出しの暴力により進められている辺野古新基地建設。

2015-03-17 21:25:20 | 米軍・自衛隊・基地問題

 昨日から久しぶりにカヌーチームに参加して海に出ているのだが、17日は15艇のカヌーが大浦湾で海上抗議行動を行った。松田ぬ浜を出ると前日に続き、海兵隊の兵士たちが戦闘服を着たまま水泳訓練の準備をしている。カヌーチームが辺野古崎に向かって通り過ぎるのを待って泳ぎだしていった。高江の森も辺野古の海も、海兵隊にとっては戦争のための訓練場でしかない。

 いったん平島に上陸して状況を確認してから、長島の間を抜けて大浦湾に出た。

https://www.youtube.com/watch?v=z7acvsKxPzA

 17日は初めて大浦湾での抗議行動に参加するメンバーが2人いた。これまで練習をしてきたリーフ内とは波の荒さが違うので、最初は漕ぐのに精一杯かもしれないが、あとは実践の中で技術を磨いていくしかない。気温が上がったのでウエットスーツを着けていると熱中症に注意しないといけない。こまめに水を含むことを全体で確認し、カヌーと船の上で長時間の抗議行動を続けた。松田ぬ浜に戻って昼食をとったのは午後3時前だったが、いったん海に出ればこういうこともあるのを前提に準備している。

 海上保安庁は海底ボーリング調査を行っているスパッド台船に近づけないため弾圧体制を強化している。彼らが設定した規制線を越えれば即座に不当拘束する態勢で、ゴムボートの上では海に飛び込む用意をした海上保安官たちが警告をくり返す。全体を指揮している吉田という海保職員が、追突事故を起こしたアルタイルからマイクで「俺を怒らすなよ」と何度も口にしていた。これが公務員の口にする言葉か。

 大浦湾でカヌーを漕ぎながら動画を撮影するのは短い時間しかできないが、海保による弾圧が始まれば現場は一気に緊迫した状況となる。17日はスパッド台船に向かったわけでもないのに、海保が市民の抗議船に乗り込み、それに抗議したカヌーを不当拘束した。

 弾圧に狂奔する海保は市民の抗議船をゴムボートで追い回し、猛スピードでカーブを切ったためにビデオ撮影していた海保の職員が海に振り落とされるという自損事故まで起こしている。そこまでやる必要など全くないのに、何を考えているのか。過剰適応した愚かな海保職員が、それこそ大浦湾を危険にし、大きな事故を起こしかねない。

 ゲート前の機動隊による弾圧もひどいものだが、第3ゲートから海の攻防は見えないので、海上でどれだけ激しい弾圧態勢が敷かれ、日本政府が力尽くで海底ボーリング調査を進めているかがうまく伝わっていない。辺野古の新基地建設はまさに、国家権力による剥き出しの暴力により進められているのだ。


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