海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

これ以上大浦湾の破壊を許してはならない。

2015-02-16 23:21:30 | 米軍・自衛隊・基地問題

 16日のカヌーチームは、辺野古の松田ぬ浜と瀬嵩の浜の二ヵ所に分かれて出発した。瀬嵩の浜にはキャンプ・シュワブのゲート前から座り込み参加者が応援に駆けつけてくれ、声援を受けながらカヌーを漕ぎ出した。16日は風が強く、船が汀間漁港から辺野古に向かうのは難しいとのことで、瀬嵩の浜から出たカヌーチームをサポートして、海上作業の進行状況を確認に向かった。

 先週末、新型フロートの設置にともないオイルフェンスの撤去作業が一部で進められた。瀬嵩側の南北に伸びるオイルフェンスは、撤去ではなく元の位置から新型フロートの側に移動して、二重の障害壁を作っていた。先週まで、新型フロートとオイルフェンスの間は100メートル近く離れていた。それがこういう形で移動されているのだが、臨時制限水域の境界線も移動したということか。沖縄防衛局と海上保安庁のいい加減さがよく分かる。

 新型フロートとオイルフェンスで障害物を二重にされると乗り越える難度は増す。だからといってあきらめるわけにはいかない。カヌーメンバーはそれぞれ苦労しながらオイルフェンスと新型フロートを乗り越えた。海保のゴムボートが数隻、近くで様子を見ていたがこの時点では特に規制することはなく、カヌーチームと勝丸は長島方向に進んだ。

 松田ぬ浜から辺野古崎に向かったカヌーチームのメンバーによれば、辺野古崎周辺で小型アンカーの回収作業が行われていたという。大浦湾では目立った作業はなく、クレーン付大型台船の周りで何か作業が行われていたようだが、クレーンは下りていて近くで確認しようとすると、海保が拘束を始めた。

 先を進んでいたカヌー数艇が海保のゴムボートに拘束されて、遠く離れた場所まで強制的に移動させられた。戻ってきてから態勢を立て直し、再びクレーン付大型台船に向かったが、作業現場近くまで迫ったところで、カヌー全艇が海保のゴムボートに拘束されて新型フロートの外に出された。

 16日は時々強い風が吹き、目立った海上作業がなかったこともあり、カヌーと船による抗議行動は午前中で終えた。新型フロートの外に出されて瀬嵩の浜に向かう途中、日が差して海の色が青く澄んだ。その底には長い時をかけてサンゴが生育し、多くの生物が棲息している。

 新型フロートや大型ブイを固定するために投じられたコンクリートブロックがサンゴを破壊していることが問題となっている。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=103075

 この件を受けて翁長雄志知事が16日、〈沖縄県が岩礁破砕の許可を出した区域外でのコンクリート製構造物の設置や既設物の移動などを停止するよう指示〉を出している。

http://www.qab.co.jp/news/2015021663106.html

 海上作業に対して翁長知事が具体的に動き出したわけだが、強引に作業を進めようとする政府に臆することなく、投入されたコンクリートブロックを撤去させて、原状回復措置を沖縄防衛局に求めてもらいたい。

 午後4時頃、タグボートに曳航されてクレーン付大型台船が1隻、大浦湾をあとにしたようだ。新型フロートの設置という役割を終えて、次の作業工程に移る準備が進められているのだろう。これ以上の大浦湾の破壊を許さないために、翁長知事を叱咤激励すると同時に、自ら行動を起こしましょう。

 


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