海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

これ以上沖縄に米軍基地を押しつけることは許されないはずだ。

2015-02-04 23:53:48 | 米軍・自衛隊・基地問題

 2月4日は午前9時頃、辺野古の松田ぬ浜から14艇のカヌーとゴムボート1隻が辺野古崎を目ざして出発した。辺野古崎付近では兵舎3棟に続いて隣接していた工場まで完全に解体され、バックホー3台が細かく砕かれたコンクリート片などを片付けている様子が見えた。作業ヤードの整備がかなり進んでいる。

 辺野古崎に向かう途中で、2隻のクレーン付き大型台船が安部方面に移動していくのが見えた。辺野古崎までは海上保安庁のゴムボートは1隻もないが、二重のフロートを越えて岬から北側の大浦湾に出ると十数隻が出てきて、作業があるので北に向かうな、指示に従わなければ必要な措置をとる、とくり返す。海保の言う「必要な措置」とは、カヌーを拘束して沖に放置するということだ。

 2月2日に海保が行った危険な行為に対し、4日付琉球新報の社説が厳しく批判している。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-238351-storytopic-11.html

 海保のゴムボートのメンバーは「あなた方の安全のために必要な措置をとる」と警告する。しかし、実際にやっていることは、新基地建設に抗議する市民を危険にさらしても、海上作業を守って進めることでしかない。沖縄県民の圧倒的多数が反対しているが故に、安倍政権は海保の暴力的弾圧に頼らざるを得ないのだ。翁長知事と面会せずに力尽くで沖縄の民意を踏みにじること。それが安倍首相の「ていねいな説明」である。中身は真逆な空疎な言葉ばかりだ。

 午前、午後とクレーン付大型台船で大浦湾の北側に20トンと思われるコンクリートブロックが投入され、大型ブイを設置する作業が進められた。カヌーチームは二手に分かれたり、一つにまとまったりしながら、大浦湾を広範囲に移動して抗議行動を行った。何度かオイルフェンスの中に入って抗議も行い、海保に拘束されたが、県内メディアの報道を気にしたのか、海保は意図的にカヌーを転覆させたり、沖に強制移動させるなどはしなかった。

 瀬嵩の浜で昼食をとり、午後の行動に移ると、キャンプ・シュワブのゲート前で資材搬入阻止の座り込み行動を行っている皆さんが、オイルフェンスの見える大浦湾北側の浜にやってきて声援を送ってくれた。カヌーや船のメンバーへの励ましになるだけでなく、多くの人が見ている前では海保も暴力をふるいにくい。いま大浦湾で何が行われているか、ぜひ自分の目で確かめてほしい。

 午後はカヌーチームはクレーン付大型台船が作業を行っているところと、瀬嵩側のオイルフェンス付近の二手に分かれて抗議行動を行った。瀬嵩側では作業現場からかなり離れているにもかかわらず、海保の拘束を専門とするゴムボート(シュノーケルをつけた保安官が乗っている)が張り付き、カヌーチームに神経をとがらせている。全国各地から集められた保安官たちで、沖縄に米軍基地を押しつけて自分たちの生活の「安全確保」をやっている皆さんだ。

 連日、海上作業が行われているオイルフェンスの北側付近からは、名護市立小中一貫緑風学園の校舎が見える。新基地が建設されれば、滑走路の延長線上にある校舎の上をMV22オスプレイが飛ぶだろう。全国から動員された海保の職員たちは、自分の子どもが米軍基地の被害を受けながら授業を受けることを望むだろうか。自分たちがやっていることが沖縄に何をもたらすか。思考を停止して逃げずに、自分の頭で考えてほしいものだ。 


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