海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

カヌーで瀬嵩往復/米軍レイプ事件への抗議集会

2016-03-22 18:42:10 | 米軍・自衛隊・基地問題

 21日は朝、カヌー9艇で松田ぬ浜を出発した。ほかに4艇が浜の近くで初心者練習を行った。昨年夏からカヌーチームに参加し、4月からの新生活のため今日が最後となるメンバーの希望で、瀬嵩の浜まで往復することになった。

 長崎の岩場からフロートを越え、陸上部の作業の様子を見た。作業ヤードや仮設道路が建設される長崎付近の沿岸部に、杭を打って黒いネットを張っているのが確認できる。ヤドカリなどが入らないようにしているのか、あるいは土砂流出防止用なのか、いずれにしろ建設作業を進めるための準備の一つである。

 黒いネットの向こう側にはバックホーが1台置かれているが、この付近で目立った作業は見えなかった。

 陸近くの海上にスパッド台船が2基、使われもしないのに置かれたままになっている。そのうちの1基は放置状態が長く続いているため、4本のスパッドが赤黒く錆びている。こういうものを海に置いてあること自体が環境破壊だ。沖縄防衛局は即座に撤去せよ。

 コンクリートブロックや汚濁防止膜を積んだクレーン付き台船の様子を見てから瀬嵩の浜に向かった。

 フロートを越えるのもカヌーで海上行動を行う上で大切な訓練の一つ。隙間を見つけたり、海に入ってカヌーを引っ張り込んだり、各自で工夫をしてフロートを越えた。

 瀬嵩の浜まで競争し、スピードアップの練習も行った。

 瀬嵩の浜に咲く花々。この日は午後2時から県民集会があったので、20分ほど休んでから辺野古への復路を漕ぎ出した。

 瀬嵩の浜を出るとき、映画の撮影が行われていた。瀬嵩側のフロートを越え、途中で緑の台船の様子を見ながら大浦湾を渡った。長崎の岩場を抜けて松田ぬ浜に戻る途中、キャンプ・シュワーブ内の映画館の屋上から、廃棄物らしきものが落とされていた。

 解体工事が行われているようだ。これも新基地建設工事の一環である。国や沖縄防衛局は埋め立て工事ではない、というつもりだろうが、裁判所の和解を受け入れたのだから、陸上での工事・作業もいっさい止めるべきだ。沖縄県は強く抗議すべきだし、いつもながらの沖縄防衛局の姑息なやり方を許してはならない。

 それにしても、午前中の3時間ほどで瀬嵩の浜まで往復し、帰りは追い風とはいえ1時間15分ほどで松田ぬ浜に着いた。往路は陸や台船の様子を見ながらだったことを考えれば、みんな漕ぐ力がついたものだ。

 工事は中断していても、台船や陸上・海上の動きに対する監視活動は続けられている。楽な練習ばかりやっていたら、いつまでも力はつかない。中断期間を生かして、長距離を漕ぐ練習にも積極的に参加してほしい。大浦湾を自由に漕げるので気持ちがいい。

 午後2時からキャンプ・シュワーブのゲート前で、米海軍兵によるレイプ事件に抗議する県民集会が開かれたので参加した。短期間での取り組みにもかかわらず、主催者発表で2500人の参加があった。

 ガンバロー三唱のあと「沖縄を返せ」が歌われたが、集会が終わるのを待って米軍車両が次々と出てきた。抗議する市民をにやにや笑いながら写真を撮り、ふざけた仕草をしている海兵隊員の姿には、レイプ事件への反省などかけらも感じられない。

 訓練を終えた兵士たちが乗ったバスの窓からは、小銃の銃身がのぞいていた。そのにやついた顔を見ていると、沸々と怒りが込み上げてくる。こういう腐った米兵たちを1日も早く沖縄から叩き出さなければならない。


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