〈オスプレイ部品落下/本島周辺飛行中/通報、発生2日後〉
〈辺野古制限水域を拡大/日米合意/移設作業へ「臨時区域」〉
〈辺野古座り込みテント/展示物荒らされる/「暴力行為」関係者憤り〉
6月21日付琉球新報は、上のような見出しの米軍基地関連の記事を、1面や社会面に掲載している。23日の「慰霊の日」に向けて沖縄戦関連の記事が載っているとなりに、米軍関連の記事が並ぶ。戦争が遠い過去になりきらない沖縄の状況が、県内紙の紙面構成に連日反映している。
21日付同紙社会面に、2003年以降の〈米軍機からの主な落下事故〉の一覧表が載っている。それを見ると、今年に入って米軍機からの落下事故が急増している。
3月4日 F15戦闘機が訓練空域で操縦席風防を落下。
4月17日 米軍機からパラシュートで投下したドラム缶4本が伊江島の目的地外に落下。
4月24日 HH60ヘリコプターがうるま市上空で通風孔カバーを落下。
5月15日 F15戦闘機のエンジンカバーが落下。
5月21日 HH60ヘリコプターの電波高度計測アンテナのカバーが落下。
6月17日 MV20オスプレイが垂直安定板の付属部品(長さ約15センチで棒状)を落下。
部品落下事故が多発しているにもかかわらず、米軍の通報は遅れがちで、危機感も感じられない。軍事優先を当たり前と考え、沖縄県民の安全を二の次にしてはばからない。いくら「よき隣人」を装っても、米軍の素顔はこういうところで露出する。部品の劣化や装着ミスが原因と考えられるこういう事故をくり返しているうちに、沖縄国際大学へのCH53Dヘリコプター墜落のような大事故が起こるのだ。
20日の日米合同委員会で、キャンプ・シュワブ沿岸域で常時立入を禁止する「第1水域」を、岸から50メートルの範囲から2キロメートルの範囲へと拡大することが合意された。ボーリング調査を理由には禁止区域を拡大できないことを承知で、「米軍の訓練などに支障が生じる可能性がある」と理由付けしている。
ほんとうに米軍の訓練のために必要なら、とうの昔に2キロメートルの範囲で「第1水域」が設定されていただろう。工事完成後は再調整するということを見ても、米政府・米軍と日本政府・防衛省が結託して、反対運動を排除するために牽強付会で合意したのは明らかだ。
辺野古の海岸に設けられている座り込みのテントが荒らされたのが、日米合同委員会の合意と重なったのは偶然ではないだろう。テントがあるのは、夜間はめったに人が通らない場所であり、通りすがりにいたずらした、という類のものではない。ボーリング調査に向けて反対運動を排除する、という政治的狙いをもった嫌がらせであるのは明らかだ。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-227263-storytopic-1.html
同テントにはこれまで何度か、右翼グループが嫌がらせにきている。暴言を吐きながらテントにいるメンバーを脅迫、挑発し、その様子をビデオ撮影して、ユーチューブに投稿している。テントの展示物を破壊したのが誰かは、まだ明らかになっていないが、動機や行動パターンから真っ先に疑われるのは、反対運動つぶしを狙って、これまでに嫌がらせを行ってきた者たちだ。
高江のヘリパッド建設反対の行動に対しても、これまでに横断幕の持ち去り、立て看板の破壊、のぼりの切り裂き、駐車車両のナンバープレート盗難、テントの椅子を投げ捨てるなど、何度も嫌がらせが行われている。人がいない夜間や休日にかけての行為であり、下見をして計画的にやっていると思われる。
インターネット上には、辺野古や高江の反対運動の現場をこっそり撮影して、ケチ付けの材料として載せているブログもある。辺野古埋め立てに向けたボーリング調査や高江のヘリパッド工事再開が間近に迫るなかで、反対運動つぶしを狙った嫌がらせが、暴力的にエスカレートするのを許してはならない。