3月16日午後11時頃、名護市辺野古で沖縄県民が運転する軽乗用車に米軍車両が追突する事故があった。米軍車両は現場から逃走し、12キロ離れた金武町中川でエンジンがかかった状態で乗り捨てられているのが発見された。その後、海軍機動建設大隊所属の女性下士官が米憲兵隊に逮捕された。
被害車両に乗っていた親子3人が打撲や擦過傷などの怪我を負ったのだが、18日の琉球新報によると、〈助手席にいた2歳の男児は車外で見つかった。衝突で壊れた窓から外に投げ出されたものとみられる〉という。車体の横幅が広い米軍の四輪駆動車は、沖縄ではよく目にする軍用車両であり、公道を当たり前のように走っている(名護警察署は事故車をハマーと断定)。軍用車両と軽乗用車とでは車体の強度は比較にならない。後部が大破した軽乗用車の状況を見ても、被害者が軽傷ですんだのは、不幸中の幸いとしか言いようがない。
沖縄では昨年11月7日に読谷村で発生した米陸軍兵のひき逃げ死亡事件の記憶が生々しく残っている。同事件でも飲酒運転の可能性が指摘されていた。昨年4月にも那覇市松山交差点で米兵によるひき逃げ事件があり、3人が重傷を負っている。今月11日にはうるま市の県立中部病院の施設内に米軍車両が侵入し、ガードレールや縁石に接触、破損する事件もあった。
米軍は事件や事故のたびに「再発防止」「綱紀粛正」を唱えるのだが、この有り様であり、もはや通り一遍の言い訳で許してはならない。18日は午後から名護市議会の傍聴に行ったのだが、稲嶺市長は18日の議会終了後、在沖米総領事館、沖縄防衛局、外務省沖縄事務所に抗議に行くということだった。仲井真知事ももっと強い姿勢で米軍に抗議すべきであり、起訴前の身柄引き渡しなど地位協定についても政府に改定を迫るべきだ。
参考までに、以下に沖縄防衛局の問いに対する米軍の情報提供資料を紹介しておく。
平成22年3月18日
在沖米海軍艦隊活動司令部報道部から情報提供
問1 何があったのか。
答1 第1海軍機動建設大隊所属の4等兵曹が、3月16日午後11時頃、高機動多目的車両を運転中、日本人の運転する乗用車に衝突したとして、3月17日午前1時頃、憲兵隊により逮捕された。この水兵は、事故現場から数キロ離れた地点で逮捕され、憲兵隊により身柄を拘束された。
問2 運転手は誰か(氏名、階級、所属部隊、年齢等)。
答2 運転手とされる者の氏名は明らかにされていないが、4等兵曹、25歳で、第1海軍機動建設大隊に所属し、県内のキャンプ・シールズに勤務している。
問3 海軍の対応について問う。
答3 海軍は独自の捜査を行っており、また、沖縄の警察に全面的に協力している。
問4 軍車両に他の乗員はいたか。
答4 いなかった。
問5 運転手は公務中であったか。
答5 この問題については、現在行われている捜査の中で検討される。
問6 目的地はどこだったか。
答6 この問題については、現在行われている捜査の中で検討される。
問7 運転手は、なぜ車から逃げた、あるいは、車を捨てたのか。
答7 この問題については、現在行われている捜査の中で検討される。
問8 運転手は、酒に酔っていたのか。
答8 予備調査の結果、事故があった夕方に飲酒していたことが分かっている。
問9 事故は名護市で発生したと聞いているが、この高機動多目的車両は金武町で発見されている。容疑者は、実際どこで逮捕されたのか。
答9 金武町中川で逮捕された。
問10 容疑者は、この高機動多目的車両を盗んだと聞いているが、本当か。
答10 この政府車両が許可された上で使用されたかという問題については、現在調査中である。
問11 沖縄の警察が運転手から事情聴取することを許可するか。
答11 許可する。海軍は、日米地位協定に基づき、日本側の現地捜査機関に全面的に協力している。既に沖縄の警察から連絡があり、水兵からの事情聴取は明日(時間未定)行われる予定である。
問12 沖縄の警察に身柄を引き渡すのか。
答12 現時点では、日本の警察から起訴されておらず、今後の可能性について憶測することは適切でないと思われる。海軍は、日米地位協定に基づき、日本側の現地捜査機関に全面的に協力している。
問13 この隊員の現在の状況について問う。身柄はどこに拘束されているのか。
答13 水兵は軍により行動を制限されており、常時、所属部隊が管理・監督している。
問14 事故当時の精神状態を問う。
答14 現在捜査中である。
問15 第1海軍機動建設大隊は何をする部隊か。
答15 海軍機動建設大隊は、別名シービーとも呼ばれ、有事における建設工事、災害救援、及び人道支援を行う海軍部隊である。
問16 同大隊の現時点までの駐留期間と今後の駐留期間を問う。
答16 2009年(平成21年)8月から当地に展開している。軍の方針として、部隊の今後の計画については、お答えできない。
問17 米軍は、この事件について地元の自治体に説明したか。謝罪したか。
答17 (説明・謝罪)した。関係する政府機関に本件を通報し、海軍幹部が被害者家族を訪問した。
海軍のコメント
米海軍は、本件について遺憾に思っており、海軍幹部が被害者家族を訪問しました。地元の方々にご心配をおかけしたことを心から申し訳なく思っております。海軍は日米地位協定に基づき、現地の日本側当局による捜査に全面的に協力しております。
(沖縄防衛局業務課渉外係仮訳)
※新聞報道では容疑者は3等兵曹となっているが、ここでは4等兵曹となっている。また、18日に容疑者への沖縄県警の取り調べが行われている。
被害車両に乗っていた親子3人が打撲や擦過傷などの怪我を負ったのだが、18日の琉球新報によると、〈助手席にいた2歳の男児は車外で見つかった。衝突で壊れた窓から外に投げ出されたものとみられる〉という。車体の横幅が広い米軍の四輪駆動車は、沖縄ではよく目にする軍用車両であり、公道を当たり前のように走っている(名護警察署は事故車をハマーと断定)。軍用車両と軽乗用車とでは車体の強度は比較にならない。後部が大破した軽乗用車の状況を見ても、被害者が軽傷ですんだのは、不幸中の幸いとしか言いようがない。
沖縄では昨年11月7日に読谷村で発生した米陸軍兵のひき逃げ死亡事件の記憶が生々しく残っている。同事件でも飲酒運転の可能性が指摘されていた。昨年4月にも那覇市松山交差点で米兵によるひき逃げ事件があり、3人が重傷を負っている。今月11日にはうるま市の県立中部病院の施設内に米軍車両が侵入し、ガードレールや縁石に接触、破損する事件もあった。
米軍は事件や事故のたびに「再発防止」「綱紀粛正」を唱えるのだが、この有り様であり、もはや通り一遍の言い訳で許してはならない。18日は午後から名護市議会の傍聴に行ったのだが、稲嶺市長は18日の議会終了後、在沖米総領事館、沖縄防衛局、外務省沖縄事務所に抗議に行くということだった。仲井真知事ももっと強い姿勢で米軍に抗議すべきであり、起訴前の身柄引き渡しなど地位協定についても政府に改定を迫るべきだ。
参考までに、以下に沖縄防衛局の問いに対する米軍の情報提供資料を紹介しておく。
平成22年3月18日
在沖米海軍艦隊活動司令部報道部から情報提供
問1 何があったのか。
答1 第1海軍機動建設大隊所属の4等兵曹が、3月16日午後11時頃、高機動多目的車両を運転中、日本人の運転する乗用車に衝突したとして、3月17日午前1時頃、憲兵隊により逮捕された。この水兵は、事故現場から数キロ離れた地点で逮捕され、憲兵隊により身柄を拘束された。
問2 運転手は誰か(氏名、階級、所属部隊、年齢等)。
答2 運転手とされる者の氏名は明らかにされていないが、4等兵曹、25歳で、第1海軍機動建設大隊に所属し、県内のキャンプ・シールズに勤務している。
問3 海軍の対応について問う。
答3 海軍は独自の捜査を行っており、また、沖縄の警察に全面的に協力している。
問4 軍車両に他の乗員はいたか。
答4 いなかった。
問5 運転手は公務中であったか。
答5 この問題については、現在行われている捜査の中で検討される。
問6 目的地はどこだったか。
答6 この問題については、現在行われている捜査の中で検討される。
問7 運転手は、なぜ車から逃げた、あるいは、車を捨てたのか。
答7 この問題については、現在行われている捜査の中で検討される。
問8 運転手は、酒に酔っていたのか。
答8 予備調査の結果、事故があった夕方に飲酒していたことが分かっている。
問9 事故は名護市で発生したと聞いているが、この高機動多目的車両は金武町で発見されている。容疑者は、実際どこで逮捕されたのか。
答9 金武町中川で逮捕された。
問10 容疑者は、この高機動多目的車両を盗んだと聞いているが、本当か。
答10 この政府車両が許可された上で使用されたかという問題については、現在調査中である。
問11 沖縄の警察が運転手から事情聴取することを許可するか。
答11 許可する。海軍は、日米地位協定に基づき、日本側の現地捜査機関に全面的に協力している。既に沖縄の警察から連絡があり、水兵からの事情聴取は明日(時間未定)行われる予定である。
問12 沖縄の警察に身柄を引き渡すのか。
答12 現時点では、日本の警察から起訴されておらず、今後の可能性について憶測することは適切でないと思われる。海軍は、日米地位協定に基づき、日本側の現地捜査機関に全面的に協力している。
問13 この隊員の現在の状況について問う。身柄はどこに拘束されているのか。
答13 水兵は軍により行動を制限されており、常時、所属部隊が管理・監督している。
問14 事故当時の精神状態を問う。
答14 現在捜査中である。
問15 第1海軍機動建設大隊は何をする部隊か。
答15 海軍機動建設大隊は、別名シービーとも呼ばれ、有事における建設工事、災害救援、及び人道支援を行う海軍部隊である。
問16 同大隊の現時点までの駐留期間と今後の駐留期間を問う。
答16 2009年(平成21年)8月から当地に展開している。軍の方針として、部隊の今後の計画については、お答えできない。
問17 米軍は、この事件について地元の自治体に説明したか。謝罪したか。
答17 (説明・謝罪)した。関係する政府機関に本件を通報し、海軍幹部が被害者家族を訪問した。
海軍のコメント
米海軍は、本件について遺憾に思っており、海軍幹部が被害者家族を訪問しました。地元の方々にご心配をおかけしたことを心から申し訳なく思っております。海軍は日米地位協定に基づき、現地の日本側当局による捜査に全面的に協力しております。
(沖縄防衛局業務課渉外係仮訳)
※新聞報道では容疑者は3等兵曹となっているが、ここでは4等兵曹となっている。また、18日に容疑者への沖縄県警の取り調べが行われている。
「機動多目的装輪車」という意味の英語を略したもので、日本では三菱パジェロ・自衛隊制式に相当する車種です。
こんばんは
この事件、新聞記事は収集してましたが、
【資料】沖縄名護市ひき逃げ報道の変遷
http://www16.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/2638.html
防衛施設局からの質問と米軍からの回答は、はじめて知りました。
この回答の内容も、「逮捕」を「身柄拘束」と言い換えるなど、後から訂正されているのですね。報道記事の二転三転は県警や名護署の説明の移ろいに拠ると思われます。それも、防衛施設局と米軍との、こうしたやり取り(思いやり)に拘束されて起きたのかもしれません。
憲兵隊、県警捜査阻む 米軍車両ひき逃げ
http://ni0615.iza.ne.jp/blog/entry/1511356/
名護警察署も事故車両はハマーと断定していました。
ハンビーの部分は訂正したいと思います。
沖縄がはやくこのような事故とは無縁になるよう、祈ってます。(一方、今後もっと受け入れる側のグアムの地元民は、みな戦々恐々としていますが)