本能寺の変 「明智憲三郎的世界 天下布文!」

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本能寺の変:定説の根拠を斬る!「岡田以蔵と毒饅頭」

2010年06月27日 | 427年目からの挑戦
 NHK大河ドラマの龍馬伝は楽しく見ています。今までの紋切り型の幕末物と少し違う描き方が歴史捜査のヒントになるのではないかという期待もあって、出演者の魅力的な演技にも引き込まれていっています。
 ★ 龍馬伝:坂本龍馬と岩崎弥太郎
 ★ 龍馬伝:岩崎弥太郎のDNAと三菱
 ★ 武市半平太・明智光秀子孫説を斬る!

 本日の放送では囚われの身の武市半平太が拷問に苦しむ岡田以蔵を楽にしてやろうと、岩崎弥太郎に頼んで毒饅頭を以蔵に渡すという話でした。弥太郎が逡巡して成功しなかったのですが、半平太、以蔵、弥太郎のそれぞれの感情が切々と伝わる感動的な話でした。
 でも、この話は龍馬伝の脚本家の創作です。
 肝心の岩崎弥太郎がこの話を書き残してはいません。この話は半平太と以蔵と弥太郎の三人の秘密の話として描かれていますが、半平太と以蔵はその後に処刑されてしまいました。弥太郎はこの話を書き残していないので証人はいないということになります。
 大河ドラマを見ている多くの方々は、これが脚本家の創作だということは十分理解した上で、こういう話があってもおかしくはないのでは?という思いでみていると思います。そう思わせるだけの説得力が今日のドラマには十二分にありました。それだけの素晴らしい番組だと思います。
 おそらく江戸時代に軍記物を書いた作者達も自分が歴史の真実を書いたとは思っていなかったと思います。『太閤記』や『明智軍記』などを大河ドラマと同じような「お楽しみ番組」としていろいろなお話を創作して書いたのです。それを庶民が受け入れて面白おかしく楽しんだことは当然のことだと思います。彼らも史実ではなくても、ありえることと信じていたのでしょう。真実かどうかを問題にするよりも、歴史上の人物や出来事にロマンや人情を感じたいという思いが先行したのだと思います。
 それは全く無理からぬ当然のことなのですが、科学的・論理的であるべき現代の本能寺の変研究者がその軍記物の記述を史実と評価して受け入れているのは余りに異常です。現代の本能寺の変研究の定説がこのような「お話」を根拠にしていることを是非、是非ご理解いただき、これを正していく活動にご支援をいただきたいと思います。
今やっておかないと、NHK龍馬伝のお話も四百年後には「史実」となっているのではないでしょうか。「武市半平太は岡田以蔵に毒饅頭を渡した」となるのです。
 
 ★ 刷り込まれた本能寺の変の通説
 ★ 定説の根拠を斬る!「中国大返し」
 ★ 定説の根拠を斬る!「安土城放火」

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【定説の根拠を斬る!シリーズ】
   定説の根拠を斬る!「中国大返し」
   定説の根拠を斬る!「安土城放火犯」
   定説の根拠を斬る!「岡田以蔵と毒饅頭」
   定説の根拠を斬る!「神君伊賀越え」
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