たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

雨の中の薔薇

2024年05月22日 20時22分38秒 | 日記

2024年5月13日(月)ブルーモウメントが訪れる前の海辺の薔薇園。

雨が降っていたので人が少なく、ゆっくりと回ることができました。

救急車のサイレンがなんどもきこえました。現実は絶望的ですが丁寧に手入れされた薔薇の花束たちが見頃を迎え夢の中にいるようでした。これでもかというぐらいスマホで撮りました。写真にしてしまうと実につまらないですが思い出に何枚か掲載。

海と船と薔薇と緑。郷里近郊にはない風景。

極寒の間ほとんど歩くことができなかった分、春から初夏にかけて可能な範囲で季節のうつろいを感じています。スーパーのすぐ近くにある個人のお宅の真っ赤な薔薇も見頃です。

 


「現代日本人の心と行動の分析」-2004年セスク「論理療法」資料より

2024年05月22日 16時21分56秒 | グリーフケア

「「現代日本人の心と行動の分析」聖心女子大学教授 橋口英俊

 

★現代日本人の心と行動

 大変難しいテーマですが、現代のような国際社会の中にあっては、日本人だけを切り離して考えることは不可能で、広く民族、歴史、文化を越え、普遍的な人間としての生き方、あり方が問われているように思います。人間は他のすべての動物の中で、最も進化しているといわれていますが、果してそうでしょうか。生きとし生けるものすべて、それぞれの生をこの世で全うできるように素晴らしい地球社会を形成するのに貢献していることは、多くの動植物学者がこぞって認めているところです。人間はその一員に過ぎないのです。そのことを忘れ、自然の調和を身だし、素晴らしい地球環境を破壊し、人間同士の不毛ないがみ合いや権力争いが世界を巻き込む大戦争となり、まったく罪のない夥しい人々を死に導く。他の生物の世界では考えられないことです。進歩とは、進化とは一体何でしょうか。

 

 第二次世界大戦中、ユダヤ人というだけでアウシュビッツの強制収容所に捕まえられた残酷体験記『夜と霧』でおなじみの精神医学者フランクルは、フロイトやアドラーなどの精神分析の不備に気づき、新たに実存分析(のちにロゴセラピー)を提唱しました。人間のこころの原型を、フロイトは「快楽への意思によって、またアドラーは「権力への意思」によって説明しようとしました。これらは他の動物にも共通してみられる「本能性・衝動性」を強調した立場といえるでしょう。フランクルは、人間の「こころ」にはそれら他の動物に共通した心理も当然あるが、それに加えて他の動物にはない、人間ならではのより次元の高い心理があると考えました。そして、前者を「心」とよび、後者を「精神」とよびました。つまり、人間を「体」「心」「精神」の三次元でとらえようとしたところにその特徴があるといえます。本稿では、そのうちの「心」と「精神」について取り上げてみたいと思います。ここでいう「心」とは、食欲、性欲、衝動性、権力欲、私利私欲にとらわれやすいこころをさします。また「精神」は、人間特有の精神機能をさし、人間らしさ、人間ならではのこころで、平和を尊び、耐えざる向上心、自他の人格生命をともに尊重する人間(生命)尊重の精神を根底に持ち、人間としてまっすぐに生きようとする強いこころをさします。すなわち、フランクルは前述の動物と人間に共通のこころより、もっと高次の「精神機能」を発現させることにより、自らの自由意志に基づいた責任ある決断を行い、人生の意味や、価値を追求しうる存在、「意味への意思」を発動することのできる存在とみるのです。つまり人間は前向きに生きていこうとする意志を持ち、そのような態度がとれる存在であり、そこにこそ人間の価値があると考えます(態度価値)。

 

 人類の歴史を振り返ってみますと、冒頭にもちょっと触れましたが、ある意味では闘争(戦争)の歴史であり、21世紀を迎えた現在も世界各地で世を震撼させるような事件の数々は目を奪うばかりです。「心」と「精神」のバランスが大幅に崩れ、ますます前者に傾斜していることを示しています。

 

 そのこともあり、現在世界が日本に注目しています。文明の進歩幻想の名の下に、世界が先に述べた人間ならではの「精神機能」を弱化あせている風潮は否定できません。世界唯一の被爆国日本、欲しがりません勝つまではと世界を相手に、一部の軍国主義指導者によりはじめられた無謀な戦争、すさまじい犠牲者と瓦礫の山、一面の焼け野原、世界各地に夥しい被害をまきチラシ、一億総玉砕の寸前に原爆がとどめをさし、終戦を迎えました。

 

★心と精神のバランスが大切

 物心ともに荒廃の極地にあった日本が、紆余曲折の末、戦後見事に立ち直り、今日にの経済大国といわれるまでに発展した姿は、未だ惨禍の渦中にある多くの国々の人々にとっては奇跡に映り、関心がもたれるのも当然といえるかもしれません。人間の心理には「心」と「精神」があり、両者のバランスが問題で、前者に傾いたまま経済大国になると、逆にそれが禍いして、本能の赴くままの衝動的人間、私利私欲に目がくらみ、人の和を乱し、さまざまな不祥事を招きかねません。物質文明が高度に発達しても、「精神」の発達が伴わなければ、万人の望む平和は得られないのです。人間ならではの精神文明の発達が今ほど求められているときはありません。世界が日本に期待しているのはまさにそこにあると思います。ところが今の日本人のこころはどうでしょうか。政界、財界、家庭も学校もマスコミもますます「心」に傾斜し、「精神」がなおざりにされているような印象を受けます。

 

 戦後のあのすさまじい混乱から立ち直れた一つに、戦争の反省から、不戦の誓い、人間の尊厳を第一とする「精神」に国民全体が気づくきっかけとなった平和憲法の力が大きかったと思います。何もない中で、ひたすら真面目に勤勉に努力した結果、驚異的な復興を遂げ世界有数の経済大国といわれるまでになりました。半面人々を襲う不安や恐怖、ストレスなどが、近年逆に多くの不幸をエスカレートさせています。よく初心忘るべからずといいますが、その過程で人間として最も大切な「精神」を置き去りにして、そのバランスを失った「心」のみがすべてであるかのような錯覚文化が一人歩きをはじめてはいないでしょうか。最近さまざまな分野でみられる不祥事の数々、子どもの不登校や引きこもり、中高年の自殺の激増はまさに現代のアウシュビッツであり、それに対する警鐘のように思えてなりません。その貴重な声に謙虚に耳を傾け、初心を忘れないためにもこのようなグループ学習の意義は大きいと思います。今だからこそ人間ならではの「精神」が人類に求められているときはないと思います。グループのご発展を心からお祈りしております。」

 


『ANNE OF THE ISLAND』より

2024年05月22日 10時13分44秒 | 『赤毛のアン』

"This has been the most beautiful of my life."

 Anne said to Phil that night.

"I,ve found my father and mother.Those letters have made them real to me.

I,m not an orphan any longer.I feel as if I had opened a book and found roses

of yesterday,sweet and beloved,between its leaves.

 

「「今日は、私の人生でもっとも美しい一日だったわ」

 その夜、アンはフィルに語った。

「お父さん、お母さんを見つけたんだもの。二人の手紙を読んで、両親が本当に生きていたんだって実感したの。私はもう孤児じゃないわ。まるで一冊の書物を開いたら、ページの間に、過ぎ去りし日の薔薇の花が甘くきれいに咲いているのを見つけたような気持ちよ」 」

 

(松本侑子訳『アンの愛情』より-第21章過ぎし日の薔薇)