2012年03月29日(木)
柏市 東電に28億円余請求 3月29日 17時11分 NHKニュース 千葉県柏市は、原発事故で広がった放射性物質を取り除く除染や、ごみを燃やしたあとの放射性物質を含んだ焼却灰の保管などにかかった費用の全額に当たる、合わせて28億円余りを東京電力に請求しました。 柏市は、29日午後、東京電力の担当者を市役所に呼び、石黒博副市長が請求書を手渡しました。 請求額は、今年度、放射線対策として市が負担した全額に当たる28億2520万円です。 このうち、放射性物質が付着した学校の校庭や道路の側溝などの土を取り除く除染がおよそ21億5630万円と4分の3を占めています。 柏市は、国の「汚染状況重点調査地域」に指定され、国の財政支援を受けて市内の全域で除染を進めることになります。 国の負担分は確定していないため、今後、差し引かれるということです。 一方、市の焼却施設では、ごみを燃やしたあとの焼却灰から高い濃度の放射性物質が検出され、埋め立てることができない灰をドラム缶に入れて一時的に保管しています。 こうした保管費用としておよそ4億7930万円を請求しています。 さらに、放射性物質の量を測定する機器の購入費として、およそ7750万円が盛り込まれています。 柏市は、今後新たに生じた費用については改めて東京電力に請求することにしています。 請求書を手渡した石黒副市長は「被害を受けたうえに市民の税金を使って対策を行うような現状は容認できず、東電には速やかに支払いを求めたい」と話していました。 東京電力によりますと、千葉県内では流山市や白井市も同じような請求をしているということです。 東京電力千葉補償相談センターの森直人所長は「対応に苦慮する自治体に、いつ、どうやって支払うか明言できず、たいへん申し訳なく思う。原因者として責任をもって対応できるよう努めたい」と話しています |
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千葉県公安委に調査チェックを要請
3月29日 17時52分 NHKニュース 長崎県で起きたストーカー殺人事件で、千葉県の習志野警察署の署員らが被害届の受理を先送りし、慰安旅行に行っていた問題で、国家公安委員会は、千葉県の公安委員会に対し、警察が現在行っている調査をチェックし、真相解明などに万全を期すよう異例の要請を行いました。 この問題は、長崎県西海市で起きたストーカー殺人事件で、ストーカー被害を受けていた女性の父親が、事件の10日前に千葉県の習志野警察署に被害届を出そうとした際、警察署がほかの事件の対応があるとして、「1週間待ってほしい」と伝えながら、対応した署員を含む12人が署内のレクリエーションで北海道旅行に行っていたものです。 これについて、松原国家公安委員長は29日の会見で、「国家公安委員会としても事態を重く受け止めている」と述べ、千葉県警察本部を監督する立場にある県の公安委員会に対し、千葉県警が行っている調査をチェックし、真相解明や再発防止に万全を期すよう要請したことを明らかにしました。 この要請は、29日に開かれた国家公安委員会で、委員から「透明性・客観性のある調査が必要だ」といった意見が相次いだことから行われたもので、国家公安委員会が都道府県の公安委員会にこうした要請をするのは異例だということです |
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「格納容器壊れない」 安全委 震災半年前 2012年3月28日 東京新聞朝刊 東日本大震災の約半年前、原発事故に備えた防災指針見直しの準備を進めていた原子力安全委員会が、「日本では旧ソ連チェルノブイリ原発事故のような、高濃度(ホット)スポットができる事故はあり得ない」とし、従来の防災重点区域(EPZ、八~十キロ圏)の拡大を考えずに見直し作業に入っていたことが、安全委が二十七日に公開した文書で分かった。 文書は、安全委が二〇一〇年十月に、電力会社でつくる電気事業連合会(電事連)と打ち合わせをした際のメモなど。 文書によると、会合で電事連側は、重点区域を拡大すると予算がかかり関係する自治体が増えるなど懸念を示した。 これに対し安全委の担当課長は「十キロ超では対策を要する水準にならない」「従来のロジック(論理)を踏襲したい」などとし、従来のEPZで十分との考えを示した。 安全委の専門職員である技術参与も、チェルノブイリ原発には格納容器がないことを念頭に、「(あのような事故は)日本ではあり得ないと言っており、これからも基本的に同じスタンスでいく」と述べていた。 安全委が重点区域拡大を考えなかった背景には、〇六年に経済産業省原子力安全・保安院の圧力で、拡大を断念したことも影響しているとみられる。 見直しは、重大事故時に住民がすぐ避難する五キロ圏の予防防護措置区域(PAZ)を設定することもポイントで、安全委はPAZは導入したい考えだったが、電事連は「導入などをすれば、地価の下落や観光客の減少を招く」などと、否定的な意見を安全委に文書で伝えていた。 担当課長は本紙の取材に「国内の原発では格納容器は壊れないと考えていた。今から思えば想定が不十分だったとのそしりは受けなければならない」と話した。 |
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「炉心溶融」記述1点だけ 高校教科書検定 2012年3月28日 東京新聞朝刊 文部科学省は二十七日、二〇一三年度から使用される高校教科書(主に一年生用)の検定結果を発表した。今回合格した二百十八点(専門科目を除く)中、24%にあたる五十三点が東日本大震災を取り上げたが、東京電力福島第一原発事故は7%の十六点にとどまった。事故の炉心溶融(メルトダウン)について記したのは一点だけで、事故の記述そのものを見送った教科書会社も多い。 炉心溶融に触れたのは啓林館の物理。原発の仕組みを図を使い解説し、今回の事故について「複数の炉心冷却機能がすべて失われて炉心溶融が起き、原子炉内の放射性物質が外部に放出された」と説明した。 新学習指導要領の物理は、原子核の崩壊や核反応について教えることを定めている。同社は「原子核に関連する内容として学んでほしいと考えた。炉心溶融はもともと記述を予定していたが、福島の事故も反映させた」としている。物理では今回申請された他の四点は、福島第一原発事故に触れていない。 現代社会では山川出版社が「住民の避難に始まり、農業や漁業への被害、電力不足による計画停電など、首都圏を含む広い地域の人びとの生活と社会に、はかり知れない影響をあたえた」とした。十二点中六点は触れなかった。 啓林館、山川出版社ともに記述に検定意見は付いていない。 多くの教科書会社が震災や事故の記述を見送った背景には、検定申請の締め切りが昨年五~六月で、事故発生から時間が限られていたこともある。文科省側がこれまで、原発について検定意見を繰り返し付けてきたことも、各社の慎重姿勢につながっているとみられる。 文科省の検定規則によると、「更新を行うことが適切な事実の記載」などがあった場合、訂正申請ができる。来春の使用開始までに、現代社会などで記述の追加や変更がされる可能性がある |
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