たそがれ株屋のひとりごと

昔とった杵柄で、今の相場を懐メロ感覚で分析 時代遅れもまた楽し
リタイヤされた方に一服の清涼剤となれば望外の幸せ

ブログへの想い

証券会社の社長を最後に引退してからはや幾年、ボケ防止にネット取引を始めたが、隔世の感ある状況に戸惑う毎日。掲示板を覗くと何とも品格のかけらもない投稿だらけ。そこで一念発起、懐メロ感覚で今の相場を分析し、たとえ時代遅れといわれようと、同じ思いを抱くかたがたに過ぎ去りし良き時代に思いを馳せていただければ幸甚。

ブラックフライデー

2010-11-23 09:29:19 | 日記
ブラックフライデー(BlacK Friday)
1969年(明治2年)、米国ウオール街の株価暴落に端を発した世界大恐慌が始まった日、不吉な金曜日として歴史に記憶されている。
しかし、ここでいうブラックフライデーは米国の「ThanKs・giving Day,感謝の日」(今年は11月25日木曜日)の翌日の金曜日の事を指す。年間個人消費の30%以上を占めるクリスマス、年末商戦がスタートする日。大半の米国人は休暇を取って家族とショッピングを楽しむ。この日は全ての小売店が「黒字ーBlacK」になることからこの名称がついた。
 GNPの60%を占める個人消費の動向を左右する年末商戦の行方が米、景気回復の指標となる。共和党が提唱する、全ての所得階層への減税、いわゆる「ブッシュ減税」に政権与党の民主党がどの程度歩み寄るかが注目される。もし減税が実現すれば年末商戦はおおいに盛り上がるだろう。これは景気回復の強力な援軍となり、底入れしつつある米景気を勇気ずけることになる。11/5日の11,451ドル、高値から350ドル前後、下落して調整中のNY株に上昇のインパクトを与えるキッカケになるのではないか。
  この意味で、B・Fridayを起点とする年末商戦の行方に注目したい。円安、好業績を背景に上昇してきた日本株も、ここのところ過熱警戒信号が点滅。NY株高の援軍が欲しいところ。日米の株価動向を注視したい。

「家つき、カーつき、ババア抜き」

2010-11-18 10:56:18 | 日記
「家つき、カーつきババア抜き」
  昭和35年(1960年)ごろに流行った若い女性が希望する結婚相手の男性の条件をいった言葉。この年、池田勇人内閣の下で策定された長期経済計画が「国民所得倍増計画」。1961年からの10年間で実質国民所得(GNP)を26兆円に倍増させる計画で、経済学者下村治が立案した。国会での野党の「荒唐無稽の計画だ」と非難された池田首相が「私は嘘を申しません」と答弁したのはあまりにも有名。その後日本経済は驚異的に成長し、約7年で国民一人当たりの実質国民所得は倍増を達成した。
  ところでわが国の株式市場は長期低迷が続き、平均株価は30年前の水準にある。日経グループのQUICK(クイック)は市場関係者を対象としたアンケートを実施し、長期低迷から脱しきれない日本の株式市場の構造的な課題は何かという問いかけをした。その回答の上位をしめたのは
1、生産労働人口の減少
2、政治のリーダーシップ不足
3、金融行政の失敗 
4、新興国の追い上げによる競争力の喪失
 などである。
 このまま株価の長期低迷が続けば強い財政、強い社会保障どころではない。企業や家計、国家財政はむしばまれ、結局増税の形で国民の懐を直撃することになる。この際、政府は所得倍増ならぬ「株価倍増プラン」を打ち出したらどうか。株価が倍になれば内向き志向にも変化が生じよう。企業の利益成長が前提だが、株価倍増に向けて国も企業も実現可能な対策を総動員すべき時ではないか。

冬のソナタ

2010-11-14 09:13:16 | 日記
こがらしや 海に夕日を 吹き落とす  夏目漱石
  韓国ならチェ・ジウ、日本ならおしん。市場調査会社がベトナムの女性に知っている女優を尋ねた結果だ。韓国女優は「冬のソナタ」のチェさん以外の名も次々と上がる。日本人では貧しさを描いたドラマの主人公ぐらいだった。経済産業省は今年まとめた報告書でこの結果をひきつつ、ベトナム市場で韓国化粧品が売れる理由にドラマ輸出の成功を挙げる。女優たちの活躍を通じ、中高年向けの印象が強い日本製品とは違う、華やかで若々しいイメージを作り上げたようだ。
  サムソン経済研究所に海外での韓流の広がりを4段階に分けた論文がある。音楽やドラマに触れてスターを好きになる。次は撮影地を旅し、DVDなどを集める。さらに電子機器や生活用品など一般の韓国製品を選び始め、最後は韓国そのもののフアンになる。ベトナムや中国は第3段階、日本は第2段階とみる。日本でも韓国のKARAなど女性アイドル集団の人気に火がつき、韓国関連の店が集まる東京の大久保界隈が若者で賑わい始めた。新世代は韓国発の雑貨や服をカッコいいものととらえ始めたようだ。やがて車や家電の購入にもつながるのだろうか。
韓流や 海に車を 吹き落とす 事態になりかねない。さらに深刻なのは新興国における日本の「イメージダウン」だ。このままではやがて日本企業の海外戦略に影を落としかねない。日本の女優陣の奮起に期待したい。NHKのテレビ小説で全国的人気になった「ゲゲの女房」をドラマ輸出してみてはどうか。主演の「松下奈緒」は背も高く、音大出身でピアノ演奏もプロ並み、ファッションセンスもよく”おしん”のイメージを払拭する格好の女優と思うのだが・

日本株っていいかも

2010-11-10 08:23:10 | 日記
女優の藤原紀香さんが「国債っていいかも」と語りかける財務省の国債販売キャンペーンは、2002年6月から1ケ月間行われた。当時の国債利回りは1,315%でひょっとすると「いいカモ」にされると思われたが、その後、0,9%に低下しているから、今から振り返ればそこそこの商品だった。
上場企業の72%に当たる848社が8日までに決算発表を終えたが、11年3月期通期の予想経常増益率は事前予想の38,1%を8,5ポイント上回る46,7%となった。今後の円相場が1ドル80円台前半で推移するならば、経常利益はリーマンショック前の70%程度になる見通し。当時の日経平均のピークは07年7月9日の18,261円。「その7掛けと考えても12,800円前後まで値上がりしていい計算だ」(東海東京証券 調査部)。
 市場関係者の間では「政府が法人税率の引き下げと環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を決めれば、株価の位置が変わる」との予想が多い。政府、日銀、経済界の足並みがそろえば「日本株つていいかも」といえる日が来そうだ。
「いいカモ」にならないように気をつけることは肝要だが・・・。

ブラームスはお好き?

2010-11-05 13:31:36 | 日記
「悲しみよ今日は」、フランスの女流作家、フランソワーズ・サガンが1935年に18歳で書いた世界的ベストセラー小説。その映画化で主演したイブ・モンタンが作中で歌った主題歌が「ブラームスはお好き?」である。この曲も大ヒットした。なかなか粋な洒落たシャンソンで、「枯葉」「愛の賛歌」と並ぶモンタンの代表歌である。秋も深まり、シャンソンが相応しい季節になった。何歳になってもこの季節の「枯葉」は人生の愛と哀しみを感じさせる名曲だ。
 長期低迷で「株嫌い」が蔓延しているが、そろそろ「株はお好き?」にイエスと答えてもいいかもしれない。世界的な金融緩和で金利は歴史的な低さ。株式配当利回りを大幅に下回っている。日銀も応呼してゼロ金利を続ける。株価は日本以外の国々で史上最高値を窺う。日本株は1989年の最高値の四分の一以下のレベルで、企業の解散価値(PBR-株価純資産倍率)を下回るものも多い。我国の財政悪化がもたらすかもしれない将来の「インフレ対策」として、株式を資産ポートフォリオの一部に組み入れてみるのも良いのではないか。
”インフレよ今日は”"株はお好き?”がものを言う時もそう遠くないのでは?
キリマンジャロのコーヒーを飲み、「枯葉」を聞きながら考えるのも、無駄ではないかもしれない。