たそがれ株屋のひとりごと

昔とった杵柄で、今の相場を懐メロ感覚で分析 時代遅れもまた楽し
リタイヤされた方に一服の清涼剤となれば望外の幸せ

ブログへの想い

証券会社の社長を最後に引退してからはや幾年、ボケ防止にネット取引を始めたが、隔世の感ある状況に戸惑う毎日。掲示板を覗くと何とも品格のかけらもない投稿だらけ。そこで一念発起、懐メロ感覚で今の相場を分析し、たとえ時代遅れといわれようと、同じ思いを抱くかたがたに過ぎ去りし良き時代に思いを馳せていただければ幸甚。

明日では遅すぎる

2010-02-27 08:35:01 | 日記
「明日では遅すぎる」1955年(昭和 30年)ごろのピア・アンジェリ主演の、米青春映画が懐かしく思い出される。
 
 今、欧米企業で「BRICS(ブリックス)ではもう遅い。」が合言葉になりつつある。注目されているのは、「BOP」(ボトム・オブ・ピラミッド)ビジネスだ。「経済のピラミッドの最下位に位置づけられる貧困層は、もはや援助の対象だけではなく新消費者であり、先進国はビジネスを通じてその所得や生活環境を向上させるべきだ」ミシガン大学 C・Kプラハード教授が2007年に提唱。明確な基準はないが「世界資源研究所」と「国際金融公社」は、一人当たりの年間所得が購買力平価ベースで、3,000ドル以下の世帯と定義。対象は40億人(アジア、アフリカ、中東、中南米など)で市場規模は5兆ドルと試算している。

 収益性と社会的貢献が両立できるビジネスモデルとして「CSR」(企業の社会的責任)の意識が高い欧米、日本企業を中心に取り組みが広がりつつある。例えば「マンダム」(男性用化粧品メーカー)はインドネシアで整髪料「ギャッピー」の小袋を1袋300ルピアで販売、日本円にしてわずか3円だ。それでも中身は日本と同じ。ただし容量はわずか8gだ。これが年間3億袋も売れてしまう。「おばちゃん、これ一つちょうだい。」「あら、お洒落しちゃって。今日はデートかし?」インドネシアの地方都市の街角でこんな光景がよく見られるそうだ。若い男性が手を伸ばすのは「ギャッピー」の小袋。一見魅力的でないこの市場でマンダムは連結売上高の2割を稼ぐ。マンダム・インドネシアの2008年の売上高は約124億円と10年前の3倍以上。営業利益率も14%。頭打ちの国内販売を横目に成長を牽引する柱に育った。
ほかにも、資生堂、キリンHDG、タカラトミー、王将、スズキなど、低価格戦略を展開し、この膨大な「BOP」マーケットをターゲットにする企業が急速に増加している。
 まさに「明日では遅すぎる」だ。
 

朝日に匂う山桜

2010-02-24 08:28:20 | 日記
「敷島の大和心を人問わば、朝日に匂う山桜かな」 本居 宣長 
山桜は染井吉野より開花が遅く、花より茜色の葉が先に開く。(御室の桜も山桜の一種)

「敷島の大和心」とは程遠い政治の混乱が続く。長崎知事選は鳩山政権に対する世論の警鐘として深刻に受取るべきだろう。民主党トップ二人の「一蓮托生」政治からの脱却をはかり、自浄力を発揮しなければ、来る参議院選の大敗は必至だろう。政治家は自らの進退を自ら決す決断がなければ、政治家ではなく「政治屋」と言わざるを得ない。早急な決断を望むのみ。
今、問われているのは、「大和心」に恥じない政治、ひいては国家の品格である。当然のことながら企業経営者にも品格と社会的責任が問われる。創業者、佐吉翁も嘆きかねないトヨタの不祥事、対応の悪さは”カイゼン”至上主義で利益追求に走り、顧客目線を忘れた結果だ。わが国の基幹産業であるトヨタの再生を願うばかりだ。松下幸之助翁の「社会に貢献する企業を目指す。その結果として利益が得られる」との社訓に学びたいものだ。
「朝日に匂う山桜」の気品と気高さが、政治、企業経営、国民生活に浸透する世の中になることを、かなわぬまでも夢みたいものだ。

新市場に期待

2010-02-20 09:51:59 | 日記
「七重八重 花は咲けども山吹の 実のひとつだに なきぞかなしき」 後拾遺集 醍醐天皇の皇子
大田 道灌 (室町時代の武将、歌人)が、遠乗りに出かけた時ににわか雨にあい、たまたまそばにあった農家に駆け込み、出てきた少女に「蓑を貸してくれぬか」とたのんだ。少女は道灌をじっと見つめてからすっと外に出てゆき、雨に濡れた山吹の花一輪を差し出した。「この娘は頭がおかしいのでは」と雨の中を帰途についた。帰宅して「山吹の歌」の意味を知った道灌は不明を恥じ,この日から歌道に精進したという。
時価総額 300兆円の東証第一部市場。「先物取引」「裁定取引」に翻弄され、株式市場本来の長期リスク資本の調達という使命が忘れられたマーケットと化し、個人投資家の離散を招いている。まさに「実のない花」の様相を呈している。今年の九月に、ジャスダック、ヘラクレス、ネオの三市場が統合され、時価総額約10兆円の「大証ジャスダック市場」が誕生する。この市場は先物、裁定取引とは無縁であり、個人投資家の参入が期待される。近々に詳細が発表される見込みだが、「スタンダード」と「グロース」の二本建てになるという。スタンダードには時価総額の大きい楽天、セブン銀行、第一興商など。グロースにはユビキタス、ウエブマネーなどの小ぶり研究開発型企業や設立間もない有望企業が上場される見込み。低迷する個人不在の今の市場にとってかわる、魅力ある新市場の誕生を大いに期待したい。
 
ところで余談だが、先般、NHKテレビで放映されて以来動意含みのユビキタスに興味をひかれる。、現在10~15秒程度もかかるいいわれる携帯電話やパソコン、デジタル家電(テレビなど)の起動時間を、なんと1秒に短縮するという画期的新技術「クイック ブート」を開発。今問題になっている待機電力の削減につながり、政府の掲げる温暖化ガス25%削減にも貢献する技術だろう。それを評価してか、株価は日足で「赤三兵」週足で「三空」と、めったに現れない「暴騰型」の罫線を示現した。かっての「ソニー」「大和ハウス」を彷彿させるが、赤三兵と三空の両者を同時に示現した罫線はとんと記憶にない。「酒田五法」によれば、このような罫線が出現すれば、直近安値の10倍以上になるといわれる。
 「大証ジャスダック」がその機能をフルに発揮して、ユビキタスのように新しい技術を開発する会社が続出し、今は機会がないまま眠っているであろう日本国民の類まれな潜在能力が開花し、世界に羽ばたくチャンスを与える市場になることを大いに期待したい。

エーゲ海から吹く風

2010-02-19 07:47:14 | 日記
魅せられて  ジュディ・オング
「南にむいてる窓をあけ、ひとりで見ている海の色、美しすぎるとこわくなる、若さによく似た真昼の蜃気楼、Wind is blowing from the Aegean(エーゲ海から吹く風)女は海、好きな男の腕の中でも、ちがう男の夢を見る、私の中でお眠りなさい。」

 ギリシャの財政危機、EU首脳、財務相会議が開催されるも具体策に欠け、”ギリシャから吹く赤い{赤字)風”が世界のマーケットを混乱させている。IMF,G7などの支援が必要だ。「暴風雨」になる前に手を打つべきだろう。
 振り返って、わが国の現状はどうか。国の借金のGDP比率は200%に近く、太平洋戦争末期と同水準。加えて財政建て直しの遅れを見透かしたように、市場が映す日本政府の信用力はじわりと低下している。長期金利の指標となる10年債の利回りは、自国の金融商品に理屈を超えて資金を振り向ける「ホームバイアス」が強い機関投資家の存在に助けられ、足元では1,3%台で安定している。しかし「公的年金」「個人マネー」が低金利に耐えかねて海外へ流失し始めるなど、日本国債を支える構造は磐石ではない。菅副総理や仙石大臣が「消費税も含めた税制改革議論を3月から始める」と従来の方針を軌道修正。景気が腰折れしかねないなかで、市場の信頼をどうつなぎとめるか、鳩山政権は難しいかじ取りを追られている。
 トヨタのリコール問題、ユーロ危機、デフレ懸念に揺れる東京株式市場、東証一部の薄商いが続く。一方、ジャスダック市場全体の売買代金は357億円(2/17日)と2008年四月以来の高水準。新興市場の増益率(今期)41%を評価。(東証一部は12%の増益)新興市場の優位が続きそうだ。”株式市場の石川 遼”を見つける絶好のチャンス到来か。 

サクラは咲くか

2010-02-11 16:05:25 | 日記
 沖縄から早くも桜(染井吉野)の便り。「桜前線」の北上始まる。開花のトリを受け持つのは京都、「仁和寺」の「御室桜」。開花時期が遅く、(四月末ごろ)人の背丈程しか成長しない低木だが国の名勝として有名。二百数十本が群生しているが、360年以上を経過した個体も多い。接木にも適さないため、絶滅が懸念されていた。住友林業は10日、組織培養によるクローン技術で、御室桜の増殖に成功したと発表。仁和寺では「新しい苗で、後世に御室桜を残したい」と話している。余談だが、京都では御室桜は花が咲く前に葉が出る特徴があることから、「背が低くて鼻(花)より歯(葉)がさきに出ている(ようするに”出っ歯”)」、「行き遅れ(嫁に)で可愛い女性」のことを、「貴方は御室の桜ですね」といったりする。 なんとも京都人らしい言い回しだ。
 
 ところで「勝利の女神」を祀る「パンテノン宮殿」を中心に栄えた古代ギリシャ、人類が生んだ最も知性に富んだ人々、ソクラテス、プラトン、アリストテレスなどを輩出したギリシャが「低くなった国家信用」に悩んでいる。11日に緊急招集された「EU首脳会議」の行方が注目される。ドイツの出方にかかっているようだ。「クローン技術」を駆使してでも「ブルータスお前もか」と言われない結論を出して欲しい。今日のNY市場の反応が注目される。
 ギリシャに「サクラ サク」か、それとも「サクラ チル」か?世界中が固唾を飲んで見守っている。「サクラ サク」の朗報を期待したい。

主役交代

2010-02-11 08:30:43 | 日記
今年9月15日に「ジャスタック」「ヘラクレス」「ネオ」が統合して「大証、ジャスタック市場」として発足する予定。時価総額 10兆円のマーケットが誕生する。ちなみに、東証一部 295兆、同二部 3,5兆円である。「新ジャスダック市場」は、「ジャスダック スタンダード」と「同 グロース」で構成される。
スタンダードには、ヤフー、楽天、セブン銀行などのメンバーが予想される。「グロース」には、小型の研究開発型企業や技術力は優秀だが、時価総額の少ない「オーナー型企業」などで構成されるようである。(ユビキタス、竹内製作、ウエブマネー、大証などか?)
「新ジャスダック」は将来、米「NASDQ市場」との相互乗り入れを計画している。「アップル」「マイクロソフト」「A.ドットコム」が日本市場に登場するかもしれない。逆に「ヤフー」「楽天」「セブン銀行」のNY・「NASDQ」上場が実現するかもしれない。「10兆円 マーケット」になることで知名度も上がり、外国人、機関投資家の注目度も高まりそうだ。「円」でアップルやマイクロソフトが買えるようになれば、不足気味の「若い投資家」の参入も期待出来そうだ。
飛耳長目の視点から「新市場」の誕生に期待すると同時に、楽天、セブン銀行、ユビキタス、竹内製作所、ウエブマネーに「先物買いを入れる」のも、面白いのではないだろうか。
アマゾン・D・コムと楽天の裁定取引、考えるだけでワクワクするではないか。9月が待ち遠しい今日この頃である。

飛耳長目

2010-02-09 18:43:27 | 日記
馬耳東風」は人の意見や情報を無視すること。これに対し「飛耳長目」は情報を収集し、将来の判断材料にすること。
「飛耳長目」の思想は、1857年に松下村塾を開塾し長州藩の下級武士、伊藤 博文、高杉 晋作、桂 小五郎(後の木戸 孝允)などの明治維新を成し遂げた志士達を教育、指導した、「吉田松蔭」の「尊王攘夷」「一君万民論」と並ぶ三大思想の一つである。
 維新の志士たちの時代に対する優れた予見は、松蔭のこの教えに負ふ所が大きい。これらの思想は「坂本竜馬」の行動基準にもなっていたように思える。竜馬と松蔭の接点があったかどうかは、定かでないが・・・。
「欧州のソブリンリスク」「米の銀行規制法案」「中国の金融引き締めの動き」に揺さぶられる東京市場。悲観論が横溢しているが果たしてそうだろうか。去年の「サブプライムローン問題」の時も同様の状況であった。世界の株価はむしろそれをきっかけして、大きく反騰した。今こそ「馬耳東風」を捨て、「飛耳長目」に徹するべきではないか。
世界のマーケットのなかで、最も有望なのは日本のマーケットだ。来期の経常利益は、現時点で75~85%の増益が見込まれ、世界で唯一の低金利を持続する国でもある。株式投資で成功するためには、こういった時期に冷静に将来を見通すことができるかが、勝負の分かれ目となる。                            


天敵

2010-02-07 08:41:40 | 日記
「森の小さな教会で、結婚式をあげました、(中略)赤青黄色の衣装をつけた、てんとう虫がしゃしゃり出て、サンバに合わせて踊りだす、愛する二人に鳥たちも、赤いリボンの花かごと、愛の接吻(くちずけ)くれました。」(てんとう虫のサンバ)チェリッシュ

 二十四節気の一つ「啓蟄」もそう遠くない。世界各地では啓蟄を待たずに巨大な”むし”が蠢動している。ギリシャ、ポーランド、スペインの「アカムシ」(財政赤字)、アメリカの「きせい虫」(金融規制法案)、日本では「オサムシ」(小沢幹事長)、政治不信の台頭などである。てんとう虫(天道虫)は、植物の新芽を食害する害虫で「アリマキ」の天敵でアリマキを好んで食する。「アカムシ」の天敵は「バラマキ政策」、「きせい虫」の天敵は議会、共和党と世界世論。小沢幹事長の天敵はいうまでもなく検察と世論だ。アカムシ退治にはEUの結束が必要。「天敵」の勝利がなければ、混乱の収束は困難である。

 日本の危機脱出の処方箋は、消費税引き上げ時期の模索、民主党の自浄力の発揮、日銀の国債買い出動による長期金利の上昇とデフレ阻止の三点に尽きる。米、EUに比べれば、実現可能な施策ばかりといえる。政治資金問題に早く決着をつけて、与野党の合意の下で、懸案の解決に努力してもらいたい。これこそ国民が最も期待していることではないか。
「寅年」にふさわしい波乱の幕開けとなった今年だが、日本の危機克服が中国の活況その他新興国のエネルギーと相まって、現今の世界危機を救う起爆剤になるのではないか。今ほど政治力が重要な時はめったにないことを、政治家は自覚して行動してもらいたい。
混乱が続くマーケットだが、東京市場の下値抵抗力は強く、「啓蟄」の頃には”独歩高”を示現しているのではないか。
   

立春大吉

2010-02-03 17:01:11 | 日記
「ひさかたの 光のどけき春の日に しづ心なく 花の散るらむ。」紀友則(百人一首)
「立春大吉」(立春の日の早朝に禅寺の門前に張り出される文字、「謹賀新年」とほぼ同じ意味)4日は立春。春の始まる日だ。 春とは名ばかりの寒さが続くが、暦の上では冬から春へ移ることになる。「春一番」が吹く日も近い。水戸偕楽園の梅も見ごろのようだ。
 
トヨタ、ホンダの格付けを、S&P社が「ネガティブ」に引き下げ。東京市場は物色のながれを巧みにかえながら、年初来高値を窺う。日経平均株価、新値更新の「春一番」が吹くか、期待したい。昨年来、上昇を続けた輸出株にやや買い疲れがみられる。休養十分の内需株を循環物色するのではないか。機関投資家(外国人を含む)にも変化の兆しがみられる。環境関連、外人買いの続く建設株、生産量底入れ期待の鉄鋼、市況回復が鮮明になってきた素材(化学、非鉄)海運、業績好調のネット通販株に注目したい。
 
どうやら、今年は「彼岸天井、節分底」(秋の彼岸ごろに高値を形成、春の節分ごろに底を打つとの相場格言)になりそうだ。
「立春大吉」にあやかって、「春一番」の風をしっかり受け止めたい。「光のどけき春の日」に大輪の花が咲く日もそう遠くないのでは。

ハーメルンの笛吹き男

2010-02-02 08:45:58 | 日記
「ハーメルンの笛吹き男」 ドイツの民間伝承
1284年にドイツの街、ハーメルンに「鼠(ネズミ)取りの名手」と名乗る男がやってきて、報酬と引き換えに、街を荒らしまわる鼠の駆除をもちかけた。街の人々はこの申し入れを受け入れ、引き換えに報酬を約束した。すると男は笛をとりだし鼠の群れをひきつけ、川におびき寄せ、鼠を残らず溺死させた。しかしハーメルンの人々は約束を破り、笛吹き男の報酬を出し渋った。男は怒って街をあとにしたが、しばらくすると再度街に戻って、再び笛を吹き鳴らし、笛の音につられて集まった130人の少年、少女を連れ去り、子供たちは二度と戻ってこなかった。現在、ハーメルン市にある碑文には、この男の正体はマグス(悪魔)であったと刻まれている。

トヨタ、ホンダのリコール問題が、悪材料となり、「笛吹き男」の笛の音に引きずられるように輸出関連株が急落。薬品、食品などの一部を除いて、8割の銘柄が下落。ひょっとすると「ハーメルンの子供」のように、しばらく戻らないのでは。相場の物色の流れに変化が起こるのではないか。ここは出遅れの内需株に注目したい。
貴乃花親方、相撲協会の理事選に風穴を開ける。マーケットにも“風穴を開ける”銘柄の登場に期待したい。流れの変わり目はまたとないチャンスでもある。新しい潮の流れに乗り遅れないことが肝要だろう。