ユーロ、ドルの為替変動リスクに揺れる東証一部市場に対して、内需型企業が多いジャスダック市場(JQ)に注目。
ここ半年の動きをみると昨年11/27日の1,113円を安値に上昇に転じ、4/30日の1,335円まで21,5%の上昇を記録した。欧州財政不安による世界的な株価下落の影響で高値から8%超える調整となっている。しかし、日経平均が15%の調整と比べれば、軽微な調整だ。
中期トレンドの指標となる200日移動平均を日経平均が下回っているのに対して、JQ平均はまだ2%ほど上回っており、外部環境に左右されにくい新興市場の特徴が示されている。JQ平均は2000年2月高値(2713円)から02年の安値943円まで34カ月で62,5%の下落を記録(ライブドアーショック)。そこから06年1月の2904円まで37カ月で3,08倍に上昇。その後下落に転じ09年3月安値の994円まで38カ月65,8%の下落となった。つまり上昇も下落も期間は30カ月強を要している。昨年3月の安値から14カ月経過しているが、このパターンが生きているとすれば、まだあと20カ月程度は上昇局面が続く可能性が高い(5/28日現在、1252円)。また高値 2700~2900、安値は1000円割れの水準で大きなボックス相場を形成しているとみることができそうだ。中長期のトレンドを見る上で重要な月足チャートの24カ月移動平均はまだ下降中だが、先月12カ月移動平均がその下から上へ抜ける「ゴールデンクロス」を示し強気転換している。経済環境に大きな変動がなければ、3~4カ月後には24カ月移動平均も上昇に転じ、そこから本格的な相場上昇局面入りが期待できるとみられる。丁度「大証新ジャスダック市場」(JQ,NEO、ヘラクレスの3市場統合)が発足する10月1日あたりに該当する。10兆円を超える新市場の誕生で外人、機関投資家の注目を集めそうだ。