たそがれ株屋のひとりごと

昔とった杵柄で、今の相場を懐メロ感覚で分析 時代遅れもまた楽し
リタイヤされた方に一服の清涼剤となれば望外の幸せ

ブログへの想い

証券会社の社長を最後に引退してからはや幾年、ボケ防止にネット取引を始めたが、隔世の感ある状況に戸惑う毎日。掲示板を覗くと何とも品格のかけらもない投稿だらけ。そこで一念発起、懐メロ感覚で今の相場を分析し、たとえ時代遅れといわれようと、同じ思いを抱くかたがたに過ぎ去りし良き時代に思いを馳せていただければ幸甚。

ジャスダック市場

2010-05-29 09:16:49 | 日記
ユーロ、ドルの為替変動リスクに揺れる東証一部市場に対して、内需型企業が多いジャスダック市場(JQ)に注目。
ここ半年の動きをみると昨年11/27日の1,113円を安値に上昇に転じ、4/30日の1,335円まで21,5%の上昇を記録した。欧州財政不安による世界的な株価下落の影響で高値から8%超える調整となっている。しかし、日経平均が15%の調整と比べれば、軽微な調整だ。
中期トレンドの指標となる200日移動平均を日経平均が下回っているのに対して、JQ平均はまだ2%ほど上回っており、外部環境に左右されにくい新興市場の特徴が示されている。JQ平均は2000年2月高値(2713円)から02年の安値943円まで34カ月で62,5%の下落を記録(ライブドアーショック)。そこから06年1月の2904円まで37カ月で3,08倍に上昇。その後下落に転じ09年3月安値の994円まで38カ月65,8%の下落となった。つまり上昇も下落も期間は30カ月強を要している。昨年3月の安値から14カ月経過しているが、このパターンが生きているとすれば、まだあと20カ月程度は上昇局面が続く可能性が高い(5/28日現在、1252円)。また高値 2700~2900、安値は1000円割れの水準で大きなボックス相場を形成しているとみることができそうだ。中長期のトレンドを見る上で重要な月足チャートの24カ月移動平均はまだ下降中だが、先月12カ月移動平均がその下から上へ抜ける「ゴールデンクロス」を示し強気転換している。経済環境に大きな変動がなければ、3~4カ月後には24カ月移動平均も上昇に転じ、そこから本格的な相場上昇局面入りが期待できるとみられる。丁度「大証新ジャスダック市場」(JQ,NEO、ヘラクレスの3市場統合)が発足する10月1日あたりに該当する。10兆円を超える新市場の誕生で外人、機関投資家の注目を集めそうだ。

夏相場に備えよう

2010-05-27 07:49:08 | 日記
風そよぐ ならの小川の夕暮れは みそぎそ夏のしるしなりけり  百人一首

初夏の到来も近い。目先、ユーロ圏の混乱が続くがそろそろ峠を越えるのではないか。今の日本株はPER,PBR、利回り、騰落指数などから見て売られすぎの水準にある。投資家は2007~2008年の下落局面が記憶に新しく、重なる悪材料に過剰反応しやすい心理状態なのだろう。売りの発端となった欧州の財政問題は、2~3週間前に比べて状況が改善している。緊縮財政による景気悪化の懸念は残るが、仏、独など主要国の赤字削減幅は大きくないため影響も限られるのでは。
朝鮮半島の緊張も直ちに日本企業の業績に影響が及ぶわけでもない。国内の機関投資家は保有するユーロ建て債券を昨年末から大量に売っており、悪材料は出尽くしの感がある。債券選好の動きから長期金利が低下、株式の割安感が強まっている。日経平均株価は9,000円程度を底値として、6~7月の夏場にかけて11,000円を目指すのではないか。欧州関連で大きく売られた精密、半島関連で下げた商社、海運、鉄鋼、業績好調なエレクトロニクス、原子力関連、先端技術に特化して成果をあげている企業(スマートフォン、電子書籍、太陽電池関連など)に注目したい。
”夏相場”に備えて有望銘柄の押し目を積極的に拾ってみたい。  

NIMBYシンドローム

2010-05-23 12:15:16 | 日記
 週末のNYダウ、一時、1万ドル割れ(158ドル安)も、引け間際に急騰、125ドル高の10,193ドルで終了。ダブル・ボトム形成で当面の調整終了か。安値から280ドル近く上げたことになる。
 NIMBY(Not in my back yard)シンドローム、(自分の庭だけは騒動を起こして欲しくない、というエゴイズムのこと)に改善の兆し。英、独、仏のEU主要国がユーロ危機に協調して、ユーロ買いの為替介入、ギリシャ救済などにあたることで合意したようだ。ユーロー円、114円近くに反転。EU各国の国債に買い集まる。とりわけドイツ債に買い集中。ようやくユーロの先行きに明るさ。NY市場もこれを好感した。週明けのアジア、東京市場も大幅な反転が期待できそうだ。
”ニムビイ・シンドローム”から脱却したドイツ政府の決断(国民は猛反対だが・・・)に敬意を表したい。選挙での敗退を覚悟しての決断で、メルケル首相の英知を讃えたい。日本政府も思い切った財政再建策、法人税の引き下げを含む税制改革、バラマキ政策の見直しに取り組んで欲しい。むしろこのことが支持率回復の近道ではないか。
 日銀、菅財務相、円売りの為替介入を匂わせる。投機筋に警戒感。ユーロも長期的には、ギリシャ、スペインなどの財政再建の筋道を示す必要があるが、当面の危機は回避するのではないか。”エーゲ海”から吹いた烈風も峠を越えたようだ。ギリシャ政府は国民の不満解消、財政再建への断固たる決意を示すべきだ。世界のリスク・マネー、「金」「債券」から株式に回帰するか?来週の米、ドイツ、日本の対応を注意深く見守りたい。
 

今こそ世界人へ

2010-05-20 08:02:52 | 日記
 今から10年ほど前、今と同じく日本の存在感低下が指摘され「このまま日本は沈んでいくのでしょうか」の問いかけに、90歳を超えた碩学の米経営学者のピーター・ドラッカー氏は「大丈夫、時が来れば日本ほど大胆に変化する国は他にない」という答えが返ってきた。その時、ドラッカー氏は明治維新や戦後の復興を例に話してくれたが、重要なのは個々の歴史的事象ではない。私たち日本人の奥底には、たぐいまれな進取の気性や挑戦心が息づいており、普段は目立たないが、何かきっかけがあれば驚くほどのエネルギーがあふれ出る。そんな日本人観を聞かされたことが新鮮だった。停滞を宿命と考えることからは何も生まれない。世界に飛び込む勇気、世界を受け入れる勇気があれば、日本人は「世界人」に変身できる。(日経新聞 編集委員 西條 都夫)
 欧州発の金融危機が世界を揺さぶっている。日本の株式市場も例外ではないが、幸いなことに、財政再建のための時間的余裕(2~3年)がある。世論調査でも消費税引き上げに理解を示している。他国には見られない国民の英知だろう。政治の世界に平成の「坂本龍馬」が出ることを望みたい。その兆しは少しは見えてきた気がするのだが・・・。
 消去法で選ばれるのではなく、本当の投資価値で選ばれるチャンスではないか。国民による政治の選択が鍵を握っている。東京株式市場が”不死鳥”の如く甦る日が近いことを期待したい。

ボトムアップ景気

2010-05-16 12:12:35 | 日記
 民間調査機関によると1~3月のGNPは5,6~5,8%と前09年9~12月の3,6%から大幅に改善する見込み。エコポイント、高速道路無料化、子供手当て、農家の個別所得保障などの政策による景気刺激も有効だが、消費者の自らの行動から生まれる消費(ボトムアップ消費)のほうが、景気の持続力には効果的だ。コピー紙の売上げが4倍、4万~5万円の背広の売上が去年比4倍(松屋銀座店など)。中国の中間層(年所得250~300万円)が日本製品を観光目的で来日し、10~15万円のまとめ買い(化粧品、家電、ファッション製品など)、通販でも大量買付け。内外の消費需要の盛り上がりは日本の景気を下支えする。また景気に敏感なトラックの需要も急回復している。
 ユーロ不安は続くが、日本の輸出構造から見れば影響は限定的。例えば、トヨタは1円のユーロ安の利益への影響は50億円程度。それに対して1円のドル高は300億円の利益押し上げ効果を持つ。日本の低金利政策の続行、米の出口戦略による金利上昇を見込めば、ドルー円相場は100円を突破する可能性が高い(野村金融経済研究所、6~12月を98~102円と予測)。「ギリシャ問題」は簡単に終息しない模様だが、幸いなことに、アジアの消費で最も好影響を受ける日本企業への影響は軽微。リスクを嫌うマネーはいずれ日本株に回帰するのではないか。金も人気だが世界のマネーを吸収できる程のキャパシティはない。世界に存在する金の総量は”400メートル プール”に一杯程度だが、世界マネーはそれの数百倍に達している。
 いずれにしろこれからの東京市場は、業績の急回復が下支えになるとおもわれる。とりあえずはトラックメーカー、原子力関連、自動車部品株、中国関連(消費関連、食品、衣料)などに注目が集まりそうだ。

選ばれる国債へ早急な対策を

2010-05-09 07:29:18 | 日記
「私の選んだ人を見てください」おスタちゃんの愛称で親しまれた皇女貴子さん(現 島津 貴子さん)が婚約の記者会見で語った言葉だ。
 国債も航空機も選別される時代になった。日航もギリシャも選に漏れたからこそ苦境に陥りもがいている。
投資家はまるで航空会社を選ぶように、世界の国債に投資するようになった。国債を買ってもらって当たり前と思っていた政府も「選んでいただきありがとうございます」と感謝する時代がきたのではないか。国債を航空会社に例えた投資家とは、運用資産1兆ドルを持つ世界最大の債券運用会社、米、ピムコのビル・グロス氏だ。「ボンド・キング(債券王)」と呼ばれるほど市場で影響力を持つ。昨年末には財政悪化が続く米国の国債を300億ドル売却、比較的安定的な財政を保つドイツの国債に乗り換えて話題をさらった。国を選び始めたグロス氏が財政問題を抱える日本をどう見ているのかは気になるところだ。「日本国債は余り魅力を感じないし大して買ってもいない」というグロス氏の発言は気になるところだ。
「国債が国内で消化できている今はいい。しかし高齢化した国民はいずれ生活のために国債を換金し始め、買い手として期待できなくなる。それでも国債を消化するには高い金利をつけて外国の投資家に買ってもらうしかない。その結果、利払い負担が膨らんで財政はますます悪化する」(日経ヴェリダス 4/21日号)。航空会社に例えれば、「絶対に避けるわけではないが、わざわざ乗る会社じゃない」といったところだ。
 世界の投資家から選ばれる国債になるために、国民負担を求め、バラマキ政策の棚上げなどの政策が必要だ。問題解決に向けた政治リーダーの毅然たる態度が求められている。”私の選んだ国債を見てください”と世界の投資家に自慢されるような将来像を描ける政治家の登場を願ってやまない昨今である。
ギリシャ危機を教訓に財政健全化の方向性を明示すべき時期だろう。