たそがれ株屋のひとりごと

昔とった杵柄で、今の相場を懐メロ感覚で分析 時代遅れもまた楽し
リタイヤされた方に一服の清涼剤となれば望外の幸せ

ブログへの想い

証券会社の社長を最後に引退してからはや幾年、ボケ防止にネット取引を始めたが、隔世の感ある状況に戸惑う毎日。掲示板を覗くと何とも品格のかけらもない投稿だらけ。そこで一念発起、懐メロ感覚で今の相場を分析し、たとえ時代遅れといわれようと、同じ思いを抱くかたがたに過ぎ去りし良き時代に思いを馳せていただければ幸甚。

小沢ポピュリズムとの決別

2010-06-21 07:06:32 | 日記
優柔不断で具体性に欠け宙を漂うことの多かった鳩山前首相だが、辞意表明のスピーチだけは別で、言葉に力があり政治の局面を大きく変えた。「私も引きます。しかし幹事長も恐縮ですが職を引いて頂きたい、そのことによって新しい民主党、よりクリーンな民主党をつくることができると申し上げました」。公の場で自身とともに、小沢氏を「クリーンでない」側に仕分けし、いわば大きなバツ印をつけた。おかげで菅直人新政権は内閣や党役員人事で「脱小沢」を鮮明にでき、支持率のV字回復に繋がった。”小鳩辞任”は「政治とカネ」批判を和らげただけではない。政策面で「小沢ポピュリズム」とも呼ぶべきバラマキ路線から決別できたことも大きい。
 鳩山氏の浅慮は、小沢氏が昨年5月、「西松建設疑惑」で代表を退いた際、後継代表の座とともに、ポピュリズム路線をも受け継ぎ、消費税を「4年間は据置く」と封印して総選挙に臨んだことだろう。普天間の食言はなくても小沢ポピュリズムの呪縛(じゅばく)を解けない鳩山政権は、遠からず財政問題で立ち往生したはずだ。
 子供手当て、高速無料化、個別補償などの小沢ポピュリズムの清算はいまだ十分ではない。子供手当ての「満額」をあきらめる程度では甘い。効果に疑問符が付くのに十分な議論もなく始めた同手当て、高速無料化、個別補償などは白紙に戻すほどの覚悟がいる。参院選後の新政権に課された宿題だろう。超党派の議論で国難に立ち向かうべき時で、野党も批判ばかりではなく「前向き」の対応が求められている。有権者の眼は厳しいことを知るべきだ。

マニフェストに注目

2010-06-19 07:04:13 | 日記
参院選に向けて各党のマニフェストが出揃った。なかでも民主党のマニフェストに注目が集まる。菅総理の「強い経済、財政、社会保障」を全面にうち出した政策が注目される。消費税増税論の台頭、プライマリー・バランスの黒字化(20年度までに)、規制緩和を伴う成長戦略の策定など株式市場に「ポジティブ」な色彩が濃い。参院選の与党の勝利が前提だが、外国人、機関投資家(年金など)はこれら政策を好感すると思われる。ユーロ危機を克服できれば、年末には日経平均の12,000~13,000円も達成可能だろう。特に注目されるのは官民一体となった高速鉄道、海水淡水化、原発技術のインフラ輸出、再生可能エネルギー買取制度の導入、効率的な電力網(スマートグリッド)の技術開発・普及を支援することなどが挙げられる。更にエコカー・エコ家電・エコ住宅の普及を支援、11年度導入に向けて検討中の地球温暖化対策税を活用し、企業の省エネ対策などを支援することになるようだ。前鳩山政権の政策に比べて”脱小沢色”が鮮明で財界、企業に安堵感が広がりつつある。
 株式市場は平均株価10,000円を前に足踏み状態が続いているが、与党の勝利が見えてくれば、好業績をバックに一気に11,500~12,000円(日経平均)が実現するのではないか。

本間宗久の相場格言

2010-06-15 09:34:02 | 日記
前回と同じ話になるが、江戸時代、大阪堂島の米相場(世界初の先物相場)で連戦連勝、巨万の富を築いて”相場の神様”といわれた本間宗久翁の相場格言に、「野も山も皆が弱気の時は、心を転じて買いに入るべきなり」とある。「皆が弱気の時買いに入るのは、海中へ飛び入る心持、甚だなりにくきものなれども、その節疑いの気を生ぜず買うべし、極めて利運なり。これ相場の極意なり」まさに「コントラリアン(逆張り派)」の面目躍如といったところだ。
 この度の「ユーロ危機」は「スイス」のコントラリアンに救われたようだ。スイスの中央銀行が外国為替市場で大量のユーロ買い・スイスフラン売りを実施し、波紋が広がっている。南欧の信用不安で急落したユーロ相場の隠れた下支え役だったことが判明した。スイス中銀が発表した5月末の外貨準備高は約2,000億ドルと前月末比730億ドルの増加を記録。EU(欧州連合)が南欧支援のためECB(欧州中央銀行)を通じて実施したユーロ国債購入額を上回るユーロを、スイス一国で買ったことになる。スイスが蓄えた外貨準備はドイツ国債残高の9%に相当する。急速なユーロ安・スイスフラン高に対抗し自国の輸出競争力を維持するのが目的と思われるが、独、仏などユーロ圏の国債相場も下支えする結果となった。市場では「独、仏との外交交渉で優位に立とうという政治的な側面もある」との憶測も浮上。「米国債を保有する中国に似てきた」と指摘する向きもある。既に「スイスの銀行の顧客情報を求めているドイツが、スイスに対する強硬姿勢を見直す」との観測も出ている。この結末は果たしてどうなるか。

人の行く裏に道あり花の山

2010-06-06 09:05:50 | 日記
 NY株の300ドル超の急落、ユーロ危機の再燃、外人の日本株大幅売越し(5月 6,100億円)など外部環境の悪化を受けて、7日の東京市場は日経平均株価300~350円安の可能性が大きい。しかし一方で菅内閣の誕生、個人投資家、年金、投資信託の大幅な買越しなど(5月計1兆2,800億円)ポジティブな材料もある。今期、トピックス・ベースの株価収益率(PER)は14~14,5倍。主要なマーケットで最も割安なレベルにある。ちなみに現在の金利水準で10年国債100万円が200万円(複利計算)になるのに約50年を要する。「PER」15倍とは投資元本を全て回収するのに15年かかることを意味する。リスクはあるが国債の約3分の1である。
 世界で唯一、低金利、金融緩和政策がとられる国であり、今期、65~80%の増益予想とすれば、日本株の世界的な割安感はきわめて強い。予想通り、月曜日から株価が下落すればそこは絶好のチャンスといえる。自動車、同部品、半導体製造装置、情報通信、環境関連などの企業に注目したい。今後も個人、年金、投信、金融機関の買いが継続し、加えて新政権の財政健全化路線、成長政策が明確になれば、外人買いも復活するのではないか。
 株式投資のことわざに「人の行く裏に道あり花の山」とある。強気相場で買うのは簡単だが弱気相場で買い出動することこそ株式投資成功の近道だろう。

ジューン・ブライド

2010-06-02 07:50:33 | 日記
 ジューン・ブライド、「6月に結婚式を挙げた花嫁は幸せになれる」と昔から言われる。
ローマ神話に出てくるジュピターの妻ジュノ(JUNO)が6月(JUNE)を支配し、家庭や結婚を守る女神であることから、6月の花嫁は幸せになれるというヨーロッパの伝承に由来する。日本では6月は梅雨の季節で、結婚式場が閑散期になってしまうために、苦肉の策でこのヨーロッパの伝承を広めたと言われている。

 早くも6月相場入り。株式市場の「ジューン・ブライド」は何処にいるのか?
中国マネーによるラオックス、レナウンなどのM&Aが市場の関心を集めている。今後も中国発のM&Aが多発する可能性が十分考えられる。中国では、国民の所得水準の向上が著しく、家電製品、ファッション、化粧品、趣味の音楽、映画(特に日本製のアニメ)などに対するニーズが強い。丁度、昭和30年代「所得倍増計画」(池田勇人内閣の目玉政策)に沸いた日本を彷彿とさせる。カラーテレビ、カー(自動車)、電機冷蔵庫(クーラー)の「3C」が庶民の憧れの的だった。今の中国は50年前の日本とそっくりだ。大量消費を背景に中国企業の日本企業に対する関心(資本参加、株式取得、買収)は益々高まりそうだ。生産技術、販売ノウハウ、人材不足に悩む中国企業にとって、人口減、少子化、競争激化に悩む日本の企業は格好の標的。かって日本が”アメリカの魂”まで買ったといわれた時代も記憶に新しい。「日本の魂」まで買う勢いの中国マネーの攻勢は続きそうだ。
独立系の自動車部品会社、ファッション関連企業、音楽(ピアノなど)アニメ関連、小売業(スーパーなど)に”ジューン・ブライド”候補が存在する可能性が高いのではないか。下げ相場で逆行高している銘柄に注目したい。