たそがれ株屋のひとりごと

昔とった杵柄で、今の相場を懐メロ感覚で分析 時代遅れもまた楽し
リタイヤされた方に一服の清涼剤となれば望外の幸せ

ブログへの想い

証券会社の社長を最後に引退してからはや幾年、ボケ防止にネット取引を始めたが、隔世の感ある状況に戸惑う毎日。掲示板を覗くと何とも品格のかけらもない投稿だらけ。そこで一念発起、懐メロ感覚で今の相場を分析し、たとえ時代遅れといわれようと、同じ思いを抱くかたがたに過ぎ去りし良き時代に思いを馳せていただければ幸甚。

パナソニックの衝撃

2010-07-31 11:57:16 | 日記
 パナソニックがパナ電工、三洋電機をTOBで統合、電機業界に衝撃が走った。サムソン追撃には資本系列をこえた統合が必要。東芝、富士通、携帯電話事業を統合。古河グループの富士電機、子会社の富士物流を三菱倉庫にTOBで大半を売却。コア事業の選択と集中を加速させる。また同社は米GEと次世代電力計(スマートメーター)の合弁会社「GE富士電機メーター」を10月1日付で設立すると発表、富士電機が50,01%を出資、社長も派遣しスマートグリッド事業を本格化させる。                       
 富士電機の三菱グループ接近は将来の三菱電機との統合も視野に入れたものではないか。東芝、日立グループに水を開けられた三菱電機と富士通、ファナックを有するものの総合力で後塵を拝する古河グループの統合も十分考えられる。富士通、ファナックのかっての親会社である富士電機の動向が注目される。電機業界に限らず、自動車、同部品、鉄鋼、などあらゆる業種で国際競争力確保のための再編、統合が進展するだろう。そこで注目されるのがMA資金の源泉となる「フリーキャッシュ・フロー」である。日本企業に不足している使用総資本利益率(ROE)を改善する手段として有力だろう。外国人投資家はPERやPBRより「ROE」を重視しているのは明らかだ。株主資本の有効活用は株式価値を高め、いずれは株価の上昇をもたらす。資本系列をこえた再編の動きに注目したい。

大暑に思う

2010-07-25 08:07:14 | 日記
「子兎も片耳垂るる大暑かな」 芥川 龍之介 
 あまりの暑さにいつもはピンと立っているウサギの耳も垂れ下がっている。雪のように白くて涼しげなウサギと大暑とのギャップが面白い句。

 猛暑日の連続でエアコン、扇風機、ビールなどの売上絶好調。特にエアコンは例年の2倍、扇風機は3倍の勢い。消費回復のきっかけになるか?大暑を過ぎれば立秋も近い。
 一方、株式市場は出来高も少なく、”真冬”状態。欧州のストレステストも想定以下におさまりユーロも112円台半ば、円も87円台後半、株式市場反転の条件は揃ったが、NY株の上昇にもかかわらず日経平均株価は上昇のサインである25日移動平均(9,567円 7/23日現在)を上回っていない(23日の終値は9,430円)。世界の株価の中で上昇の鈍さが際立っている。背景には、円高(対ドル、ユーロ)、外国人の見送り姿勢、信用買残の重しなどがある。しかし、海外株高、円高の一服、今週から本格化する主要企業の決算(好調が予想される)など反転の条件は整った。まずは25日線の突破に期待したい。PBR(純資産倍率)、PER(株価収益率)、利回りから見ても割安感は強い。”大暑”の最中ではあるがいずれ来る「実りの秋」を信じてマーケットを見直したい。
”ウサギの白い耳”もピンと立つ日も近いのではないか。   

勝利者なき参院選

2010-07-14 19:17:33 | 日記
「風をいたみ、岩うつ波の おのれの身 くだけて物を 思うころかな」 百人一首
 
 自民党もみんなの党も、民主党の”オウンゴール”で得点しただけ。勝利とはほど遠い。両党とも”勝利の美酒”に酔っているが、有権者の眼は冷静だ。消費税に反対を唱えた、共産、社民、国民新党は惨敗。菅総理が訴えた「消費税 10%」に国民は理解を示そうとしたが、総理の説明不足がすぐにも消費税上げと勘違いされたことが民主党の敗因だ。
 民主も自民もみんなの党も、それぞれの党首は国民の真意を理解すべきだ。特に、自民の谷垣、みんなの渡辺党首の”はしゃぎぶり”は民意を理解していないとしか思えない。このままでは、いずれ世論の反撃を食うのは必至だろう。好漢渡辺喜美党首の自重に期待したい。国民新党、社民党の退潮で”尾っぽが犬を振り回す”現象は解消するだろう。「郵政改革(改悪)法案」も否決の公算が大。国民新党は政治の表舞台から消えて行くのではないか。いずれにしろ、消費税を含む税制改革と経済成長戦略を真正面に据えた政策の実行が焦眉の急だ。菅政権の果敢な決断に期待したい。
「小沢グループ」の代表選出馬が取りざたされているが、世論の支持は得られないだろう。”くだけて物を思う”謙虚さが、今求められている。”奢る平家”は没落した。自らを戒める党首に民意が集まるのではないか。菅総理は「ピンチをチャンス」に替える好機だろう。
 株式市場は政局は折込済みで、外人、機関投資家の買い姿勢が鮮明に。デフレ回避のため、政府、日銀の金融緩和姿勢も継続されよう。日本株の出遅れが著しい。1万円(日経平均)突破に期待したい。

神の手を信じて

2010-07-03 10:24:52 | 日記
1週間ほど入院生活を送った間に市場は大きく動いたが、昨日はマーケットの最大イベントであった米の雇用統計が発表された。。国勢調査に伴う臨時職員が225,000人減ったことが主因で、非農業部門の雇用者数は125,000人減であった。一方で民間部門の雇用者数は83,000人増えた。失業率は9,5%で前月より0,2ポイント改善し、11カ月ぶりの低い水準となった。市場予想をやや下回ったもののまずまずの結果であった。
NYダウは46ドル安と小反落(一時は100ドル超の下落)。一方、日本市場も欧州筋の外国人売りで調整色が強まったが、個人投資家が4~6月に、日本株と投資信託を合計で約3兆円買いこしたことが判明。日経平均株価が史上最高値をつけた直後の1990年(1兆4,370億円)以来、約20年ぶりの多さだ。個人は市場の混乱を投資の好機と受け止めた格好だ。古来、”個人の手”は”神の手”といわれる。古くはS40年不況、近くは「リーマン・ショック」時が想起される。預金、国債金利が異常に低い現状から見ればこの傾向は続くのではないか。マーケットの”外人頼み”からの脱却が期待される。
テクニカルから見た東京市場は騰落指数も売られすぎの120%を大きく下回る89,2%(25日移動平均値)、予想配当利回り1,85%、予想PER15,8倍(トピックス・ベース、野村證券調べ)と世界のマーケットで最割安の水準にある。ユーロの落ち着き、円高の一服も追い風になりそうだ。財政再建の方向が見えてきたことも、内外の投資家に安心感を与えるのではないか。東京市場の反転に期待したい