1週間ほど入院生活を送った間に市場は大きく動いたが、昨日はマーケットの最大イベントであった米の雇用統計が発表された。。国勢調査に伴う臨時職員が225,000人減ったことが主因で、非農業部門の雇用者数は125,000人減であった。一方で民間部門の雇用者数は83,000人増えた。失業率は9,5%で前月より0,2ポイント改善し、11カ月ぶりの低い水準となった。市場予想をやや下回ったもののまずまずの結果であった。
NYダウは46ドル安と小反落(一時は100ドル超の下落)。一方、日本市場も欧州筋の外国人売りで調整色が強まったが、個人投資家が4~6月に、日本株と投資信託を合計で約3兆円買いこしたことが判明。日経平均株価が史上最高値をつけた直後の1990年(1兆4,370億円)以来、約20年ぶりの多さだ。個人は市場の混乱を投資の好機と受け止めた格好だ。古来、”個人の手”は”神の手”といわれる。古くはS40年不況、近くは「リーマン・ショック」時が想起される。預金、国債金利が異常に低い現状から見ればこの傾向は続くのではないか。マーケットの”外人頼み”からの脱却が期待される。
テクニカルから見た東京市場は騰落指数も売られすぎの120%を大きく下回る89,2%(25日移動平均値)、予想配当利回り1,85%、予想PER15,8倍(トピックス・ベース、野村證券調べ)と世界のマーケットで最割安の水準にある。ユーロの落ち着き、円高の一服も追い風になりそうだ。財政再建の方向が見えてきたことも、内外の投資家に安心感を与えるのではないか。東京市場の反転に期待したい