テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)

2009-05-27 | ミュージカル
(2003/アラン・レネ 監督・脚本/サビーヌ・アゼマ(=ジルベルト)、ピエール・アルディティ(=ジョルジュ)、ランベール・ウィルソン(=エリック)、オドレイ・トトゥ(=ユゲット)、ジャリル・レスペール(=シャルレ)、 イザベル・ナンティ(=アルレット)、ダニエル・プレヴォー(=ファラデル)、ダリー・コール(=フォワン夫人)/115分)


 「ダ・ヴィンチ・コード」に刺激されて、カットバックのお手本が見られるヒッチコックの「見知らぬ乗客」を観ようとレンタル店に行ったら、珍しく貸出中。しょうがなく、つらつらと陳列棚を見ていて、最近コメントが入った「マーサの幸せレシピ」のヒロイン、マルティナ・ゲデックの出ている「善き人のためのソナタ」を思い出すも、これまた空箱のみ。
 レンタルを諦めかけたところに、ピンク色のジャケットにオドレイ・トトゥの顔を見つけて、コレを手にしました。おまけに監督がアラン・レネときたもんだ。いまだにご活躍かと、興味が沸々と湧きましたな。内容は全然知りませんでしたが。

 製作が2003年。レネさんは1922年生まれという事ですから81歳の時の作品ですね。
 映画サイトの解説によると、<1925年にパリでロングランとなった傑作オペレッタを「夜と霧」「恋するシャンソン」のアラン・レネ監督が華麗に映画化したミュージカル・コメディ>とのこと。
 元が舞台劇だという事はすぐに分かりました。二場三幕と言えばいいんでしょうか。二つの場所で、(連続してない)三日間の話。しかも、主な登場人物は7人で、それで2時間持たせられるんですから、大したもんです。

*

 フランスの製鉄会社を経営するジョルジュの愛妻ジルベルトは、彼女に熱を上げる独り者ファラデルや若い芸術家シャルレと適当に遊びながら、きままな暮らしをしているが、実はジョルジュと結婚する前にアメリカに渡り一度結婚していた。それを知っているのは、オールドミスの妹アルレットのみ。
 ある日、ジョルジュが大きなアメリカの会社との業務提携の話がまとまりそうなので、相手側の社長を夕食に呼んでいるという。なんと、それはジルベルトがアメリカで結婚していたエリックだった。
 ジョルジュは妻にするなら処女に限るという考えの持ち主で、当然ジルベルトにとって自分は最初の男だと思っている。もしも、ジルベルトが再婚だと知ったら・・・。

 ジルベルトは夫を愛しているので嘘をついてでもエリックと結婚していたことは知られたくない。アルレットを巻き込んで、なんとかエリックには黙ってもらうことに成功したが、実はエリックはジルベルトに未練があり、出来れば再婚したいと思っている。エリックとの離婚の理由はエリックの潔癖性が原因で、婚姻中に一度もキスをしたことがない。そんな男とよりを戻すつもりはなく、ジルベルトは自分には夫以外にも愛人が沢山いると見せかけてエリックを諦めさせようとする。この愛人役の候補がシャルレだが、一方、ジルベルトの若い友人ユゲットはシャルレに恋をしている。

 と、まぁ、いかにもオペレッタらしい古い時代の単純な艶笑喜劇です。ハッキリ言って21世紀にこんな話を作る必要があるのか、なんて最初は思いましたが、たまにはこんな浮き世離れした映画を観て2時間を過ごすのもよろしいかも。ハリウッドの派手なミュージカルと違い、踊りもなくて、メロディーも地味なシャンソンですから、個人的にはミュージカル気分は味わえませんでしたが、「アメリ」のように登場人物が画面に向かって語りかける演出は舞台を観ている気分にさせてくれました。

 前作の「恋するシャンソン(1997)」が、セザール賞で作品賞など7部門を受賞したことで気をよくしての製作だったのでしょう。
 但し、若い二人以外が、設定以上に歳をくった俳優ばかりなのが気になりましたね。特に男性陣が。そして、オドレイ・トトゥの相手役が全然ハンサムじゃないのも

 予告編の動画は画面が暗かったので、オドレイの写真集を持ってきました。アンチ、オドレイの方はスルーして下さい。




・お薦め度【★★★=フレンチ・ファンには、一見の価値あり】 テアトル十瑠

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