テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。

コードネームはファルコン

2017-07-25 | サスペンス・ミステリー
(1985/ジョン・シュレシンジャー監督・共同製作/ティモシー・ハットン、ショーン・ペン、パット・ヒングル/131分)


 ブックオフで見つけたDVDで、タイトルに記憶があったのでジャケットを見たら監督がシュレシンジャーで主演がティモシー・ハットンとショーン・ペン。ということで即購入した。

 ウィキペディアには<1970年代、アメリカの偵察衛星の情報をソ連側に売った実在の2人のアメリカ人青年、クリストファー・ジョン・ボイス(Christopher John Boyce)とアンドリュー・ドールトン・リー(Andrew Daulton Lee)の事件を映画化>したものと書いてある。

 ティモシー・ハットンがクリス・ボイスでショーン・ペンがドルトン・リー役だった。
 「コードネームはファルコン」なんていうタイトルだから、主人公が何か007みたいなスパイ活動をしているように思われそうだけど、そういう設定ではない。単にクリスの趣味が猛禽類の鳥ハヤブサ(ファルコン)を飼っているからで、何回かクリスがハヤブサを扱っているシーンもある。ン?そういえば一度だけ、ソ連側との暗号連絡メモの差出人名にファルコンとしたシーンがあったな。
 原題は【THE FALCON AND THE SNOWMAN】

*

 冒頭のクリスの家のTVでウォーターゲイト後のニクソンの件で国内がごたごたしている様子が出てくるので時代は1974年辺り。国民の間にも政治不信とかが蔓延していた頃だろう。
 クリスは神学校に通っているが疑問を感じて退学する。元FBIの父親は心配して仕事を紹介するが、それがCIAの下部組織だったという事。
 かたやペン扮するアンドリューはクリスの幼馴染で、若いのに定職に就かず麻薬の売人をしている。家はプール付きの豪邸で親とも同居しているんだが、メキシコに買い付けに出かけた時などは国境の検問所で毎回止められ車を精検される程ブラックリストに上がっている。
 若い頃のショーン・ペンはチンピラが似合ってるなぁ。
 クリスは紹介された会社で働き始め、真面目な態度とバックボーンを評価されていよいよCIA関連の小さな部署に異動する。クリス以外には男女二人しかいない居ない小さな部屋だが、入室時には特定の人しか入れないように暗号キー付きのドアとなっている。
 テレグラムを介して入ってくる色々な情報を整理するのがクリスの仕事だが、システムの都合上か、時に他部署への連絡情報も入ってくる。そんな中、オーストラリアの組合活動に関する問い合わせがクリスの目に留まった。気になったクリスは先輩職員にそれとなく聞いてみる。彼らは反米的な態度を示す、時のオーストラリア首相ホイットラムを批難した。CIAはオーストラリアの政治に干渉するべく、当地の組合にも諜報部員を潜入させていたのだ。チリのアジェンデ政権の転覆にもCIAが絡んでいることも分かった。
 大きな国(アメリカ)が小さな国をもてあそんでいる。クリスには沸々と怒りが湧いてくるのだった・・・。

*

 2013年に発生した“スノーデン事件”と根っこは同じ所なんでしょう。ただ、スノーデンは告発という選択肢を選び、クリス達は売国奴の道を選んだ。
 クリスが何故お金を選んだかははっきりしない。クリスに相談されたアンドリューも最初は協力を否定するが、その後麻薬の取引で逮捕されお金が必要になって協力するようになる。意外にもソ連側(相手はメキシコのソ連大使館)が要求にすんなり応じてくるし、簡単に大金が入ることが分かってからはアンドリューもより積極的になる。
 破滅のきっかけは、ありがちな事だ。
 直接の交渉人になったアンドリューが調子に乗り、非合法活動を自慢げに友人たちに漏らすのをクリスが聞いて激高したり、ソ連側の要求が強くなって怖くなったからだ。
 最期の交渉と乗り込んだメキシコでアンドリューは殺人事件の犯人と間違われ、拷問に耐えかねて漏らしたスパイ活動がアメリカ当局に届くことによる。
 後にクリスが言うが、結局ソ連のスパイも似たようなもので、クリスの正義感を発揮する手段は何処にも無かったのだ。

 若者二人を追った犯罪ストーリーは破綻なく丁寧に描かれているが、彼らの行動が冷戦時代の二つの大国を一発即発の危機に陥れるような事もなく、あくまでも二人のハラハラが描かれただけという印象が強い。
 官憲に監視されているという妄想にクリスがとりつかれるシーンも冗長感が増したな。





お薦め度【★★=悪くはないけどネ】 テアトル十瑠
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