(2002/監督:アンドリュー・ラウ&アラン・マック/アンディ・ラウ、トニー・レオン、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、エディソン・チャン、ショーン・ユー、サミー・チェン、ケリー・チャン、チャップマン・トー/102分)
ご存じ、2006年の米国アカデミー作品賞を受賞した「ディパーテッド」の元ネタ作品であります。
内容については、映画情報サイト「allcinema」の解説が要領を得ているのでそちらを引用させていただきます。
<警察と犯罪組織それぞれに潜入を命じられた2人の男が、身の危険と心のゆらぎに苦悶しながら10年の時を経て対決の時を迎える姿を緊迫感溢れるタッチでスリリングに描く。(中略)
1991年、ストリート育ちの青年ラウは香港マフィアに入ってすぐ、その優秀さに目を付けたボスによって警察学校に送り込まれる。一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年ヤンは突然退学となる。彼は、警視に能力を見込まれマフィアへの潜入を命じられたのだった。やがて2人の青年は、偽りの身分の中で着実に実績を積みそれぞれの組織で重要なポストを与えられていく。そしておよそ10年後、警察はヤンから大きな麻薬取引の情報を受け取る。しかし警察の包囲網はラウによってマフィア側に筒抜けとなっていた。検挙も取引も失敗に終わったことで、警察、マフィア双方がスパイの存在に気づいてしまうのだった…。>
オープニングのタイトルロール前に、二人がそれぞれの仮の身分に溶けいっていく仮定が簡潔に描かれて、本筋は10年後の話からです。
トニー・レオン扮するヤンは3年前からサムというボスの組織に入っており、アンディ・ラウ扮するラウ刑事(ややこしや~♪ ややこしや)のボスがサムなので、今回の双方失敗という事態に陥るわけです。
素人目には幾つか?マークが点灯しそうな筋書きも無きにしもあらずですが、前半の麻薬取引における情報戦のスリリングな描写、後半のヤンとラウがお互いの身分を知っていくサスペンスフルな展開など見所充分で、<ハリウッド史上最高額でリメイク権が落札された>というのが納得の面白い本でありました。
斜めの構図や、移動撮影を多用したスタイリッシュな映像で、序盤で、ヤンと警察の上司がビルの屋上で会うところは、バックにカーテンウォールのビルを配して、一瞬「マトリックス」を思いだしてしまいました。ビルの反対側は香港の港が眺望できるという設定で、美しい港の映像はこの後も何度か出てきます。監督が意図していたかどうかは別として、動かない被写体に対する移動撮影の映像は、不安定な二人の精神状態を表しているように感じました。
ラウには婚約者(チェン)、ヤンにもかつての同棲相手とか、憎からず思っている精神科の女医(チャン)などが出てきますが、女性陣の描写が薄っぺらいのが少し物足りない。ラストで、彼女達が全員集合というのも、なんだかお安くなっちゃったかなぁ。
NHK-BSの解説によると、香港映画史上最高の興行収入をあげた作品とのことでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/72/99697e4277fa0c883eccde2e7247f340.jpg)
内容については、映画情報サイト「allcinema」の解説が要領を得ているのでそちらを引用させていただきます。
<警察と犯罪組織それぞれに潜入を命じられた2人の男が、身の危険と心のゆらぎに苦悶しながら10年の時を経て対決の時を迎える姿を緊迫感溢れるタッチでスリリングに描く。(中略)
1991年、ストリート育ちの青年ラウは香港マフィアに入ってすぐ、その優秀さに目を付けたボスによって警察学校に送り込まれる。一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年ヤンは突然退学となる。彼は、警視に能力を見込まれマフィアへの潜入を命じられたのだった。やがて2人の青年は、偽りの身分の中で着実に実績を積みそれぞれの組織で重要なポストを与えられていく。そしておよそ10年後、警察はヤンから大きな麻薬取引の情報を受け取る。しかし警察の包囲網はラウによってマフィア側に筒抜けとなっていた。検挙も取引も失敗に終わったことで、警察、マフィア双方がスパイの存在に気づいてしまうのだった…。>
オープニングのタイトルロール前に、二人がそれぞれの仮の身分に溶けいっていく仮定が簡潔に描かれて、本筋は10年後の話からです。
トニー・レオン扮するヤンは3年前からサムというボスの組織に入っており、アンディ・ラウ扮するラウ刑事(ややこしや~♪ ややこしや)のボスがサムなので、今回の双方失敗という事態に陥るわけです。
素人目には幾つか?マークが点灯しそうな筋書きも無きにしもあらずですが、前半の麻薬取引における情報戦のスリリングな描写、後半のヤンとラウがお互いの身分を知っていくサスペンスフルな展開など見所充分で、<ハリウッド史上最高額でリメイク権が落札された>というのが納得の面白い本でありました。
斜めの構図や、移動撮影を多用したスタイリッシュな映像で、序盤で、ヤンと警察の上司がビルの屋上で会うところは、バックにカーテンウォールのビルを配して、一瞬「マトリックス」を思いだしてしまいました。ビルの反対側は香港の港が眺望できるという設定で、美しい港の映像はこの後も何度か出てきます。監督が意図していたかどうかは別として、動かない被写体に対する移動撮影の映像は、不安定な二人の精神状態を表しているように感じました。
ラウには婚約者(チェン)、ヤンにもかつての同棲相手とか、憎からず思っている精神科の女医(チャン)などが出てきますが、女性陣の描写が薄っぺらいのが少し物足りない。ラストで、彼女達が全員集合というのも、なんだかお安くなっちゃったかなぁ。
NHK-BSの解説によると、香港映画史上最高の興行収入をあげた作品とのことでした。
・お薦め度【★★★=オスカー作品の元ネタ、一度は見ましょう】 ![テアトル十瑠](http://8seasons.life.coocan.jp/img/TJ-1.jpg)
![テアトル十瑠](http://8seasons.life.coocan.jp/img/TJ-1.jpg)
私もこれは映像が綺麗な映画だと思いました。
なかなかいい映画だと思いますが、何も賞は取ってないみたいですね。残念。
トラバさせていただきました。
>何も賞は取ってないみたいですね。
allcinemaには、<2002年の香港の映画賞を総ナメ>と書いてありましたよ。
日本のブルーリボン賞も獲ったようです。
>気取り
そうなんですね。
香港映画は暫くクンフー映画に代表されるように非常に古臭い感覚の作品ばかりでしたが、80年代後半くらいから一気に目覚め、それに比例するように気取りが目立ち、「それはそれで困る」と思っていたんです。
十瑠さんはそうでもなかったようですが、僕はやはり気取りが感じられて、設定その他には「なかなかやるな」と思わせたものの、その辺りがマイナスになりましたね。
>二人がそれぞれの仮の身分に溶けいっていく仮定が簡潔に描かれて
およよ、そうでしたか?
リメイクの「ディパーテッド」を書く時に、オリジナルではその辺りが後で判ってくる前提で書き進めたので、「が~ん」なのですよ。
いずれにしても、若い時代と中年に近づいた現在を別の役者を使ったことで、段を踏まえて作ってはいないという印象には変わりがなく、オリジナル=ミステリー(風作劇)説、「ディパーテッド」=サスペンス(風作劇)説に間違いはないと思うのでありますよ。
ラストで、女性陣が総出でお見送りのシーンが大仰でガックリでしたね。
それと、ラウ刑事の婚約者は、裏事情に感づいたわけですから、結末が微妙ですね。
以前トラバさせていただきましたAIです。
このたびブログ引越ししましたので、よろしければ遊びにいらしてください。
トラバの方もお待ちしております。