テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

13デイズ

2003-12-07 | サスペンス・ミステリー
(2000/ロジャー・ドナルドソン監督/ケヴィン・コスナー、ブルース・グリーンウッド、スティーヴン・カルプ)


 1962年の「キューバ危機」を題材にした政治サスペンスで、詳しい人によれば、アメリカに都合のよい部分だけを取り上げているらしいが、映画としてはサスペンスたっぷりの2時間半でした。

 主演のケヴィン・コスナーはケネディではなく、補佐官ケン・オドネルを演じている。彼と大統領、そして時の司法長官(ケネディの実弟)の3人が主役といってよく、タカ派の軍関係者との駆け引き、ソ連側との駆け引きなどが、人間くささもしっかり交えながら描かれている。

 ソ連の駐米大使や国連大使も出てくるが、フルシチョフは出てこない。あくまでもアメリカ側だけの表現になっているので、多少の身贔屓もあくどくなく表現されていると思うし、正体の知れない敵国(ソ連)というのが強調されて面白くなっている。

*

 キューバを監視している空軍のカメラに、配備されつつあるソ連の核ミサイルが写っていた。資料から推測すると、飛距離1600㎞のもので首都ワシントンまで届く。基地自体の組立中らしいが、このミサイルを如何にして排除するかがサスペンスの大前提である。ミサイルの配備が完成、発射ボタンを押しさえすれば5分でアメリカの半分は廃墟と化すとして、タカ派の軍部は先制攻撃を進言する。しかし、先制攻撃をしても東側が壊滅するわけはなく、ソ連は必ず反撃する。そんなことになれば第3次世界大戦の勃発となり、最悪人類の滅亡をも招くと、ケネディ等3人は知恵を絞る・・・。

 最終的には、戦争の開始には至らなかったのは歴史的事実だが、一発触発の危機であったことは明らかで、映画はその辺の数々の局面を効果的に並べて、飽きさせない。

 アメリカ側からの見方として歴史を再認識する事もできるし、サスペンスとしても面白い映画でした。

・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】 テアトル十瑠

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (映画のせかいマスター)
2005-04-01 19:23:02
こんにちは!

なるほどJFKと合わせて見たい映画ですね。ケネディの弟も暗殺されたようですが、その辺りも触れられているのでしょうか。

ま、映画で本当のことはわからないのかもしれませんが、ドキュメンタリーでありながらドラマ性を持たせる映画は凄いですね。今度チェックしてみます。では!
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いらっしゃいませ☆ (十瑠)
2005-04-01 19:36:45
“キューバ危機”に関する映画ですので、「JFK」関連については何も触れられてなかったと思います。勿論、ロバート・ケネディについても。

是非、チェックして下さい!!
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Unknown (映画のせかいマスター)
2005-04-02 07:15:34
そうでしたか。ケネディものとばかり思っていました。映画は「観る前の期待感」も重要ですよね。ネタ仕入れができて助かります!ありがとうございました
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