テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

オーロラの彼方へ

2007-01-26 | サスペンス・ミステリー
(2000/グレゴリー・ホブリット監督/デニス・クエイド、ジム・カヴィーゼル、ショーン・ドイル、エリザベス・ミッチェル、アンドレ・ブラウアー、ノア・エメリッヒ、ダニエル・ヘンソン/117分)


 公開時コピーは、<もう一度、逢いたい。話したい。NYでオーロラの見える日、30年前と無線がつながった。それは父が死ぬ前日。――今なら未来を変えられる。>

 そしてNHK-BSオンラインの解説は、<オーロラの出現によってできた時空のゆがみから、30年の時を超えて交流する父と息子のきずなを描いたヒューマン・ファンタジー。消防士だった父の形見の無線機から突然聞こえてきた男の声は、信じがたいことに亡くなる前のジョンの父フランクだった。フランクが救助活動中に亡くなる運命にあることを告げ、父を事故から救うジョン。しかし、過去を変えたことによって思いもよらぬ未来が父と息子を待ち受けていた・・・。>

 ン! 先日観た「天使のくれた時間」と同じファンタジーのようであります。しかも、父と息子。「フィールド・オブ・ドリームス」のようなハート・ウォーミングな映画を想像していましたが・・・ちょっと違ってました。

 出だしのタンクローリー車の横転事故による火災現場のフランク(クエイド)の救助活動はスリル満点。こりゃ期待できるなと思って観ていましたら、上のNHKの解説の後フランクは助かったものの、それが家族の運命を変え、今度は看護婦をしていた母親ジュリア(ミッチェル)が殺人事件の被害者になって死んでしまう。フランクの息子ジョン(カヴィーゼル)は現在警官になっていて、ジュリアが殺された事件は30年後のNYでも未解決のままの“ナイチンゲール”連続殺人事件だったという展開になります。
 フランクが殉職していればジュリアは殺人事件に遭わずに済んだのですが、未来のジョンの言葉により過去が変わり、それによって現在も変化していくという奇妙なストーリーになります。“どらえもん”なら、<時空の歪みが発生して、大変なことになる~ぅ!>ってなもんですが、そこには触れず、後半はこの殺人事件の犯人探し、そして殺人事件を未然に防ごうとして逆に犯人に間違われるという窮地からフランクが如何に逃れるか、この2点が焦点となるサスペンス物となっております。過去でも未来でも、真犯人と闘う父と息子。結構ハラハラします。

 未来が過去を変え、過去が未来を変える。タイトルから想像していたファンタジー色は稀薄なものの、2時間が飽きずに観られる程良い娯楽作品でありました。結末は予想通りですが、やはりこのハッピーエンドは嬉しいですな。

・お薦め度【★★=悪くはないけどネ、期待し過ぎ?】 テアトル十瑠

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6 コメント

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TB復活おめでとうございます (ぶーすか)
2007-01-28 13:01:20
私も一時期スパムTBが多くて苦労しました。今は平穏ですが、それもいつまで続くやら…。
なるほど、この作品、タイムパラドックスを扱っている点が「天使のくれた時間」にも似てますねー。他にも「イルマーレ」に似ているという御指摘があって、なるほどーと思いました。その中で親子愛を描いているこの作品は泣けて好きです。ハッピーエンドというのもイイですよね
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なんとか (十瑠)
2007-01-28 13:49:02
このまま、TB機能が続いてくれるといいんですが。

近年この手のSFモドキというか、ファンタジーっぽい設定の映画が増えたような気がしています。
そんなバカなと思いながらも、こちらも色々と空想したくなりますね。
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なるほど (東京画質じじい)
2008-02-14 10:49:04
これ、結構いけましたね。原題の直訳は「周波数」。納得です。
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DVDか・・・ (十瑠)
2008-02-14 22:50:31
TV放送で観れば、充分面白い作品でしょう。
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十瑠さん、今晩は。 (girigiri46)
2008-05-27 01:05:47
先程まで「アトランティスの心」と通しで見ました。これは不思議な作品だ。
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いらっしゃいませ (十瑠)
2008-05-27 21:19:39
「アトランティスの心」はタイトルに覚えがありますが、内容も知りませんし、勿論未見です。

ヒューマン・ファンタジーというふれ込みだったのに、後半はサスペンス・アクション。不思議な作品だ。
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