桃とかなへび

いらっしゃいませ。

手紙とか

2024年04月09日 | つぶやき
先日夜、たまたまつけたテレビで「アルプスの少女ハイジ」にまつわる海外のドキュメンタリー番組を放映していた。原作者のヨハンナ・シュピリについて、物語の舞台となったアルプスの自然に山小屋、日本のテレビアニメ、、なんとなく見てしまう。
就職した頃にきちんと読み返した「アルプスの少女」はとても素敵で印象に残った。
アニメが原作に忠実だったこともわかった。クララのおばあ様に対して、ハイジがロッテンマイヤーさんから「おばあ様ではなく奥様とお呼びなさい」と言われた。アニメではハイジが「奥様奥様奥様・・・」と練習していて、おばあ様に会った時「こんにちは、様奥!」と言ってしまうエピソードがある。本を読んで、ドイツ語は奥様だけ逆になる、みたいな注釈があり、こんなことまで再現していたのかと驚いた。肝心の本は友人に借りパクされたきりなのだが。
ヨハンナ・シュピリのことは何も知らなかった。自身のことはあえて語らず作品に込めていたと。年月が経ってからそれを理由に、今まで自分が送った手紙を返して欲しいと友人に頼んでいる。今に名を残す人が当時誰かに宛てた手紙発見、なんていつまでたっても根掘り葉掘りされていることを思うと、当事者はたまらないだろう。

実家にて、母が病院の会計をしていた時代に、研修に来た看護師さんからもらった手紙の話をした。その頃の職場の人たちの特徴を面白く書いてあるから読んでみないかと言う。
私はヨハンナ・シュピリが頭をよぎり、躊躇した。母はその人たちを知っているから面白いかもしれないけど、私は知らないからきっと、ふーん、で終わりだよ。私が乗ってこなかったので母は不満そうだったが、実際読みたくなかった。
手紙は、送る人のことだけを思って書くのだから、それが亡くなった人が書いたものでも、歴史的価値があるとしても、読むとしたらどこか申し訳ない気持ちでないとダメだろう、と改めて思った。基本知らない人も読む前提のブログとは違う。

母は父が大嫌いなので、驚くべき速さで父の遺品を処分した。もうほとんど残っていない。
今回私が泊まったのは兄の部屋。母は兄が大好きなので、兄の部屋はほぼ手付かず。本棚を開けると上の方に平たい箱があった。開けてみると父の写経だった。何回か写経して薬師寺に送ったと聞いていたが、失敗したのか、一枚残っている。紙のシミが多いのでかなり年月は経っていそうだ。


写経は手紙ではない。全く個人的ではない。
それでも手書きの筆跡に、たしかに父がいた。なぞった字ではあるが丁寧できれいだと思う。
便利なパソコンやメールばかりに頼ってしまうが、書くことをやめてはいけないのだろう。


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