神鳴り(アメジストネックレス)

難聴ゆえに家居の好きな主婦です。過去、心臓弁膜症、大腸がんの手術を受けました。趣味は短歌です

暖房をしなかった母

2018年02月05日 05時46分41秒 | 家族
また亡くなった母のことを書く。

母はどんなに寒い冬でも、基本的に暖房をしなかった。

それだけ自分は切り詰めた生活を送っていたということだ。

そして、その分を子供とか孫に回した。

私はずいぶん母に助けられた。

以前、ある人に「お金は命。お金をあげることは命をあげることです」とお聞きした。

その意味で言えば、母は私達に命をくれていたことになる。

生んで命をくれただけでなく、その後もずっと命をくれ続けていた母。

兄嫁や私の夫は、母のその倹約ぶりを軽蔑していたが、母はとにかく自分のことより、まず子、孫であった。

私の親友が、私の母のことを「あれほど子供思いの人はいない」と言ってくれた。

その私の親友に、母はいつも「bikoと仲良くしてやってね」と頼んでいたそう。

別に頼まれなくても、その親友とは中学以来の親友で、親友でなくなることなど考えられない仲なのに、それでも母は、少しでも私のためにと思って、そう言い続けてくれていたようだ。

親友の家は昨年12月に母と泊まったホテルの近くだったが、母は私が親友に会いに行くことを見越して、親友夫婦にワインのお土産を準備してくれてあった。

自分ではよう運ばないので、甥に車でホテルに届けさせて。

そこまで子供の私のことを思ってくれる母はもういない。

この厳しい寒波は、母の、この世に残した私のことを心配する思いのような気がしてならない。

私は私で、もし母がこの寒さの中、入院していなくて実家にいたとしたら、また暖房しない家で暮らすだろうと思うと、寒波襲来前に亡くなってよかったと思えるのである。

*

・この寒さ母の心の寒さかも此の世に残ししわれへの母の

・子のわれは母が死にたる幸せを思ふ寒波の過激であれば

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