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人よりも施設優先…安倍首相「介護離職者ゼロ」の言行不一致

2015-09-29 08:21:43 | 介護
日刊ゲンダイより転載
人よりも施設優先…安倍首相「介護離職者ゼロ」の言行不一致
• 2015年9月29日
 
やはり庶民生活をちっとも理解していないボンボンである。24日の会見で、「介護(するための)離職(者)ゼロの旗を掲げたい」と威張っていた安倍首相のことだ。

 親などの介護のために仕事を辞める「介護離職者」は年間10万人前後。安倍首相はこの“打開策”として特別養護老人ホーム(特養)を増やそうという。厚労省によると、特養の利用者は現在、約54万人。さらに入居待機者は約52万人いる。今後、団塊世代の高齢化でさらに利用者、待機者とも増える見通しなのだが、安倍首相が言うように「施設を増やせばメデタシ」で済む問題じゃない。何より、肝心要の特養の現場がすでに疲弊しきっているからだ。

 東京商工リサーチによると、1~8月の介護サービス事業者の倒産件数は55件。わずか8カ月間で昨年の倒産件数54件を超え、00年に新しい介護保険制度が始まって以来、最多記録を更新した。
「4月に介護報酬が引き下げられたことが影響したのでしょう。介護職員の給料は下がる一方で、辞めた人は他業種に流れてしまっている。特に新規参入の小さな施設の倒産が目立ちます。さらに8月に一部利用者の自己負担を2割増やしたことで、介護施設の利用者が減る可能性も高い。倒産はさらに加速するとみられています」(介護業界関係者)

 全国介護者支援協議会理事長の上原喜光氏はこう言う。

「安倍首相は介護の現場をよく分かっていない。まずは、施設整備を急ぐよりも、人材の流出を防ぐため、報酬の引き上げなどが先です。そうでないと、いくら施設を増やしても人手が足りない。それに利用者が多い都市部で特養をつくるには、多額の経費がかかるなど問題点も多い。小手先ばかりのパフォーマンスでは、何も解決しません」

 しょせんは介護の「か」の字も知らないインチキ政治家なのである。

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