旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

東日本大震災から2年半~碩鼠(せきそ)よ~

2013-09-11 22:23:32 | 東日本大震災




東日本大震災から2年半。
復興予算は、5年間で総額25兆円(このうち10・5兆円は「復興増税」で賄うという)。
東海・東南海の巨大地震発生が確実視されている。
そのとき余所はともかくも、崩壊した福島原発をコントロールできると誰が言えようか。
国の借金は膨らみ、1000兆円を突破。
世界金融危機の黒雲は覆いかぶさったまま。
消費税増税が来る。
2020年東京オリンピック招致成功で浮かれているが、本当にそんなことで良いのだろうか・・・。
~碩鼠(大きなねずみ)よ、碩鼠よ~
そんな漢詩を思い出してしまった。


       碩 鼠
                 (詩経 国風・魏風)

碩鼠碩鼠  碩鼠(せきそ)よ 碩鼠(せきそ)よ
無食我黍  我が黍(きび)を食ふ無かれ
三歳貫女  三歳(みとせ)がほど女(なんじ)に貫(つか)えしが
莫我肯顧  我を肯(あえ)て顧みること莫(な)かりき
逝將去女  逝(ゆ)きて將(まさ)に女(なんじ)を去り
適彼樂土  彼の樂土(らくど)に適(ゆ)かんとす
樂土樂土  樂土(らくど)よ 樂土よ
爰得我所  爰(ここ)に我が所(ところ)を得ん

碩鼠碩鼠  碩鼠よ 碩鼠よ
無食我麥  我が麥(むぎ)を食(くら)ふ無かれ
三歳貫女  三歳(みとせ)がほど女(なんじ)に貫(つか)えしが
莫我肯  我を肯(あえ)て(めぐ)むこと莫(な)かりき
逝將去女  逝(ゆ)きて將(まさ)に女(なんじ)を去り
適彼樂國  彼の樂國(らくこく)に適(ゆ)かんとす
樂國樂國  樂國(らくこく)よ 樂國よ
爰得我直  爰(ここ)に我が直(ただ)しきを得ん

碩鼠碩鼠  碩鼠よ 碩鼠よ
無食我苗  我が苗(なえ)を食(くら)ふ無かれ
三歳貫女  三歳(みとせ)がほど女(なんじ)に貫(つか)えしが
莫我肯勞  我を肯(あえ)へて勞(つと)むるとする莫(な)かりき
逝將去女  逝(ゆ)きて將(まさ)に女(なんじ)を去り
適彼樂郊  彼(か)の樂郊(らくこう)に適(ゆ)かんとす
樂郊樂郊  樂郊よ 樂郊よ
誰之永號  誰(たれ)か之(こ)れ永(なが)く號(さけ)ぶものぞ


大ねずみよ 大ねずみよ
わたしの黍(きび)を食ってくれるな
三年ばかりあんたに仕えてきたけれど
あんたはわたしを気にかけることがなかった
あんたのところから去って あの樂土に行ってしまおう
樂土よ 樂土よ
樂土にいけば 安んずることができるだろう

大ねずみよ 大ねずみよ
わたしの麦を食ってくれるな
三年ばかりあんたに仕えてきたけれど
あんたはわたしに何もしてくれなかった
あんたのところから去って あの樂国に行ってしまおう
樂国よ 樂国よ
樂国にいけば わが道理も通るというものだ

大ねずみよ 大ねずみよ
わたしの苗を食ってくれるな
三年ばかりあんたに仕えてきたけれど
あんたはわたしをいたわってもくれなかった
あんたのところから去って あの樂郊に行ってしまおう
樂郊よ 樂郊よ
樂郊にいけば こんなにながながと叫びまわるものとて誰がいよう


碩鼠は大きなネズミ。転じて貪欲な搾取者のことをいう。
農民の一年間の血と汗の結晶である収穫物を、ねずみが遠慮なく食い散らかすように、農民に乗っかっている君主は年貢として容赦なく取り立てていく。
そうした支配者の苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)を憤り、人民はほかの土地に逃げようと歌った内容の詩。

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