鶴が去ってからというもの、おじいさんとおばあさんの間には、
いさかいが絶えることがなかった。
「おまえがのぞいてみると言うから、いけなかったのじゃ!」
「おじいさんこそ、私をきちんと止めてくれなかったじゃないです
か。何年付き合ったら、私の性格をわかってくれるの!」
いくら言い争ったところで、去っていった鶴は二度と帰って来な
い。
鶴の織ってくれた布を売って大きな収入を得たため、二人の生活
はすっかりぜいたくなものになっていた。鶴がいなくなってそんな
収入が見込めなくなっても、一度慣れた暮らしは、なかなか変えら
れるものではない。みるみるうちに、蓄えは少なくなり、二人の生
活は窮地に立たされた。
その時である。すばらしいアイデアが、おばあさんにひらめいた
のだ。さっそくおじいさんに相談したが、あまり乗り気ではなさそ
うである。しかし、おばあさんの執念のこもった説得に、おじいさ
んもついに首を縦に振った。
翌日から、おじいさんはせっせとワナを作り始めた。もうお分か
りだろう。鶴をつかまえるためのワナなのである。もう一度、鶴を
つかまえて、それをそ知らぬふりをして助けてやる。その鶴は、き
っと恩返しに来てくれるはずだ。
二人の安易な作戦は、果たして成功するのだろうか。可能性とし
ては、非常に低いと思われるのだが……。
昨日4回目のワクチン接種。今朝、少し微熱の副反応があり
ましたが、少し昼寝をするとほぼ平熱に戻りました。
中日新聞HPの「達人に訊け!」コーナーに、「お気楽悩
み相談室」を連載しています。
か分からないような気になる。
相談その308「意見を求められた時には『ウム』と答えて
いるが、中身のなさがバレないようにしたい」
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