寒来光一の日替わり笑話

お笑い作家・寒来光一(さむらいこういち)が、毎日(たぶん?)、笑いのネタをお送りします。

初めて学んだ英文(笑ートエッセイ)

2010-07-19 00:09:07 | 笑ートエッセイ
 英語の教科書で、最初に出会った文というのは、決して忘れられな
いものである。

 私の場合、あまり記憶は定かではないが、それはたぶん「This
is a dish.」だったような気がする。
 日本語に訳すとこうなる。「これは1枚の皿です(「これは1枚の
皿である」「これは1枚の皿じゃ」「これは1枚の皿よ」でも正解。
「これは1枚の皿だってば」となるとニュアンスは微妙に異なるよう
な気がする)」。

 確かにそうだ。でも、そんなものは見れば分かる。それとも、どう
見ても皿に見えないへんてこな代物だったのだろうか(さし絵は普通
の皿だったような気がする)。
 でも、だからそれが何なのだと言いたい。

 次に出会った文は、「This is a fish.」(これは
1匹のおサカナさんです)である。
「dish」の後は、「fish」だと? 「いいかげんにしろ!」
と叫びたい。
 これでは、単なる駄じゃれではないか。その時は、もう私も中学生
なのである。中学生に向かって、おサカナさんはないだろう。
 いや、おサカナさんと書いたのは私であって、教科書には魚と書い
てあったかもしれない。
 問題は、そんなことではなく、せめて魚の種類ぐらい触れておくべ
きではないかと言いたいのだ。

 とはいえ、皿と魚である。そんなものが目の前にあれば、さしあた
り皿の上に魚を乗せてみる。
「This is a fish in a dish.」である。
 しかし、このまま放置していては、魚は腐ってしまう。それでは、
この魚の魂も浮かばれない。やはり、魚を食べてこそ物語は完結する
のだ。
 そのためには、ナイフとフォーク、または箸の登場が不可欠となる。
 できれば、飲み物、ライスかパン。それにサラダとデザートがつけ
ば、もう言うことはない。こうしてはじめて体系的な英語が学べる環
境となるのだ。

 こうした条件が整備されずに、皿と魚だけでガマンせざるを得なか
った私である。
 英語が苦手なのも、無理はない。



  皆さんは、初めて学んだ英文、覚えていますか? 
コメント (2)
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