●悪魔と踊ろう vol 3-6 偽造工作
下田駐在所は、シロアリに喰われた廃墟同然の建物だ。
柱という柱は、シロアリに喰われ中身がない。柱の中が空っぽで海綿体状になっている。
海から来る~強風が吹けば~家が揺らぐ。・・・・・信じられない。
もし地震があれば、中規模の地震でも間違いなく倒壊するだろう。死ねと言うのと同じだ。
警察官以外の職業なら人権問題になりかねないが、私が人ではなく、虫だという証であろう。
屋根はトタン葺きで、真夏の太陽なら容赦なく焼き焦がす。
突発的な大雨が降れば、まるでドラム缶でも叩くかのように、トタン屋根が鳴り響く、
昼ならいいが・・・深夜のドラムは、ジャズの様にはいかない。
室内は恐ろしく暑い。過去に経験した事のない暑さだ。
最近行った人間ドックでは、心臓に不整脈が出ているらしい。原因は充分すぎるほど判っていたが、
ここから動く事はできない。
近々、何かが起こる。それまでに記録を残していなければならない。
8月上旬、クーラーを付けても、なお暑い駐在事務所でパソコンと格闘していたとき、
またもや捜査一課の特捜刑事が、1人でやって来た。
1人だ、警部補の刑事さんが1人で何用か?挨拶の後、駐在所の椅子に座り込み、
今日は一枚の紙切れを出した。
「すみません、これ見てくれませんか、
これは事件後に書かれた経過報告です」
見ると、B5版の用紙に何か書いている。
・・・・・・・・・~経過報告?・・・警察に、そんな書類が有ったか???
全ての官公所がそうであった様に平成4年頃に、使用する用紙がA4版の大きさになったが、
それまでは、小さなB5版を使っていた。
つまり特捜刑事(捜査一課)が、私の目の前に出した書類は、
私が事件後に追い出された 、平成3年までの用紙である。
今から見ると、随分小さなB5版の用紙にワープロでタイプしたものだろう、
事件当時、こんな作業をしていたのは、中田刑事しかいなかった。
・・・私を追い出した後、田岡 大の情婦を取り込んだヤツだ。
刑事さんは、真剣な表情で話し出した。
「これを見ると、事件発生後の“平成2年9月10日”に、
田岡 大が“事件前”から 使っていた 、
グレーの車を秘匿鑑識したように書いていますが、
・・・・・・・・・・・・・・こんな事ありました?」
言われて見ると、確かに“9月10日”と書かれ、言われた通りの内容である。
・・・“ウソ八百”・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
“大ウソの品評会”
・・・・・・・・・・・・頭を使っていない大ウソ
9月10日と言えば事件から16日しか経過してない。
その時期「銀行員はフィリピン人ホステスと逃げた」と、ありもしないデマを、
・・・・・・・・・・・・・事もあろうに刑事課内部で、当の刑事課員が~流していた時期である。
失踪であり、事件では無かったのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全く相手にもしなかった。
それが、どうして事件前の車を秘匿鑑識するのか。ところがこの書類には、
さらに事件後に、田岡が購入した白色の車も合わせて秘匿鑑識した。
全て手抜かり無く、完璧な捜査が事件発生直後から実施された様に、見事な“大ウソ”が
~書かれていた。
その後の捜査員は、こんな“大ウソ”の書類を見ながら仕事をしているんだ、
改めて一眼国の恐ろしさが、身にしみて判ってきた。
しかし、“9月10日” から “大ウソ” が必要な理由(ワケ)とは・・・
・・あの・・・四万十小学校北側の山で見つかった “骨” は、やはり銀行員だろう・・・
警察発表で「九州から来た人が自殺した・・・」~と言う、アノ例の骨は、やはり私が考える通り
失踪した銀行員の「骨」だろう。
だから、これほど徹底した大ウソを事件当初の初動捜査から塗り替えた。
虚偽報告書作成・公文書偽造・証拠隠滅・隠ぺい工作~の立派な証拠品が目の前にある。
私を追い出した後、特定幹部の思惑通りに偽装工作を完成させた御褒美として、
4年間で3階級出世した猛者もいたが、よほど表に出したくない事件らしい。
それだけ怖がるところを見ると、大ウソの仕上げは県警幹部がやっているんだろう、
道理で黒幕の西田秀男が定年退職したあとで、特捜が動き出したわけだ。が、しかし。
~ふと気づいた。
どうしてこんな書類を私に見せるんだ?他の者ならともかく、私に見せたら
・・・・・・・・・・・・・「今まで蒸し込んでいました」と公表したのと同じだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なぜ見せた?
つまりこの刑事は、私に質問に来た様相で、実は私にみせに来た。・・教えに来た。
そう考えるのが順当か?・・わからん。・・・が、もし画策無しとすれば、単なるアホだが?
腹に何かの策があれば、よほどの決心が必要だ。
が、今は何の判断もできず、黙って聞くしかない。
私が12年前のウソ八百の書類を否定した後、もっとたまげる言葉が、刑事の口から漏れた。
核心に触れる、
恐るべき一点。
「田岡 大の預金調査について、
事件当時やったと思いますが。
ほかにも、
当時の中田・今田・両刑事の名前で・銀行紹介した
捜査関係事項照会書の書類が有りますが、
・・・・・・・これはどうです?・・・
・・・・・・・・・見覚えがあります?」
と言う、・・耳を疑う質問だった。
・・・・・・・・・“大ウソ”だ・・・私をミミズの様に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・蒸し込み・・はじき出し・・虫ケラの扱いで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・その上で・・・この“大ウソ”か~・・腐れ外道
捜査関係事項照会書、事件直後から 田岡 大を中心とした関係者の預金状況について
~調査したのは私しかいない。他の者は、誰もやってないはずだ。
もしあるとすれば平成3年4月、私が中村署の刑事課から追い出された後だ。
・・・・・しかし、今・・「見覚えが~あります?」・・との・ご質問だったが?・・それなら
・・・・・・・・平成3年3月までのはず?・・・今、そう~質問したが・・
「ああ、・・そうですか?そんなら、・・その後、・・・・・
・・確認したのかもしれない・・
・・・・・・・・・・ もう一度確かめてみます」
何か、奥歯に挟まった言い方。~日本語の喋りとして、おかしい?
(事件後・1年以上経過した後で、照会して~何の意味がある。ヤル必要がない。)
~「確かめてから」下田の駐在所に来たはずだ。・・・何かある。・・・少し時間をいただいて
小道具を引っ張り出した。
12年前に私が書いた捜査関係事項照会書。
これを奥の部屋から持ってきて、特捜刑事に見せながら説明した。
「これです、こんな風に、全部私が書いたんですよ。
関係者全員を照会して・・・」
銀行照会は~私以外の者は~絶対にやってない。~もし有れば~ウソの仕上げの報告だ。
当時のワープロが使えず。きたない自筆で書いた私の12年前の書類を見せた。
「今でも当時の記録は、しっかり保管している」との、ジェスチャーである。
もっとも、失敗作で提出せずに残したものだったが、「全員を照会」の「全員」を強調した。
目的は1人、田岡の事件当時の女の預金状況である。
「なるほどねえ~・・・」と言いながら見ている内に
「ああ~あの 田岡 大の彼女。
・・・・・・・・あの時に照会した女の照会結果ですが、
あれの回答は~
・・中村署に当時来ているんですよ。・・・1月に」
瞬間、耳を疑った
平成3年1月に、私が最も注目した女の銀行預金の取引状況について
一国銀行から回答が来ていた。
それを当時の捜査員は私に対して
「あの回答は、銀行から電話がありまして
“土佐清水市”の“山田履物店”という店が、
女の名前を借りて入金したもので、~・・・
これは、“税金対策の名義貸し”だから~
調べられたら、“お客さんが迷惑するから辞めてくれ”
・・・と、一国銀行から連絡があったので、・・・・・・
~これ以上調査しないほうがいい」
と大ウソをついて蒸し込んだ。
明らかにウソだと判る方便でだ。
天下の一国銀行が、どうしてそんな馬鹿げた大ウソをつくか、
一国銀行は名義貸しの違反をしながら
税金対策の預金を集めているから、
警察は調べないで欲しい。と~銀行がウソをつくか?
糞ボケ
~ウソをつくときは、もっと頭を使うんだ。使う頭が無かったらウソをつくな。~
と思ったが、・・・しかし、“そのウソ”は“ウソ”だった。と、・今、特捜刑事が言った。
なぜ?・・・・・・・・・なぜ私に話す。
~そんな事を私に話したら
「アンタは、蒸し込まれていた。騙された証拠はこれだ」
と、言っているのと同じだ。
・・・なぜ、今頃そんな事を言いに来たのか?・・・
しかし、「預金額」については、まさか・・言うまい。・・・絶対に言うはずがない。
と、自分自身に断言しながら一応聞いてみた。
「それで、どの位の金額が、入っていたんですか?」
これを答えたら、全て終わったようなものだ。
口が裂けても・私には内緒にするだろう「言えないから、私が蒸し込まれたのだ」
何の期待もせず尋ねたが、意に反し、刑事は何の抵抗もなく、すんなり答えた。
「答えた」と言うより、あらかじめ予期していたかのように、すらりと一言
「5百数10万円」
と、金額のみ答えた。
思わず「エ・・・~」と、うなった。・・・・・「5百数10万円」
~同じように発音した。
特捜刑事は、無言で、首を縦に振る。
・・・・大きく1回振った。・・・
・・・・・・・・・・・つまり・・「5百数10万円」入った
~信じられん。
・・・銀行員失踪事件。・・これまで12年間、私が無限大に近いぐらい繰り返した言葉。
銀行員失踪事件。
この事件発生直後、逆さにしても鼻血もでない。金に困っていた田岡が、
ヤツの女に「5百数10万円」の金を銀行口座に振り込んでいた。
その話、その金額を私に喋る?・・なぜ?・・話す。・・それなら田岡を逮捕できる。
女を煮詰め、女のダシを絞り出した後、田岡を吊るし上げろ。ケツの毛までむしり取れ。
猟師は獲物を捕まえてナンボのもんじゃ、やらんか?・・なぜやらん。・・「このガキ」
一声残し、回し蹴りでもブチ込みたい心境だが、何もできず、精一杯の穏やかさを装いながら
質問を続けた。
が、私の思考は、別の思いも同時に進行していたので、電報のような一言にしかならなかった。
「それは、一度に入った金か、
それとも分割か?」
これも答えるか?・・・・・・・・・・・「喋れ」クソガキ。
「わからん」
またもや一言。
「わからん」と言った。
「わからん」はずがない。銀行照会の回答があれば、全てがでる。
5百数10万円の入金があれば、“何月・何日・何時・何分・に・いくら”~の入金と、
全てが出ているはずだ。それを「わからん」とは、
つまり「1度に入っている。または、切迫した日付で入っている」との回答だろう。
そこまでは、言えないらしい。聞かないのが礼儀だろう。
おそらく刑事は、はじめから「喋る一点」と「喋らない一点」を明確に用意していた。
ソレが確定的であるがために、ポイントに関しては、一言の言語しか喋れなかった。
したがって、無理強いしても絶対に喋らない。が、なぜ私に話した。その真意は、何だ?・・・
・・・・・・・・・・・・・10年前、田岡を任意で取り調べた。
・・・あの時、「田岡が、自分のオヤジの金を無断で引き下ろして使っていた」と、断言し
「田岡は犯人ではない」と結論づけた。・・アレは何だ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「クロ」を「シロ」にした。・・・・・・つまり、そう言う事だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それなら~一眼国は、立派な共犯者だ。
犯人 田岡を隠し・逃がした・立派な共犯者。立派な警察犯罪だ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不祥事ではない犯罪だ
・・・・・・・・・初めから蒸し込んだのか?・・・それなら、・・なぜ今頃、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 取り調べを再開したのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
頭のなかで、繰り返し・考えを巡らしている隙に、
特捜刑事は「それじゃあ、また、何かあったら、教えてもらいます」と言い残し、
そそくさと出て行った。
これは明らかに、私に対する質問を装い、逆に、何かを教えに来たものだ。・・・何かは、
わからんが、余程の自信がある。自信とは「事件終結」の自信。
事件を終了さす事が確実に可能である。との、自信とみた。
で、どこから自信が湧いてきた???
・・・・・・・・・・・・・オカシイじゃないか?ウソ八百で固めた事件初期の事実で、
・・・・・・・・・・・・・・・どうして~確定的な自信ができるんだ。
基礎的なことも解ってない刑事が・・なにをヤル気だ。
私に真実を話しても困らないほど大きな自信だ。どこで、そんなモノができた?・・・
あるとすれば、1つしかない。・・・他にない・・外は、ウソ八百。これでは何もできん。
・・なら、中しかない。
いかにして、この事件を蒸し込んだか「蒸し込み組」を取り調べたら、
いやでも「真実」が分析できる。つまり、先に「始末できる」との、結論を出し、
後から肉付けをしようとしている。
真実を隠す為の肉付けだ。・・・・・・それとも逆に、田岡を殺して全てを闇に葬るのか?
・・その自信か?・・ヤル気か?
この事件が、なぜ隠ぺいされたか?犯人自身が最も承知しているはずだ。
だから、別件で取り調べ、時間稼ぎをしたら、いやでも自殺する。
・・・それなら、私も危ない。
消されない為には、事件の記録を複数の方法で残すのが最も効果があり、しかも、
なにげなく公表する必要がある。
・・・数々の思いが、ゴミ焼き場の煙が立ち上る様に、臭いさえ感じさせながら揺らぎだした。
それから少したった昼下がり、あまりに暑いので、用もないのにパトカーを走らせ
中村署へ立ち寄った際、凄い人物が署長室へ入るのを見た。
何と、事件を蒸し込んだまま・定年退職した西田秀男である。
いまだ中村警察署に出入りしていると、あ然とした。
それ以上に、西田とすれ違う署の幹部が、天皇陛下にするがごとく、
直立不動で、深々と最敬礼しながら通っていた。いまだ神々の神、サル軍団のボス。
12年前と、まったく変化なし。→ 天皇陛下よりエライ~国賊だ
これでは、信用できないが、ただ・ながめるしか何もできない。
つまり一眼国は、12年前から一貫して、蒸し込み工作を完全に実行する方針は変わってない。
だから、犯人の田岡に関する
・・・・・・・・最大の弱点「彼女の銀行口座に振り込んだ5百数10万円」は・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・~何がどうでも永遠に蒸し込み、闇の中に葬り
・・・・・・・・・・・・・・・・別件~「女性に対する暴力事件」を表に出そうとしている。
前科の無い人間に対して、たかが「暴力事件」程度の罪名では、罰金で終わる。
強盗殺人・死体遺棄の重大犯人を罰金刑で追い詰めたら、何が起きるか?
・・~素人が考えても充分に理解できる。
・・・~1つ目カラスは遊ぶつもりだ。
・・・・・・・・・・重大事件の犯人のクビを“罰金刑の真綿” で、
ジワジワ “〆しめ込んだら〆” ~自殺しか残らん。
~それはいつか?
私はこう思った。過去の例から考え、
・・・・・・・・・・・・・・何か、やる。とすれば、大きな物陰の後ろに隠ぺいする。
昔、土佐清水署で署の幹部を、署員が椅子で殴り怪我をさせた事件があった。
マスコミが騒ぎ出し、新聞・テレビで一斉に報道された。
その際、中村署で準備中だった女性経営者による大きな詐欺事件を、
予定より早く~事件着手させた事がある。
つまり田舎では、珍しい大規模な手形詐欺事件。
それも女詐欺師による見栄えのする事件を、予定より早くマスコミに流す事により、
清水署でおきた、警察官による暴力事件を・包み込もうとした意図があった。
事実、地域住民の関心は、いち早く女性詐欺師に向けられ、目的は達成されたものである。
同様に銀行員失踪事件について考えてみれば。何かこれまでにない、大きなものに
包み込むことができないか?・・・と、考えないだろうか?・・・これまでに前例がない
「よさこい高知国体」がもうすぐ開催される。
夏季大会 平成14年9月21日(土)
~9月24日(火)
秋季大会 平成14年10月27日(日)
~10月30日(水)
それぞれ皇室から殿下・妃殿下がお成りになる。
四万十川流域の地域住民には、過去に経験のないイベントが盛大に行われ、
私なら~この機会を逃さない。
夏季大会と秋季大会の谷間、9月下旬から10月下旬の間、
人々の意識・目・口・すべて の五感は、国体に集中するだろう。
ホテルの数が足りない事から、普通の民家に選手や観客を宿泊させる「民泊」もある。
うわさ話に、明け暮れる暇はない。
それに、この国体はおそらく、二度と高知県西部では開催されないだろう。
・・・・・・・・・絶好の谷間である。私ならこの時期に勝負をかけるのだが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は、この様な予測をした場合、必ず人に話す。
後からいくら話しても、タダの感想であり、当たった事にはならないからだ。
が、銀行員の件に関して、他人に話す事はできず。私の女房に期限を話し、
私はできる限りの注意力を、中村警察署に集中する事にした。
秋の高知県国体に御成になる、常陸宮同妃殿下の警衛警備の御日程通りに、
御成先を前もって実際に見て回り、警衛警備方針を警察官に教えるための「実踏」。
実際に踏まえる訓練が、平成14年10月4日午前9時から実施された。
30名ぐらいの警察官が、大型バスに乗り、訓練のため出発しようとした。
私が警察署出入り口前に止めているバスに乗るため歩いて行くと、
近くで新聞記者が不安そうな顔で~口をやや半開きにし、黙って、そわそわしながら立っていた。
しきりに、こちらを見ている姿は、私たち警察官が団体でどこに行くのか?~?~?
・・・・・バスの窓列に座る警察官の姿を~右から左へ~左から右へ~茫然と見ている。
・・・・・・・・・・・・・これで、口が半開きだから呆然(アホ然)だ。
そんな感じで見ている様だったが~やがて突然走り出し、警察署出入り口から中に入った。
・・・・・~「おかしな表情だ、何か不安そうに、そわそわしている」~ただ、そう思った。
バスに乗り込み、半日がかりで「実踏」を済ませ、混雑する食堂で、皆と一緒に昼食を取り、
帰ろうとしたのが~午後0時30分頃だった。
帰る間際、刑事課長が署長と一緒に食堂に入って来て、
昼食の弁当を広げながら~・・刑事課長が署長に言った。
「署長、新聞記者は、面白かったですよ・・・・・・・・・・・・・・・
“実踏”で・警察官が、大勢バスに乗り込むのを見て~
『どこへ?~・・堀に行くのですか』って、
何を勘違いしたのか・・・
~刑事課まで~・・大あわてで、走って来たんですよ。
入り口から~真剣な顔で・・走り込んできて・・
『“どこへ?~ホリに行くのですか”・・と・・・』
・・・“実踏”を・・間違えて・・・・・・
・・・・・・・「掘ると思って」・・・アハハハァ~・・
・・・・・・・・・ハハハ・・・・ハハ・・・・・・」
よほど~おかしい事が、コッケイな事が~有った様だ。
・・・~「掘る」と言って、1人で大笑いした。
他の者は、意味不明で、何を言い、何が・おかしいのか、全く無関心でメシを食っていた。
警察官が大勢で、バスに乗るのを新聞記者が見て
~「何かを掘り出す為に、警察官がバスに乗り、出発している」と、勘違いした。
記者の勘違いは「掘る」行為のみ、「何かを堀に行く」~ただそれだけの行為をとらえた
・・・~勘違いである。・・・・・記者は「掘る」と考えた。
・・~が、実際は~「実踏」であった。
~それが刑事課長には、面白くて仕方がなかった。
そう言う事だろう、しかし、この「コッケイな話」を聞いた署長は~急に真剣な真顔になり
首を大きく~上から下へ~1回だけコクリと動かした。無言で~極めて真剣な表情である。
何か重大な決意をしている様子である。
両者、対照的。刑事課長は新聞記者が勘違いして、子供のイタズラがまんまと
成功したかの様に無邪気に喜んでいる。
それを聞いた署長は、ただひたすら自分自身を引き締めるがごとく、コクリとうなずいた。
・・・・・・・・時間にして10秒あるかないか、それ位の間隙だろうが、
・・・・・・・・・・・・~私はこんな瞬間を最も大事にする。
人は平気でウソをつくが、人間、無意識で喋った場合は、ホントのことを喋るものだ。
この瞬間、この2人は真実を喋り~表現した。
・・・・・・・・・・・・「掘る」とは、「埋めた」から「掘る」のである。
・・「埋めた」とは、何か。
12年以上前から、この四万十市で「埋めた」「掘る」の2つの単語が出るのは、
・・・・・・・・・・・銀行員失踪事件以外にない。
今、まさに・深い海の底から魚を釣り上げる、最初の魚信(アタリ)が、署長と刑事課長により、
・・・・・・・・・・・・私の指先にピクリと感じられた。
漁師は、指先に来るアタリだけで、今、何が釣り針に触れているか判るらしい。
それぞれの魚は、引き方が違うのだ。鯛と鯖では、アタリが違う。
~・・私に対するアタリは、
・・・・・・・・・・・・あきらかに、土に埋もれた銀行員の引きだ。
大勢の警察官を必要とする「掘る」行為。・・他に、何がある。・・鍵は新聞記者が持っている。
記者にカマかけて「掘る」とは何か?聞けばいい。
私の考えが正しければ記者は、まだ署内にいるはずだ。絶対に帰らない。
こんな事件は有史以来初めて起きた、警察の蒸し込みによる強盗殺人死体遺棄事件である。
しかも、新聞記者が警察署に張り付いたと言う事は、警察幹部が、犯人逮捕の『極秘情報』
を新聞社に漏らした。との証跡である。新聞社に特ダネのエサをまく。~撒き餌だ。
常日頃から新聞社を手なずけ、警察発表の通りの記事を書かせ、新聞を警察の掲示板に
・・・・調教・恫喝するやり方である
新聞記者は、緊張感を持続しながら警察署に張り付いた。
・・・だからコッケイな「勘違い」をした。
それを、笑う刑事課長は「極秘情報」が、新聞社に抜けている事を充分に知っている。
~公然の「極秘」である。~みんな知っている事だろう。~だから食堂で笑える。
また~署長の前で笑えるとは、署長が新聞社に、または県警本部が新聞社に抜かした。との痕跡だ。
コッケイな「極秘」は署長にとっては、一大決心を必要とする事柄であろう?・・・
・・・・・・~・・一枚の絵ができた。
・・・・・絵が動き出すまで、新聞記者は絶対に帰らない。
まず、何くわぬ顔で新聞記者をさがしだし、一発大きく出る。一発で決めてやる。
~おいしい“エサ”(特ダネ)をやりながら~新聞社を常日頃から手なずける~
~やがて、~シッポを振る立派な犬(ポチ)に育っていく~
~エサを貰った犬は、ある日・突然エサを貰えなくなる“恐怖”も同時に“感じる”ようになり、
頭の中で想像しただけで、シッポが動き出すように~訓練がいきとどく。~立派なペットだ。
やがて~主人(警察)が提供する通りの内容しか思いつかない忠犬に育っていく。
~持ちつ持たれつ~双方から互いに支え合った「人」の字は「冤罪事件」の報道も支え合い
“エサをくれる”「人」の主張しか報道しなくなり、片寄った偽りの正義が「冤罪」を創造する。
~“ポチの恐怖”~が、普通の報道になった世の中では、偽りの正義が真実として“あふれ出し”
「冤罪」の文化が常態化するだろう。「冤罪」は創りだした文化。
権力犯罪だけで、創れるものではない。民をだます掲示板は、江戸時代からある。
戦争中は「大本営発表」だった~さらに上手になった今は~・・・“ポチ”だ。
“大本営発表”~編集長は、忠犬-ポチ
下田駐在所は、シロアリに喰われた廃墟同然の建物だ。
柱という柱は、シロアリに喰われ中身がない。柱の中が空っぽで海綿体状になっている。
海から来る~強風が吹けば~家が揺らぐ。・・・・・信じられない。
もし地震があれば、中規模の地震でも間違いなく倒壊するだろう。死ねと言うのと同じだ。
警察官以外の職業なら人権問題になりかねないが、私が人ではなく、虫だという証であろう。
屋根はトタン葺きで、真夏の太陽なら容赦なく焼き焦がす。
突発的な大雨が降れば、まるでドラム缶でも叩くかのように、トタン屋根が鳴り響く、
昼ならいいが・・・深夜のドラムは、ジャズの様にはいかない。
室内は恐ろしく暑い。過去に経験した事のない暑さだ。
最近行った人間ドックでは、心臓に不整脈が出ているらしい。原因は充分すぎるほど判っていたが、
ここから動く事はできない。
近々、何かが起こる。それまでに記録を残していなければならない。
8月上旬、クーラーを付けても、なお暑い駐在事務所でパソコンと格闘していたとき、
またもや捜査一課の特捜刑事が、1人でやって来た。
1人だ、警部補の刑事さんが1人で何用か?挨拶の後、駐在所の椅子に座り込み、
今日は一枚の紙切れを出した。
「すみません、これ見てくれませんか、
これは事件後に書かれた経過報告です」
見ると、B5版の用紙に何か書いている。
・・・・・・・・・~経過報告?・・・警察に、そんな書類が有ったか???
全ての官公所がそうであった様に平成4年頃に、使用する用紙がA4版の大きさになったが、
それまでは、小さなB5版を使っていた。
つまり特捜刑事(捜査一課)が、私の目の前に出した書類は、
私が事件後に追い出された 、平成3年までの用紙である。
今から見ると、随分小さなB5版の用紙にワープロでタイプしたものだろう、
事件当時、こんな作業をしていたのは、中田刑事しかいなかった。
・・・私を追い出した後、田岡 大の情婦を取り込んだヤツだ。
刑事さんは、真剣な表情で話し出した。
「これを見ると、事件発生後の“平成2年9月10日”に、
田岡 大が“事件前”から 使っていた 、
グレーの車を秘匿鑑識したように書いていますが、
・・・・・・・・・・・・・・こんな事ありました?」
言われて見ると、確かに“9月10日”と書かれ、言われた通りの内容である。
・・・“ウソ八百”・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
“大ウソの品評会”
・・・・・・・・・・・・頭を使っていない大ウソ
9月10日と言えば事件から16日しか経過してない。
その時期「銀行員はフィリピン人ホステスと逃げた」と、ありもしないデマを、
・・・・・・・・・・・・・事もあろうに刑事課内部で、当の刑事課員が~流していた時期である。
失踪であり、事件では無かったのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全く相手にもしなかった。
それが、どうして事件前の車を秘匿鑑識するのか。ところがこの書類には、
さらに事件後に、田岡が購入した白色の車も合わせて秘匿鑑識した。
全て手抜かり無く、完璧な捜査が事件発生直後から実施された様に、見事な“大ウソ”が
~書かれていた。
その後の捜査員は、こんな“大ウソ”の書類を見ながら仕事をしているんだ、
改めて一眼国の恐ろしさが、身にしみて判ってきた。
しかし、“9月10日” から “大ウソ” が必要な理由(ワケ)とは・・・
・・あの・・・四万十小学校北側の山で見つかった “骨” は、やはり銀行員だろう・・・
警察発表で「九州から来た人が自殺した・・・」~と言う、アノ例の骨は、やはり私が考える通り
失踪した銀行員の「骨」だろう。
だから、これほど徹底した大ウソを事件当初の初動捜査から塗り替えた。
虚偽報告書作成・公文書偽造・証拠隠滅・隠ぺい工作~の立派な証拠品が目の前にある。
私を追い出した後、特定幹部の思惑通りに偽装工作を完成させた御褒美として、
4年間で3階級出世した猛者もいたが、よほど表に出したくない事件らしい。
それだけ怖がるところを見ると、大ウソの仕上げは県警幹部がやっているんだろう、
道理で黒幕の西田秀男が定年退職したあとで、特捜が動き出したわけだ。が、しかし。
~ふと気づいた。
どうしてこんな書類を私に見せるんだ?他の者ならともかく、私に見せたら
・・・・・・・・・・・・・「今まで蒸し込んでいました」と公表したのと同じだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なぜ見せた?
つまりこの刑事は、私に質問に来た様相で、実は私にみせに来た。・・教えに来た。
そう考えるのが順当か?・・わからん。・・・が、もし画策無しとすれば、単なるアホだが?
腹に何かの策があれば、よほどの決心が必要だ。
が、今は何の判断もできず、黙って聞くしかない。
私が12年前のウソ八百の書類を否定した後、もっとたまげる言葉が、刑事の口から漏れた。
核心に触れる、
恐るべき一点。
「田岡 大の預金調査について、
事件当時やったと思いますが。
ほかにも、
当時の中田・今田・両刑事の名前で・銀行紹介した
捜査関係事項照会書の書類が有りますが、
・・・・・・・これはどうです?・・・
・・・・・・・・・見覚えがあります?」
と言う、・・耳を疑う質問だった。
・・・・・・・・・“大ウソ”だ・・・私をミミズの様に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・蒸し込み・・はじき出し・・虫ケラの扱いで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・その上で・・・この“大ウソ”か~・・腐れ外道
捜査関係事項照会書、事件直後から 田岡 大を中心とした関係者の預金状況について
~調査したのは私しかいない。他の者は、誰もやってないはずだ。
もしあるとすれば平成3年4月、私が中村署の刑事課から追い出された後だ。
・・・・・しかし、今・・「見覚えが~あります?」・・との・ご質問だったが?・・それなら
・・・・・・・・平成3年3月までのはず?・・・今、そう~質問したが・・
「ああ、・・そうですか?そんなら、・・その後、・・・・・
・・確認したのかもしれない・・
・・・・・・・・・・ もう一度確かめてみます」
何か、奥歯に挟まった言い方。~日本語の喋りとして、おかしい?
(事件後・1年以上経過した後で、照会して~何の意味がある。ヤル必要がない。)
~「確かめてから」下田の駐在所に来たはずだ。・・・何かある。・・・少し時間をいただいて
小道具を引っ張り出した。
12年前に私が書いた捜査関係事項照会書。
これを奥の部屋から持ってきて、特捜刑事に見せながら説明した。
「これです、こんな風に、全部私が書いたんですよ。
関係者全員を照会して・・・」
銀行照会は~私以外の者は~絶対にやってない。~もし有れば~ウソの仕上げの報告だ。
当時のワープロが使えず。きたない自筆で書いた私の12年前の書類を見せた。
「今でも当時の記録は、しっかり保管している」との、ジェスチャーである。
もっとも、失敗作で提出せずに残したものだったが、「全員を照会」の「全員」を強調した。
目的は1人、田岡の事件当時の女の預金状況である。
「なるほどねえ~・・・」と言いながら見ている内に
「ああ~あの 田岡 大の彼女。
・・・・・・・・あの時に照会した女の照会結果ですが、
あれの回答は~
・・中村署に当時来ているんですよ。・・・1月に」
瞬間、耳を疑った
平成3年1月に、私が最も注目した女の銀行預金の取引状況について
一国銀行から回答が来ていた。
それを当時の捜査員は私に対して
「あの回答は、銀行から電話がありまして
“土佐清水市”の“山田履物店”という店が、
女の名前を借りて入金したもので、~・・・
これは、“税金対策の名義貸し”だから~
調べられたら、“お客さんが迷惑するから辞めてくれ”
・・・と、一国銀行から連絡があったので、・・・・・・
~これ以上調査しないほうがいい」
と大ウソをついて蒸し込んだ。
明らかにウソだと判る方便でだ。
天下の一国銀行が、どうしてそんな馬鹿げた大ウソをつくか、
一国銀行は名義貸しの違反をしながら
税金対策の預金を集めているから、
警察は調べないで欲しい。と~銀行がウソをつくか?
糞ボケ
~ウソをつくときは、もっと頭を使うんだ。使う頭が無かったらウソをつくな。~
と思ったが、・・・しかし、“そのウソ”は“ウソ”だった。と、・今、特捜刑事が言った。
なぜ?・・・・・・・・・なぜ私に話す。
~そんな事を私に話したら
「アンタは、蒸し込まれていた。騙された証拠はこれだ」
と、言っているのと同じだ。
・・・なぜ、今頃そんな事を言いに来たのか?・・・
しかし、「預金額」については、まさか・・言うまい。・・・絶対に言うはずがない。
と、自分自身に断言しながら一応聞いてみた。
「それで、どの位の金額が、入っていたんですか?」
これを答えたら、全て終わったようなものだ。
口が裂けても・私には内緒にするだろう「言えないから、私が蒸し込まれたのだ」
何の期待もせず尋ねたが、意に反し、刑事は何の抵抗もなく、すんなり答えた。
「答えた」と言うより、あらかじめ予期していたかのように、すらりと一言
「5百数10万円」
と、金額のみ答えた。
思わず「エ・・・~」と、うなった。・・・・・「5百数10万円」
~同じように発音した。
特捜刑事は、無言で、首を縦に振る。
・・・・大きく1回振った。・・・
・・・・・・・・・・・つまり・・「5百数10万円」入った
~信じられん。
・・・銀行員失踪事件。・・これまで12年間、私が無限大に近いぐらい繰り返した言葉。
銀行員失踪事件。
この事件発生直後、逆さにしても鼻血もでない。金に困っていた田岡が、
ヤツの女に「5百数10万円」の金を銀行口座に振り込んでいた。
その話、その金額を私に喋る?・・なぜ?・・話す。・・それなら田岡を逮捕できる。
女を煮詰め、女のダシを絞り出した後、田岡を吊るし上げろ。ケツの毛までむしり取れ。
猟師は獲物を捕まえてナンボのもんじゃ、やらんか?・・なぜやらん。・・「このガキ」
一声残し、回し蹴りでもブチ込みたい心境だが、何もできず、精一杯の穏やかさを装いながら
質問を続けた。
が、私の思考は、別の思いも同時に進行していたので、電報のような一言にしかならなかった。
「それは、一度に入った金か、
それとも分割か?」
これも答えるか?・・・・・・・・・・・「喋れ」クソガキ。
「わからん」
またもや一言。
「わからん」と言った。
「わからん」はずがない。銀行照会の回答があれば、全てがでる。
5百数10万円の入金があれば、“何月・何日・何時・何分・に・いくら”~の入金と、
全てが出ているはずだ。それを「わからん」とは、
つまり「1度に入っている。または、切迫した日付で入っている」との回答だろう。
そこまでは、言えないらしい。聞かないのが礼儀だろう。
おそらく刑事は、はじめから「喋る一点」と「喋らない一点」を明確に用意していた。
ソレが確定的であるがために、ポイントに関しては、一言の言語しか喋れなかった。
したがって、無理強いしても絶対に喋らない。が、なぜ私に話した。その真意は、何だ?・・・
・・・・・・・・・・・・・10年前、田岡を任意で取り調べた。
・・・あの時、「田岡が、自分のオヤジの金を無断で引き下ろして使っていた」と、断言し
「田岡は犯人ではない」と結論づけた。・・アレは何だ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「クロ」を「シロ」にした。・・・・・・つまり、そう言う事だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それなら~一眼国は、立派な共犯者だ。
犯人 田岡を隠し・逃がした・立派な共犯者。立派な警察犯罪だ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不祥事ではない犯罪だ
・・・・・・・・・初めから蒸し込んだのか?・・・それなら、・・なぜ今頃、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 取り調べを再開したのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
頭のなかで、繰り返し・考えを巡らしている隙に、
特捜刑事は「それじゃあ、また、何かあったら、教えてもらいます」と言い残し、
そそくさと出て行った。
これは明らかに、私に対する質問を装い、逆に、何かを教えに来たものだ。・・・何かは、
わからんが、余程の自信がある。自信とは「事件終結」の自信。
事件を終了さす事が確実に可能である。との、自信とみた。
で、どこから自信が湧いてきた???
・・・・・・・・・・・・・オカシイじゃないか?ウソ八百で固めた事件初期の事実で、
・・・・・・・・・・・・・・・どうして~確定的な自信ができるんだ。
基礎的なことも解ってない刑事が・・なにをヤル気だ。
私に真実を話しても困らないほど大きな自信だ。どこで、そんなモノができた?・・・
あるとすれば、1つしかない。・・・他にない・・外は、ウソ八百。これでは何もできん。
・・なら、中しかない。
いかにして、この事件を蒸し込んだか「蒸し込み組」を取り調べたら、
いやでも「真実」が分析できる。つまり、先に「始末できる」との、結論を出し、
後から肉付けをしようとしている。
真実を隠す為の肉付けだ。・・・・・・それとも逆に、田岡を殺して全てを闇に葬るのか?
・・その自信か?・・ヤル気か?
この事件が、なぜ隠ぺいされたか?犯人自身が最も承知しているはずだ。
だから、別件で取り調べ、時間稼ぎをしたら、いやでも自殺する。
・・・それなら、私も危ない。
消されない為には、事件の記録を複数の方法で残すのが最も効果があり、しかも、
なにげなく公表する必要がある。
・・・数々の思いが、ゴミ焼き場の煙が立ち上る様に、臭いさえ感じさせながら揺らぎだした。
それから少したった昼下がり、あまりに暑いので、用もないのにパトカーを走らせ
中村署へ立ち寄った際、凄い人物が署長室へ入るのを見た。
何と、事件を蒸し込んだまま・定年退職した西田秀男である。
いまだ中村警察署に出入りしていると、あ然とした。
それ以上に、西田とすれ違う署の幹部が、天皇陛下にするがごとく、
直立不動で、深々と最敬礼しながら通っていた。いまだ神々の神、サル軍団のボス。
12年前と、まったく変化なし。→ 天皇陛下よりエライ~国賊だ
これでは、信用できないが、ただ・ながめるしか何もできない。
つまり一眼国は、12年前から一貫して、蒸し込み工作を完全に実行する方針は変わってない。
だから、犯人の田岡に関する
・・・・・・・・最大の弱点「彼女の銀行口座に振り込んだ5百数10万円」は・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・~何がどうでも永遠に蒸し込み、闇の中に葬り
・・・・・・・・・・・・・・・・別件~「女性に対する暴力事件」を表に出そうとしている。
前科の無い人間に対して、たかが「暴力事件」程度の罪名では、罰金で終わる。
強盗殺人・死体遺棄の重大犯人を罰金刑で追い詰めたら、何が起きるか?
・・~素人が考えても充分に理解できる。
・・・~1つ目カラスは遊ぶつもりだ。
・・・・・・・・・・重大事件の犯人のクビを“罰金刑の真綿” で、
ジワジワ “〆しめ込んだら〆” ~自殺しか残らん。
~それはいつか?
私はこう思った。過去の例から考え、
・・・・・・・・・・・・・・何か、やる。とすれば、大きな物陰の後ろに隠ぺいする。
昔、土佐清水署で署の幹部を、署員が椅子で殴り怪我をさせた事件があった。
マスコミが騒ぎ出し、新聞・テレビで一斉に報道された。
その際、中村署で準備中だった女性経営者による大きな詐欺事件を、
予定より早く~事件着手させた事がある。
つまり田舎では、珍しい大規模な手形詐欺事件。
それも女詐欺師による見栄えのする事件を、予定より早くマスコミに流す事により、
清水署でおきた、警察官による暴力事件を・包み込もうとした意図があった。
事実、地域住民の関心は、いち早く女性詐欺師に向けられ、目的は達成されたものである。
同様に銀行員失踪事件について考えてみれば。何かこれまでにない、大きなものに
包み込むことができないか?・・・と、考えないだろうか?・・・これまでに前例がない
「よさこい高知国体」がもうすぐ開催される。
夏季大会 平成14年9月21日(土)
~9月24日(火)
秋季大会 平成14年10月27日(日)
~10月30日(水)
それぞれ皇室から殿下・妃殿下がお成りになる。
四万十川流域の地域住民には、過去に経験のないイベントが盛大に行われ、
私なら~この機会を逃さない。
夏季大会と秋季大会の谷間、9月下旬から10月下旬の間、
人々の意識・目・口・すべて の五感は、国体に集中するだろう。
ホテルの数が足りない事から、普通の民家に選手や観客を宿泊させる「民泊」もある。
うわさ話に、明け暮れる暇はない。
それに、この国体はおそらく、二度と高知県西部では開催されないだろう。
・・・・・・・・・絶好の谷間である。私ならこの時期に勝負をかけるのだが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は、この様な予測をした場合、必ず人に話す。
後からいくら話しても、タダの感想であり、当たった事にはならないからだ。
が、銀行員の件に関して、他人に話す事はできず。私の女房に期限を話し、
私はできる限りの注意力を、中村警察署に集中する事にした。
秋の高知県国体に御成になる、常陸宮同妃殿下の警衛警備の御日程通りに、
御成先を前もって実際に見て回り、警衛警備方針を警察官に教えるための「実踏」。
実際に踏まえる訓練が、平成14年10月4日午前9時から実施された。
30名ぐらいの警察官が、大型バスに乗り、訓練のため出発しようとした。
私が警察署出入り口前に止めているバスに乗るため歩いて行くと、
近くで新聞記者が不安そうな顔で~口をやや半開きにし、黙って、そわそわしながら立っていた。
しきりに、こちらを見ている姿は、私たち警察官が団体でどこに行くのか?~?~?
・・・・・バスの窓列に座る警察官の姿を~右から左へ~左から右へ~茫然と見ている。
・・・・・・・・・・・・・これで、口が半開きだから呆然(アホ然)だ。
そんな感じで見ている様だったが~やがて突然走り出し、警察署出入り口から中に入った。
・・・・・~「おかしな表情だ、何か不安そうに、そわそわしている」~ただ、そう思った。
バスに乗り込み、半日がかりで「実踏」を済ませ、混雑する食堂で、皆と一緒に昼食を取り、
帰ろうとしたのが~午後0時30分頃だった。
帰る間際、刑事課長が署長と一緒に食堂に入って来て、
昼食の弁当を広げながら~・・刑事課長が署長に言った。
「署長、新聞記者は、面白かったですよ・・・・・・・・・・・・・・・
“実踏”で・警察官が、大勢バスに乗り込むのを見て~
『どこへ?~・・堀に行くのですか』って、
何を勘違いしたのか・・・
~刑事課まで~・・大あわてで、走って来たんですよ。
入り口から~真剣な顔で・・走り込んできて・・
『“どこへ?~ホリに行くのですか”・・と・・・』
・・・“実踏”を・・間違えて・・・・・・
・・・・・・・「掘ると思って」・・・アハハハァ~・・
・・・・・・・・・ハハハ・・・・ハハ・・・・・・」
よほど~おかしい事が、コッケイな事が~有った様だ。
・・・~「掘る」と言って、1人で大笑いした。
他の者は、意味不明で、何を言い、何が・おかしいのか、全く無関心でメシを食っていた。
警察官が大勢で、バスに乗るのを新聞記者が見て
~「何かを掘り出す為に、警察官がバスに乗り、出発している」と、勘違いした。
記者の勘違いは「掘る」行為のみ、「何かを堀に行く」~ただそれだけの行為をとらえた
・・・~勘違いである。・・・・・記者は「掘る」と考えた。
・・~が、実際は~「実踏」であった。
~それが刑事課長には、面白くて仕方がなかった。
そう言う事だろう、しかし、この「コッケイな話」を聞いた署長は~急に真剣な真顔になり
首を大きく~上から下へ~1回だけコクリと動かした。無言で~極めて真剣な表情である。
何か重大な決意をしている様子である。
両者、対照的。刑事課長は新聞記者が勘違いして、子供のイタズラがまんまと
成功したかの様に無邪気に喜んでいる。
それを聞いた署長は、ただひたすら自分自身を引き締めるがごとく、コクリとうなずいた。
・・・・・・・・時間にして10秒あるかないか、それ位の間隙だろうが、
・・・・・・・・・・・・~私はこんな瞬間を最も大事にする。
人は平気でウソをつくが、人間、無意識で喋った場合は、ホントのことを喋るものだ。
この瞬間、この2人は真実を喋り~表現した。
・・・・・・・・・・・・「掘る」とは、「埋めた」から「掘る」のである。
・・「埋めた」とは、何か。
12年以上前から、この四万十市で「埋めた」「掘る」の2つの単語が出るのは、
・・・・・・・・・・・銀行員失踪事件以外にない。
今、まさに・深い海の底から魚を釣り上げる、最初の魚信(アタリ)が、署長と刑事課長により、
・・・・・・・・・・・・私の指先にピクリと感じられた。
漁師は、指先に来るアタリだけで、今、何が釣り針に触れているか判るらしい。
それぞれの魚は、引き方が違うのだ。鯛と鯖では、アタリが違う。
~・・私に対するアタリは、
・・・・・・・・・・・・あきらかに、土に埋もれた銀行員の引きだ。
大勢の警察官を必要とする「掘る」行為。・・他に、何がある。・・鍵は新聞記者が持っている。
記者にカマかけて「掘る」とは何か?聞けばいい。
私の考えが正しければ記者は、まだ署内にいるはずだ。絶対に帰らない。
こんな事件は有史以来初めて起きた、警察の蒸し込みによる強盗殺人死体遺棄事件である。
しかも、新聞記者が警察署に張り付いたと言う事は、警察幹部が、犯人逮捕の『極秘情報』
を新聞社に漏らした。との証跡である。新聞社に特ダネのエサをまく。~撒き餌だ。
常日頃から新聞社を手なずけ、警察発表の通りの記事を書かせ、新聞を警察の掲示板に
・・・・調教・恫喝するやり方である
新聞記者は、緊張感を持続しながら警察署に張り付いた。
・・・だからコッケイな「勘違い」をした。
それを、笑う刑事課長は「極秘情報」が、新聞社に抜けている事を充分に知っている。
~公然の「極秘」である。~みんな知っている事だろう。~だから食堂で笑える。
また~署長の前で笑えるとは、署長が新聞社に、または県警本部が新聞社に抜かした。との痕跡だ。
コッケイな「極秘」は署長にとっては、一大決心を必要とする事柄であろう?・・・
・・・・・・~・・一枚の絵ができた。
・・・・・絵が動き出すまで、新聞記者は絶対に帰らない。
まず、何くわぬ顔で新聞記者をさがしだし、一発大きく出る。一発で決めてやる。
~おいしい“エサ”(特ダネ)をやりながら~新聞社を常日頃から手なずける~
~やがて、~シッポを振る立派な犬(ポチ)に育っていく~
~エサを貰った犬は、ある日・突然エサを貰えなくなる“恐怖”も同時に“感じる”ようになり、
頭の中で想像しただけで、シッポが動き出すように~訓練がいきとどく。~立派なペットだ。
やがて~主人(警察)が提供する通りの内容しか思いつかない忠犬に育っていく。
~持ちつ持たれつ~双方から互いに支え合った「人」の字は「冤罪事件」の報道も支え合い
“エサをくれる”「人」の主張しか報道しなくなり、片寄った偽りの正義が「冤罪」を創造する。
~“ポチの恐怖”~が、普通の報道になった世の中では、偽りの正義が真実として“あふれ出し”
「冤罪」の文化が常態化するだろう。「冤罪」は創りだした文化。
権力犯罪だけで、創れるものではない。民をだます掲示板は、江戸時代からある。
戦争中は「大本営発表」だった~さらに上手になった今は~・・・“ポチ”だ。
“大本営発表”~編集長は、忠犬-ポチ
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