●悪魔と踊ろう vol 3-4 ゴリラの叫び
日本最後の清流 四万十川。失踪した銀行員のオートバイが捨てられていたのも四万十川。
その場所をはるか上流に逆登った、山また山のド真ん中に十和村(とおわそん)がある。
平家の落ち武者が逃げ込み隠れ住んだ山里である。
平家にまつわる数々の落ち武者伝説のある山里へ、
組織からはじき飛ばされた厄介者が車を走らせた。
平家の落ち武者は、どの様な気持ちで落ち延びたのか、
いつか軍勢を立て直し、攻め上る事を夢見ながら、
朽ち果てたであろう。私も朽ち果てに行くのか?・・・・・
~そうかも知れない。
高知県の公務員給料明細表に、僻地・特僻地・2つの僻地手当がつく駐在所は、ざらにはない。
~ここは付く。
・・そう言われて車を走らせた。
四万十市から四万十川をさかのぼるにつれ、 次第に川が曲がりくねり、
山と川の間に、へばりつく様に通っている山道も
細く曲がりくねってきた。
川も流れが急になり、河原の石も小砂利から岩に、そして大岩へと変化する。
車の前を何か横切った、タヌキだ。すごいとこに来た。ここで朽ち果てるか?
そう思いながら、1時間ぐらい車を運転しているが、まだ目的の十川には着かない。
どこまで走るんだ、これ以上山奥なら人が住んでいるのか?
・・・まさか、人がいないとこに駐在はあるまい。
延長196キロメートルに及ぶ四万十川。
かつては、上流から筏流しや・木炭などを満載した舟母(せんば)と呼ばれた白帆の川舟が、
四万十の道を行き来して、
無尽蔵にある山の幸を運び出した。
(舟母)
十和村十川(とおわそん・とおかわ→現在、四万十町)は、その前線基地として開けた集落である。
今更引き返すわけにもいかず、
さらに15分ぐらい走ると集落に出た。人がおる。家がある。ほっとした。
「十川駐在所はどこですか」警察官が通行人に駐在所の所在地を尋ねた。おかしな話だが、
これが住民に話しかけた最初の言葉になった。
(星神社)
四万十川に合流する小さな川が、愛媛県から流れている。
その合流地点から100メートル ほど入った所に駐在所があった。
川の上にコンクリートの土台を突き出す様にして、その上に建物がたてられていた。
小さな橋の上に家を建てているのと同じだ。
山と川しかない山里で、少ない土地に建てられた駐在所である。
何とも凄いところだ、玄関出入り口に車を止め外に出ると、途端に風が吹いてきた。
川向こうには学校がある、肩に何か落ちた。桜の花びらだ、学校の方から飛んでくる。
ふと上を見ると、無数の花びらが川を飛び越え、雲霞のように飛んでいる。
「よく来た」誰かがそう言っている。
山の神か?川の神か?ほかに誰がいる。
人はいなかった。
十和村は、私に人の温もりを再認識させてくれた暖かい山里だった。
また、民俗学の宝庫でもあり、警察官の仕事に嫌気がさし、既に何の意欲もない私にとって
心の洗濯をする最高の場所になった。
山には信じがたい巨木が生い茂り、
民族文化は隣の愛媛県の影響を強く受けているのが 面白かった。
警察の仕事は相も変わらず、エエカゲンを絵に書いた様な事しかしなかった。
この当時話題になったのは「TAC運動」何かの頭文字を取って作った名前だろうが、
~あまりにコッケイなので紹介したい。
あるところで鉄道の駅を新築した際、近くの学校の通学路に当たる箇所の道路幅を広げる工事が、
地域住民の要求通り行われる見通しがついた。工事費用1億1千万円。
これが、どうゆうわけか中村署の駐在さんが、わずか2~3ヶ月の期間の内に全て段取り、
工事を国や県に依頼してやらせた。
要は、駐在さんが仕事を作り、公共工事を完成させたと言う~大ウソが地元新聞に乗っていた。
ヒットラーいわく「ウソも100回言えばホントになる」。
高知県警いわく~「ウソも新聞に載せたらホントになる」
普段から“コネ”で“エサ”(特ダネ)を貰っている地元新聞は、
警察発表なら~何でも無条件で載せる“良い例”だ。
~結局、戦争中の“大本営発表”と同じか?
この駐在さん。
なんと東京まで行って、警察庁のエライ人から表彰状をいただいた。
これ以来、中村署では、どっかで~“公共工事”~があれば、即・報告せよ。~
~との御命令を、制服警察官に出したらしい。・・・~2匹目のドジョウを狙っていた。
地域住民の要望を即、実行して新しい道路を建設した。~ TAC運動の模範である。
が、常識で考えよ。
1億円以上の公共工事が、どうして警察官の思惑で完成するのか?
しかも2ヶ月位の期間でだ。できるわけがない。もしできれば、その駐在さん。
建設会社が、高額の給料で雇ってくれるはずだ~ウソをつくな。
この工事は、地元出身の国土交通省の役人が
「自分の出身地」の公共工事を上手く取りまとめたが
今のご時世~役人がヤッタとは言えないだろう。
だから「地元の要望」を全面に出していた
~丁度そのタイミングで、~まるで出会い頭に衝突したように~ 駐在が、ストンと座って
・・・・・・・・・「やりました」と、報告した。
~これに中村警察署の幹部が相乗りして
・・・・・・・・・・・「やりました」と県警本部に報告。幹部の指導力をアピールした。
同じように県警本部が・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・「やりました」と警察庁へ報告。高知県の質の高さを御報告。
警察庁は、警察官の功績を大々的に賞賛し
・・・・・・・・・・・・・・・・・・「やりました」と、統計的な警察官の“誉れ”・・“一件”。メデタシ・メデタシ
建設業者の社長さんに聞いたところ100~500万円位の~ある程度まとまった
金額の公共工事になれば、
県の上半期・下半期の予算を獲得するために~1年位前から動く、との事。
(実際は30~50万円でも、公共事業なら時間がかかる)が、やったと報告すれば全てが
ホントに組織の中を通過する。
これが恐ろしい。
街灯を建てた。道を付け直した。既に決定した公共工事を、いち早く報告する事により、
あたかも警察官が、地域住民の期待にこたえ、独自に公共工事を完成したかのように装い
部内表彰で飾り立てる。大変な組織になったものだ。
ウソも100回言えばホントになる。
ウソでも組織的に、新聞を利用しながら~警察庁に報告すれば、
そのまま、信じてもらえる時代になったのだ。・・これが冤罪の源流だろう。
バカはバカでも、すざましいバカだ。
~・・・公共工事がどのように完成するか全く理解してない。
・・・・・・・・・少しは汚職事件を検挙せよ。~その感覚があれば~こんなウソは創れない。
・・・・・・・・・~コネで、汚職事件を潰すような組織だ。~まぁ~期待するのが無理だ。
これは学校の「いじめ問題」でも、全く同じ現象が発生するようになった。
要は上手な「報告」。“敵は本能寺にあり”、である。~今後、ますます発生するだろう。
「お上手な御報告」は現場を殺しながら~クソ役人を出世さす・・・日本病
この他にも、上向きに報告する事が、そのまま仕事の成績になるシステムになっており、
警察の外郭団体である駐在所連絡協議会・地域安全推進員・交通安全友の会、母の会、
防犯協議会・等々 何かやって報告すれば優秀警察官である。
しかし、不良少年の補導活動を~夕方や早朝にやっても、何の効果もないのだが、
~効果など、実行力はどうでもいい。とにかく報告が主体だった。
外郭団体の中には警察活動を逆に利用して、外部に漏らす者もいたが、
それを見抜く警察幹部は皆無である。「判断力」は、必要ない。
要は、北朝鮮の主体主義と同じ、偉大なる将軍様、金 正日が言う通りに、
将軍様が満足する、満足さす為に、全員が一丸となり、我が身を犠牲にし、
献身的に御奉公するのが美徳である。結果、悪くなろうが、どうなろうが、そんな事を評価
するような知恵のあるヤツは、即座に強制収容場に監禁される。
北朝鮮日本支部、我が一眼国の主体主義は、「無知」と「報告」である。
私が十和村に赴任して直ぐ、右翼団体の車が押し寄せ・拡声器で何か、わめいていた。
調べてみると、平成5年に当時の村長が、神社の修復費として出した600万円は、
政教分離原則に反し“憲法違反”だ。とし、平成10年。
“全国初の違憲判決”が、高知地方裁判所で言い渡された。
~この山奥で“憲法”違反だ。
・・・~その判決に対する抗議を始めたわけだ。
本署である、窪川警察署からは、右翼車両の拡声器による騒音対策・活動中の交通違反
による取り締まり等々、いつも通りの指示がアルのみ。
警察官が右翼車両の交通違反で、切符を切れば「良く取り締まった」と、表彰される、
“件数主義”だけを優先した現状である。
どうせ、ろくな事はやるまいが、この僻地で神社修復費が「憲法違反」で訴えられた背景はいかに?
・・・・・・・・・・・神社は、修復しなければ存続できない。
修復費用がなければ~「神社はいらん」と言うのと同じだ。
ナゼ憲法問題に発展したのか?・・この“ナゼ”?・・が、警察にはない。
~必ず裏がある。
・・私が調べたところ、土建業者の公共事業・前村長の選挙違反・その他諸々の事柄が重なり、
反対勢力が裁判で勝つ事ができる“唯一の材料”
「政教分離」を持ち出し、村の政権交代を画策し、
村長に鉄槌を打ち込んだ企てであった。
つまり、裁判に“勝てる”“材料”として~「神社」の「憲法違反」が利用された。
・・・・・・・日本国憲法が“道具”として利用されただけだ
~で、・・・・・・・・・・・・・・ナゼ、右翼が動いた?
~銭が動いたから動けるのだ。・・・論理・憲法・で人間が動くか?・・・・動くわけがない。
・・・・・・・・・・・・・まして高知県の右翼が、・・・タダで動くか?・・銭とメシがあるはずだ。
さらに調査すると、遠く離れた四万十市のスナックで、十和村の有力者と、右翼幹部が
飲んでいた事実が判明。さっそく、知り合いの右翼組員に合い、事の一部始終を説明し
生きた人間が「神社」の神を利用している。
・・・・・・・・・・・・ 日本国憲法を利用しているだけだ。
いい加減に銭を取って~早く止めるよう説得した。
さらに、村に帰り、警察の外郭団体の有力者に、事のカラクリを説明し、
いかにも警察 が即、~腰を上げるように言い含めた。
実際には、その様な動きも能力も無いのだが、・・・・・警察の協力者を騙したワケだ。・・
結果・・右翼の凱旋活動は“ピタリ”と消えた。即日解消。
・・つまり、私が漏らした、警察の「極秘情報」が、
どうゆうワケか右翼を雇った村の有力者に抜けたわけだ。
・・・・・・・・・これが実態だ。
警察と言う所は、やたらと地域の有力者と組し、何か一緒にやって「やりました」と
本部報告する。これが、成績になるのだ。
逆に、常に誰かと癒着し、幹部がタダ酒を飲んだりワイロをもらったり、
持ちつ持たれつの関係が発生し、署長が転勤になれば多額の「御餞別」が動くカラクリがココにある。
親(幹部)の背中を見て育った子供(現場警察官)が、物事の真理・「ナゼ」を感じなくなったり、
いつまでたっても警察官の不祥事が無くならないのもココに原因がある。
現実をナーナーで済ませ、
砂の上に「理想論」で押し固めた蜃気楼の摩天楼を建てている のが一眼国である。
いつも、どっかで「会」をやっておれば、良い評価が与えられ、
交通違反を検挙し切符を切っておれば優秀である。ますます警察がイヤになったが、
銀行員失踪事件発生以来~ヤッイカ払いで9年・10年と単身赴任を強いられているうちに、
親がいなくても子は育つ。2人の女の子は、それぞれ大学に進学するようになり、
どうしても警察を辞めるわけにはいかなくなった。
さらに、二女の大学入学式から帰った妻には、人生最大の追い打ちがかかってきた。
子供の受験が終わり、一息ついたところで、乳ガンの検診に行った妻から精密検査の必要がある。
との連絡を受けた。一緒に病院に行き検査結果を待った、人生最悪の長い時間は忘れられない。
妻が既に覚悟していた通りガンだった。
しかも、両方の乳房にガン細胞があった。
もし、片方の乳房から片方へ転移したガンなら最悪の結果になる。
子供の大学入試が済んだ直後だ。
目の前に霞がかかり、思考能力は何も無い。次から次に、私に降りかかる悪夢は、数えきれず。
神も仏も蹴り殺してやりたかった。
手術は県外の大学に行っている子供には内緒にした。手術室に入る妻は、緊張して何も話さない。
当たり前の事だろうが、別れの儀式のような気がしてやり切れない思いがしたが、
私が言える事は「がんばれ」・押忍。他には何もできなかった。
気の利いた言葉なんか言えるよな柄じゃない。
これまで私がやった事は、空手・相撲・柔道・酒・他にない。手術を待つしか能がない。
6時間。両方の乳房を全部切り取る、聞いただけでゾッとする手術が終わるまで、ただ座って待った。
思い出だけが繰り返し脳裏に浮かんできた、結婚初夜、初めて晩飯を作ってもらった
3合の米を電気釜で炊いて、2人で食べる予定だったらしいが、ほとんど私一人で食べた。
当時、3合ぐらいのメシは一気に腹に入った私は、それでも食いたらなかった。
それからビールを飲んで大イビキで寝る。3日目、朝起きたら、私の3日目のお嫁さんが いなかった。
隣の部屋で寝ていたのだ。
「イビキで寝れなかった、もし恋愛結婚ならアンタ とは一緒になってない」と言われ、
頭をかきながらふて寝したのが20年前だった。
結婚当時、宿毛署の警備課にいた私は、結婚式からわずか2箇月半で駐在所に飛ばされた。
1月6日に結婚式を挙げ、3月下旬には駐在所に飛ばされ、
以来警察組織に恨み辛みを感じながら頑張ってきた。
この時、私を駐在所に飛ばしたヤツは銀行員失踪事件発生当時、本部の警備部長、
私の家の留守番電話が盗聴された時だ。
長い下ずみの後、やっと鑑識係になったのは、既に年齢制限に引っかかり刑事課の刑事 ではなく、
鑑識係として勤務するのがやっとだったからだ。
何とか捜査で生きようとした矢先。銀行員失踪事件が発生、またもや吹き飛ばされた。
これで理解しがたい理不尽な扱を受けたのは2度目である。
組織を恨んだ、怨念が積もった。
私の愚痴と子供の養育を一手に引き受けた私の相棒は、 乳ガンになった。
ストレスを押しつけた私のせいだろう。全部私が悪い。
誰のせいでもない。いったん噛み付いたら、肉がちぎれても絶対離そうとしない
土佐犬の闘争心が悪いのだ。
もし私の相棒に何かがあったら、事件を蒸し込んだヤツは皆殺しにしてやる。
手術の間、そう思い続けた。
手術室から出てきた妻の顔色は、土色だった。人の色ではない。
そのまま集中管理室に直行した。思わず目から吹き出るものを感じたが、何もできない。
病院の外に出て、目的もなく歩き回った。陽は山に沈みかけ辺りは薄暗いが、
山に懸かった雲だけが陽に照らされ、ローソクのようにぼんやり明るい。陰気な色だ。
近くを歩く人の歩みさえ腹が立った。
6時間我慢したタバコに火を付け、煙を目で追いながら深く吸う「オー」という、
言葉にならない声しか出ず、煙の動きしか眼中に入らない。
突然、「オイ」と言う言葉に正気に返った。誰かに呼ばれた。
振りむくと、正面に池田が立っていた。私が刑事課から駐在所に飛ばされた根源。
銀行員の「骨」を見付けたと言い。銀行員の父親に見せた。
あの池田が私の正面に立っていた。
あれから6年ぐらいが立つ、相変わらずの容貌とダミ声。思わず「オオー」と答えた。
他に言葉は出なかった。突発的な6年振りの再会である。
「あの時の“骨”は、まだ残りを持っちょる。
全部捜査一課の刑事に渡したんじゃない。
・・・・・・・・・・骨は、まだある。ワシラの墓に隠している」
聞きもしないのに会うと直ぐ、私に「骨」の話を始めた。~まだある。と、
“始めた”、と言っても、ただ一方的に、しかも要点だけを強調するかのように、
区切りながら、電報文でも読むような喋り方だった。
・・・・・・・・・・・・・~結局この一点を言う為だけに話しかけてきた。・・何の目的で?
6年ぶりに私を偶然見かけ、どうしても言っておきたいことを最短距離で喋った。
と、しか思えない口調だった。やはり、あの骨は本物か?
私が注目したのは、長い切断した骨。切断の切り口が、鏡のようにスベスベの骨だ。
あの一本。池田は鑑定を希望しているような様子だった。
あの骨は私の家で、捜査一課に渡したときには無かった。あの一つだけ無い。
~後の骨は、ブタ骨だ。
・・少しからかってやった。
「ほんなら、新聞社に出したら、ええが・・・・・」
新聞と聞いて、池田は急に真面目顔になり
「いや、お前が定年で警察を辞めてから、ゆっくり話してやる」
そう言い残して、そそくさと病院の中に入っていった。
6年振りに、突然出会った場所は、大きな病院の前。決して楽しい場所ではない。
突然、声をかけた相手に「骨」の話だけをして「定年で警察を辞めてから話す」それだけ
言い残して離れた。よほどの秘密があるようだ。
私の妻は3箇月間入院したが、その間、私は何回か池田を病院の中で見かけた。
私と同じように誰かの見舞いか、付き添いをしているような雰囲気だったが、
廊下で私とすれ違う度に、逃げるように顔をそむけ早足で消え去った。
「定年で警察を辞めてから話す」という事は、人に言えない方法で「骨」を手に入れた。
との意味だろうか?逆に全部ブタ骨か?~これで金を要求しても、警察は逮捕しなかった。
~いかにも警察らしい、極秘の“警察犯罪”だ。
それとも、切断面がスベスベの長い骨は本物か?~だから、捜査一課が出てきて
~隠ぺい工作をしたのか?・・~それなら鑑定に出しても結果は、ブタ「骨」だ。・・どちらでもいい。
やはり、山で偶然見付けたのではなく、何らかの手段と方法があるはずだが、
警察は何も調べないだろう。逆に「骨」~そのものを否定するだろう。
~全部ブタ「骨」だ。・・そう言うだろうが、それなら、なぜ逮捕しない。~なぜだ?
女房が乳ガンになろうがなるまいが、一眼国の人事異動はコネが主流だ。結局その後も、
私は十川駐在所で勤務した。
抗ガン剤で髪の毛が抜け、無惨な頭になった妻の後ろ姿をながめながら、自宅と十和村を
行ったり来たりしていると
「家に帰りすぎる。休みの日は、駐在所で休め」とも言われた。
警察組織に対する、人としての感情は完全に消えていた。
翌年、私の感情を、さらに逆なでするかのような人物が、人事異動で窪川警察署に飛んできた。
銀行員失踪事件で蒸し込み工作、証拠隠ぺい工作に功労のあった者は、全員出世したが、
その内の1人、「骨」の件で隠ぺい工作をした捜査一課の刑事が、刑事課長となり御栄転になったのだ。
しかし、私と顔を合わすと目をそらす。私は、取るに足りない僻地の駐在さんである。
しかも、50歳を過ぎて、今だ巡査長。万年巡査だ。組織的にはゴミのような存在だろうが、
そのゴミとすれ違った組織の刑事課長・警部殿が、私の顔を見ると瞬間的に目をそらす。
その様なシーンが増えてきた。
まるで子供だ、4~5年前までは、私の事を「アイツは、警察におれんようになる」。
~つまり、組織内部で蒸し込んだ重要事件の犯人を割り出し、表に出すような事をすれば、
警察で生きていけなくなる。~「おれんようになる」等と、陰口をたたいていたヤツが、
ゴミの万年巡査と目を合わすと、露骨なまでに顔をそむけ、挨拶だけの合図を示す仕草である、
・・・・・・・・・・片手を上げる。
手を上げて「よう~」と言う仕草を・無言のうちにやってのけ、
顔をそむけてすれ違うのである。
右側ですれ違えば右手。
左側なら左手をあげる・・・・・
私とすれ違う瞬間までは、真っ直ぐ前を見ながら歩いているが、1~2メートル直前で
目をそらすから、本人の顔は~私と逆方向に瞬間的に移動する。
その直後に~反対側の手を上げるのだ。
・・・事実は小説より奇なり。
プロの作家なら、ばかばかしくて~とても書けない表現だ。
まるで交通整理をするように、無言で眼をそらし、片手を上げる。
吉本新喜劇の1シーンである。
よほど都合の悪い事が、内部でおきたらしい?・・・それは、内部だ。・・決して外ではない。
外の事を気にするような、善良なタマで無い事だけは確かだ。
この当時、刑事課長が音頭を取り、
町のキャバレーでフィリピン人ホステス相手に豪遊をしていた。
料金は、専門用語で警察料金なる格安の料金。
キャバレーのボックスで、ホステスに限度を超えた、エッチ行為をしながら安い酒を飲む
・・・・・・・・~警察官の行いは、当時から田舎町では有名だった。
いくら書いても切りがないから、結果だけを残したい。
4年後・この事に関する民事訴訟(ホステス)があり、警察官の不祥事として新聞紙上をにぎわせ、
1人の巡査部長が“首”になった。
罪名は、警察内部の“取り締まり情報”を“漏洩”し、~その見返りとして
・・・・・・・・・~タダ酒・安酒を飲んだ、~贈収賄事件だそうだ。
・・・・・・・・・・・・“ウソの八百”だ。
もらす~「情報」~なる物がどこにある。
外国人ホステスの取り締まり等と言う、捜査活動は見たことがない。
この事件は単なる「エッチ」事件だ。
程度の低いエッチに「捜査情報の漏洩」なる極秘の着物を着せ、
一番女好きな手癖の悪い・馬鹿な巡査部長をいけにえにし、後の人間を守ったのだ。
その内の1人は~エライ警察幹部の御子息だった。
ひとりの人間を懲戒免職・クビにして、あたかも厳正なる処分が粛々と実施されたように装い、
目的は特定人物の保護にある。いかにも一眼国らしいやり方である。
・・・・・2010年5月~この首になった警察官は復職した。
・・・・・・・・・~(恥がどんなモンか解ってない)新聞も報道しない。
~話を元にもどそう、銀行員失踪事件に関しては、初めから犯人は判っている。
この事件を蒸し込んだ件に関しては、初めから何とも思ってないだろう。
おかげで、出世して捜査幹部になり活躍しているのだから、自己嫌悪に陥るはずがない。
また、その様な種類の人間ではない。・・1つ目カラスだ。
が、私の顔が満足に見えないらしい?その原因は?
まかり間違っても人間性からくるモノではない。そんな人間ではない。・・・では何か?・・・
1つしかない。
この種の人間が落ち込む原因は、組織内部の方針が変化した以外に考えられない。
「どうにも、ならなくなった」「隠せなくなった」の、内部的変革が自分自身に対し都合が悪くなった、
・・・・・・・・組織がイヤイヤ方向を変えた後で、ぽつんとアホが取り残された。
・・そう考える。
・・・・・・・アホは、小学校の先生に叱られた“小ガキ生”のように眼をそらした。
しかし、その原因は何だろう?なまはんかな事では無い?との判断はできる。
人間の常識的な感情だけで、落ち込むような連中ではない。
自分にとっても、組織にとっても非常に都合の悪い何か?・・・が、浮上し、
組織内部で調査したのか?・・
この事件は、12年前に私が調べた事実と、この事実を蒸し込んだ警察幹部の動き、
全て警察内部で起きた、
相反する2つの事柄を再調査すれば、10年経とうが100年だろうが、即座に解明でき、
確定的な犯人が浮かび上がる。確定的であるが故に、どうしようもなくなった。
・・・そうでなければ警察が動くわけはなく、「蒸し込み工作」で出世した1つ目カラスが、
私のツラを見て目をそらすと言う、摩訶不思議な現象は、どう考えても理解できない。
それでも、どうでもいいのが一眼国。
その場~その場が良ければ、後はコネでなんとかなる。
世間の常識と一眼国の常識は全く 違うのだ。
この当時の署長や次長など、一癖二癖ある強者ばかりのアホで、
それぞれにバケツ一杯分の論文が書ける程だが、
バカをバカにしてもロクな事がないので話を先に進める。
だだ~この時期、かつて無い現象として、私が中村署に転勤する事を臭わす様な言葉が
~署長からあった。
警察組織では転勤前に、異動の発表は絶対にない。
しかも、正月前の11月頃だ。12年間、単身赴任を強いられた私に対して、何か?
・・・・・・期待さす?・喜ばす?・思わせ振りな?子供にオモチャをやって、
機嫌を取る様な?おかしな雰囲気が連続にあった。・・何かある。・・・・・・・・
・・・・・・・・・が、・・・何か判らない。
中村署では、毎月1回の署内会議の席上、
失踪した銀行員の事を話題に出しているらしいが、
どこまで本気でやっている事やら、私にはサッパリ判らなかったが、
私に対する捜査一課からの~事件に関する問い合わせは、この頃から少し回数が増えた。
しかし、いずれも基本的な質問のみで、とても本気でやっているとは信じがたく、
さほど期待しなかったが、
私を取り巻く雰囲気は、無言のうちに何か変化している事だけは確かだった。
平成14年正月、私の子供が使っていた、古いパソコンを持ってきて、
使い方を教わり ながら、キーを指1本で、やっと押したのもこの頃である。
既に警察人生は捨てた。
パソコンに銀行員失踪事件に関する全てを打ち込み、記録として残す決心をした。
近い将来、テレビの中にパソコンが内蔵される時代がやってきて、全国を網の目のように
情報が動き出したら、社会形態も大きく変化するだろう。
その時、私がやった事を天下に知らしめ、
2度と・このような事が起きない様にしなければならない。
一眼国の事なかれ主義、マーマーと言いながらナーナーに事を済ませてしまう
マ族ナーナー原人を壊滅しなければ、現場で働く警察官に夢はない。
日本の“ヘソ”~僻地と呼ばれている山里です。
~住むには素晴らしい所ですが、仕事がないから過疎になる。
この様な山里を“守る・大事にする”ことが
~未来を考える、最重要課題になると思いますが
いくら~理想論を言っても~難しいでしょう。
理想論より、ココで食える“職”を1つでも多く~
大雨が降ると突然・川が増水します。(急流域)
大岩の中で~小石が、もの凄い力で~回転しながら~自然に開けた“穴”
人が作った穴ではなく、自然の穴
大わらじ
~大きなワラジが地区の入り口に~
“これを悪魔が見たら”
「・・こんな大きな・・ワラジを履く人がコノ村におる!大巨人がコノ村におる!」
~と、思うだろう。
これを見た悪魔はビックリして逃げ出す。・・・厄除けのワラジです。
警察本部の前にも、ひとつ~置いたら?
遊びに行く際は、自然に注意して下さい。
川の流れは~見た目~以上に、引き(水中での流れ)が強い。非常に危険です。
日本最後の清流 四万十川。失踪した銀行員のオートバイが捨てられていたのも四万十川。
その場所をはるか上流に逆登った、山また山のド真ん中に十和村(とおわそん)がある。
平家の落ち武者が逃げ込み隠れ住んだ山里である。
平家にまつわる数々の落ち武者伝説のある山里へ、
組織からはじき飛ばされた厄介者が車を走らせた。
平家の落ち武者は、どの様な気持ちで落ち延びたのか、
いつか軍勢を立て直し、攻め上る事を夢見ながら、
朽ち果てたであろう。私も朽ち果てに行くのか?・・・・・
~そうかも知れない。
高知県の公務員給料明細表に、僻地・特僻地・2つの僻地手当がつく駐在所は、ざらにはない。
~ここは付く。
・・そう言われて車を走らせた。
四万十市から四万十川をさかのぼるにつれ、 次第に川が曲がりくねり、
山と川の間に、へばりつく様に通っている山道も
細く曲がりくねってきた。
川も流れが急になり、河原の石も小砂利から岩に、そして大岩へと変化する。
車の前を何か横切った、タヌキだ。すごいとこに来た。ここで朽ち果てるか?
そう思いながら、1時間ぐらい車を運転しているが、まだ目的の十川には着かない。
どこまで走るんだ、これ以上山奥なら人が住んでいるのか?
・・・まさか、人がいないとこに駐在はあるまい。
延長196キロメートルに及ぶ四万十川。
かつては、上流から筏流しや・木炭などを満載した舟母(せんば)と呼ばれた白帆の川舟が、
四万十の道を行き来して、
無尽蔵にある山の幸を運び出した。
(舟母)
十和村十川(とおわそん・とおかわ→現在、四万十町)は、その前線基地として開けた集落である。
今更引き返すわけにもいかず、
さらに15分ぐらい走ると集落に出た。人がおる。家がある。ほっとした。
「十川駐在所はどこですか」警察官が通行人に駐在所の所在地を尋ねた。おかしな話だが、
これが住民に話しかけた最初の言葉になった。
(星神社)
四万十川に合流する小さな川が、愛媛県から流れている。
その合流地点から100メートル ほど入った所に駐在所があった。
川の上にコンクリートの土台を突き出す様にして、その上に建物がたてられていた。
小さな橋の上に家を建てているのと同じだ。
山と川しかない山里で、少ない土地に建てられた駐在所である。
何とも凄いところだ、玄関出入り口に車を止め外に出ると、途端に風が吹いてきた。
川向こうには学校がある、肩に何か落ちた。桜の花びらだ、学校の方から飛んでくる。
ふと上を見ると、無数の花びらが川を飛び越え、雲霞のように飛んでいる。
「よく来た」誰かがそう言っている。
山の神か?川の神か?ほかに誰がいる。
人はいなかった。
十和村は、私に人の温もりを再認識させてくれた暖かい山里だった。
また、民俗学の宝庫でもあり、警察官の仕事に嫌気がさし、既に何の意欲もない私にとって
心の洗濯をする最高の場所になった。
山には信じがたい巨木が生い茂り、
民族文化は隣の愛媛県の影響を強く受けているのが 面白かった。
警察の仕事は相も変わらず、エエカゲンを絵に書いた様な事しかしなかった。
この当時話題になったのは「TAC運動」何かの頭文字を取って作った名前だろうが、
~あまりにコッケイなので紹介したい。
あるところで鉄道の駅を新築した際、近くの学校の通学路に当たる箇所の道路幅を広げる工事が、
地域住民の要求通り行われる見通しがついた。工事費用1億1千万円。
これが、どうゆうわけか中村署の駐在さんが、わずか2~3ヶ月の期間の内に全て段取り、
工事を国や県に依頼してやらせた。
要は、駐在さんが仕事を作り、公共工事を完成させたと言う~大ウソが地元新聞に乗っていた。
ヒットラーいわく「ウソも100回言えばホントになる」。
高知県警いわく~「ウソも新聞に載せたらホントになる」
普段から“コネ”で“エサ”(特ダネ)を貰っている地元新聞は、
警察発表なら~何でも無条件で載せる“良い例”だ。
~結局、戦争中の“大本営発表”と同じか?
この駐在さん。
なんと東京まで行って、警察庁のエライ人から表彰状をいただいた。
これ以来、中村署では、どっかで~“公共工事”~があれば、即・報告せよ。~
~との御命令を、制服警察官に出したらしい。・・・~2匹目のドジョウを狙っていた。
地域住民の要望を即、実行して新しい道路を建設した。~ TAC運動の模範である。
が、常識で考えよ。
1億円以上の公共工事が、どうして警察官の思惑で完成するのか?
しかも2ヶ月位の期間でだ。できるわけがない。もしできれば、その駐在さん。
建設会社が、高額の給料で雇ってくれるはずだ~ウソをつくな。
この工事は、地元出身の国土交通省の役人が
「自分の出身地」の公共工事を上手く取りまとめたが
今のご時世~役人がヤッタとは言えないだろう。
だから「地元の要望」を全面に出していた
~丁度そのタイミングで、~まるで出会い頭に衝突したように~ 駐在が、ストンと座って
・・・・・・・・・「やりました」と、報告した。
~これに中村警察署の幹部が相乗りして
・・・・・・・・・・・「やりました」と県警本部に報告。幹部の指導力をアピールした。
同じように県警本部が・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・「やりました」と警察庁へ報告。高知県の質の高さを御報告。
警察庁は、警察官の功績を大々的に賞賛し
・・・・・・・・・・・・・・・・・・「やりました」と、統計的な警察官の“誉れ”・・“一件”。メデタシ・メデタシ
建設業者の社長さんに聞いたところ100~500万円位の~ある程度まとまった
金額の公共工事になれば、
県の上半期・下半期の予算を獲得するために~1年位前から動く、との事。
(実際は30~50万円でも、公共事業なら時間がかかる)が、やったと報告すれば全てが
ホントに組織の中を通過する。
これが恐ろしい。
街灯を建てた。道を付け直した。既に決定した公共工事を、いち早く報告する事により、
あたかも警察官が、地域住民の期待にこたえ、独自に公共工事を完成したかのように装い
部内表彰で飾り立てる。大変な組織になったものだ。
ウソも100回言えばホントになる。
ウソでも組織的に、新聞を利用しながら~警察庁に報告すれば、
そのまま、信じてもらえる時代になったのだ。・・これが冤罪の源流だろう。
バカはバカでも、すざましいバカだ。
~・・・公共工事がどのように完成するか全く理解してない。
・・・・・・・・・少しは汚職事件を検挙せよ。~その感覚があれば~こんなウソは創れない。
・・・・・・・・・~コネで、汚職事件を潰すような組織だ。~まぁ~期待するのが無理だ。
これは学校の「いじめ問題」でも、全く同じ現象が発生するようになった。
要は上手な「報告」。“敵は本能寺にあり”、である。~今後、ますます発生するだろう。
「お上手な御報告」は現場を殺しながら~クソ役人を出世さす・・・日本病
この他にも、上向きに報告する事が、そのまま仕事の成績になるシステムになっており、
警察の外郭団体である駐在所連絡協議会・地域安全推進員・交通安全友の会、母の会、
防犯協議会・等々 何かやって報告すれば優秀警察官である。
しかし、不良少年の補導活動を~夕方や早朝にやっても、何の効果もないのだが、
~効果など、実行力はどうでもいい。とにかく報告が主体だった。
外郭団体の中には警察活動を逆に利用して、外部に漏らす者もいたが、
それを見抜く警察幹部は皆無である。「判断力」は、必要ない。
要は、北朝鮮の主体主義と同じ、偉大なる将軍様、金 正日が言う通りに、
将軍様が満足する、満足さす為に、全員が一丸となり、我が身を犠牲にし、
献身的に御奉公するのが美徳である。結果、悪くなろうが、どうなろうが、そんな事を評価
するような知恵のあるヤツは、即座に強制収容場に監禁される。
北朝鮮日本支部、我が一眼国の主体主義は、「無知」と「報告」である。
私が十和村に赴任して直ぐ、右翼団体の車が押し寄せ・拡声器で何か、わめいていた。
調べてみると、平成5年に当時の村長が、神社の修復費として出した600万円は、
政教分離原則に反し“憲法違反”だ。とし、平成10年。
“全国初の違憲判決”が、高知地方裁判所で言い渡された。
~この山奥で“憲法”違反だ。
・・・~その判決に対する抗議を始めたわけだ。
本署である、窪川警察署からは、右翼車両の拡声器による騒音対策・活動中の交通違反
による取り締まり等々、いつも通りの指示がアルのみ。
警察官が右翼車両の交通違反で、切符を切れば「良く取り締まった」と、表彰される、
“件数主義”だけを優先した現状である。
どうせ、ろくな事はやるまいが、この僻地で神社修復費が「憲法違反」で訴えられた背景はいかに?
・・・・・・・・・・・神社は、修復しなければ存続できない。
修復費用がなければ~「神社はいらん」と言うのと同じだ。
ナゼ憲法問題に発展したのか?・・この“ナゼ”?・・が、警察にはない。
~必ず裏がある。
・・私が調べたところ、土建業者の公共事業・前村長の選挙違反・その他諸々の事柄が重なり、
反対勢力が裁判で勝つ事ができる“唯一の材料”
「政教分離」を持ち出し、村の政権交代を画策し、
村長に鉄槌を打ち込んだ企てであった。
つまり、裁判に“勝てる”“材料”として~「神社」の「憲法違反」が利用された。
・・・・・・・日本国憲法が“道具”として利用されただけだ
~で、・・・・・・・・・・・・・・ナゼ、右翼が動いた?
~銭が動いたから動けるのだ。・・・論理・憲法・で人間が動くか?・・・・動くわけがない。
・・・・・・・・・・・・・まして高知県の右翼が、・・・タダで動くか?・・銭とメシがあるはずだ。
さらに調査すると、遠く離れた四万十市のスナックで、十和村の有力者と、右翼幹部が
飲んでいた事実が判明。さっそく、知り合いの右翼組員に合い、事の一部始終を説明し
生きた人間が「神社」の神を利用している。
・・・・・・・・・・・・ 日本国憲法を利用しているだけだ。
いい加減に銭を取って~早く止めるよう説得した。
さらに、村に帰り、警察の外郭団体の有力者に、事のカラクリを説明し、
いかにも警察 が即、~腰を上げるように言い含めた。
実際には、その様な動きも能力も無いのだが、・・・・・警察の協力者を騙したワケだ。・・
結果・・右翼の凱旋活動は“ピタリ”と消えた。即日解消。
・・つまり、私が漏らした、警察の「極秘情報」が、
どうゆうワケか右翼を雇った村の有力者に抜けたわけだ。
・・・・・・・・・これが実態だ。
警察と言う所は、やたらと地域の有力者と組し、何か一緒にやって「やりました」と
本部報告する。これが、成績になるのだ。
逆に、常に誰かと癒着し、幹部がタダ酒を飲んだりワイロをもらったり、
持ちつ持たれつの関係が発生し、署長が転勤になれば多額の「御餞別」が動くカラクリがココにある。
親(幹部)の背中を見て育った子供(現場警察官)が、物事の真理・「ナゼ」を感じなくなったり、
いつまでたっても警察官の不祥事が無くならないのもココに原因がある。
現実をナーナーで済ませ、
砂の上に「理想論」で押し固めた蜃気楼の摩天楼を建てている のが一眼国である。
いつも、どっかで「会」をやっておれば、良い評価が与えられ、
交通違反を検挙し切符を切っておれば優秀である。ますます警察がイヤになったが、
銀行員失踪事件発生以来~ヤッイカ払いで9年・10年と単身赴任を強いられているうちに、
親がいなくても子は育つ。2人の女の子は、それぞれ大学に進学するようになり、
どうしても警察を辞めるわけにはいかなくなった。
さらに、二女の大学入学式から帰った妻には、人生最大の追い打ちがかかってきた。
子供の受験が終わり、一息ついたところで、乳ガンの検診に行った妻から精密検査の必要がある。
との連絡を受けた。一緒に病院に行き検査結果を待った、人生最悪の長い時間は忘れられない。
妻が既に覚悟していた通りガンだった。
しかも、両方の乳房にガン細胞があった。
もし、片方の乳房から片方へ転移したガンなら最悪の結果になる。
子供の大学入試が済んだ直後だ。
目の前に霞がかかり、思考能力は何も無い。次から次に、私に降りかかる悪夢は、数えきれず。
神も仏も蹴り殺してやりたかった。
手術は県外の大学に行っている子供には内緒にした。手術室に入る妻は、緊張して何も話さない。
当たり前の事だろうが、別れの儀式のような気がしてやり切れない思いがしたが、
私が言える事は「がんばれ」・押忍。他には何もできなかった。
気の利いた言葉なんか言えるよな柄じゃない。
これまで私がやった事は、空手・相撲・柔道・酒・他にない。手術を待つしか能がない。
6時間。両方の乳房を全部切り取る、聞いただけでゾッとする手術が終わるまで、ただ座って待った。
思い出だけが繰り返し脳裏に浮かんできた、結婚初夜、初めて晩飯を作ってもらった
3合の米を電気釜で炊いて、2人で食べる予定だったらしいが、ほとんど私一人で食べた。
当時、3合ぐらいのメシは一気に腹に入った私は、それでも食いたらなかった。
それからビールを飲んで大イビキで寝る。3日目、朝起きたら、私の3日目のお嫁さんが いなかった。
隣の部屋で寝ていたのだ。
「イビキで寝れなかった、もし恋愛結婚ならアンタ とは一緒になってない」と言われ、
頭をかきながらふて寝したのが20年前だった。
結婚当時、宿毛署の警備課にいた私は、結婚式からわずか2箇月半で駐在所に飛ばされた。
1月6日に結婚式を挙げ、3月下旬には駐在所に飛ばされ、
以来警察組織に恨み辛みを感じながら頑張ってきた。
この時、私を駐在所に飛ばしたヤツは銀行員失踪事件発生当時、本部の警備部長、
私の家の留守番電話が盗聴された時だ。
長い下ずみの後、やっと鑑識係になったのは、既に年齢制限に引っかかり刑事課の刑事 ではなく、
鑑識係として勤務するのがやっとだったからだ。
何とか捜査で生きようとした矢先。銀行員失踪事件が発生、またもや吹き飛ばされた。
これで理解しがたい理不尽な扱を受けたのは2度目である。
組織を恨んだ、怨念が積もった。
私の愚痴と子供の養育を一手に引き受けた私の相棒は、 乳ガンになった。
ストレスを押しつけた私のせいだろう。全部私が悪い。
誰のせいでもない。いったん噛み付いたら、肉がちぎれても絶対離そうとしない
土佐犬の闘争心が悪いのだ。
もし私の相棒に何かがあったら、事件を蒸し込んだヤツは皆殺しにしてやる。
手術の間、そう思い続けた。
手術室から出てきた妻の顔色は、土色だった。人の色ではない。
そのまま集中管理室に直行した。思わず目から吹き出るものを感じたが、何もできない。
病院の外に出て、目的もなく歩き回った。陽は山に沈みかけ辺りは薄暗いが、
山に懸かった雲だけが陽に照らされ、ローソクのようにぼんやり明るい。陰気な色だ。
近くを歩く人の歩みさえ腹が立った。
6時間我慢したタバコに火を付け、煙を目で追いながら深く吸う「オー」という、
言葉にならない声しか出ず、煙の動きしか眼中に入らない。
突然、「オイ」と言う言葉に正気に返った。誰かに呼ばれた。
振りむくと、正面に池田が立っていた。私が刑事課から駐在所に飛ばされた根源。
銀行員の「骨」を見付けたと言い。銀行員の父親に見せた。
あの池田が私の正面に立っていた。
あれから6年ぐらいが立つ、相変わらずの容貌とダミ声。思わず「オオー」と答えた。
他に言葉は出なかった。突発的な6年振りの再会である。
「あの時の“骨”は、まだ残りを持っちょる。
全部捜査一課の刑事に渡したんじゃない。
・・・・・・・・・・骨は、まだある。ワシラの墓に隠している」
聞きもしないのに会うと直ぐ、私に「骨」の話を始めた。~まだある。と、
“始めた”、と言っても、ただ一方的に、しかも要点だけを強調するかのように、
区切りながら、電報文でも読むような喋り方だった。
・・・・・・・・・・・・・~結局この一点を言う為だけに話しかけてきた。・・何の目的で?
6年ぶりに私を偶然見かけ、どうしても言っておきたいことを最短距離で喋った。
と、しか思えない口調だった。やはり、あの骨は本物か?
私が注目したのは、長い切断した骨。切断の切り口が、鏡のようにスベスベの骨だ。
あの一本。池田は鑑定を希望しているような様子だった。
あの骨は私の家で、捜査一課に渡したときには無かった。あの一つだけ無い。
~後の骨は、ブタ骨だ。
・・少しからかってやった。
「ほんなら、新聞社に出したら、ええが・・・・・」
新聞と聞いて、池田は急に真面目顔になり
「いや、お前が定年で警察を辞めてから、ゆっくり話してやる」
そう言い残して、そそくさと病院の中に入っていった。
6年振りに、突然出会った場所は、大きな病院の前。決して楽しい場所ではない。
突然、声をかけた相手に「骨」の話だけをして「定年で警察を辞めてから話す」それだけ
言い残して離れた。よほどの秘密があるようだ。
私の妻は3箇月間入院したが、その間、私は何回か池田を病院の中で見かけた。
私と同じように誰かの見舞いか、付き添いをしているような雰囲気だったが、
廊下で私とすれ違う度に、逃げるように顔をそむけ早足で消え去った。
「定年で警察を辞めてから話す」という事は、人に言えない方法で「骨」を手に入れた。
との意味だろうか?逆に全部ブタ骨か?~これで金を要求しても、警察は逮捕しなかった。
~いかにも警察らしい、極秘の“警察犯罪”だ。
それとも、切断面がスベスベの長い骨は本物か?~だから、捜査一課が出てきて
~隠ぺい工作をしたのか?・・~それなら鑑定に出しても結果は、ブタ「骨」だ。・・どちらでもいい。
やはり、山で偶然見付けたのではなく、何らかの手段と方法があるはずだが、
警察は何も調べないだろう。逆に「骨」~そのものを否定するだろう。
~全部ブタ「骨」だ。・・そう言うだろうが、それなら、なぜ逮捕しない。~なぜだ?
女房が乳ガンになろうがなるまいが、一眼国の人事異動はコネが主流だ。結局その後も、
私は十川駐在所で勤務した。
抗ガン剤で髪の毛が抜け、無惨な頭になった妻の後ろ姿をながめながら、自宅と十和村を
行ったり来たりしていると
「家に帰りすぎる。休みの日は、駐在所で休め」とも言われた。
警察組織に対する、人としての感情は完全に消えていた。
翌年、私の感情を、さらに逆なでするかのような人物が、人事異動で窪川警察署に飛んできた。
銀行員失踪事件で蒸し込み工作、証拠隠ぺい工作に功労のあった者は、全員出世したが、
その内の1人、「骨」の件で隠ぺい工作をした捜査一課の刑事が、刑事課長となり御栄転になったのだ。
しかし、私と顔を合わすと目をそらす。私は、取るに足りない僻地の駐在さんである。
しかも、50歳を過ぎて、今だ巡査長。万年巡査だ。組織的にはゴミのような存在だろうが、
そのゴミとすれ違った組織の刑事課長・警部殿が、私の顔を見ると瞬間的に目をそらす。
その様なシーンが増えてきた。
まるで子供だ、4~5年前までは、私の事を「アイツは、警察におれんようになる」。
~つまり、組織内部で蒸し込んだ重要事件の犯人を割り出し、表に出すような事をすれば、
警察で生きていけなくなる。~「おれんようになる」等と、陰口をたたいていたヤツが、
ゴミの万年巡査と目を合わすと、露骨なまでに顔をそむけ、挨拶だけの合図を示す仕草である、
・・・・・・・・・・片手を上げる。
手を上げて「よう~」と言う仕草を・無言のうちにやってのけ、
顔をそむけてすれ違うのである。
右側ですれ違えば右手。
左側なら左手をあげる・・・・・
私とすれ違う瞬間までは、真っ直ぐ前を見ながら歩いているが、1~2メートル直前で
目をそらすから、本人の顔は~私と逆方向に瞬間的に移動する。
その直後に~反対側の手を上げるのだ。
・・・事実は小説より奇なり。
プロの作家なら、ばかばかしくて~とても書けない表現だ。
まるで交通整理をするように、無言で眼をそらし、片手を上げる。
吉本新喜劇の1シーンである。
よほど都合の悪い事が、内部でおきたらしい?・・・それは、内部だ。・・決して外ではない。
外の事を気にするような、善良なタマで無い事だけは確かだ。
この当時、刑事課長が音頭を取り、
町のキャバレーでフィリピン人ホステス相手に豪遊をしていた。
料金は、専門用語で警察料金なる格安の料金。
キャバレーのボックスで、ホステスに限度を超えた、エッチ行為をしながら安い酒を飲む
・・・・・・・・~警察官の行いは、当時から田舎町では有名だった。
いくら書いても切りがないから、結果だけを残したい。
4年後・この事に関する民事訴訟(ホステス)があり、警察官の不祥事として新聞紙上をにぎわせ、
1人の巡査部長が“首”になった。
罪名は、警察内部の“取り締まり情報”を“漏洩”し、~その見返りとして
・・・・・・・・・~タダ酒・安酒を飲んだ、~贈収賄事件だそうだ。
・・・・・・・・・・・・“ウソの八百”だ。
もらす~「情報」~なる物がどこにある。
外国人ホステスの取り締まり等と言う、捜査活動は見たことがない。
この事件は単なる「エッチ」事件だ。
程度の低いエッチに「捜査情報の漏洩」なる極秘の着物を着せ、
一番女好きな手癖の悪い・馬鹿な巡査部長をいけにえにし、後の人間を守ったのだ。
その内の1人は~エライ警察幹部の御子息だった。
ひとりの人間を懲戒免職・クビにして、あたかも厳正なる処分が粛々と実施されたように装い、
目的は特定人物の保護にある。いかにも一眼国らしいやり方である。
・・・・・2010年5月~この首になった警察官は復職した。
・・・・・・・・・~(恥がどんなモンか解ってない)新聞も報道しない。
~話を元にもどそう、銀行員失踪事件に関しては、初めから犯人は判っている。
この事件を蒸し込んだ件に関しては、初めから何とも思ってないだろう。
おかげで、出世して捜査幹部になり活躍しているのだから、自己嫌悪に陥るはずがない。
また、その様な種類の人間ではない。・・1つ目カラスだ。
が、私の顔が満足に見えないらしい?その原因は?
まかり間違っても人間性からくるモノではない。そんな人間ではない。・・・では何か?・・・
1つしかない。
この種の人間が落ち込む原因は、組織内部の方針が変化した以外に考えられない。
「どうにも、ならなくなった」「隠せなくなった」の、内部的変革が自分自身に対し都合が悪くなった、
・・・・・・・・組織がイヤイヤ方向を変えた後で、ぽつんとアホが取り残された。
・・そう考える。
・・・・・・・アホは、小学校の先生に叱られた“小ガキ生”のように眼をそらした。
しかし、その原因は何だろう?なまはんかな事では無い?との判断はできる。
人間の常識的な感情だけで、落ち込むような連中ではない。
自分にとっても、組織にとっても非常に都合の悪い何か?・・・が、浮上し、
組織内部で調査したのか?・・
この事件は、12年前に私が調べた事実と、この事実を蒸し込んだ警察幹部の動き、
全て警察内部で起きた、
相反する2つの事柄を再調査すれば、10年経とうが100年だろうが、即座に解明でき、
確定的な犯人が浮かび上がる。確定的であるが故に、どうしようもなくなった。
・・・そうでなければ警察が動くわけはなく、「蒸し込み工作」で出世した1つ目カラスが、
私のツラを見て目をそらすと言う、摩訶不思議な現象は、どう考えても理解できない。
それでも、どうでもいいのが一眼国。
その場~その場が良ければ、後はコネでなんとかなる。
世間の常識と一眼国の常識は全く 違うのだ。
この当時の署長や次長など、一癖二癖ある強者ばかりのアホで、
それぞれにバケツ一杯分の論文が書ける程だが、
バカをバカにしてもロクな事がないので話を先に進める。
だだ~この時期、かつて無い現象として、私が中村署に転勤する事を臭わす様な言葉が
~署長からあった。
警察組織では転勤前に、異動の発表は絶対にない。
しかも、正月前の11月頃だ。12年間、単身赴任を強いられた私に対して、何か?
・・・・・・期待さす?・喜ばす?・思わせ振りな?子供にオモチャをやって、
機嫌を取る様な?おかしな雰囲気が連続にあった。・・何かある。・・・・・・・・
・・・・・・・・・が、・・・何か判らない。
中村署では、毎月1回の署内会議の席上、
失踪した銀行員の事を話題に出しているらしいが、
どこまで本気でやっている事やら、私にはサッパリ判らなかったが、
私に対する捜査一課からの~事件に関する問い合わせは、この頃から少し回数が増えた。
しかし、いずれも基本的な質問のみで、とても本気でやっているとは信じがたく、
さほど期待しなかったが、
私を取り巻く雰囲気は、無言のうちに何か変化している事だけは確かだった。
平成14年正月、私の子供が使っていた、古いパソコンを持ってきて、
使い方を教わり ながら、キーを指1本で、やっと押したのもこの頃である。
既に警察人生は捨てた。
パソコンに銀行員失踪事件に関する全てを打ち込み、記録として残す決心をした。
近い将来、テレビの中にパソコンが内蔵される時代がやってきて、全国を網の目のように
情報が動き出したら、社会形態も大きく変化するだろう。
その時、私がやった事を天下に知らしめ、
2度と・このような事が起きない様にしなければならない。
一眼国の事なかれ主義、マーマーと言いながらナーナーに事を済ませてしまう
マ族ナーナー原人を壊滅しなければ、現場で働く警察官に夢はない。
日本の“ヘソ”~僻地と呼ばれている山里です。
~住むには素晴らしい所ですが、仕事がないから過疎になる。
この様な山里を“守る・大事にする”ことが
~未来を考える、最重要課題になると思いますが
いくら~理想論を言っても~難しいでしょう。
理想論より、ココで食える“職”を1つでも多く~
大雨が降ると突然・川が増水します。(急流域)
大岩の中で~小石が、もの凄い力で~回転しながら~自然に開けた“穴”
人が作った穴ではなく、自然の穴
大わらじ
~大きなワラジが地区の入り口に~
“これを悪魔が見たら”
「・・こんな大きな・・ワラジを履く人がコノ村におる!大巨人がコノ村におる!」
~と、思うだろう。
これを見た悪魔はビックリして逃げ出す。・・・厄除けのワラジです。
警察本部の前にも、ひとつ~置いたら?
遊びに行く際は、自然に注意して下さい。
川の流れは~見た目~以上に、引き(水中での流れ)が強い。非常に危険です。