●悪魔と踊ろう vol 3-7 ポチの餌づけ
駐車場の一番奥まで歩いて行くと、水色のいつも見る新聞記者の車が止まり、
中に若い記者が、合格発表を待っている受験生のように様に
“何がどうでも、この場から動けない”と、言う雰囲気で座っている。
やはり思った通りだった。駐車場の奥の端なら、全体が視察できる。
いつもは、署の正面に堂々と車を止めるが、今日は奥の端だ。
太陽光線が、まともに当たる場所で、クーラーもかけず・何かを待っている様子だ。
一目で“張り込み”とわかる様相~・・・
・・・・・こいつ~新聞記者になって、まだ間がない。それともアホか?
コイツが私の魚信(アタリ)サンだ。~フワフワと近づき、まず、~おちょくった
「お、・・・朝からずっと~誰を待っています??
暑いのに、クーラー無しの・音無のかまえで、
~えらい根(コン)が続くねぇ・・・・・・・・・
・・・・・・音無川で・・・内緒の女でも待ちよるかぇ~・・・・・・」
まるで偶然見付けたかの様に話しかける。・・・・・相手のアタリを見た。
「そん・なんじゃぁ~ないデス、昨日からですよ・・・・・・・・・・・・・・・・
ずぅ~と・・こんな事で・・・・・・・・・・・・」
アタリがあった。
新聞記者は、昨日から警察署に張り付いている。~今、そう言った。
なら、たたみ掛けろ。
「あぁ~・・・何か“掘る”てかー?・・・
“掘る~”てよ・・・・・・・・・
ココで“掘る”て・言えば~あの、12年前の
一国銀行の銀行員失踪事件しか・ないやん・・・・・・
・・・・・・・・・あれぇ~しか?・・アレだろう・・・・・・・・・・
さすがブン屋サン!
ワシラ“下”のモンには、なんにも言ってくれん、けど、
地元の新聞には、昔からよく抜けるんで・・・
大したもんだ。やっぱりなあ~・・・エライもんや
あの~・・・・・田岡 大をヤッテル(取り調べ)ワケ・・・・
・・・・・・・・・・・・・昨日から、・・・・・・
・・・・・・ブン屋さんは、すごいなァ~」
新聞記者は、軽くうなずきながら
「そうです。銀行員の件で、来ているんですが、詳しい事は判りません。
僕は上から 言われて、来ているもんで・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ただココにおる様、言われているだけですから・・・」
若い新聞記者が、大きなため息混じりに1つ1つ区切りをつけて話した。
区切りには、昨日から交代もなく、ただ1人・黙々と上からの単調な命令
「警察署での張り込み」を遂行している
うんざりする中に、かなりの緊張感がある独特の雰囲気があった。
私も長い張り込みを何回か経験した事がある。
徹夜の張り込みは、精神的な疲労が激しいものだ。が、・・・と思う。
普通新聞記者が警察署に来るときは、署内で大手を振ってウロウロしているもんだ。
それが駐車場で警察の動きを張り込むとは、ただ事ではない。
つまり、取調中の容疑者が歌った後(自白した後)容疑者の言う通りの証拠品を
・・~容疑者の案内で捜しだし、結果、容疑者の自白通りの場所に、その通りの「物」があれば
即逮捕。~なければ再度調べる。この流れである。
新聞記者が張り込んでいる目的は「物」探し、つまり「掘る」である。
失踪した銀行員の“骨”または“服”を、容疑者の案内で掘り出したとき 田岡 大を逮捕できる。
新聞記者が待っているのは、この瞬間だ。
どこの新聞社にも犯人 田岡 大 の案内で、警察官が動き被害者・銀行員の“骨”または“服”
を掘り出す写真は撮れまい。~絶対不可能だ。・・・・・・・(~しかし“骨”は無いだろう~“服”は別だ)
他の新聞社なら撮れない絵が、警察幹部と普段から連れ添っている地元新聞なら可能である。
一大スクープを撮影できる。大特ダネだ ~大本営から“ポチがエサをもらった”
この若い新聞記者は、それを狙っている。
車にある大型カメラが、出番を待ちながら~私に教えてくれた。
取材だけで、そんなカメラを持つか?持つワケがない。
・・それなら、警察が新聞社に漏らした事件の内容は、犯人は誰・いつから取り調べ・
いつごろ自白・それから、「物」を捜し「掘る」・の一連の流れを漏らしていなければ、
・・・・・・・・・・・~この様な結果にはならない。
犯人逮捕は100パーセントの確率で確かである。で、なければ、ここまで~用意周到にはならず、
ましてや~「掘る」と、間違うはずがない。
新聞記者が“掘る・と~勘違いした”原因は、警察が全部・漏らした以外に考えられない。
若い記者は、まだ熟成しておらず、駆け引きができないようで、全て私の思いのまま答えてくれた。
が、これ以上聞けば、この記者の失点になり、今後、私の顔を見かけたら、モノも言わなくなるだろう。
しかし、警察が新聞社に内部情報を漏らすときは、「成功」する場合のみである。
それも確実に成功する場合、もしくは被害者などに圧力をかけられ、
警察がどうしようもなくなった場合、しかたないので新聞社のご機嫌取りに情報を漏らして、
後々うまく新聞紙上に書いてもらう為の方策である。
だとすれば、既に田岡 大は、かなりの線まで歌っているか、歌わなくてもどうにかなる、
何らかの「策」がなければ、新聞社には漏らさない。
しかし、この事件に関する基礎的な知識さえない奴らが
どの様な“策”を持っている。基礎が無いヤツに“策”が、あるわけがない。
捜査一課が私に質問した内容は、事件の初歩的な事で、 しかも・全部~ウソ八百である
・・・~とても犯人相手の取り調べに使える様なモノではない。
しかし・・自信満々でないと~新聞社には“漏らさない”・・じゃぁ~なんだ
もし可能性があるとすれば「物」(ブツ)が“策”だ。~その「物」を新聞社に漏らした。
・・・・・・・・・・だから~新聞記者が「掘る」と勘違いした。~他に考えられん。
・・・・・・・・・・・~例えば、銀行員の“衣服”・“らしき”ものを・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・埋めているのを・・・誰かが見た。・・その目撃者を警察が確保し・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・“目撃情報”を調書に取った?・・とか?・・
~・・・・・10年以上前にも、そのような噂が四万十川沿いに流れていた。
田岡が~河原で、 “何か” を “引っ張っていた” ・・・川漁師からの目撃証言だった。
“引っ張っていた”・・とは、全て見ているが言いたくないから、「引っ張った」の表現だろう。
早い話が、“すでに勝負あり”、との“勝算”があるから、新聞社に漏らした。こう考えるのが
順当な筋である。
可能性として、事件を蒸し込んだ警察官がどの様な方法で、何をしたか?・・警察内部を調べ、
「蒸し込み組」が歌った後、事件に着手したのか?・・それなら、簡単だが・・・・・・・・・
・・~・・・それは無いだろう。
しかし、すでに事件を解明し、簡単に犯人を逮捕できる。と、判断してもおかしくない。
元々・・・その程度の事件だ。
この事件は、「蒸し込み組」の証言だけで逮捕する事も、やり方次第では可能となる確率は高い。
私とすれ違った「蒸し込み組」の1つ目カラスが、露骨なまでに私から顔をそむけ、通り抜けた。
・・・~その、意味合いも理解できる。
が、新聞記者が期待している銀行員の「骨」または「服」は、まだどっかにあるのか?
~「骨」は、すでに無いのかもしれない。
私はどうしても引っかかる、銀行員失踪事件から3年ぐらい過ぎた頃、四万十小学校の裏山から
~「骨」が出たと言う話。
小学生が「人間の骨の回りに、お金が落ちている」と、銭を拾った。あの一件。
もしアレが失踪した銀行員の骨なら、既に警察が処分しているだろう。
それなら、事件処理そのものができない。12年間蒸し込んできた理由もわかる。
もし私の推測が正しかったら、別件で田岡 大を逮捕する以外に方法はないが、
絶対しないだろう、やれば、自分で自分の首を絞める事になる。
~しないとは思うが、新聞社に抜けているのは事実だ。
この状態なら、明日もこの新聞記者はココに来る。
明日は私も当直で、朝から中村署に来なければならない。ここはひとまず引く。
あまり長く話すと明日、この記者が私を敬遠する恐れがある。
今、話し出して3分ぐらいだ、このあたりで切り上げ、最後に
・・・・・・・・1つ、おみやげを残した。
「あの事件よ、銀行員失踪事件。・・アレ・初めから犯人は判っていたんじゃ。
警察が蒸し込んだのよ、ワシが犯人を割り出して・・それでいきなり飛ばされ、
・・・・・・・・・・・・・・12年たって、四万十市に戻ってきたんよ」
記者は、きょとんとしながら
「ホントですか?あの時、ここにおったんですか?」
と、半信半疑であった。これだけ言い残して直ぐ離れた。
人間、最後の言葉が一番脳裏に残るもんだ。警察の制服を着た変なオジサンが、
おかしな事を言って帰った。これだけは確実に記者の記憶に残る。
そして新聞社に帰って喋る。話せば、回り回って仲良しの警察署長に伝わるだろう。
・・・~それでよし。・・「かかってこい」私の挑戦状だ。
数年前、高知県でも結構・大きな町で、女子高校生が殺害され、海沿いの高速道路が走る
展望台近くの山中に捨てられる事件があった。
田舎では滅多にない殺人事件。
しかも被害者は、女子高校生。
全てそろった舞台で、犯人が逮捕される “前” の映像がテレビで放映され、
新聞には“逮捕前”の写真が載った記事が堂々と報道された。
全て隠し撮りしたような映像を見て
「こいつが犯人じゃぁ~」と言いながら、酒を飲み、大いに話題になった土佐の国で
逮捕 “前” ・裁判の “前” に~なぜ~犯人の日常生活の映像を~隠し撮りできる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・また~なぜ報道できる??
と、疑問に思った。・・・・・・・・・・・・・・~異議をとなえた人は、誰もいなかった。
~マスコミの反応も全くない。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~・・・これが現実の世の中である。・・・土佐では昔から~こんなもんじゃ~
土佐の“坂本龍馬”は、土佐じゃぁ~なんちゃぁ~できんけん脱藩したがじゃぁ~
戦争中の「大本営発表」~・・・・・ウソ八百の勝利報告を国がコントロ~ルして
国民を欺き、戦争に突き進んだ。あの時代のウソ新聞は、今や更にスマートになり
新聞社に“エサをやりながら”~上手に、国民をコントロールしているようである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・すくなくても、刑事事件に関しては間違いない。
この新聞を誰がコントロ~ルし、そのためのエサを誰が与えているか
世の中の“自称知識人”たる人物は、少しは真面目に考えたらどうか。
君たちは~いまだに受験勉強をしながら~記事を書いたり~テレビに出演しているのか??
駐車場の一番奥まで歩いて行くと、水色のいつも見る新聞記者の車が止まり、
中に若い記者が、合格発表を待っている受験生のように様に
“何がどうでも、この場から動けない”と、言う雰囲気で座っている。
やはり思った通りだった。駐車場の奥の端なら、全体が視察できる。
いつもは、署の正面に堂々と車を止めるが、今日は奥の端だ。
太陽光線が、まともに当たる場所で、クーラーもかけず・何かを待っている様子だ。
一目で“張り込み”とわかる様相~・・・
・・・・・こいつ~新聞記者になって、まだ間がない。それともアホか?
コイツが私の魚信(アタリ)サンだ。~フワフワと近づき、まず、~おちょくった
「お、・・・朝からずっと~誰を待っています??
暑いのに、クーラー無しの・音無のかまえで、
~えらい根(コン)が続くねぇ・・・・・・・・・
・・・・・・音無川で・・・内緒の女でも待ちよるかぇ~・・・・・・」
まるで偶然見付けたかの様に話しかける。・・・・・相手のアタリを見た。
「そん・なんじゃぁ~ないデス、昨日からですよ・・・・・・・・・・・・・・・・
ずぅ~と・・こんな事で・・・・・・・・・・・・」
アタリがあった。
新聞記者は、昨日から警察署に張り付いている。~今、そう言った。
なら、たたみ掛けろ。
「あぁ~・・・何か“掘る”てかー?・・・
“掘る~”てよ・・・・・・・・・
ココで“掘る”て・言えば~あの、12年前の
一国銀行の銀行員失踪事件しか・ないやん・・・・・・
・・・・・・・・・あれぇ~しか?・・アレだろう・・・・・・・・・・
さすがブン屋サン!
ワシラ“下”のモンには、なんにも言ってくれん、けど、
地元の新聞には、昔からよく抜けるんで・・・
大したもんだ。やっぱりなあ~・・・エライもんや
あの~・・・・・田岡 大をヤッテル(取り調べ)ワケ・・・・
・・・・・・・・・・・・・昨日から、・・・・・・
・・・・・・ブン屋さんは、すごいなァ~」
新聞記者は、軽くうなずきながら
「そうです。銀行員の件で、来ているんですが、詳しい事は判りません。
僕は上から 言われて、来ているもんで・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ただココにおる様、言われているだけですから・・・」
若い新聞記者が、大きなため息混じりに1つ1つ区切りをつけて話した。
区切りには、昨日から交代もなく、ただ1人・黙々と上からの単調な命令
「警察署での張り込み」を遂行している
うんざりする中に、かなりの緊張感がある独特の雰囲気があった。
私も長い張り込みを何回か経験した事がある。
徹夜の張り込みは、精神的な疲労が激しいものだ。が、・・・と思う。
普通新聞記者が警察署に来るときは、署内で大手を振ってウロウロしているもんだ。
それが駐車場で警察の動きを張り込むとは、ただ事ではない。
つまり、取調中の容疑者が歌った後(自白した後)容疑者の言う通りの証拠品を
・・~容疑者の案内で捜しだし、結果、容疑者の自白通りの場所に、その通りの「物」があれば
即逮捕。~なければ再度調べる。この流れである。
新聞記者が張り込んでいる目的は「物」探し、つまり「掘る」である。
失踪した銀行員の“骨”または“服”を、容疑者の案内で掘り出したとき 田岡 大を逮捕できる。
新聞記者が待っているのは、この瞬間だ。
どこの新聞社にも犯人 田岡 大 の案内で、警察官が動き被害者・銀行員の“骨”または“服”
を掘り出す写真は撮れまい。~絶対不可能だ。・・・・・・・(~しかし“骨”は無いだろう~“服”は別だ)
他の新聞社なら撮れない絵が、警察幹部と普段から連れ添っている地元新聞なら可能である。
一大スクープを撮影できる。大特ダネだ ~大本営から“ポチがエサをもらった”
この若い新聞記者は、それを狙っている。
車にある大型カメラが、出番を待ちながら~私に教えてくれた。
取材だけで、そんなカメラを持つか?持つワケがない。
・・それなら、警察が新聞社に漏らした事件の内容は、犯人は誰・いつから取り調べ・
いつごろ自白・それから、「物」を捜し「掘る」・の一連の流れを漏らしていなければ、
・・・・・・・・・・・~この様な結果にはならない。
犯人逮捕は100パーセントの確率で確かである。で、なければ、ここまで~用意周到にはならず、
ましてや~「掘る」と、間違うはずがない。
新聞記者が“掘る・と~勘違いした”原因は、警察が全部・漏らした以外に考えられない。
若い記者は、まだ熟成しておらず、駆け引きができないようで、全て私の思いのまま答えてくれた。
が、これ以上聞けば、この記者の失点になり、今後、私の顔を見かけたら、モノも言わなくなるだろう。
しかし、警察が新聞社に内部情報を漏らすときは、「成功」する場合のみである。
それも確実に成功する場合、もしくは被害者などに圧力をかけられ、
警察がどうしようもなくなった場合、しかたないので新聞社のご機嫌取りに情報を漏らして、
後々うまく新聞紙上に書いてもらう為の方策である。
だとすれば、既に田岡 大は、かなりの線まで歌っているか、歌わなくてもどうにかなる、
何らかの「策」がなければ、新聞社には漏らさない。
しかし、この事件に関する基礎的な知識さえない奴らが
どの様な“策”を持っている。基礎が無いヤツに“策”が、あるわけがない。
捜査一課が私に質問した内容は、事件の初歩的な事で、 しかも・全部~ウソ八百である
・・・~とても犯人相手の取り調べに使える様なモノではない。
しかし・・自信満々でないと~新聞社には“漏らさない”・・じゃぁ~なんだ
もし可能性があるとすれば「物」(ブツ)が“策”だ。~その「物」を新聞社に漏らした。
・・・・・・・・・・だから~新聞記者が「掘る」と勘違いした。~他に考えられん。
・・・・・・・・・・・~例えば、銀行員の“衣服”・“らしき”ものを・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・埋めているのを・・・誰かが見た。・・その目撃者を警察が確保し・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・“目撃情報”を調書に取った?・・とか?・・
~・・・・・10年以上前にも、そのような噂が四万十川沿いに流れていた。
田岡が~河原で、 “何か” を “引っ張っていた” ・・・川漁師からの目撃証言だった。
“引っ張っていた”・・とは、全て見ているが言いたくないから、「引っ張った」の表現だろう。
早い話が、“すでに勝負あり”、との“勝算”があるから、新聞社に漏らした。こう考えるのが
順当な筋である。
可能性として、事件を蒸し込んだ警察官がどの様な方法で、何をしたか?・・警察内部を調べ、
「蒸し込み組」が歌った後、事件に着手したのか?・・それなら、簡単だが・・・・・・・・・
・・~・・・それは無いだろう。
しかし、すでに事件を解明し、簡単に犯人を逮捕できる。と、判断してもおかしくない。
元々・・・その程度の事件だ。
この事件は、「蒸し込み組」の証言だけで逮捕する事も、やり方次第では可能となる確率は高い。
私とすれ違った「蒸し込み組」の1つ目カラスが、露骨なまでに私から顔をそむけ、通り抜けた。
・・・~その、意味合いも理解できる。
が、新聞記者が期待している銀行員の「骨」または「服」は、まだどっかにあるのか?
~「骨」は、すでに無いのかもしれない。
私はどうしても引っかかる、銀行員失踪事件から3年ぐらい過ぎた頃、四万十小学校の裏山から
~「骨」が出たと言う話。
小学生が「人間の骨の回りに、お金が落ちている」と、銭を拾った。あの一件。
もしアレが失踪した銀行員の骨なら、既に警察が処分しているだろう。
それなら、事件処理そのものができない。12年間蒸し込んできた理由もわかる。
もし私の推測が正しかったら、別件で田岡 大を逮捕する以外に方法はないが、
絶対しないだろう、やれば、自分で自分の首を絞める事になる。
~しないとは思うが、新聞社に抜けているのは事実だ。
この状態なら、明日もこの新聞記者はココに来る。
明日は私も当直で、朝から中村署に来なければならない。ここはひとまず引く。
あまり長く話すと明日、この記者が私を敬遠する恐れがある。
今、話し出して3分ぐらいだ、このあたりで切り上げ、最後に
・・・・・・・・1つ、おみやげを残した。
「あの事件よ、銀行員失踪事件。・・アレ・初めから犯人は判っていたんじゃ。
警察が蒸し込んだのよ、ワシが犯人を割り出して・・それでいきなり飛ばされ、
・・・・・・・・・・・・・・12年たって、四万十市に戻ってきたんよ」
記者は、きょとんとしながら
「ホントですか?あの時、ここにおったんですか?」
と、半信半疑であった。これだけ言い残して直ぐ離れた。
人間、最後の言葉が一番脳裏に残るもんだ。警察の制服を着た変なオジサンが、
おかしな事を言って帰った。これだけは確実に記者の記憶に残る。
そして新聞社に帰って喋る。話せば、回り回って仲良しの警察署長に伝わるだろう。
・・・~それでよし。・・「かかってこい」私の挑戦状だ。
数年前、高知県でも結構・大きな町で、女子高校生が殺害され、海沿いの高速道路が走る
展望台近くの山中に捨てられる事件があった。
田舎では滅多にない殺人事件。
しかも被害者は、女子高校生。
全てそろった舞台で、犯人が逮捕される “前” の映像がテレビで放映され、
新聞には“逮捕前”の写真が載った記事が堂々と報道された。
全て隠し撮りしたような映像を見て
「こいつが犯人じゃぁ~」と言いながら、酒を飲み、大いに話題になった土佐の国で
逮捕 “前” ・裁判の “前” に~なぜ~犯人の日常生活の映像を~隠し撮りできる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・また~なぜ報道できる??
と、疑問に思った。・・・・・・・・・・・・・・~異議をとなえた人は、誰もいなかった。
~マスコミの反応も全くない。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~・・・これが現実の世の中である。・・・土佐では昔から~こんなもんじゃ~
土佐の“坂本龍馬”は、土佐じゃぁ~なんちゃぁ~できんけん脱藩したがじゃぁ~
戦争中の「大本営発表」~・・・・・ウソ八百の勝利報告を国がコントロ~ルして
国民を欺き、戦争に突き進んだ。あの時代のウソ新聞は、今や更にスマートになり
新聞社に“エサをやりながら”~上手に、国民をコントロールしているようである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・すくなくても、刑事事件に関しては間違いない。
この新聞を誰がコントロ~ルし、そのためのエサを誰が与えているか
世の中の“自称知識人”たる人物は、少しは真面目に考えたらどうか。
君たちは~いまだに受験勉強をしながら~記事を書いたり~テレビに出演しているのか??
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