●悪魔と踊ろう vol 2-10 骨屋
喫茶店の主、建設業者の情婦は、
業者と役人が絡んだ贈収賄事件が、簡単にボツになった事に
嫌悪感をあらわに、それでいて朗々と・・そう言えば・・と、
警察幹部と関連がある、ロクでもない人物について話し出した。
まだまだ無数に色んな事が、あるらしい。私は星空の一部を見たに過ぎない。
無限大の夜空の中で、1つや2つ人間の骨を隠したところで、別にたいしたことはない。
一眼国の星空には、人が人として感じる普通の感覚は完全に麻痺している様だった。
覚醒の中に幻覚を守ろうとする、組織され訓練された1つ目カラスが飛び回っている。
カラスにはカラスが好む人格があるらしい。
銀行員失踪事件の犯人 田岡 大 が、任意で取り調べを受けていた際、
逃げ出し隠れていた、親戚の元警察官宅。
彼が金貸しをしていた時、借金の取り立てに、金貸しの手足のように
動き働いていた池田という男、この男も、喫茶店の常連客で、
骨の話題が広まるに連れ、銀行員失踪事件に触れて、
詳しい話しを聞くため私に接近してきた。
~こいつなら何かやる。
田岡が逃げて、隠れた金貸しの手下だ。昔の様に金貸しの取り立てを、
田岡 大にしてやれば、必ず何かつかんでくる。そう思いながら詳しく説明し、
事件の蒸し込み工作についても、お望み通り答えてやった。
本人は益々乗り気になったらしい、それもそのはず銀行員失踪事件を蒸し込んだ
県警幹部 西田秀男 の出身地と同じ土地に住む、ご近所の住民である。
私を食事に誘ったり、どうゆう訳か作業用ズボンをくれたり、
ことのほか親切に御接待を受けた。
この種の人間が、この様な態度を取るときは、必ず目的があるものだ。
が、どうでも良い、まず相手の思惑に乗ることだ。この男の噂は以前から聞いていた、
なぜか警察幹部とつながっている。これがウソかホントか本人に喋らすため、
こちらから水を向け話しを進めると、
複数の警察官と協力関係にあった事を名指しで 喋り出した。
つまり、タレコミ屋だ。
御本人にも借金があるようで、ヤクザ組員からの取り立てが 厳しくなると、
即、警察にお願いして、暴力団対策法による取り立ての「中止命令」を発動してもらう。
最近は何をやっても件数である。
「中止命令」にしても年間何件、との数字が成績表になるから
何であれ、とにかく「中止」さす。
ヤクザが素直に「中止命令」に従った事を
~ことさらに吹聴し、自慢話の1つにする輩がいることを、
どれだけ警察が理解しているか?~そんなことは、どうでも良く「中止」は中止だ。
したがって、警察に貼り付いているヤツが得をする寸法だ。貼り付けば何でも得するようで、
さらに自慢話が続いた。
猟銃所持許可申請と言う、猟銃を所持する為の手続きがある。
モノが殺傷能力のある猟銃だから、結構厳格な手続きが必要だが住所地である
宿毛警察署の警察官が
「許可出来ない」と、手続きの不備を指摘したものを
県本部のエライさんに頼み込み「許可」してもらった事を、ことのほか自慢していた。
それこそ耳にタコが出来るぐらい、何回も聞かされたので、
おそらく誰にでも吹聴している事だろう。
しかも頼んだ相手が、宿毛のダム工事で横領事件を起こした~
お役人の父上様だ。
頼んだ当時、県本部の生活保安課にいたらしい。
コネを伝い歩きして、行き着いたのだろうが、
銀行員失踪事件を蒸し込んだ中心的な人物や、その側近にコネがきくようだから、
本人の強欲を合わせれば必ず何かやる。と、思われた。
ただし、やった事は必ず相手に抜ける。で、抜けたとき相手がどう動くか?
~つぶすだろう。~ツブスしか能はあるまい。これが足跡として残る。
川が流れるように、ごく自然な流れを山の上から見ておればいい。
銀行員失踪事件から3年が過ぎた平成5年正月。
清水署にも年賀状が届き、それぞれに仕分けされた。
私は、4年前から警察官に年賀状を出したことがなく、署内での年賀状は、
全く無縁だったが、今年は机の上に一枚、信じられん相手から年賀状が届いていた。
神々の神、ボスの中のボス、銀行員失踪事件を蒸し込んだ黒幕
県本部鑑識課長 西田秀男
~その人からの
年賀状である。
しばらく何も考えられなかった。
表と裏を交互に何回もながめ、人目に触れないよう
机の中にしまい込み、年賀状の上にノートを置いて隠した。
自分より下の人間に、わざわざ
年賀状を出す様なヤツではない.
県下全部の警察官に
アンケートを取っても結果は同じだ。
そう言う御仁がなぜ?・・・・・
ナゼと同時に、
やはり・・と思う。
やはり、骨の話しは本物だ。・・と、考えた。
~絶対に出て欲しくない「骨」が、忽然と現れた~
しかも“捨てた”~この推理は正しいか
平成4年、世間の噂通り、山の中で失踪した銀行員の骨が出た。「蒸し込み組」はあわてた。
近隣の者から~骨の問い合わせがあった時
「騒がないで」と言ったのは?どういう意味か
年賀状一枚で、謎が解けた思いだった。
西田は、かなりあわてている。
・・・・・・・・・・・・・だからこそ私に~
年賀状を送ったのだ。と、推察した。
・・・・・・・・・(翌年~中村警察署長に御栄転~証拠隠滅か
)
これなら~目標は「骨」だ。
西田秀男と同じ出身地である、骨に興味のある男、池田は動き出した。
骨が見つかったと ~噂のある四万十小学校の裏山を歩き回り、何かを捜している様だった。
~捜すとは、何を?
付近住民の話では、発見された骨は全て警察が運び去った。
私が中村署の警察官に聞いた結果も、わずか半日の捜索で打ち切られている。
つまり、回収された骨が人間一人分、それぞれの箇所・部位における一体分あったからこそ
簡単に捜索を打ち切ったのだろう。そうでなければ半日で終わるはずがない。
山には何もないはずだ。
しかも、広い山の中で、いくら頑張ったところで、何か発見できるわけがない。
私も何度か経験があるが、山や海、川でもいい。
自然の中で、行方不明になった人を捜し出すのは至難のワザだ。
生きた人間、死んだ人を問わず、なかなか出来る事ではない。まして骨だろう、
どうして探し出せる?~警察が運んだ後で~
よくそんな事を思い付くものだ、ホントに探しているのか?それとも~??
~まだ残りが?あるのか?~(切断していた?)?・・いささか疑問に思っていた矢先。
「一緒に、行ってくれ」との電話があった。
山の中に何かを埋めた跡があるそうだ。埋めてもおかしくない、その山の半分は墓地だ。と、
~そう言ってしまえばそれまで。
まず相手に乗ってやれ、~話はそれからだ。
一緒についていった先は、噂の四万十小学校裏側から1キロぐらい離れた。
四万十川の東側に面した住宅街の裏手だった。直径1メートル位の山土が、
高さ50センチ位に、こんもり盛り上がった、土饅頭だった。
まず大型の犬を埋めた跡であることは、充分想像できた。
しかし、目的は何だ?この土饅頭を~
まさか銀行員を埋めた跡だと、思っている訳じゃなかろう。
なぜ、土饅頭をわざわざ私に見せる。
そこで、わざと不愛想な物言いで
「こんなモン・・・子供に見せても判る。
~どうしてこれが銀行員ぞ、
犬か何かを埋めちょる、がぞ。」
と言ってやった。
男の反応は・・「そうか」と一言。
が、眼にはわずかに薄ら笑いが、
目立たない薄化粧の様に、ほんのり差し込んでいた。こいつのウソの限界だ。
帰り道、いかに一生懸命山道を歩き、探し回ったか。御苦労の程を聞かされながら道を急ぎ、
夜は一杯酒でも飲もうと言うことになった。もちろん男の御接待である。
酒の席でも山での捜し物の事を詳細に話し、次はどこを調べると意気込んでいた。
つまり、 この男は現実の捜索より、いかにして探しているか?
・・・そのお話を私に強調しているにすぎない。
ま、こいつなら~これが限界だろうが、じゃあ目的は何だ?
山なんかいくら探しても何も出ない。
ただ逆に、山で見つけたことに~するためには、海を探してもダメだ。て・・事だ。
いかにも頑張って探し出した。~と、するには、今の既成事実が必要だということだ。
・・~何かの~仕込みか
この男の欲しいものは金だ。
ま、どうでもいいから男のオゴリで飲んでいりゃあいい。
そのうち幽霊でも出てくるわ。
と、4~5回飲んだか、ある日・いつもの喫茶店に呼び出された。
日曜日の午後、店内の客は、私を待っていた男が1人。
正確には、もう1人いると、 言うべきだろうか?
・・・奥の端にあるボックスに座っていた男が、私を見るなり小声で呼びかけた。
「オイ・・お・・・オイ・・」
他には何も言わず
「 オーイ・・・・・・・・~」
左手を小さく振り、手招きするそぶりで、体を小さくかがめ、右手はテーブルの下にある
何かを持っている。よほど大事なものらしい。ノドの奥から注意深く小声を出し
「オーイ・・・見つけたぞ~骨よ・・・」
半信半疑で納得しながら、男の正面に座った。
「 いつ・・・・・・・・。」
一言だけ答えると「4・5日前」だと言う。
そう言いながらテーブルの下から、
白いスーパーの買い物袋を取り出し、
他人に見えないように、私の足下に置いた。
見ると直径3センチ位の塊が3個
長さ15センチ位、直径2センチ位なのが2本。
合わせて5個の骨があった。
しかも塊状の骨は、ノコギリで切られた様な
古い切り口がある。
さらに、別の1つは、精巧な機械を使わなければ
絶対に切れないぐらい、
鏡のように輝いた切り口の骨がある。
明らかに、何かの検査をするために切ったもので、素人の手作業で形成される切り口ではない。
いかに上手にウソをついても、この2つの切り口はウソではない。
まさかと思いながら次の言葉を忘れ、2つの切り口を交互に見つめていたが、
骨を発見した状態をいかにも説得力がない、わざとらしい小声の話しが続いた。
「ワシが四万十小学校の裏側の山を登っていた時よ、
あの付近の山の斜面は傾斜がきつい。
足を斜面に踏ん張った時じゃ。
その骨の関節部分の丸い
ところを踏んだものよ。
丸いとこがグリと回って、
その長い骨が地面から起きあがってきた。
この、丸いとこよ、・・・・~
これが回って、・・・~
グリとよ、それで、こう、起きた。」
骨を素手でつかみ、テーブルの上で、身振り手振りを交え説明する姿は真に迫っていた。
が、あまりに話が出来すぎている。
足を斜面で踏ん張ったとき。骨の丸いところを踏んで、テコの原理よろしく、
瞬時にグリと回り骨が出てきた。と?
そりゃない。
~それに、・・・・・今、この男が話している「骨」を発見した場所は、私が話した所だ。
・・・・・・・・・・・・・・・(・・・~
そこは、違うんだ)
いくらなんでも、それ程つごう良く見つかるものではない。が、ここはひとまずウソに乗ろう。
私も負けずに言ってやった。
「これは、怨念だ。・・・・・
殺された銀行員 の魂が・・・・
大地から起きあがった。」
思い付く全ての霊に関する知識を並べ、ゴマスリに専念したが、
1年間に50体ぐらい死体を扱う私としては、「霊」なんかどうでもいい存在であり、
むしろバカにしていたので、ロクな事は言えなかった。
「霊」が存在するなら、もっと真面目に~どんどん出てくればいい。
犯人を呪い殺せばいいじゃないか?~どうしてやらないのか?~もっとまじめにやれ。
糞霊。
「この骨を枕の下に敷いて寝たら、
今晩、銀行員が出てくるか?・・
ほんものならでるが・・まちごうぉ~て女が出てきたら・・・・・
よ・・・どうすりゃあ~・・・・ほんなら、・・
この骨は違う骨じゃけん。・・・
・・・一晩、抱いて寝てみたらどうぜよ」
茶々を入れて相手の反応を待った。ニセ物ならそれなりの反応があるものだが。
こちらが茶々を入れる程に、真剣な表情になり、
「ほら、この長い骨の切り口、これ~・・
知り合いの医者に見せたんじゃ。・・・・・
人間の骨には年輪みたいなものがあるがじゃ。
それを見る為、
骨を薄く切って顕微鏡で見たらわかるらしい。
顕微鏡で年輪を数えるがじゃ・・・
人は、生まれてから ~何10年も生きちょる。
牛や豚は2・3年や5・6年じゃ、骨の比重がちがう、
血液型もわかるらしいのう。
ワシんとこ(私と同じ出身地)
から出た、●●医者に、やってもろうたがよ」
思いもよらん「医学」が飛び出した。
この男に医者の知り合いがおる・・・その人が調べた?いやに、自信ありげだったが、
そう言う裏付けがあったとは、それにしても準備万端整いすぎた話だ。
長い骨の切り口は、初めから気が付いていた。たた相手が喋るまで待っただけだ。
切り口は、砥石で磨いたように、極めて平らで、スベスベしていた。
機械で切る以外、こんな切り口には成らない。切り口の全面が、真っ平ら。
おそらく1ミリの数分の1単位でカットできる機械を使っている。
素人の手作業では不可能な切り口。
薄く切り、下から光りを当て顕微鏡で見るわけだが、この男にそんな芸当はできないだろう。
しかも切り口については、微塵も話題に出さなかった。
もし本人が、苦心して切り口を作ったものなら、何らかの方法で話題にするはずだ。
ウソなら医者の話も大げさに出すだろうが、名前だけ言っただけで、何の問題にもしない。
血液型も、すでに調べているらしく、小声の早口でブツブツ言い出した。
誰かに聞いたことを自分の記憶をたどり、途切れながら順送りに、次々と脳の中を通過させた後、
喋っている様子で、上目使いで遠方を見ながら
「骨の年齢は、年輪から 27~29歳
30歳は過ぎてない。血液型は、
エ~・・・親が、BかOなら
Aにはならん、・・・・・・・・」
血液型について、口の中で、お経を唱える様に延々と喋り出した。かつてない事である。
すでに頭の中では、骨の親子鑑定までしているようで、おそらく知り合いの医者から仕入れた
血液に関する知識を頭の中で、復唱しているのだろう。
失踪した銀行員の骨だと、確たる証拠を持って、決めてかかっている様子だが、
・・・それにしてもおかしい?
いやに自信ありげだ。最初この骨を見たとき。いくら骨を発見しても、
正式に鑑定すれば~ウソならすぐバレル。だから「鑑定にだす」と脅せば、すぐ引き下がる。
と、思っていた。が、逆だ。
下がるどころか、逆に自ら鑑定を希望する様な雰囲気である。
まだ 口の中で血液型の講釈をしている。明らかに骨を金にするつもりらしい。
・・・親から銭を取ろう・・と言う魂胆か?・・・まだ喋っている・・・いいタイミングだ。
「血液型じゃダメだ。A・B・AB・O では
親子鑑定はできん。DNAじゃ、
遺伝子工学で調べるんじゃ」
大きな声で、DNAを強調して血液型を否定した。・・・が、
まだ血液型について、一人でブツブツ喋っている。
「ワリャ~・・・DNAじゃ」
大声で切りかけた。が、
「まぁ~聞け・・親がAかBなら骨は・・」
いっこうにやめない。
・・まだ、夢から覚めない痴呆老人のようだ。陶酔している。
この男は正式鑑定をして、骨と失踪した銀行員の親との、親子鑑定をやろうとしている。
それだけは確かだと確信した。
かりに「かくしん」させた事がウソであったとしても、銀行員の両親に伝わればいい。
殺された事は100パーセント間違いなく、犯人も田岡 大に間違いないからだ。
骨が何の骨でもいい。とにかく、銀行員の親に会える。~逢う口実が眼の前にある。
それじゃぁ~ウソでもこの話に乗る必要がある。銀行員の親に会おう。
一眼国の目的は、銀行員失踪事件~つまり、持ち逃げしたのであって事件ではない。
事件後、形式的に容疑者 田岡 大を取り調べたが、田岡が使用した現金は、
実父の農協預金を無断で引き下ろし、
そのまま喫茶「よってや」のカウンターに
~隠し持っていたものを、
銀行員失踪後に使ったものである。
~との結論である。
が、当時の農協預金がいつ、どの様にして引き下ろされたか?
警察の説明はない。
・・・・・警察は、知らないはずだ
知らないから~
この程度のウソを平気で話す。
この当時の農協金融部の窓口にいた女性事務員と責任者は、
田岡 大 の実父から ~「無断で引き下ろした
」との
~強烈な抗議を受けているが、これはいかに
・・・現金を使い果たした後で、抗議に来た。
・・・・・・・・・・・・・・・・それは、銀行員失踪事件の前だ
・・・・既に使い果たし、何も無い・・・
一円も無くなったから~
抗議に来たんだろう
・・警察からは~何も聞いてない。
ウソをつくときは、頭を使いながらウソをつくものだ
使うアタマが無いなら、ウソをつくな
~更にその後、どう言うわけか、
窓口の女性事務員と責任者は農協を辞めている。
・・・なぜだろう
詳細は不明であるが、田岡が現金を使い果たした結果であることは間違いない。
それから半年後、どう言うわけか博打打ちを賭麻雀で逮捕。
麻雀の調べは、1日で終わり、あとは銀行員失踪事件について長々と、取り調べを受けたらしい。
この博打打ちは、事件とは何の関係もない。むしろ逆に協力者として使うべき人物だ。
この人も12年後の平成14年7月、自宅で自殺した。またひとり生き証人が消えた。
全ては一眼国の思惑通りに進んでいる。このままにしておけば自然消滅する。
それこそ一眼国の計画通り、闇の中に葬られる。
幸い、一つ目カラスには、1つだけ良いところがある「アホゥ~・・アホゥ~・・」と鳴くとこだ。
カラスは、自分が優位に立っていると判断すれば、果敢に攻めてくる。
ならば、相手が一番望む演出をしてあげればいい。
素人が釣りをする時に~こだわるのは~服装・・竿:道具:等々・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・しかし漁師が仕事をするときは、まずエサだ。
エサは生き餌が一番。
手元で、どういう引きをするか見ておればいい。
骨を片手に発掘者は動き出した。
その日の内に、失踪した銀行員の父親が勤める高知市の日立自動車に電話を入れたのだ。
男は、中古車販売の仕事もしており、県下各地から安い車を引っ張っているので、
車の販売ルートに関する知識は、以前から確立されていた。
おどろいたことに、銀行員の父親の近況まで、すでに調べており
「銀行員のオヤジは、日立自動車の整備の責任者をしているが、
最近は、仕事していたと思っていると、
直ぐ、どっかに~いなくなっているらしい。」
と言う。
どこで調べたのか、この男のルートなら、日立自動車に知り合いがいてもおかしくない。
聞いたとすれば営業・販売部門の人間だろうが、何のための調査か?
銀行員失踪事件から、そろそろ4年目に入いる頃である。両親の思いは、
気が狂わんばかりの心境だろうが、この親が、これまで接してきた警察官は
「蒸し込み組」 の1つ目カラスだ。
事件発生当時、失踪した銀行員の父親が、中村署の刑事課まで
オロナミンCドリンクの差し入れを持って来た事が何回かあった。
私が追い出された後、係の刑事に~
高価なウイスキーまで持っていき
「息子の捜索をお願いした」と、
風の噂に聞いた事がある。
銀行員が使っていたマンションは、翌年の3月まで家賃を支払い
賃貸契約を継続したと聞いている。
「息子が帰ってきた時、いつでも使える様に」との気配りだ。
この気配りの最中、私は清水警察署に飛ばされた。
つまり警察は、蒸し込みにかかったわけだ。
同時期、この1つ目カラスに~失踪した銀行員の父親が、
高価な品物を差し入れしたとは、なんとも残酷な場面だ。
~言語を絶する
どの様なツラで~誰が受け取ったか?
・・・もし、私がその場にいたら、おそらくタダでは済まなかっただろう。
人間が人であることの条件、“人間の条件” とは、何だろう
~二つ穴が有れば~人間か・・・
上の穴から~食い物を入れ、下の穴から~糞を出せば
~
~少なくとも
・・
北朝鮮日本支部の~役人にはなれる
喫茶店の主、建設業者の情婦は、
業者と役人が絡んだ贈収賄事件が、簡単にボツになった事に
嫌悪感をあらわに、それでいて朗々と・・そう言えば・・と、
警察幹部と関連がある、ロクでもない人物について話し出した。
まだまだ無数に色んな事が、あるらしい。私は星空の一部を見たに過ぎない。
無限大の夜空の中で、1つや2つ人間の骨を隠したところで、別にたいしたことはない。
一眼国の星空には、人が人として感じる普通の感覚は完全に麻痺している様だった。
覚醒の中に幻覚を守ろうとする、組織され訓練された1つ目カラスが飛び回っている。
カラスにはカラスが好む人格があるらしい。
銀行員失踪事件の犯人 田岡 大 が、任意で取り調べを受けていた際、
逃げ出し隠れていた、親戚の元警察官宅。
彼が金貸しをしていた時、借金の取り立てに、金貸しの手足のように
動き働いていた池田という男、この男も、喫茶店の常連客で、
骨の話題が広まるに連れ、銀行員失踪事件に触れて、
詳しい話しを聞くため私に接近してきた。

田岡が逃げて、隠れた金貸しの手下だ。昔の様に金貸しの取り立てを、
田岡 大にしてやれば、必ず何かつかんでくる。そう思いながら詳しく説明し、
事件の蒸し込み工作についても、お望み通り答えてやった。
本人は益々乗り気になったらしい、それもそのはず銀行員失踪事件を蒸し込んだ
県警幹部 西田秀男 の出身地と同じ土地に住む、ご近所の住民である。
私を食事に誘ったり、どうゆう訳か作業用ズボンをくれたり、
ことのほか親切に御接待を受けた。
この種の人間が、この様な態度を取るときは、必ず目的があるものだ。
が、どうでも良い、まず相手の思惑に乗ることだ。この男の噂は以前から聞いていた、
なぜか警察幹部とつながっている。これがウソかホントか本人に喋らすため、
こちらから水を向け話しを進めると、
複数の警察官と協力関係にあった事を名指しで 喋り出した。
つまり、タレコミ屋だ。
御本人にも借金があるようで、ヤクザ組員からの取り立てが 厳しくなると、
即、警察にお願いして、暴力団対策法による取り立ての「中止命令」を発動してもらう。
最近は何をやっても件数である。
「中止命令」にしても年間何件、との数字が成績表になるから
何であれ、とにかく「中止」さす。
ヤクザが素直に「中止命令」に従った事を

どれだけ警察が理解しているか?~そんなことは、どうでも良く「中止」は中止だ。
したがって、警察に貼り付いているヤツが得をする寸法だ。貼り付けば何でも得するようで、
さらに自慢話が続いた。
猟銃所持許可申請と言う、猟銃を所持する為の手続きがある。
モノが殺傷能力のある猟銃だから、結構厳格な手続きが必要だが住所地である
宿毛警察署の警察官が


それこそ耳にタコが出来るぐらい、何回も聞かされたので、
おそらく誰にでも吹聴している事だろう。
しかも頼んだ相手が、宿毛のダム工事で横領事件を起こした~

頼んだ当時、県本部の生活保安課にいたらしい。
コネを伝い歩きして、行き着いたのだろうが、
銀行員失踪事件を蒸し込んだ中心的な人物や、その側近にコネがきくようだから、
本人の強欲を合わせれば必ず何かやる。と、思われた。
ただし、やった事は必ず相手に抜ける。で、抜けたとき相手がどう動くか?
~つぶすだろう。~ツブスしか能はあるまい。これが足跡として残る。
川が流れるように、ごく自然な流れを山の上から見ておればいい。
銀行員失踪事件から3年が過ぎた平成5年正月。
清水署にも年賀状が届き、それぞれに仕分けされた。
私は、4年前から警察官に年賀状を出したことがなく、署内での年賀状は、
全く無縁だったが、今年は机の上に一枚、信じられん相手から年賀状が届いていた。
神々の神、ボスの中のボス、銀行員失踪事件を蒸し込んだ黒幕



しばらく何も考えられなかった。
表と裏を交互に何回もながめ、人目に触れないよう
机の中にしまい込み、年賀状の上にノートを置いて隠した。

自分より下の人間に、わざわざ
年賀状を出す様なヤツではない.
県下全部の警察官に
アンケートを取っても結果は同じだ。

ナゼと同時に、

やはり、骨の話しは本物だ。・・と、考えた。



平成4年、世間の噂通り、山の中で失踪した銀行員の骨が出た。「蒸し込み組」はあわてた。
近隣の者から~骨の問い合わせがあった時



西田は、かなりあわてている。
・・・・・・・・・・・・・だからこそ私に~




西田秀男と同じ出身地である、骨に興味のある男、池田は動き出した。
骨が見つかったと ~噂のある四万十小学校の裏山を歩き回り、何かを捜している様だった。

付近住民の話では、発見された骨は全て警察が運び去った。
私が中村署の警察官に聞いた結果も、わずか半日の捜索で打ち切られている。
つまり、回収された骨が人間一人分、それぞれの箇所・部位における一体分あったからこそ
簡単に捜索を打ち切ったのだろう。そうでなければ半日で終わるはずがない。
山には何もないはずだ。
しかも、広い山の中で、いくら頑張ったところで、何か発見できるわけがない。
私も何度か経験があるが、山や海、川でもいい。
自然の中で、行方不明になった人を捜し出すのは至難のワザだ。
生きた人間、死んだ人を問わず、なかなか出来る事ではない。まして骨だろう、
どうして探し出せる?~警察が運んだ後で~
よくそんな事を思い付くものだ、ホントに探しているのか?それとも~??
~まだ残りが?あるのか?~(切断していた?)?・・いささか疑問に思っていた矢先。
「一緒に、行ってくれ」との電話があった。
山の中に何かを埋めた跡があるそうだ。埋めてもおかしくない、その山の半分は墓地だ。と、
~そう言ってしまえばそれまで。

一緒についていった先は、噂の四万十小学校裏側から1キロぐらい離れた。
四万十川の東側に面した住宅街の裏手だった。直径1メートル位の山土が、
高さ50センチ位に、こんもり盛り上がった、土饅頭だった。
まず大型の犬を埋めた跡であることは、充分想像できた。
しかし、目的は何だ?この土饅頭を~
まさか銀行員を埋めた跡だと、思っている訳じゃなかろう。
なぜ、土饅頭をわざわざ私に見せる。
そこで、わざと不愛想な物言いで

~どうしてこれが銀行員ぞ、
犬か何かを埋めちょる、がぞ。」
と言ってやった。
男の反応は・・「そうか」と一言。

目立たない薄化粧の様に、ほんのり差し込んでいた。こいつのウソの限界だ。
帰り道、いかに一生懸命山道を歩き、探し回ったか。御苦労の程を聞かされながら道を急ぎ、
夜は一杯酒でも飲もうと言うことになった。もちろん男の御接待である。
酒の席でも山での捜し物の事を詳細に話し、次はどこを調べると意気込んでいた。
つまり、 この男は現実の捜索より、いかにして探しているか?
・・・そのお話を私に強調しているにすぎない。
ま、こいつなら~これが限界だろうが、じゃあ目的は何だ?
山なんかいくら探しても何も出ない。
ただ逆に、山で見つけたことに~するためには、海を探してもダメだ。て・・事だ。
いかにも頑張って探し出した。~と、するには、今の既成事実が必要だということだ。
・・~何かの~仕込みか


ま、どうでもいいから男のオゴリで飲んでいりゃあいい。
そのうち幽霊でも出てくるわ。
と、4~5回飲んだか、ある日・いつもの喫茶店に呼び出された。
日曜日の午後、店内の客は、私を待っていた男が1人。
正確には、もう1人いると、 言うべきだろうか?
・・・奥の端にあるボックスに座っていた男が、私を見るなり小声で呼びかけた。
「オイ・・お・・・オイ・・」
他には何も言わず
「 オーイ・・・・・・・・~」
左手を小さく振り、手招きするそぶりで、体を小さくかがめ、右手はテーブルの下にある
何かを持っている。よほど大事なものらしい。ノドの奥から注意深く小声を出し
「オーイ・・・見つけたぞ~骨よ・・・」
半信半疑で納得しながら、男の正面に座った。
「 いつ・・・・・・・・。」
一言だけ答えると「4・5日前」だと言う。
そう言いながらテーブルの下から、
白いスーパーの買い物袋を取り出し、
他人に見えないように、私の足下に置いた。
見ると直径3センチ位の塊が3個
長さ15センチ位、直径2センチ位なのが2本。

合わせて5個の骨があった。

しかも塊状の骨は、ノコギリで切られた様な
古い切り口がある。

さらに、別の1つは、精巧な機械を使わなければ
絶対に切れないぐらい、
鏡のように輝いた切り口の骨がある。
明らかに、何かの検査をするために切ったもので、素人の手作業で形成される切り口ではない。
いかに上手にウソをついても、この2つの切り口はウソではない。
まさかと思いながら次の言葉を忘れ、2つの切り口を交互に見つめていたが、
骨を発見した状態をいかにも説得力がない、わざとらしい小声の話しが続いた。

あの付近の山の斜面は傾斜がきつい。
足を斜面に踏ん張った時じゃ。
その骨の関節部分の丸い
ところを踏んだものよ。
丸いとこがグリと回って、
その長い骨が地面から起きあがってきた。
この、丸いとこよ、・・・・~
これが回って、・・・~
グリとよ、それで、こう、起きた。」
骨を素手でつかみ、テーブルの上で、身振り手振りを交え説明する姿は真に迫っていた。
が、あまりに話が出来すぎている。
足を斜面で踏ん張ったとき。骨の丸いところを踏んで、テコの原理よろしく、
瞬時にグリと回り骨が出てきた。と?

~それに、・・・・・今、この男が話している「骨」を発見した場所は、私が話した所だ。


いくらなんでも、それ程つごう良く見つかるものではない。が、ここはひとまずウソに乗ろう。
私も負けずに言ってやった。

殺された銀行員 の魂が・・・・
大地から起きあがった。」
思い付く全ての霊に関する知識を並べ、ゴマスリに専念したが、
1年間に50体ぐらい死体を扱う私としては、「霊」なんかどうでもいい存在であり、
むしろバカにしていたので、ロクな事は言えなかった。
「霊」が存在するなら、もっと真面目に~どんどん出てくればいい。
犯人を呪い殺せばいいじゃないか?~どうしてやらないのか?~もっとまじめにやれ。

「この骨を枕の下に敷いて寝たら、
今晩、銀行員が出てくるか?・・
ほんものならでるが・・まちごうぉ~て女が出てきたら・・・・・
よ・・・どうすりゃあ~・・・・ほんなら、・・
この骨は違う骨じゃけん。・・・
・・・一晩、抱いて寝てみたらどうぜよ」
茶々を入れて相手の反応を待った。ニセ物ならそれなりの反応があるものだが。
こちらが茶々を入れる程に、真剣な表情になり、
「ほら、この長い骨の切り口、これ~・・
知り合いの医者に見せたんじゃ。・・・・・
人間の骨には年輪みたいなものがあるがじゃ。
それを見る為、
骨を薄く切って顕微鏡で見たらわかるらしい。
顕微鏡で年輪を数えるがじゃ・・・
人は、生まれてから ~何10年も生きちょる。
牛や豚は2・3年や5・6年じゃ、骨の比重がちがう、
血液型もわかるらしいのう。
ワシんとこ(私と同じ出身地)
から出た、●●医者に、やってもろうたがよ」
思いもよらん「医学」が飛び出した。
この男に医者の知り合いがおる・・・その人が調べた?いやに、自信ありげだったが、
そう言う裏付けがあったとは、それにしても準備万端整いすぎた話だ。
長い骨の切り口は、初めから気が付いていた。たた相手が喋るまで待っただけだ。
切り口は、砥石で磨いたように、極めて平らで、スベスベしていた。
機械で切る以外、こんな切り口には成らない。切り口の全面が、真っ平ら。
おそらく1ミリの数分の1単位でカットできる機械を使っている。
素人の手作業では不可能な切り口。
薄く切り、下から光りを当て顕微鏡で見るわけだが、この男にそんな芸当はできないだろう。
しかも切り口については、微塵も話題に出さなかった。
もし本人が、苦心して切り口を作ったものなら、何らかの方法で話題にするはずだ。
ウソなら医者の話も大げさに出すだろうが、名前だけ言っただけで、何の問題にもしない。
血液型も、すでに調べているらしく、小声の早口でブツブツ言い出した。
誰かに聞いたことを自分の記憶をたどり、途切れながら順送りに、次々と脳の中を通過させた後、
喋っている様子で、上目使いで遠方を見ながら
「骨の年齢は、年輪から 27~29歳
30歳は過ぎてない。血液型は、
エ~・・・親が、BかOなら
Aにはならん、・・・・・・・・」
血液型について、口の中で、お経を唱える様に延々と喋り出した。かつてない事である。
すでに頭の中では、骨の親子鑑定までしているようで、おそらく知り合いの医者から仕入れた
血液に関する知識を頭の中で、復唱しているのだろう。
失踪した銀行員の骨だと、確たる証拠を持って、決めてかかっている様子だが、
・・・それにしてもおかしい?
いやに自信ありげだ。最初この骨を見たとき。いくら骨を発見しても、
正式に鑑定すれば~ウソならすぐバレル。だから「鑑定にだす」と脅せば、すぐ引き下がる。
と、思っていた。が、逆だ。
下がるどころか、逆に自ら鑑定を希望する様な雰囲気である。
まだ 口の中で血液型の講釈をしている。明らかに骨を金にするつもりらしい。
・・・親から銭を取ろう・・と言う魂胆か?・・・まだ喋っている・・・いいタイミングだ。
「血液型じゃダメだ。A・B・AB・O では
親子鑑定はできん。DNAじゃ、
遺伝子工学で調べるんじゃ」
大きな声で、DNAを強調して血液型を否定した。・・・が、
まだ血液型について、一人でブツブツ喋っている。
「ワリャ~・・・DNAじゃ」
大声で切りかけた。が、
「まぁ~聞け・・親がAかBなら骨は・・」
いっこうにやめない。
・・まだ、夢から覚めない痴呆老人のようだ。陶酔している。
この男は正式鑑定をして、骨と失踪した銀行員の親との、親子鑑定をやろうとしている。
それだけは確かだと確信した。
かりに「かくしん」させた事がウソであったとしても、銀行員の両親に伝わればいい。
殺された事は100パーセント間違いなく、犯人も田岡 大に間違いないからだ。
骨が何の骨でもいい。とにかく、銀行員の親に会える。~逢う口実が眼の前にある。

一眼国の目的は、銀行員失踪事件~つまり、持ち逃げしたのであって事件ではない。

実父の農協預金を無断で引き下ろし、
そのまま喫茶「よってや」のカウンターに
~隠し持っていたものを、
銀行員失踪後に使ったものである。



・・・・・警察は、知らないはずだ



田岡 大 の実父から ~「無断で引き下ろした






・・・・既に使い果たし、何も無い・・・



・・警察からは~何も聞いてない。




~更にその後、どう言うわけか、

・・・なぜだろう

詳細は不明であるが、田岡が現金を使い果たした結果であることは間違いない。
それから半年後、どう言うわけか博打打ちを賭麻雀で逮捕。
麻雀の調べは、1日で終わり、あとは銀行員失踪事件について長々と、取り調べを受けたらしい。
この博打打ちは、事件とは何の関係もない。むしろ逆に協力者として使うべき人物だ。
この人も12年後の平成14年7月、自宅で自殺した。またひとり生き証人が消えた。
全ては一眼国の思惑通りに進んでいる。このままにしておけば自然消滅する。
それこそ一眼国の計画通り、闇の中に葬られる。
幸い、一つ目カラスには、1つだけ良いところがある「アホゥ~・・アホゥ~・・」と鳴くとこだ。
カラスは、自分が優位に立っていると判断すれば、果敢に攻めてくる。
ならば、相手が一番望む演出をしてあげればいい。

・・・・・・・・しかし漁師が仕事をするときは、まずエサだ。

手元で、どういう引きをするか見ておればいい。
骨を片手に発掘者は動き出した。
その日の内に、失踪した銀行員の父親が勤める高知市の日立自動車に電話を入れたのだ。
男は、中古車販売の仕事もしており、県下各地から安い車を引っ張っているので、
車の販売ルートに関する知識は、以前から確立されていた。
おどろいたことに、銀行員の父親の近況まで、すでに調べており
「銀行員のオヤジは、日立自動車の整備の責任者をしているが、
最近は、仕事していたと思っていると、
直ぐ、どっかに~いなくなっているらしい。」
と言う。
どこで調べたのか、この男のルートなら、日立自動車に知り合いがいてもおかしくない。
聞いたとすれば営業・販売部門の人間だろうが、何のための調査か?
銀行員失踪事件から、そろそろ4年目に入いる頃である。両親の思いは、
気が狂わんばかりの心境だろうが、この親が、これまで接してきた警察官は
「蒸し込み組」 の1つ目カラスだ。
事件発生当時、失踪した銀行員の父親が、中村署の刑事課まで
オロナミンCドリンクの差し入れを持って来た事が何回かあった。

高価なウイスキーまで持っていき


銀行員が使っていたマンションは、翌年の3月まで家賃を支払い
賃貸契約を継続したと聞いている。

この気配りの最中、私は清水警察署に飛ばされた。
つまり警察は、蒸し込みにかかったわけだ。

高価な品物を差し入れしたとは、なんとも残酷な場面だ。



・・・もし、私がその場にいたら、おそらくタダでは済まなかっただろう。







~少なくとも



