悪魔と踊ろう

犯人は警察幹部の親類だった。身内をかばう獣道で、犯人を割り出した警察官は、ミミズのように蒸し込まれた。ここは日本か?  

警察の腐敗・・「悪魔と踊ろう」                ~尋問の儀これあり~

2007年11月30日 04時52分47秒 | 悪魔と踊ろう  vol 1-5~6
            ●悪魔と踊ろう  vol 1-6          不思議な果実








 明日から全署員で、オートバイが発見された箇所から下流にかけ、川岸の捜索を開始する。
長い草は鎌で刈り取り、竹薮や岸沿いの川の中まで徹底的に捜索する。

当分の間、非番・休日返上になる、との事だった。
えらい熱を入れて、演説するような口調で力説したが、
・・・~そんなに力まんでもいい。

 捜索するのは、当たり前。草を刈るのも当たり前、あとは人数をそろえたらいい。
これほど“リキ”を入れるなら、いっそのこと「殺し」として捜査したら、いいんじゃないか?

もし違っていたら、あとで「ゴクロウサン」と言えばいい。
そうしないのが公務員と言う、日本のお役人が造りだした組織だ。

もし事件として取り扱った場合、解決すれば手柄になるが、
何の材料も無く、むやみに時が過ぎれば失点となる。

この様な~重大事件は~逐一・些細な事まで“本部報告”しなければならない。
いかにして“本部”を納得さすか~敵は本能寺にあり~“報告”が、すべてである。
そんな“冒険”をしてまで、仕事をするような人間はいない。

仕事とは出世の糧であり、糧とは、うまいモノだけを蓄積するのがベストだ。
公務員には公務員のモノサシがある。このモノサシにあわない組織人、
たとえば私の様なバカは、どんどん切られていく。
 
 この20年間に警察官の気性も随分かわった。
昔は土佐の“イゴッソ”を地でいく頑固な刑事がいくらでもいたが、
そんな~上から見て扱いにくいヤツは、ドンドン切り捨てられ飛ばされた。

それが20年たったら~世代が入れ替わり、“上手モン”ばかりが繁殖する。
たてつく者はいなくなる。そうまでして仕事をしなくても、いくらでも出世はできる。

 1にコネ、2に銭、3に要領、“三種の神器”だ。
明日の方針が決まれば~言われたとおり~やればいい。

オートバイが発見されたことを喋るな。~と、言うなら女房にも、だまっておればいい。
簡単なことだ。しかし、なにか風向きが変な感じがした。

これは明らかに事件だ。が、・・・何かまわりくどい・・イライラするような動きだった。
一日中、真夏の太陽に照らされた挙げ句、うんざりする訓示を聞かされ、疲れきって帰宅した。
何も喋る気がしない、「喋るな」と言う御命令だから丁度いい。その夜は早く寝た。



 翌朝、はやく目覚め、滅多にないこと、朝はやく新聞を見てビックリ。
なんと、新聞に大きな見出しで、しかも写真入りの記事かある。

 
            「四万十川から、失踪した銀行員のオートバイ発見」と書いている。

あれほど厳格に~エラソウな態度で“秘密にしろ”と、
厳命しながら~地元新聞は~発見された場所を写真撮影して、

・・・・・・・こと細かに説明している。

遠距離の写真撮影ができると言うことは~昼間の明るいうちでないとできない。
つまり昨日~「喋るな」と言う訓示をウンザリするほど、
・・・・・~ながながと受けていた時間帯までに、撮影しなければ写らない。

・・・・・・・・・・これは、どう言う訳だ。

~県警本部から、漏れたとしか考えられない。


県で出世するには、県最大のマスコミ、地元新聞の“ゴキゲン取り”をして
人気を上げていなければ、県の幹部クラスにはなれない。と、言うのが定説だ。

逆に普段から地元新聞に「特ダネ」をエサとして流しておけば、警察の悪口は程々に、
うまくコントロールできる。“持ちつ~持たれつ”・・の仲。
 
・・・・戦争中の「大本営発表」と、同じだ。

しかし、もし・この失踪事件が強盗殺人事件なら、オートバイを四万十川に落した事実は
~犯人しか知り得ない“事実”~である。

犯人を逮捕した際、四万十川のどこに~“落とし込んだ” か?・・を自白させれば、
犯人しか~知り得ない自供を取ったことになり、裁判で有罪になる絶好の材料である。

これを、いとも簡単にマスコミに流す人は、いったい~どんな感覚で生きているのか。

・・・ほんとに人間なのか?~警察でメシを食う人間か?

 腹が立つ以上に、ガクゼンとした思いだけが残った。

こんな環境の中で汗を流して、一生懸命働き、仕事で失敗すれば飛ばされ、
成功すれば、上役が得するシステムになっている。
~ なんとも~やりきれん思いで朝飯をかき込んだが、最近よくある。

メシを食った後・・今なにを食ったか、思い出そうとしても?
~ 何を食ったか?まったく記憶の中に出てこない。

~今の事を覚えてない。
おかしな話だが、現実に時々ある。決して痴呆症ではない。

今・生きている環境と自分の生き様が、まるで他人を見ているようで、
時々ボンヤリすることがある。

そんな、おかしな現象が起こる。


・・病気だろうか?
病名は、職場がイヤになった症候群、はやく“ヤメタイ自閉症”とでも銘々するか。

かと言って仕事が嫌いな訳ではない。
むしろ面白い、このチグハグな感覚を、自分で持てあましている。

~イヤならイヤで、やめたらいい。そんな事はしたくない、仕事はやりたい職場はイヤだ。

今朝の新聞を読み、フト発作が起きた~朝飯に何を食ったか覚えてない。
何か胃袋に入れた事は間違いない~ソレでいい。   
  


 車に乗れば、いやでも職場につく、今日は県本部鑑識課から鑑識指導官が来て。
いや、「来て」などと軽々しく言ってはだめだ、鑑識指導官がミエラレテ

四万十川から見つかったオートバイから、指紋を採取する。
指導官は鑑識技術の神様みたいな人だから、ウヤウヤシクありがたく、指導をしていただき、
その助手として下働きができることを、光栄に思わなければならない。

今日一日は、優秀な組織人として振る舞う。が、結果は判っている。
四万十川の川底で、最低でも 48時間以上の長時間、

流れにさらされ、水にもまれた金属の塊から、指紋が採取できる訳がない。

そんな事はどうでもいい、~やることが仕事だ。
~やりました、~やっています、との姿勢だけが必要である。私も一応・クソ役人の1人だ。

昼前には指導官が見えられる。
それまでに万全の準備を整え、お迎えしなければならない。

やる事はいくらでもある、ただ今日も一日・~むだに時間を浪費することだけが残念である。



  四万十川の河原では、数10人の警察官が鎌を持ち、草を刈りながら捜索している。
なにか発見しただろうか?それだけが気がかりだった。

とにかく今日はオートバイだ、気を取り直し指紋採取の準備に専念する。

オートバイは完全に乾燥していた。
ただ気になるのは、車体のあちこちに~コスッタような跡が付いている。

おそらく川底から引き上げた際に、作業員が指でこすったものだろう、
その跡に付いていた指紋は、確実に消えている。不用意にオートバイを引き上げた証拠だ。




 部屋の整理を済ませ指導官の到着を待ったが、いつまで待っても御見えにならない。
早く指紋採取を済ませ、四万十川の現場に行きたい気持ちが先に立ち

あれこれ問い合わせていると、指導官はすでに到着しており署長室に入っている、との事だった。
署長室で何をしているんだ。~クソバカが、早く仕事しろ~と、
言ってやろうと思い署長室をのぞいてみると、

中で料理屋から取った高級な弁当を食べていた。すでに前日から予約していたようである。

 ・・~それなら、と、少し早いが愛妻弁当を取り出して早弁を食べ、

近くの喫茶店でコーヒーを飲みながら時間をつぶした。

どうしてこんな時に、よけいな時間を使うのか、またもやイライラしながら考え込む。

所詮何をやってもこの程度だ、最も重要なことは、上役とのツナガリであり現実に何をどうするか、
・・・現場の動きなんか二の次だ。

結果は判っている~「指紋は出ない」・・どうでもいいから早く済ませろ。


 指導官が来たのは午後1時を20分ぐらい過ぎて、やっと見えられた。
まさに「見えた」~と言う感じだった。

形式どおりの挨拶を済ませ、さっそく神様のお手並みをはいけんした。
  

 神様はオートバイ全体を、透明のビニールでスッポリ包み込み
その中にアメリカ製のハードエビネンスなる“新製品”の封を切り、ビニールの内側に張りつけた。

ハードエビネンスとは商品名で、日本語に訳すと「硬い証拠」と言う意味である。
証拠とは指紋のことで、早い話が瞬間接着剤を固形化しサロンパス様にした物をはがし

瞬間接着剤の気化ガスで、指紋採取するものである。
ただ、これには難点が有る。

~かりに、このハードエビネンスを車内に置いた場合、
真夏の太陽に照りつけられた車の中は、大変な温度に上昇する。

すると成分である・瞬間接着剤のシアノアクリレートガスが揮発してしまい、何の効力も無くなる。
果たして神様が仕込んだアメリカ製の新製品が、どこまで威力を発揮するか、 見届けることにした。

オートバイを包み込んだビニールの内側には、故意に指紋を付けている、
ガスが揮発すれば、まず先に、その指紋が出るはずである。
~ところが、いくら待っても出なかった。心配したとおり、すでにガスは揮発して、効力は無くなっている。

いつまで待ってもしかたない。時間の無駄。

 即、用意していた瞬間接着剤をズボンのポケットから取り出し

           「これを使いましょう」と提案した。

こんなところが私の悪いところだ。

上の人が次に何をするか、全て黙って待ち、後で相手の措置をホメタタエたらいい。
それをいきなりジャンプして、早々に結論を出してしまう。

上から見ると、いやなヤツだろう。
とにかく~どうでもいいから~瞬間接着剤を多量に灰皿に移した物を三つ用意して

・・・オートバイの前、シートカバー、後部の三個所に置いた。

直ぐビニールで全体を密封し、ガスが漏れて無い事を確認してから、室内の冷房を暖房に切り替えた。

温度を上昇させ、シアノアクリレートガスが揮発しやすくするためだ。

こうすれば、通常の半分位まてば指紋が検出される。
後輪の泥よけカバーから一個採取できた。

わざわざ指導官殿が警察本部から見えられて、一個も取れないでは済まない。
カッコウが付かない。どうでもいいから出せ、~やりました。~頑張りました。
・・と、報告すればいい。どうせ~たいした結果は出ない。

 後始末を済ませ、これから四万十川河川敷の現場に行こうとした際。
指導官は署長室で、署長に詳細にわたり~説明していた。

これが世渡りだ、現実にはクソにもなってないが、
ドシロウトの署長に 専門用語をまじえて説明すれば、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・~アホは何か?納得するだろう。

結局~目的は、アホを納得させ、御自身の存在感を誇示する為か~結果は、立派な組織人である。
・・・うまいものだ。
・・・・・・~感心しながら~現場に向かおうとした~
  



 
  後日・・オートバイから採取された指紋は、やはり~引き上げ作業に従事した、刑事課員のものであることが判明した。

警察官の指紋は、本人の気が付かないうちに全て保管されている。
警察学校在学中に被疑者(犯人)指紋採取の練習と称し、二人一組になり、それぞれの指に墨を付けて、

一生懸命・お互いの指紋を取り合った。

たしかに練習と言われてやったことだが、じつは・この時取った指紋は確実に保管されている。
したがって警察官全員の指紋は、本人が死ぬまで個人資料として管理されている。

しかし~オートバイの引き上げ作業をした刑事さんは、手袋もせず~力まかせにオートバイを引っ張ったのだろう。

そうでなければ、川の中で指紋は付かない。一体どうゆう感覚で仕事をしているのか、
情けないやら、ハラガ立つやら、まぁ~この程度のものだ。

 署長室で、上手に世渡りしている指導官を横目で見ながら外に出た時には、
すでに午後4時45分になっていた、今から現場に行ってもしかたない。

また今日も1日~くだらん時間が流れた。情けないが、どうしようもない。
真夏の太陽が照りつけ、空気が淀んでいる。

何もかも馬鹿らしくなり、自然に歩き出した。5分ぐらい歩いたところに
警察官が絶対行かない喫茶店がある。ジャズ喫茶だ、

道から少し入り込んだ目立たない場所に、青色の壁を隠すようにポツリと建った、
ブルーノートと言う小さな店があって、モダンジャズが流れていた。
演歌が好きな人は、絶対来ないから時々行った。



  昔、ビリーホリデイが好きだった。ベトナム戦争の終わり頃、岩国に米軍の
ベースキャンプがあり、心身共に傷ついたアメリカ兵が多く集まっていた。

私は、広島の工業大学で将来を夢見ながら当時の総理  田中角栄が 言うところの

「日本列島改造論」を信じ工場の流れ作業をコントロールする生産工学を学んでいた。
当時は学生運動が盛んで、浅間山荘にたてこもった日本赤軍と、 機動隊の攻防がテレビ放映された時代だ。

広島でも学生運動が盛んになり、あちこちにヘルメット姿でゲバ棒を持った学生が路上で
気勢を上げていた。人間の心理とは、多数が正義であり少数はバカにされる。

さらに1人は悪だ。
ゲバ棒を振り回し学生運動に没頭する者が正義で、何もしないヤツはノンポリ学生、
1人で何もしない者は害悪だった。

そう言う風潮のなか、1人の女子大生が首をつって自殺した。
学生運動を否定し、仲間の中で孤立して自殺したのだ。一番悲しい出来事だった。
が、遺体に逢うこともできなかった。

 事の話を聞いたときは、既に彼女の遺体は故郷に帰っていた。


広島のスナックに、黒人のアメリカ兵士が1人座っていた。

もうろうとしながらウイスキーを飲み、ビリーホリデーの「奇妙な果実」に聞きいっていた。



       南部の木々に奇妙な果実が、
                      むごたらしく、ぶら下がっている。

         その葉は血に染まり、根本にまで、血潮はしたたり落ちている。

         黒い遺体は、南部の微風に揺れそそぎ、
                 まるでポプラの木から、垂れ下がっている奇妙な果実のようだ。



         美しい南部の田園風景の中に、思いもかけず見られる、
                        腫れ上がった眼や、苦痛に歪んだ口

         そして甘く新鮮に漂う木蓮の香りも、突然肉がこげる臭いとなる


         群がるカラスに、その実をついばまれた果実に、雨は降り注ぐ。

         風になぶられ、太陽に腐り、道にくち落ちる果実
                        奇妙な、むごい果実が、ここにある。


KKK.jpg
(KKK)



“愛”と言う美しい名の下に集まった。
片方から見れば愛国者の秘密結社・KKK・・~クー・クラックス・クランに、
なぶり殺しにされた黒人の死体を

遊び半分に “吊した”
恐るべき情景が、ビリーの語りとも言える歌声で、

   
       1本の木に、1人はこの枝で首を吊され~  
                      あの人は~こっちの枝、
                      この人は~こっちの枝に~吊り下がっている。

       奇妙な形の “木の実” が、あるモンだと、
       全ての死体を抱きしめるがごとく歌い込む・・~誰にもできまい。

~・・コレに聞き入る黒人兵の姿も絵になって、
酒に涙を落とした初めての夜だった。

人は流れの中で上手に生きている、~回りを見ながら。
が、1人で正論を見つけることもだいじだ。

実際ゲバ棒学生の多くは、卒業と同時にすまし顔で、
彼らが最も攻撃した大企業に就職している。

奴らに、奴らの頭には矛盾と言う言葉は無いんだろう。

 飲んだ帰り、1人でウロウロしているヘルメット姿のゲバ棒学生を見つけ
無茶苦茶な因縁をつけ喧嘩を売りつけ殴り倒した。
起きあがる相手に回し蹴りをブチ込みサッサと逃げた。

2人目は何も言わずに跳び蹴りをぶち込み即座に逃げた。


酒と空手しか能のないアホが、せめて彼女の供養にできる事は、これぐらいの事だった。

酒に酔った勢いで、相手にチドリ足で近づき油断させ、瞬時に猛攻をくわえ
一撃で倒し逃げる。酔拳の極意である。土佐に帰ろう。やっぱり土佐がええ。
そう思う様になったのはこれからだ。

 土佐に工業は無いがアッケラカンと酒を飲み、「犬と猫のどっちが強いか」
くだらんことを真剣に論ずる気風がある。やっぱり土佐がええ。
強烈な望郷の念が働いたが、仕事は無い、

昭和50年のオイルショック・ドルショックでスーパーにトイレットペーパーが無くなった時代、
田舎に工業大学の学生が就職出来る職場は無かった。

大学に入る時は「日本列島改造論」日本の前途は洋々としたものだった、
それが大学を出る時は、スーパーにトイレットペーパーが無い。まるで詐欺だ。
それじゃあ~警察官にでもなるか。

この安易な決断が間違いのもとだった。
その後どうすることもできず、ズルズル底無し沼に飲み込まれるハメになろうとは 夢にも思わず、

ただ土佐に住みたい一心で警察官になった。
結婚して家庭を持てば、いまさら仕事を辞めるわけにはいかない。

都会なら、ほかにも仕事はあるが、高知県のような田舎でいくら探したところで
たいした仕事はない。土佐に帰りたい、そう言う感傷的な思いが悔やまれる。

今となっては、どうすることもできない。流れに身を任すしか他に方法がない。
なんともならん・・
 

 喫茶ブルーノートで1人、昔の物思いにふけりながら、
子供だけは自分の様な、くだらん生き方はさせたくない、
それなら今を乗り切るしかない。そう言い聞かす、

そして又、イヤミな戦場に出て行く。この繰り返しだ。
今日もくだらん時間を1日つぶした。

明日、また日が昇る。
車をそのまま職場に残し、歩いて家に帰る事にした。

車を残して置けば、まさか帰ったとは思うまい。形を残して実体を移動さす、
家に帰ってビールでも飲むか。少し怠ける、これが心のいやしだ。

もっとも結果はどうあれ、
いそがしそうに~パタパタ動き回っておれば、警察では評価が高くなるが、そんな事はどうでもいい。 




 大動員をかけて捜索した、四万十川河川敷から何も発見されなかった。
何もないでは、シャレにもならん。翌日から~さらに規模を大きくして再捜索が開始された。

横一列に警察官が並びそのまま前進する。
前に竹藪があっても、水たまりがあっても~そのまま突っ切る。
それでも何も見つからなかった。

太陽はジリジリ音をたてるように照りつけている。
皆、汗で濡れ鼠のようにビショビショ になり
帽子から地面に、しずくとなって汗が落ちた。何も発見できない。

河原には木が生えてない、石ころばかりが、ごろごろ転がっている。

日陰が無い。上から太陽、下から石の熱気がむせ返る。石に汗が落ちても直ぐ乾いた。
みんなグッタリして座り込んでいた。







遠くで誰かが騒いでいた、何か発見したようだ。
重たい体を引き起こし、声がする方に走った。


・・・~いつ来たのか“タンス係長”が、何か~わめいている。

         
               「どうして、これが見えん」等と言う内容だった。

 

 見ると 、直径40センチ位の範囲で
~プラスチックがドロドロに融けたような黒い塊が、
道路から少し離れた地面の上に、無造作に放置されていた。

黒い塊をヒックリ返すと、下には焼けこげた ・一国銀行の伝票様の書類が
                          融けたプラスチックにくっついていた。


伝票は、30枚位あり、上にあるのは部分的に燃えていたが
その下にある物は、まったく燃えてなかった。

 この伝票は、失踪した銀行員が住んでいた・マンションのゴミ箱で見た物と、同じ伝票だった。

紙と言う物は、ピッタリ・くっつくと、なかなか燃えない、

例えば本なんかを燃やす場合、
火がついた本を開き、中に火を入れなければ、燃えるものではない。

つまり、この伝票を燃やした者は、紙が燃えにくい、くっついた紙は、なかなか燃えない、
~と、・言う観念がない者が燃やした。~という事になる。

 黒い塊は、ビニールかプラスチックが熱で溶けたものだろう、炎で炭化され黒くなった。
が、黒い塊をひっくり返すと、下側は熱だけで融解しているので、

溶ける以前の色が鮮明に残っていた。~青色だ。

この色は銀行・農協その他金融機関の外回りの従業員が、使用するオートバイの前側の
荷カゴに、これと同じ色の丈夫なビニールカバーを取り付けている。

数百万円、又は一千万円を超す現金を鞄に入れ、

オートバイのハンドル前にある荷カゴに入れて、
この荷カゴ全体を青色のビニールカバーで、すっぽり包み込み、
雨や風を防ぎながら、オートバイを走らせている。

このビニールカバーを取り外し、この下に一国銀行の伝票を置き・火を付けて燃やした。
ところが、上のビニールカバーを燃やす事に一生けんめいになり、

肝心の伝票は、蒸し焼き状態になって完全には燃えなかった。
~こう考えるのが自然だろう。

 汗を流しながら地面に~はいつくばって~現物を見ながら、考えている私の頭の上で
タンス係長が得意げにわめいていた。
  
        

       「こんな・わかりやすい・道ばたにある物をどうして、発見できん。
                                 ・・・・・・・・・・・・・オレはすぐ見つけた」




回りには、10人位の警察官が輪になって聞いていた。

 今頃ノコノコやって来て、車を止めたあたりを少しぐらい探し・・・・・
                     ~たまたま見つけただけだろう。~むしょうに腹が立った。

 
  が、その時ふと考えた。~こんな所を探す警察官はいない。~・・そのとおりだ。
タンス係長が~たった一度だけ、いいことをした。


 発見場所から 30メートル位離れた箇所に、ゴミ焼き用のドラムカンがある。
その回りには、数カ所ゴミを燃やした黒い塊がある。

それぞれの塊は、直径1メートル以上の大きさである。
この場所は、地元住民のゴミ焼き場だ。

 そこからわずか30メートル位離れた箇所、まさか~こんなところに。
誰でもそう思う~だから誰も探さなかった。

探したのはタンス係長だけだった。~タンスが言った
    
      

          「こんな・わかりやすい所」~まさに~そのとおりだ。
                            ・・・・ココは、地元のゴミ焼き場。



タンスが初めて、いいことを言った。
“タンス” だからこそ、乗ってきた車を止めた~ゴミ焼き場を探した

車が自由に出入りできる、地元住民(川漁師)のゴミ焼き場
その前には四万十川が流れ、川舟が三隻係留されている。

  ~三隻とも地元の川漁師の舟~ その三隻の持ち主が、共同で使用しているのが、
              ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・このゴミ焼き場だ。(現在は無い)

 つまり地元民の生活圏だ。
こんな所で銀行員が、失踪する前に証拠隠滅を計るだろうか

・・・・・・・・・・まず場所・・今は鮎やウナギ漁をする人が多い。

川漁をする人は、早朝又は深夜・いつ現れるか判らない~前に川舟、後ろはゴミ焼き場。
ここは、完全な地元川漁師の生活圏の中にある。

 このエリアの中で、よそ者が火を焚けばどうなる。
とたんに地元住民の眼が光る。~まちがいなく~そうなる。

外回りの銀行員に、そんなことが理解できないはずがない。

こんな所で銀行員が燃やすか・・・まず、燃やさない。・・・だれが燃やした?・・つまり、銀行員では無い。

 
次に紙だ、薄い紙の伝票を 数10枚重ね、
その上に厚いビニールカバーを置いて火を付けた。結果、紙は完全には燃えてない。

当たり前だろう・・・こんな事が判らない人間が、火を付けた。ここまでは事実だ。
~推測ではない

銀行員に、こんなことが判らない人がいるだろうか
毎日「紙」と格闘している銀行員にだ。

銀行員の紙に対する管理は厳しい、数年前から不要になった書類等を処分する時は、
紙を粉砕するシュレッターと言う機械に通して、文字が読めない様にしてから焼却処分する。

そこまで徹底的な処分方法をとるものだ。

それがどうだ、伝票の紙は蒸し焼きだ。これを見て何も感じないのか?
これは明らかに銀行員の仕業ではない。銀行員ならもっと上手に燃すだろう。
 
・・・しかも、今から逃げる銀行員が、何のために?ビニールカバーを~これほど丹念に燃やす必要があるのか?
・・・なんの意味もない。まったく必要がない。~川に投げ捨てて~サッサと、逃げればいい。


始めから全体を見てみることだ。
失踪した銀行員が住んでいたマンションのゴミ箱には、
 使用済みのコンドームが2つ、

一国銀行発行の伝票の様な物が多数、
さらに押入には、
          使ってないコンドームが2箱あった。

 本人の車は駐車場から動いてない。ホコリをかぶっている。
次に仕事で使用していたオートバイは、 闇夜の四万十川を舟に乗せられ、

 川底の根ガカリする場所に、持たせ~かけるよう正確無比に捨てられていた。

漆黒の闇夜に、川舟を操り、舟の上からオートバイを捨てたのか?
この様な事ができる者は~地元の川師以外に考えられない

 さらに、このオートバイのナンバーは取り外して、
オートバイ本体から300メートル下流の川底に捨てられていた。

さらに、その場所から500メートル位川下の河原に蒸し焼きにした
一国銀行の名前が入った伝票の様な書類が、
 地元住民のゴミ焼き場近くから発見された。

 通称、赤鉄橋と言われている四万十川橋から川沿いに下った四万十市荒川地区の間、
直線にして約1500メートルの間に、全てが埋まっている。
この事件の根は、四万十川にある。

これだけの材料がありながら未だ警察は、
失踪であり、事件ではないと言い張る。

なぜだ?オートバイが川底に捨てられたのは、
何月何日であると決める事はできないが、数日間に限定する事は可能だ。
その期間、月齢は闇夜。

しかも発見された場所は橋の下、闇夜の橋の下。
夜になれば自分の足元さえ見えない。

そんな条件で失踪した銀行員が、深夜こっそり川舟を自由自在に操って
オートバイを運び、しかも川漁師が網を打たない、根ガカリする場所をねらい
確実にオートバイを~水上から川底に投げ捨てた。

捨てた一点は、根ガカリするコンクリートに、もたれかかる様にオートバイが沈んでいた。
よほど正確に投棄しなければならない。
しかもくどいようだが、闇夜の橋の下。自分の足元さえ見えない条件でだ。

こんな事が、どうして銀行員にできるのか~できるわけがないその必要もない
この一点だけでも事件と断定していいさらに職場で使っていた一国銀行の名前が

入った伝票の様な書類を蒸し焼き状態にしている。
燃やしたのは銀行員とは思えない。~しかも、燃やした場所は地元の川漁師が使うゴミ焼き場だ
  
これら一連の材料は四万十川沿い、
約1キロメートルの範囲に点在しながら集中している。
 ~他にはない。すべて、ココだ。

 これで事件じゃない~失踪だと言いはる警察幹部は、バカと言うより、

自分のやりたい放題の主義主張を無理矢理おし通す、子供の感覚でしかなく、
人の命を左右する警察官の・やる事ではない。そんなに出世がしたいのか?
 
日本のお役人様、あんたが出世したいなら勝手に出世しろ、ゴマでも何でもすれ、
銭でも・何でも投げろ。勝手に、やりゃぁ~いい。クソバカタレ。

しかし眼の前で~人の命が燃えている、いま1人の命が消されたかもしれない。

その命さえ~出世の天秤にかけ、計っている。
日本のお役人、お前たちは人間じゃない。クソ虫が。






 ・・・~この事件の「根」は、冤罪(えんざい)事件と同じ~クソ虫の都合で、ねじ曲げられた。

冤罪の「冤」は兔(うさぎ)を冠(かんむり)で囲(かこう)った意味だ。

・・・おとなしいウサギを無理矢理“絡め取って”~オリの中に~平気で押し込んだ。

          ・・・・・・~たかがウサギだ。気にする事はない
                                  ~ウサギはウサギ







昔々~秘密結社kkkが黒人を殺戮しながら~死体を木に吊り下げた

kkk


         南部の木々に奇妙な果実が、
                 むごたらしく、ぶら下がっている。

         その葉は血に染まり、根本にまで、血潮はしたたり落ちている。

         黒い遺体は、南部の微風に揺れそそぎ、
                  まるでポプラの木から、垂れ下がっている奇妙な果実のようだ。

                    
  やがて~四万十川にも “不思議な果実” が・・・・・・・・・                                      

警察の腐敗・・「悪魔と踊ろう」                ~尋問の儀これあり~

2007年11月26日 09時34分17秒 | 悪魔と踊ろう  vol 1-5~6
               ●悪魔と踊ろう  vol 1-5        四万十の淵で





 午後5時を過ぎると、官公所の職員は一斉に建物の出口に向かい歩き出す。
まるで競争だ。

5時前頃から暗黙の内に、机の上を整理整頓して、いつでも帰れる準備をする。
まことにうらやましい。
警察で、その様な準備ができるのは女子職員だけだ。

 机の上を整理し始めた女子職員の目が、一枚の紙切れをみつけ凍り付いた。
慌てふためいた様子で、刑事課に電話をかける~

  受けた刑事もビックリ

      「四万十川の水中に、オートバイが沈んでいると~通報があったのを、
                           ・・・・・・・・・刑事課に連絡するのを忘れていたそうだ」

 午前中、警察署の一階公衆電話に市内の「金貸し」から、
鉄道工事の橋げたを建設しているあたりの川の中に、オートバイが沈んでいるのを

昨夜、ウナギをハサミに行っていた「金貸し」の友人が見つけ、
話を聞いた「金貸し」が警察に通報したものを、
刑事課に連絡するのを忘れ~そのままにしていた。

 そろそろ家に帰る時間になり、ふと机のメモ書きを見つけ、
あわてて、連絡してきたものだった。

四万十川流域に住む人達は川漁を好む、
夜にウナギが巣穴から出て、川底で餌を探しているのを
“ウバシ”と言うウナギを挟む専用のハサミで、挟み捕るため川底に潜りウナギ漁をする。


(ウバシ)


(ウバシの頭)


{鰻(うなぎ)を挟む(はさむ)→ウバシ}


(うなぎ)


(四万十川の河原)



 下流から上流へ・何度も素潜りを繰り返しながら、ウナギをとる遊びは多くの人がしている。
そのうちの1人が見つけたものを発見者の知り合いの「金貸し」が連絡した。

「金貸し」は、ヤクザじゃないが組を構えてないだけ、
実質は、ヤクザと同じ種類の人間 で、借金の取り立ても厳しい。

その「金貸し」が、何の為に警察に通報したのか、意味も無く警察に協力する様なモンじゃない。

警察は協力者には無条件で感謝する。が、人の言葉は、その人の行動より複雑で不可解なものである。
「金貸し」が~目的の無い行動を慈善事業的にやるはずが無い。
普通ならこの時点で、全てを調べるのだが~何もしなかった。

ただ川底にオートバイが沈んでいる、この事実だけに大騒ぎになった。
まず刑事課への連絡を怠った、一階の女子職員が攻撃のやり玉になり、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なぜ忘れていたのか詰問された。

いつの場合も、無力な者を攻撃する時は威勢がいい。

  刑事課長を中心に
          「なぜ直ぐ報告しない。
              午前中に知っていたら、警察犬を放して捜索できたものを~・・」などと、


すでに川底のオートバイが、
失踪した銀行員が使用していたものと決め付け ~ワーワー騒ぎ出した。

よくあることだ、机上の評論家や弁士が多い、
加えて形式的な・お役人が・ほとんどだから、疑う能力が無い。

すでに午後5時30分を回っていた、いまから川に入っても何もできない。
明日、県警のアクアラング隊と、警察犬を手配して大々的に捜索することになった。

そんなら今日は、ビヤガーデンで一杯飲むか、とゆうことで机の上の店じまい~
昔の刑事は「どうせ酒を飲むなら、外で飲め」と、

警察以外の色んな職種の 人達と酒を飲み、人間関係を深め・自分の情報網を作ったものだ。

これを「はたけ」と呼び「はたけ」の大きさで、刑事の力量がはかられた。
~今、そんな風潮は無い。

        「どうせ飲むなら、組織の上役、警察幹部と飲み、コネを作っておくことだ」

1にコネ、2に金、3に要領、“三種の神器”があれば、出世は間違いない。

~タンス係長がその模範だ
あれだけの“芸術的馬鹿”が、トントン拍子に出世している。

目の前に最高の例がある。
・・アノ~お世辞に言っても~ただのバカ~ハッキリ言えば“キチ害”が係長だ。

~「はたけ」なんか、いくら作ったところで、
それを評価するだけの能力を持った上司がいない。

「はたけ」なんか~どうでもいい、コネと昇任試験さえ頑張っておけばいい。

    少なくとも現実はそうだ。・・・・数年前から・すでにやる気は無くなっていた。

ただ1つ、これは非常に悪い事だろうが、

1つだけ生き甲斐と言うか~興味が持てる仕事があった。
コロシだ。~もうこれしか面白いと思わなくなった。

“殺し”が面白いとは、何と非常識な不謹慎極まりない。言語道断な感覚である。
~わかっている、誰に言われなくても・異常なことは充分認識している。

が、この警察組織で生きている中で、もう“コレ”しか、やりがいを感じるものがなくなった。
コロシには、土壇場に立った人間の叫び声がある、そこにはコネも要領も無い。

ただ一点の刹那的な動きが、描写されている。

腐敗・堕落した警察のなかで、コレ以外に興味を持てる動きは無かった。
目の前に、その可能性が見える。
まだ口には出してないが、この時すでに 脳裏には、コロシの興奮が燃えていた。

この時点から食い違いがあった、組織の幹部としては、
できるなら避けて通りたいコロシが、
・・・唯一・・これしか楽しみが無いアホが一匹いた。

楽しみとは、あまりにメチャクチャな言い方だろうが、
正直~そう言うしか当てはまる適当な言葉がない。

刑事課の皆さんが、それぞれ家路につきビヤガーデンにでも行くまで、
むっつりだまって、指紋の整理をした。
皆さんが飲みに行った・その後で・即、別の行動を開始した。

四万十川の水の動きについて、川漁師から予備知識を教えてもらい、
明日以降に備えておこうと思ったわけだ。

四万十川には、川で生活しているプロの川漁師、
普段は農業や土方などをして、シーズンだけ川漁をする者、また趣味でやる者、など
色んな人達が、それぞれ川を楽しんでいる。

が、やはり川は海とは違い範囲が狭いので、
それぞれの区間に、ある程度の縄張り意識があり、無言のうちにルールが確立している。

例えば、夏の高知県には必ず台風が接近する、日本最大の清流と言われている四万十川は
泥色の濁流となり、狂ったように暴れ出す。一番好きな四万十川だ。

が、川と言うものは面白いもので、増水したときだけプールの様に、
まったく水が流れない場所がある。

こんな箇所は、川が大きくカーブした内側にできるもので
四万十川の上流から、数キロに一個所の割合にある。

川が増水すれば~するほど~水溜まりの状態になるので、
このような場所に川舟を係留すれば ~いくら台風が来ても、舟が流される心配がない。
・・・・・・~こんな場所を“舟着き場”と言う。

普段は普通に水が流れている場所を、どうして「舟着き場」と言うのか?
と、思うかもしれないが、川が増水すれば~湖のようになるのである。

この場所に、誰がどの様に舟を係留するか~等と言うような事から、それぞれにルールがある。
川と言うものは、地区分けごとに得意とする人がいるもので、明日から捜索する

鉄道工事の高架橋付近と、その前後付近に詳しい人は、荒川付近の住民である。





  荒川八幡宮を中心に発達した集落で、四万十市のなかでも歴史は古く、

ほとんどの人が農業に従事している。
したがって新興住宅地の様に、 よそから移り住んだ人達はおらず

先祖代々・この地に住んでいる人がほとんどを占め、
四万十川沿いで農業をしながら、川漁で副収入を得る、
まことに、うらやましい生活を送っている。

この中でも、川底の地形・水の流れまで知っている川漁師、
俗に言う “川師” と呼ばれている人は、数人しかいない。

川とは橋の下を流れるものだ。当たり前のことで・水は~高きより~低きに流れるが、
川底では違う、水面で見る水の流れと・川底の流れは異なるものだ。

  毎年、夏になると四万十川で、溺れ死んだ人を捜索することがある。
溺死者が水没した場所から~下流を探すのが普通だが、

水量や川底の形など、いろんな条件が重なった場合、
まれに~水没した場所より、上流で死体が見つかる場合があった。

・・・つまり~死体が川上に流されたわけだ。
いくら探しても死体を発見できない、こんな時・いつも見つけてくれるのは地元の川師だ。

川を知り尽くしている~水の流れを見るだけでは、鮎やウナギは捕れない。
水は上から下に流れているが、川底が変化している場合には流れが変わる。

この事を充分見極めなければ、川師とは言えない。
これまで溺死体の捜索で、川師には何度となくお世話になり、

何人かの川師と顔見知りになった。
彼らの知恵は、私の財産である、

地域住民に溶け込み、人と共に共存できる協力者を持つ~

昔の警察官は、これを 「畑」と呼び、畑を広げることが、刑事の能力を向上させることだと考えた。

今は畑を~組織内部に求めている。
上役と上手に酒を飲み~コネを作ることが出世のコツだ。「畑」なんか必要ない。

    この20年の間に警察は大きく変わった、

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・畑の無い刑事なんか、船の無い港と同じだ。

出来上がった事件を処理するだけの~処理屋にすぎん。等と思いながら
川師を数人訪ね歩き、四万十川の予備知識を吸収した。

もっとも・この日は、まだ事件とも何とも言わず
ただ川の流れ、川底の地形などについて聞いただけだった。

問題の四万十川を横断する鉄道高架橋の建設工事現場から
上流 約600メートルには通称「赤鉄橋」と呼ばれている四万十川橋、

下流 約300メートルには 国道56号線の渡川大橋がある。
つまり四万十川橋(赤鉄橋)・鉄道高架橋・渡川大橋 の3つの橋が、四万十川を横断しているわけだ。

川は最初の 四万十川橋(赤鉄橋)から、約900メートル下流の渡川大橋にかけ
ゆるいカーブになっており、鉄道高架橋の工事現場付近がカーブの内側にあたる。

四万十川が大雨で増水した場合、
カーブ内側の鉄道高架橋付近は、四万十川の対岸に当たった水が大きく跳ね返る様に

「逆巻き」と言われる現象が起こり、カーブ内側で水が~ 下(しも)から 上(かみ)に逆流して

湖の様な~流れの無い状態となることから、

鉄道高架橋付近は、川が増水したときに・舟が流されないよう係留する
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・~「舟付場」と呼ばれている。

また~この建設中の鉄道高架橋は、横断する四万十川の中に3つの橋げたがある。
この内、一番東側~つまりオートバイが発見された橋げた付近には、

建設工事のため~大きなコンクリートの固まりが沈んでおり、
ここに 網でも打つと、網がコンクリートに引っ掛かり、ズタズタに破れる。

いわゆる~“根(ね)がかり”~する場所なので、“漁をする者は近寄らない”と言うことだった。

川漁をする人の感覚で、あまり近寄らない場所に、オートバイが捨てられている。
これだけでも収穫があった、明日から四万十川で捜索が始まる。

今の時点で、これだけの予備知識があれば充分だ。
全ては明日からだと思いつつ家路についた。

 長い戦いの前哨戦が始まった。
今でもこの夜のことは、ビデオテープのように記憶している。
なぜなら、~帰りに、近道をしたからだ。

荒川地区の川師宅から四万十市内に帰るには、1ヶ所だけ近道できる道がある。
荒川八幡宮の南側を 国道56号線に抜ける小道を登ればいい、

この小道を車で走った。
途中~道路沿いに、漬物用の重石に使う石を数個置いている家があった。

こんな所に、漬け物屋があるんだろうか?と思いながら通った記憶がある。
この家こそ 目指す犯人の家だったのだが、このときは知る由もなく、数週間後に気付いたとき。

なんと最初の夜、犯人の家を何の警戒もせず素通りしていたわけだ。
翌日から、この家の前付近を大勢の警察官が大挙して捜索活動を開始する。

つまり犯人は~最初から~警察活動の一部始終を見ていたことになる。

的外れの捜索活動を見学しながら、内心どのような心境だったのだろう。


 

 翌日、県警のアクアラング隊が、四万十川の河原に集合。
中村署員と合流し捜索活動を開始したのは、昼前ぐらいからだった。

今朝のテレビで、南方海上に台風が発生したことをニュースで放映していた。

台風が上陸するか、接近するまでに1週間はある、それまでが勝負。
台風で四万十川が暴れ川になったら、全てを押し流すだろう。

今日、これから引き上げるオートバイが、失踪した銀行員が使用していた
一国銀行のものなら、直ちに四万十川河川敷を捜索しなければならない。

膨大な広さだ、この真夏に大変な作業になる。
急がねば、と思う気持ちが現場付近に足を運ばせていた。

アクアラング隊が現地に集合し、捜索が開始されるまでの間、
1人で現場付近を歩き廻った。

建設中の鉄道高架橋は、四万十川の中に3つの橋げたがある。
この内、1番目の橋げた外側(岸側)にオートバイが沈んでいる。

橋げた付近は、増水した際の水流がコンクリート外壁沿いに~ 物凄い勢いで下方に流れるため、
その水圧で川底の石や砂利が、その部分だけエグリ取られ、

大きく掘れ込むので、橋げたの上流部分の水深は4メートル位、
下流部分は2メートル位、その他の箇所は3メートル位、
橋げたを中心に、すり鉢型に掘れ込んでいる。

すり鉢は、小石と砂利で形成され、
歩くとアリ地獄のように、ズルズルと川底に沈んでいく危険な場所だ。

この上流は、急激に浅くなり入り江になっている。

川が増水するとカーブの内側にあたる場所で、
四万十川の形状から、増水し勢いよく暴れ廻る水が、この場所に逆流する

「逆巻き」と言われる現象をつくりだすので、
この場所に川の水が大量に流れ込み、土を削って入り江になった訳だ。

水が湖のように溜まるので、舟が流されることがなく、
台風で増水した際・このあたりの舟が、ここに避難してくることから
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「舟付き場」と言われている。

舟だけでなく、魚・ウナギ等も暴れ川から逃れるため集まって来るが、
それは水深が深く、川底から水面に水が縦に動く、橋げた周辺に集まる。

そこにオートバイが沈んでいる。おかしな所に沈んでいる。どう考えても不自然な場所だ。
とにかくオートバイを引き上げることが先決だ。

 あれこれ考えているうちに、アクアラング隊や中村署員、
約20名が集結し捜索が開始された。私はカメラを構え証拠写真を撮影する準備をした。
アクアラングの隊員2名が、潜水の準備をして四万十川に潜った。

まもなくオートバイが川底から引き上げられた。

        ホンダ・スーパーカブ   50CC  青色

失踪した銀行員が使用していたバイクと同じ型・同じ色。

引き上げ作業を 約30メートル位 はなれた岸から見て、
背筋がゾットとする感じがし、ただ唖然と作業を見ていた。

川底から引き上げたオートバイは、そのままズルズルと岸まで引き寄せられ、
岸で待っている2名の刑事課員に引き渡された。

引き上げて、岸に近づくバイクを見ると、ナンバーと後部荷台の箱が無い。
指紋を付けないよう、細心の注意をしながら車体番号を調べると、

やはり失踪した銀行員のバイクだった。
脇の下から背中にかけ一瞬寒気がした。

真夏の昼前に、このような経験は後にも先にも、この一瞬だけだった。
やはり銀行員は殺られている。

    額に汗を流しながら、背中で寒気を感じる変な感覚で、バイクの車体番号を見据えていた時、

           誰かが言った・・・「流れてきたんだろう」この一言で我に返った。
     

 流れるわけがない。~ここは「舟付き場」だ、
川が増水すればするほど、水が“逆巻き”になり、水の上に浮いている舟や木の葉でさえ流れない。

だから“舟付き場”と言うんだ、そんな場所で、どうしてバイクが流れてくるか。
馬鹿も休み休み言えとはこの事だ、推測で喋るな。ボケ。

思わず怒鳴りたくなったが、こんな所で何を言ってもはじまらん。

とにかく川底からバイクを引き上げた者から、
沈んでいた正確な場所を聞き出す事が先決だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・~聞いて二度ビックリ。

バイクは、川師が言っていた「根がかり」するコンクリートの固まりに寄り添う様に
ピッタリ・ひっ付いた状態で、“上流へ~バイクの頭を向け”沈んでいたと言う事だった。

 四万十川が増水し暴れ川になった時、怒涛のごとく流れる濁流から逃れる魚やウナギは
「逆巻き」現象が起こる水深の深い場所に集まり、水が引くまでじっと待っている。

バイクが発見された場所がその箇所だ。

そこに網を打てば、鮎や鮒またウナギ等が取れる。が、バイクが発見された箇所は

・・・・・・・・・・・・・・・・「根がかり」が有り、誰も網を打とうとはしない。

この「根がかり」にピッタリ・ひっ付く様に、しかも川の上流方向にむけ
失踪した銀行員が使用していたオートバイが沈んでいる。

つまり川漁の感覚で、発見され・にくい場所にバイクが沈んでいた。

しかもバイクが上流へ向かう形なら、川の流れが“きつく”なっても~
~このバイクの姿勢(沈んだ形)は、変わりにくい。

川底を熟知している川師でなければ、こんな所に捨てるわけがない。
それを~夜、ウナギを挟みに来た人が発見して警察に通報したわけだ。

・・・何から何まで、あまりに~できすぎた話だ。私はそう思う。・・が、そう思ったのは

~私一人だけだった。
  
 

  真夏の日照りが長く続いた場合、ウナギは岸の近くまで出てくる事がある、
エサになるエビ等が~岸に近づくからだ。~(水深 1メートル前後)

夜ウナギを挟む場合、それほど深く潜る必要は無く(深みには少ない)
岸に近い小石や砂利の上で、ウナギを見かけることが多い。(エサ→エビが岸に近づく)

それを、岸から 20メートル位はなれた 水深3メートル位の川底まで、よく潜ったものだ、
しかも今は闇夜だ。

川を知らない人に、闇夜と言ってもピントと、こないだろう、
月には月齢と言うものがある
満月・新月と言えば判ると思う、この月齢で潮の満ち引きが変わる。

海なら潮の変化しか気にならないだろうが川の場合、

特に四万十川河口に近い、この四万十市を流れる四万十川には
海の潮が川に入り込んでくることから、月齢が川漁に大きく作用してくる。

新月、月が新しくなる時、満月の様な輝きは無い。闇夜とはよく言ったもので、
この時期の夜、川にいけば墨絵の様な漆黒の暗が無限に広がっている。

それも大きな木の下や、橋の下などは、月や星のわずかな光さえ奪い去り
半端な暗さじゃない、大袈裟でなく~自分の足が見えないぐらい暗い。

オートバイが発見されたのは、鉄道高架橋の橋の下だ。
川面でさえ漆黒の闇.

その下・水深3メートルで何が見える?~水中用のライトを使ったとしても難しい。
~ウナギを挟みによく潜ったものだ。(強い光を使うと、当然ウナギは逃げる)

オートバイが沈んでいた場所、それを発見した動機、全てが、できすぎている。不自然だ。
が、あまり考えている余裕はなかった。指紋を付けない様に細心の注意を払い
警察署までオートバイを搬送しなければならない。
  
 輸送車に積み込み、倒れない様固定する。
やることは、いくらでもあるが、あまり大勢ではやりたくない。

荒らされるからだ、誰かが不注意に触ったら、その部分の指紋が消えてしまう。
誰にも触らせたくない。全部1人でやりたいぐらいだ、~確実に固定した。
汗で服がビショビショになった。

その時、1人の地域課の警察官が走ってきた。

           「下流にある渡川大橋の手前、水深1メートル位の川の中で
              オートバイの ナンバープレートが発見されたそうです
                         確認して、写真を撮ってくれと言っています」



下流に下ったアクアラング隊が発見したものだった。

ここから渡川大橋までは 約300メートルの距離、ほぼ直線である。
またしても四万十川の中から見つかった。

もしそれが発見されたオートバイから取り外されたナンバープレートなら
失踪した銀行員は、間違いなく殺られている。

はやる気持ちを押さえたつもりで四万十川沿いの河原道を、力一杯アクセルをふかし
現場で車のブレーキを踏んだとき、スリップしながら急停車した。

後輪を振り、前輪が直角に回転して、危うく四万十川に転落するかたちになったが、
フロントガラスの前にアクアラング隊員が、渡川大橋前約30メートル、

川岸から 約15メートルの川底に両足を踏ん張り立っている。
膝まで水につかり真下を指差し、この下で発見したとのジェスチャーである。

水深 約50センチメートル。いくらなんでも浅すぎる。
すぐ目につく所だ、

・・・・・・・・・・まさか銀行員が使用していたバイクの ナンバープレートじゃぁ~ないだろう。
と、思いながら

~「これです」と言い・・・~差し出されたプレートに注視した。

まさに注視だった、恐る恐る見詰めた。

         「中村市 あ ・167」

まぎれなく失踪した銀行員が使用していたオートバイのナンバープレートだ。
~しばらくぼんやりしていた。

ナンバープレートが発見された箇所に人を立たせ、写真撮影し場所を特定した。
岸からあまりに近すぎる。

         またもや誰かが言った。~「そこまで、流れたのだろう」

 オートバイと同様に上流から流れた、との推測である。~絶対流れない。

ナンバープレートのような~薄い金属製の板を流すには、川底から巻き上げる様な濁流でなければ流れない。
いまは~うだるような炎天下。雨は一滴も落ちてない。
しかも、オートバイとナンバープレートの間は 約 300メートル。・・・・・~300→流れるかボケ。

  何もかも自分の頭で考える推量が先行している、



 例えば雨の日に~ひき逃げ事件があった場合。
雨で車に付着した人間の髪の毛なんか、流れ落ちるに決まっている、
~と先入観が先行する。

・・・・・・・・・人が思い付きで、物事をかってに~ねじまげている。

雨で車体にくっ付いた人間の髪の毛は、時速100キロメートル以上で走ろうが、
デコボコ道を走ろうが、まず落ちない。
  

 ドイツに面白い小話がある、仲のいい友人が2人で山道を散歩していた。
途中いろんな小鳥が空を飛んでいる様子を話題にし、時々空を見上げながら散策していた時、

1人が「鳥の死骸だ」と言った。

もう1人の友人は「どこだ」と言いながら空を見上げた。
鳥の死骸が空に浮いているはずが無い。が、鳥と言う言葉だけで

次の瞬間に取った動きは、ふと~空を見上げた。

ドイツ人らしい教訓を含んだ小話だ。
  

 人間の頭には、目が2つ、耳が2つ、鼻の穴が2つ、それぞれ2つある。
が、口だけは1つしかない。1つしかないのは口だけだ、数が少ない。

     ~人が口で喋る時は、2つの目と耳をよく使い・充分に考えて、
        ~1つしかない口を助けながら喋るものだ。

頭の回転が悪い奴は、特に注意する必要がある。が、悪い奴ほど感じないものだ。

 ここで何を言ってもはじまらん。
とにかくオートバイとナンバープレートを本署まで搬送することにした。

2つ共よく乾燥させて、無駄と思うが指紋を出してみる。

  
  本署の別棟に死体を安置する霊安室がある。密室であり強力なエアコンが設置されている。

死体を保護するためだ。

ここにオートバイとナンバープレートを運び込み・エアコンをフルに可動させた。
エアコンの冷風を最大に出して、少しでも早く乾燥さすため、そしてもう1つ、

時々見学に来る署の幹部を寒さで早く帰らす為にちょうどよかった。
まず~カラカラに乾燥さす、次に指紋採取。

が、数日間、水が流れる川底に放置されたオートバイやナンバープレートから
指紋を出すことは、まずできない。


ただ~何かやらなくちゃ~カッコウが取れない。
それだけだ、指紋採取もやりました。やっています・やりました・と報告する。

目的は報告、しかも本部向けの報告は何より優先する。

まず明日の朝まで、エアコンを付けたままにして乾燥さす。
明日一勝負やるか、等と1人で計画を立てていると

・・・・・・・・・・・・・・「全員会議室に集合せよ」との署内放送があった。

何事かと思い、霊安室に鍵をかけ会議室へ急いだ。

 およその見当はついていた、おそらくオートバイが発見されても、即、それが事件だと
断言しない様、またオートバイの発見に関しては極秘にする。

この程度の注意だろう、どうせくだらん話だ。
1日中・暑い河原の上で捜索活動をし、汗を絞り出した後。

次は真夏のカゲロウのような、実態の無いバカ幹部がアホな諸注意をダラダラ言いくさる。
このクソ暑い部屋で。

いいかげん気分が悪いのに、今日の仕上げが・この会議室で閉めの儀式だ。

ええかげんにせえ~糞ボケ、

汗くさい臭いのする半袖シャツを脱いだ 95キロの体に、
下着が汗と一緒にへばりついていた。

これが悪いクセだ、
無言で、ふて腐れた態度を取る。自分でも悪いとおもうが、
と言って~それほどヘツラウ様にコビフル事も無い。そもそも警察の雰囲気は嫌いだ。

最後の列の椅子に汗を拭きながら座っていると・署長と、課長さん3人が入って来た。



  署長さんが壇上から訓示

       「今日オートバイが発見され引き上げてきたが、
              これはオートバイを放置した者しか知らない秘密である。
   
           したがって、この事は絶対に他言は無用、“家庭でも内緒”にしてくれ。
           またオートバイが発見されたと言っても、
           これで~ただちに~“事件だ" と、決まった訳では無い。
   
                 ・・・その事を充分考慮して、無用な言動は慎む様注意してくれ。」



 思ったとおりだった。

  署長に引き続き各課長から、それぞれ注意事項が訓示されたが、要点は同じ。


   オートバイの事を喋るな。
      これはまだ事件と決まった訳では無い。
                    ・・・~この2つだ。








「事件とは言うな」「オートバイも知らない」「家に帰っても喋るな」~闇夜のカラスが鳴きだした。
           
                   ・・・~・・・・・・この頃から全てが、始まっていたんだ。
                                          (中国や北朝鮮と同じやぁ~)





警察の腐敗・・「悪魔と踊ろう」                ~尋問の儀これあり~

2007年11月23日 15時13分28秒 | 悪魔と踊ろう  vol 1-3~4 
         ●悪魔と踊ろう  vol 1-4            アホの捜索 2





 オートバイの捜索は「女」以上に馬鹿げていた。
来る日も来る日も~町中を走り回り、オートバイが通る可能性のある道は全部調べ回った。

“自転車”が行ける道は全部だ。あちこちから情報が飛び交う、
その都度ポケットベルが鳴る、この当時まだ携帯電話は無かった。

ベルが鳴れば公衆電話のあるところまで走り本署へ、つまり警察署まで連絡を入れる

      「東山の方で、同じ型のオートバイが、川沿いに走った・・・
                          ~と、一般の者から通報があった確認してくれ・・・」・・・


                      「“大文字山”付近を北向きに走った・・・」等々・・・・・・・ 
                                             

(四万十の大文字焼き)
                                                                          
毎日・毎日きりがないほど、色々な話が入って来る。

行けば農協の職員が集金に回っていた・とか、薬のセールスマンだった・とか、
他の銀行員だった。とか~まともな話は、1件も無かった。

それでも、行って確認しないと結論は出ない、
1つ1つ確実に確認する作業が続いたが、まったく前進してない。

毎日が夏の暑さとガセネタとの戦いだった。・・何かないか?わずかな事でも確実な話が?・・何かないか?
祈るような思いで走り回っていたある日、すごい話が入った。
                    
                      ・・・~ガセネタのド真ん中で~ ・・・



  4・5日前、失踪した銀行員と同じ型で、同じ色のオートバイが
軽四トラックの荷台にロープで縛られ、市内の四国電力前から北向きに走り、
100メートル位離れた整形外科病院前の路上に、かなり長く止めていた。~と言う情報だ。

 50CCのオートバイは、いくらでもある~掃いて、すてるほどある。
高校生から老人まで、世の中・全ての職種の人が乗っている。
オートバイだけで識別することは困難だ。

が、ありがたい事に一国銀行が使うオートバイは、
座席後ろの荷台に高さ50センチ位、幅30センチ位ある金属製の箱を取り付けている。

また、どの銀行も・この箱は黒塗りだ。
たぶん、この種の箱を作るメーカーが、全部・黒塗りにしているのだろう、

ただ、これだけ大きい箱を取り付ける職場は、一国銀行と警察ぐらいなものだった。

たしかに農協の職員や、他の銀行が使うオートバイにも、黒塗りの箱が付いているが、
箱の・大きさは、少し小さい。

だから~同じ型で同じ色、同じ大きさの箱が付いたオートバイを積んだ軽四トラックが
長い間、~道路に止められていた。
~と言う情報を聞き込んで来た警察官から報告があったとき、皆が喜んだ。

ただこの情報は、交通課の警察官が取ってきたものだった。

このさい誰でもいい、角度の高い情報は、何がどうでも徹底的に調べる必要がある。
~気負いがあった。
それ以上に期待感が前面に出た、久しぶりの充実感だ。

まず目撃情報どおりに、
市内の四国電力から、100メートル位北方にある整形外科病院まで の間にある
人家や商店を一軒、一軒しらみつぶしに聞き込みすることから始めた。

~それらしい話が徐々に入ってきた、ますます高揚してきた。

確かに4・5日前オートバイを積んだ軽四トラックが、この付近を北に向かった。
そして病院前の道路に長いこと停まっていた。ここまでは確かな情報らしい。

誰かが運んでいた。~これは間違いない。


それさえ判ればいい、これでカタがつくが、おそらく直ぐには判らないだろうと 思いながら
最後に病院へ入り、聞き込みしたところ、意外にもあっさり割れた。



          「それは新町のバイク屋さんよ、うちの病院に治療に来ていたのよ」


と受付嬢が、あっさり教えてくれた。

       ・・・いとも簡単に、~それもそのはず、
          ・・・・・・~腰に電気治療を受けたぐらいの事を、秘密にする必要もあるまい。

しかし目指す相手が、“腰痛の電気治療”を受けるため、
             病院前に長いこと、銀行員のオートバイを軽四トラックに乗せたまま

                  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ~放置するとは思えない。

何かおかしな具合になってきた。最初の意気込みが急にしぼんできた、
とにかく最後まで詰めてみる。新町のバイク屋まで急いだ。

バイク屋の前には、乱雑にいろんなオートバイを置いている、
その中に問題のオートバイも 確かにあった。
充分に確認してから、中に入ろうとした時「まいど」と言うバイク屋の声がした。


~「まいど」・・この一声で、全てが吹き飛んだ。

挨拶した後、やや遠まわしに話をごまかしながら、
失礼にならないよう気配りして、例のオートバイについて聞いてみると
                                 


        「外回りをしている警察官が使っているオートバイが故障したので
     
         修理してくれと言う連絡をもらって~4・5日前に警察署まで
 

          軽四トラックで取りに行って、その帰り道・
         
              ・・・・・・・・・・・・・・ついでに病院で電気治療を受けた」



と言うことだった。 
  
 今日、1日中~オートバイを追いかけ続け、汗を流しながら・やっと突き止めた相手が、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ なんと“警察のオートバイ”だった。

          警察が警察のオートバイを追っていたのだ。しかも良く聞けば

                 「オートバイを軽四トラックの荷台に立てた状態で、
                       ~・・ロープで厳重に縛り、

                            ・・絶対倒れない様にして運んだ」~そうである。


オートバイのスタンドを立て、道を行く人に丸見えになる積み方で運んだものを
失踪した銀行員が使用したオートバイかもしれないと報告した訳だ。

              ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まるでピエロだ。

~ピエロならまだいい、~こんなバカな話がどこにある。

交通課のバカが駐車違反の感覚で、
路上駐車していた、軽四トラックの情報を聞き込んできたものだ。

銀行員失踪事件と、駐車違反を同じレベルに置いて物事を考えている、
悲しいかな、これが現実の姿だった。
まわりの空気がこんな状態で、時間だけが確実に過ぎていった。

      ~また1日つぶれた。



 
   刑事課に帰ると、皆それぞれ世間話に花を咲かせている。

  
        「失踪した銀行員は、フィリピン人のホステスと逃げたらしい。飲み屋で評判じゃ」

     
          ・・・ ~「どこのホステスぜよ」

             ・・・・・・・・・・・・「そりゃ~どこのホステスじゃろ」


ホステスと逃げたなら、逃げた相手がおるはずだ。~どこにおる、~女の名前は、~店の名前は、

~具体的な話は~カケラも無い。
現実の部分の話になると急に声が細くなるが、噂の部分だけは、なぜか威勢がいい。

巷のウワサをそのまま刑事課に持ち込み、おもしろ・おかしく話している。

~ウワサの出所は課長らしい、
噂では、どっかのスナックのママさんと、できているらしいが、

嘘かホントか別にどうでもいい、気にすることもなかった。
が、フィリピンの話を最初に持ち出してくるあたり~噂は~ほんとかも知れない、

~ホントでもいい、

~ただ。

~ひとつ話があれば、この一点を確かめる作業が無かったら、 それは警察官の話ではない。
~何の価値も無い、ただの井戸端会議だ。


 
   井戸端で係長は、今日もワープロでゲームをしている。麻雀ゲームだ。

朝出勤して机に座ると、
根がはえた様に~机から動こうとせず、 ひたすら世間話とゲームに熱中する。

これで捜査の係長が務まるのだから、警察と言うところは、すごいとこだ。~どうしてこうなる?

テレビや映画に出てくる刑事モンのドラマに、こんなシーンは無い。
警察の内部を知らない人達は、刑事ドラマが警察の姿と思っている、

・・・私もそう思って~警察に入った1人だ。

もしテレビで刑事ドラマが放映されておらず、 現実の警察の姿が映し出されていたのなら
・・・絶対に警察官にはなってない。

現実の警察組織で、最も権力を持つのは 1にも2にも“コネ”だ。
机に根をはやし、ゲームをしている捜査の係長は、通称「タンス」の異名を持っている。

高知県の捜査関係者で「タンス」と言えば、まず知らない者はいない。
係長の奥さんは、ある有名な家具屋の娘だ。

娘は、その店の専務をしている、
“専務さん”なら~原価で仕入れた、安い立派なタンスが・いくらでも手に入る。
・・・・・ このタンスを警察幹部にポンポンとばす、

ある幹部の家には、全部の家具が“タダ”で飛んできている。
早い話が賄賂だ。~遅く話してもワイロ。

現金までもらった幹部もいる。賄賂をもらった幹部は複数だ。

 普通なら賄賂をもらった者は、決して他言はしない、こんな話は警察だけでなく~どこでもある。
が、この先が警察独特の色がある。
・・・・・・・・・・・“もらう”、のも、“やる”、のも“コネの力”だ。

    このあたりが警察の組織人でないと理解できない、
          権力関係にあり、シッポを上手に振る犬でないと、賄賂をやり取りする資格が無い、
      
      と、言ったほうが判りやすいかもしれない。

~要は、普段からシッポを上手に振りながら、ご主人に・なついて、いなければ、
いくら賄賂を送ってもだめだ。
したがって、もらう者・やる者、双方に~他には無い優越感があり

・・・・・・・~「やった、もらった」と得意満面で、ごく親しい友人にコッソリ打ち明ける。

・・・・・・・・~その親しい友人は~そのまた~友人にコッソリ話す、

ここまでくれば、後はどこから~話が漏れたか全くわからなくなり、
話だけが、一人歩きするようになる。

内部の・お話を外部に漏らした者は、組織の総力をあげて、徹底的に叩かれる、
・・・どこに飛ばされ、どんな仕打ちを受けるか判らない。

組織ぐるみの恐怖が待っているから、外に抜ける心配はほとんどない。
たとえ抜けたとしても田舎では、積極的に追求する者なんか誰もいない。

過去に例が無いから、いまだ明治時代の感覚を持ち続け、何の罪悪感も無く
・・・・・・・・・・・・~「これがワシの力だ」~・・・・と、いわんばかりに平然としている。

だから賄賂に対する言動も、ある程度オープンになり正確に伝わるわけだ。



 タンス係長は巡査部長、警部補とコネで押し、
今や~現場の要とも言える第一係長として 、君臨している。

~こんなこと、誰も信用しないだろう、

ことさらオーバーに表現しているとしか、思わないかもしれないが、
この手合いは、 警察ではよく見かける。

そのまま出世して、署長になった者も珍しくない。

タンス係長は、何もしなくても・次は御栄転が約束されている、机に根がはえた様に動かず、
ワープロでゲームを楽しみながら世間話に興じていた。

御本人には、すでに確定的な未来が見えていたから、できるワザだ。






     “タンス”を~横目で見ながら、死体なき~持ち逃げした銀行員を追え~・・・・・
          “事件”とは“言うな” ~!^¥^!・・・事件じゃない。“失踪だ”

              ~持ち逃げ銀行員を追え~・・・これで、捕まったら~捕まる人がアホだ。


          ・・・・・・・・・・・・・ ~全ては、“組織”の中で動いていたが、
                                     真相は中には無い~中では、アホが絵を描いていた。
                                               

警察の腐敗・・「悪魔と踊ろう」                ~尋問の儀これあり~

2007年11月18日 05時03分50秒 | 悪魔と踊ろう  vol 1-3~4 
          ●悪魔と踊ろう  vol 1-3           アホの捜索 1







 現金を持った銀行員が失踪した場合、
よほど確かな情報が無い限り、当初の初動捜査としては「事件」として取り扱うべきだ。

その結果が~持ち逃げであれば“ゴクロウサン”で終わればいい。
大きくとらえて、小さくまとめれば、苦労はしても最高の結果であるが、

警察と銀行、2つの組織が持つ形式的な都合で
“金・土・日曜日” 3日間の貴重な時間を潰し
月曜日から~やっと捜査が始まりだした。

この当時、中村警察署の刑事課は、
少年係・ 盗犯・ 暴力・強行・ 知能・ 鑑識・に別れ、少年係は4名いたが、

あとは、それぞれ2名一組の班になっていた。

 私は鑑識係、鑑識主任の松田巡査部長とペアを組んでいた。
とりあえず、失踪した銀行員が住んでいたマンションから調べることになって、
鑑識の2人に少年係2名の応援をもらい、

朝10時頃から、マンション2階の銀行員が住んでいた部屋に入った。



 
 部屋に入ると、すぐ右側に小さなトイレと風呂があり、

その前に、簡単な流し台がある板の間、奥に居間がある。
独身用のワンルームマンションである。

居間には、布団が敷いたままになっていた。
それも、いま起きて仕事に出かけた様に~・・・
夏用の薄い布団が、クシャクシャになっている。

どの様な事件現場でも、一番先に入った現場の雰囲気が最も大事だ。
この銀行員が、カネを持ち逃げした~と言うのであれば、この乱雑な布団をどう説明する。

布団さえクシャクシャのまま・勤務先のカネを仕事中に~持ち逃げしたと言うのか?
それなら、かなり生活が荒れた者だ。

が、トイレはキチンと掃除している。酒のビン、ビールの空き缶はない。
台所も汚れてない、床もきれいだ。

 この狭いワンルームマンションに、警察官4人が捜索している。
あっという間に全部調べることができるスペースだ。

基本通り全員が白手袋をはめ、指紋を付けないよう注意して捜索を開始したが、
この部屋で事件が発生したのであれば、白手袋が必要だが、おそらくその可能性は無い。

誰もそんな思いで仕事をしている者はいなかった。白手袋は、基本の為の基本であり、
基本を示す行為にすぎなかった。

それぞれが、思い思いに~失踪した銀行員の“行き先”について、女の家だとか、
スナックの裏とか、外国に高飛びしたとか・・・・・・・・・・・・・・・・・

話のタネは尽きず、それぞれが・“オモしろオカしく”・口と手を動かしていた。


     が、1つだけ・誰も見ていない物があった。

             ・・・・・・・・・ゴミ箱だ。

                       ゴミは人間の鏡、
                             これほど上手に、人を映し出すモノは、他にはない。


布団の左側にテレビがあり、その下にゴミ箱を無造作に置いている。
直径約30センチ~どこにでもある・円筒型のプラスチック製ゴミ箱だ。
・・・・・あまりゴミはためてない。

伝票のような~細長い紙が・10枚ぐらいシワにもならず、そのまんま捨てている、
・・何も考えず~捨てた。
・・・ゴミ箱の中に~置いた~ような~捨て方である。

  見ると~一国銀行の名前が入った伝票様の書類だった。
“型は伝票”~何の書類か解らない。

重要な書類じゃないが、たとえ捨てても“かまわない書類”でも、
銀行員ならシュレッターにかけ、細かく切り刻んでから捨てるだろう。

・・・~それが、自宅のゴミ箱に入っている。

まぁ~この程度の事は、誰でもやるだろう、また~やっても何の問題もないだろう、
それに、この書類を捨てることが、銀行員の勤務規律に違反しているかどうか
銀行に問い合わせしなければ判らないが、

・・・・・・・・・・そんな事は、どうでもいい。

今重要な事は~かりに現金を“持ち逃げ”する銀行員が、その計画を実行しょうとした場合、
自宅のゴミ箱に、本人の仕事先である銀行の書類を、そのまんま~残すだろうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・シワにもせず?・・グシャグシャに丸めもせずに?
そのままの状態で、きれいに~“そろえて”~ゴミ箱の中に~“置いている”
・・・・・・・・・・・・・・・~ゴミ箱だから、捨てたんだろう。

~今から逃げようとする銀行員なら、わずかなミス、ミスでないミスであっても、
絶対その痕跡を残さないはずだ。

しかも1・2枚ならともかく、10枚位まとめて捨てている、

つまり~何の警戒もせず・無造作に~捨てたものだ。
現金を持ち逃げする銀行員が、こんなことをするだろうか?



   ~ゴミ箱の底には、 もっと~おもしろいモノがあった。

伝票様の書類の下に、何かを拭いたチッシュがあり、
その下に~ 使用済みのコンドームが2つあった。

ゴムの中には、精液と思われるネバネバした液が入っている。

2つのうち、1つは液量が多く、残りの1つは少ない、液はまだ乾いてない。
コンドームの外側も、まだ完全に乾いた状態ではない。

室内のクーラーを1日中、つけたままにすれば、もっと乾く。
  
 ・・・銀行員が行方不明になってから 、今日で4日目だ
・・・・・・・・・~クーラーは4日前・・~それ以降は使ってない。

つまり~4・5日前に、この部屋で、女とセックスし、2ラウンド戦った後~

・・・~戦いの痕跡の上に・・~銀行の伝票を無造作に捨て
         ・・・・・・・~布団を敷いたまま、仕事に出かけ、
                 ・・・・・・・・・ ~カネを持ち逃げしたと、言う事になる。

       ・・・・・・・・・・~「伝票は」~出勤の前か? ~“戦い”の後なら、そうなる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しかも、部屋の押入には、
                         まだ開けてない、真新しいコンドームが
                                         ・・・・・~“2箱”あった。

・・この真夏のクソ暑い時期、一晩に2ラウンド戦い、
・・・・~さらに、“2箱戦う”~“戦闘準備”が“完備”されている。
                  ・・~やる気ムンムンで~・・・金もって逃げた??

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・~ソレを残したまま?・・後始末のチッシュもそのまま???
                                ・・・ カネを持ち逃げしたと言うのか?



~常識で考えてみろ。

カネの額はどうだ
一国銀行の行員なら、2千万円程度のカネを持ち歩く事は、ザラにあるだろう、
・・それが750万円程度の金額で、自室のゴミ箱に使用済みのコンドームと
銀行伝票を捨てたまま行方不明になった者を

       ~“現金持ち逃げの失踪者”~だと~言い切る人がいたら、

~・・・・・・・・・・そいつは人間じゃない“サル”だ。
                       ・・~それとも事件から“逃げたい”のか???・・~糞役人が!

                   ・・・・・・・・・・・・まかり間違っても警察官じゃぁ~あるまい・・・クソ野郎!


・・・・・・・・まだある


マンションの駐車場には、
・・・失踪者の車が~いつものところに~いつものように~停まっている。

車内は、掃除をしたような形跡は無い、全体的に薄いホコリが積もり~座った跡もない。
                                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1週間は、動いていない。

  ・・いつもの状態で~いつものところに置き~逃げる?~緊急使用?の様相はない。
 
~持ち逃げするヤツなら~その前段があるはずだ。・・・逃げる前に、誰かと接触するとか?~何かがあるはずだ。     
      

~これはなんだ??・・・疑問ではなく。“断言の疑問符”・・・・~これは何だ。

・・・それなら~仕事中に使っていた~“原動機付き二輪車”
・・・・・・・・・・・・・・・・・~ はやい話が~“50CC”の“小型オートバイ”で、逃げたと言うのか。・・ボケが


・・そんな馬鹿な話がどこにある。・・・

・・・・・・・・・・ここにあった。
                ・・・“馬鹿の看板”が・・・断言する。
                                    ・・・“失踪だ”




 これが映画なら、
コワモテのニヒルな二枚目刑事さんが、さっそうと登場して~鋭い推理が 展開されるが、
現実の警察官で~そんな刑事を見た事は、まったくない。

この部屋に・銀行員自筆の遺書があるか、血の付いた刃物があるか、
せめてロープでもあれば「異常」あり。との、判定になるが

~そう言う「異常」が無ければ。

  ・・・ ~「異常なし」である。・・・馬鹿の看板が確信する。


信じないだろうが、これが現実だ。

 
  殺しの現場付近で聞き込みする警察官が、よく口に出す言葉に

      「なにか異常な人を見ませんでしたか?」

と付近住民に聞いてまわることがあるが、

人を殺した殺人犯人が、血だらけで、眼をランランさせて “ 逃げるバカ ” は、いない。
逃げるなら、普通のかっこうで逃げるはずだ。

“異常な”とは、形が普通でないから異常な訳で、
そんなことを前面に出す事が、異常な考え方だ。
  ・・・・・・・・・「異常な」人はいなかった。が・~犯人は普通に逃げた。^^~それだけだ。



  この時もそうだった、失踪した銀行員の部屋からは、
血の付いた刃物も・本人の遺書も無かった。

~だから「異常なし」との結論であった。

 ただ唯一の間違いは、私がゴミ箱の中身を~大事に警察署まで持って帰った事だろう。
ソレを見れば、警察幹部が「事件だ」と判断すると思ったからだ。

これが甘かった、この程度の事で、動くような・善良なモンじゃぁ~なかった。

~ここから幕が開いた。

 私が持って帰った大事な「ゴミ箱の中身」は、その後どうなったか全く知らない。~ゴミだから、捨てたんだろう。
あの時、持って帰らず・そのまま残せば、翌日かけつけた銀行員の両親が見つけただろうに。
と、思うと・・
・・・・・・・・・・・・・・後々まで悔いが残った。

                             【12年後に聞いたところ、このマンションから100数十本の毛髪を採取した・・
                                         ・・・・・・・・・・~と、“大ウソ”の書類が、中村警察署にあった】


だがこれで、次にやる仕事が見つかった。

失踪した銀行員に女がいた。~女を捜せ。
次に教科書通りに、その日の足取り。行方不明の銀行員が使用していたオートバイを捜せ。

この3つは、最低限やる必要がある。
署長さんもコレだけは、本部報告しなければ・カッコウがつくまい。
~型を造作する事が、第一義的なことだ。

  当分の間、全署員が休日返上で捜索に当たるよう指示があり、
ようやく捜査らしい捜査が開始された。

銀行員の行方不明当日の足取りについては、
銀行から提出された資料を基に跡を追えばいい、
簡単な捜査だ。 ~4・5人の刑事が担当した。

「女」については、おそらく難攻するだろうと思っていたら、 意外にも簡単に割れた。

失踪した銀行員と同じ職場に勤めている女子行員が、
失踪者の安否を気遣い泣いていた。~との・銀行から通報があったからだ。

泣いていたから失踪した銀行員の彼女だ、~だからこの女に聞けばいい。

~つまりそう言うことだろう、きわめて事務的な~いかにも銀行らしい通報だ。
・・しかし・あまりに早すぎる、おそらく銀行は以前から「女」の存在を知っていた。

~もうひとつ、セックスがからんだ男女交際、しかも職場内のことについて
銀行は“極力秘密”にするはず、それを?・・いとも簡単に警察に通報したのは・・なぜだ?

・・おそらく、その女は「好きモノで、問題を起こす厄介者として、 組織的に注目していた」
組織は厄介払いを期待し~警察に協力した。

・・・・・・そう思う。
~相手は、県下随一の銀行様だ。^.奴ら.^の動きは、警察と同じだ。


 「協力者」・・・警察は、この言葉が好きだ

 「協力者」・・協力者は正しいから警察に協力するのであって、
何もやましい事が無い“清く正しい人”なのだ。

たしかに協力者はありがたいが、何もかも全てウノミにする傾向がある。
テレビや映画に出てくる刑事には、絶対ない場面だが現実には、
あたまから~信じる場合が、ほとんどである。

別に協力者を疑えと言う訳では無い、人の動きには言語以上の意味があり、
~その意味にこそ、最も重要な真実がある場合が多い。

~それを知ろうとする警察官は、あまりいない。

~必要ないからだ。
上から命令された事だけ・迅速かつ確実にやれば、報告を受けた上司が、
それ以上の疑問や、問題点を感じるほどの“切れる者”はいない。

要するに、仕事とは幹部を納得さす為の行為であり、
それ以上の行動・能力は必要ないのだ。

失踪した銀行員が、職場内にセックスフレンドがいた、 との通報があれば~
・・・行って事情を聞けばいい。

西にウワサがあれば~行ってウワサだけを聞き~東にあれば東に行けばいい。
~それだけの事だ。



 世間でよく言われる「学校の先生」と「警察官」は、
世間知らずの“東西の横綱”だと言う評価 は、たしかに当を得ている。

私の親戚一同は、ほとんど学校の先生だ。
~教師を見ながら育ったから~絶対に教師には、なりたくなかった。

が、高知県には産業がない。就職先がない。

教師とヤクザには、絶対にならん。と息巻いてみたものの、
他にやる事がなく警察官になった。

しかし・・〈教師とヤクザ〉を +“たして”÷“2で割れば”=→・・警察だ。
私がイヤなモノが、フタツ同時にそろった職業が、警察官。




 失踪した銀行員のセックスフレンドから、事情を聞きに行った刑事さんの調査結果も
セックスのことばっかり・乱雑に並べ立てただけ、だった。

おまけに「女」は、英会話教師のイギリス人とも関係があり、

女が言うには
・・「今、失踪した銀行員が居なくなって、一番よろこんでいるのは、その イギリス人だ」

と、・・・尾ヒレを付けた。

失踪した銀行員とイギリス人の2人に肉体関係を持つ、上の口と下の口、
両方に自信満々の美人銀行員に、

          「今、一番よろこんでいるのは、イギリス人」だと言われ、

とたんに活気付いた捜査陣が、イギリス人が住んでいるマンションに踏み込んだ。
・・・・が、マンションは、失踪した銀行員と、同じマンションだった。

つまり美人の銀行員さんは、マンション一階のイギリス人・二階の失踪した銀行員、
2人掛け持ちにエッチしていた訳で、

しかもイギリス人は、銀行員が失踪する2日前に、
韓国ルートで旅費を節約して、イギリスに帰国していた。

失踪した銀行員の部屋を捜索した時、
1つだけ~クシャクシャに丸められた紙屑が床に落ちていた。

ゴミらしいゴミは、この紙屑だけだった。

          注意しながら、この紙屑を開けると

            ~「8月20日から英会話教室は、やりません」~
                              と言う内容の張り紙で、

たどたどしい日本語を、マジックで大きく書いた張り紙の四隅に、セロテープが付いていた。

~つまりこの張り紙は、イギリス人の玄関出入り口ドア外側に貼っていたものを、

失踪した銀行員が、はがしたものだ。

イギリス人に頼まれていたのか、
それとも失踪した銀行員の判断で~イギリス人の帰国後を 待ってはがしたのか、

今となっては判らないが、いずれにしても仲が悪かったら、
わざわざ張り紙をはがして、自分の部屋まで持って帰るようなまねはしないだろう。

2人の男が1人の美人を共有していた。
逆に言えば1人の美人銀行員が、同じ建物の2人の男と遊んでいた。と言うことになる、

・・・どっちでもいい。

失踪した銀行員の押入にあった、2箱のコンドームの意味が判った。

遊び相手だから、これだけの備えがあった、
おそらくイギリス人とも納得のうえで、女を回していた、1つの建物で回っていたのだから、

当然女も割り切って、動いていたとしか思えないが、
後になって、この美人銀行員は失踪した銀行員と結婚の約束をしていた。

と悲恋のウワサが飛び交い、またしても混乱した捜査状況になった。

日本人・て、ヤツは、一発やれば結婚だ・悲恋だ・と言う人が多いが、
同じマンションで1階・2階を往復しながら~回っていた女が~結婚もクソもある訳がない。

ケツの穴に、野球のバットでも突っ込んだらどうだ。
女子銀行員は、いわゆる好きモンだった。

この状態を銀行幹部は知っており、組織の管理者が要注意人物として監察していた。
これが失踪した銀行員の女関係を警察に通報した~銀行幹部の心理状態だろう。

警察協力者の真意は「好きモン」を追い出したかったのだ、
実際この女性は数年後、退職している。

おそらく銀行幹部は、我が身の保身第一に方策を取るだろう、

現に私が、道で出会った同じ銀行の職員に、さほど重要で無い質問をしても
・・・・・・・・・“全て銀行幹部” を “通じて” から でなければ~“回答してはいけない”

~との “御命令” を受けていると言うことで、ろくな返事は無かった。
ここまでくれば “一種の箝口令” 「いらんことは、しゃべるな」と、言うのと同じだ。


いたずらに日が経っている。・・・・・・・ここまでに ~1週間たった。アホの共演だ。



警察の腐敗・・「悪魔と踊ろう」                ~尋問の儀これあり~

2007年11月11日 04時33分20秒 | 悪魔と踊ろう  vol 1-1~2
           ●悪魔と踊ろう  vol 1-2           祭りの前に




 梅雨がおわり、夏が一番暑いと感じる時期だった。

平成2年8月
目覚めと同時に体のあちこちから、汗がにじみ出た。

昨日は盗人の現場で 、夜遅くまで指紋を採ったり聞き込みをしたりで、
帰ったのは夜の11時頃だった。

今日は朝から刑事当直。
普通なら土曜日の休日だが、刑事課には休みも何もない。



 高知県の四万十川河口にある四万十市、歴史だけは古く
京都の公家、関白 一条教房(のりふさ)が、応仁2年(1468年)応仁の乱で、
この地に“流され”てから開けた町で

町のつくりも 一条通、大橋通り、京町、東山など、京都にちなんだ名前が付けられた
“土佐の小京都”と呼ばれているが、人口は3万人たらずの田舎町である。

この町の中村警察署 刑事課 鑑識係兼捜査係が当時の仕事だった。

 最近、この町に盗人が横行している。
路上の車から現金を盗む車上狙いや、空き巣が頻繁に起きていた。

車上狙いは、ドアロックを見事に開けている。かなり手慣れた盗人だ、

被害にあった車の窓ガラスに、5ミリ程度のひっかき傷が付いている。

~まず、細い針金状の道具か、または~厚紙程度の薄く細長い金属をガラスの隙間に差し込み、
数秒でドアロックを開けているだろう。

指紋も出ない、目撃者もいない、かいもく手掛かりがないまま2ヶ月たち、
うだるような夏になった。

1ヶ月間、ほとんど休みらしい休日はない。
子供や女房も旦那の休みなんか、まったく気にしてない。

かってに、やっているようだ。
子供は女の子が2人、小学校4年と5年の年子だ、

毎日毎日、酔っぱらって寝るから、年子の女の子ができたんだ。無計画はなはだしい。
小学校が夏休みになって、一度ぐらいは海水浴につれて行こうと思いながら、そのままになり、
・・このままじゃ~海水浴にも行かず、夏が終わってしまうと~・・毎日・毎日・盗人を追いかけていた。


 平成2年8月25日、その日も ~いつものように、ドンブリで朝飯を食って仕事に出かけた。
いつもの道を・いつもの車で、いつもの橋を通り、汗を拭きながら中村警察署に入った土曜日の朝。

官公所は休みで、今日は当直の者しかいない。とりあえず刑事課に入り当直の準備をして、
一階事務室に降り、当直体制に入った。


 ちょうどそのとき、署長室から背広姿の男が一人出て、駐車場の車から何か書類を提げ、
またすぐ署長室に入った。

・・・見慣れない男だ、それに~このくそ暑い夏に、朝から背広なんか着ているやつは、

銀行員ぐらいなもんだろう、白いワイシャツに・きちんとネクタイを締め、
その上から~背広だ。

どう見ても銀行員にしか見えない、どうして・・これほどキチンとする必要があるのか?
よほど世間体を気にする職種だ、オレにはつとまらん、そんなことを思いながら
ぼんやり背広姿を見ていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これが全ての始まりだった。

 12年前のワンカットが、今でも鮮明に映り出す、

背広姿の組織が持つエゴと、黒い制服姿の組織が作り出すエゴの共同制作の始まりだった。
組織と言う美名を前面に押し出した、エゴとエゴが互いにからみ合い、
ドロドロした泥水になり、1人の銀行員を飲み込んでしまった序曲の始まりである。

 
 やがて署長室から、3人の“背広男”が出て来た。

1人は若い背広で、あとの2人は年輩の背広である。

          まるで背広の“ダンボール箱”に、穴を開け~首から上の顔だけ “外に出した”
            背広の“箱人間”が、やたらと御丁寧に歩いているようだ。~アホの看板にしか見えない。


それぞれの“背広の箱”は、警察署長に~何回も頭を下げ、
歩きながら~ことさら丁重な言葉使いを羅列しながら帰って行った。


 背広男が、若い運転手付きの車に乗り、うやうやしく警察署までおいでになって
署長室で何か?お願いをして帰った。ここまでは理解できる、

背広姿の組織体、つまり世間的に形のある組織から~何かお願いを受けた我が組織のボス

・・・警察署長は、まず型式を作る。

お願いした相手側の組織体が、大きければ大きいほど、大きな形、無難な結果が必要になる。
学校とPTAの関係と同じだ。・・~屁のようなガスが充満していた。

形と形が、可もなく不可もなく、感情もなく、上手に絡まった。クソガスだ。

おそらく数分後、署長が何らかの命令を出す、それが何か~その部分だけが不明だ。
ただ確かなことは、今日も忙しい1日になると言うことだ。
 
        ・・・12年前の一場面。
             今でも紙芝居の様に、その一枚目がまったく動かず、 記憶に残っている。


 ただぼんやり・いつものように~指揮官でありボスである署長様が、いつものように的外れの
御命令を出し、 現場はいかにして、馬鹿殿を満足さすか~動き出す。その御命令を待っていた。

もしもこの時、ここにいなければ、普通の平凡な警察人生を送れたものを、
これが・とんでもない幕開けになろうとは、知る由もなかった。



 蒸し暑い、12年前の朝。
背広姿の立派な組織人が帰ってから少し間をおいて、署長室の扉が開いた。

先頭に本日の当直責任者  交通課長  安田 、 次に刑事課長  田岡 が出てきて
2人共しきりに、後ろの“バカ殿”を振り返りながら~「そうですね、~そうですね」と言っている。

後ろには我らがボス、偉大なる神々の神、“馬鹿殿”が控えている。
両脇には課長様2人が、愛想を振りながら“馬鹿殿”に相槌を打っている。

つまり本日の方針は既に決定、後は用件を聞くだけだ。
・・・何だろう? ま、いいことでないのは確かだ。

一応、刑事当直である以上、くわしく御命令を聞かなければいけない。
奴らが話し出す前に奴らの前に進み出る、これが宮仕えのコツだ。

 2人の課長を押し退けるような勢いで、署長が皆の前に出てきて指示し始める。
 
          「きのう、8月24日に仕事中の一国銀行外交員が、いなくなった。あ~~・・
           現金は700数10万円持ったまま行方不明になっている。
             
           現金についは、まだ詳細には判明してないが、およそ750万円位だ。
           いまのところ、なぜいなくなったのか不明である。
             
           銀行も、昨日午後から・・・・・
           行方不明の銀行員が行きそうな所を探しているようだが
              
           発見できず、・・本日、届けがあった。 
   
            今日も銀行員が、何人か出て探しているようだ。
           うちも届けがあった以上“やらん”わけにはいかん。
            
            今日と明日は、土・日曜日で、当直員しかいないから
           平常勤務を通じて、行方不明者の捜索に当たる。
  
           今日は警らパト(パトカー)と捜査車の2台で捜索するよう。
             
            ただ夏季休暇をとった者もいるし、 今日は当直員しかいないので
         
           あまり遠くには行かず~
           何かあったら直ぐ帰れる様に、市内中心の捜索に絞って実施してくれ。
   
           行方不明者の特徴は、課長から指示があるから。
                     ・・・・・ただ、まだ何も判ってないのだから、

           これを事件だと言わないように、くれぐれも注意してくれ、
         
           結局、銀行員が金を持ち逃げ・しただけなら
           銀行側に迷惑がかかることになるからなぁ~・・・・・・・。
                                 ・・・・・・この点、よく考えて行動する様に」

 
 まことに事務的な指示をして、急ぎ足で帰った署長の後、
手回しよく、行方不明銀行員の身体特徴などを書いた用紙を
交通課長が当直員に配った。

     行方不明銀行員

           職業  一国銀行中村支店勤務 外交員(独身)
           住所   四万十市山下通り128番地2  ライオンズマンション203号室
                     氏名   佐田 伸一
                               昭和38年2月9日生 (27歳)

            身長   182 センチ位    やせ型
            頭髪      7・3 分け (中髪)
  
                仕事中の使用車両
                                      
                    ホンダ・スーパーカブ
                        50シーシー 
                               青色
                                ナンバー
                                     中村市 あ ・167

          行方不明になった時間帯
                 行方不明者は当日、銀行の得意先を数件回っている。
                この事は、銀行の調査で明白である。

                その後、昼頃から失踪している。

 配られた用紙には、これだけしか書いてない。
写真もない~後日~家族の者が持って来る~ とのこと。・・~以上。

“以上”と言うのが最後の言葉だった。
~“以上”~ 警察では、なぜかこう言う言い方が好まれる。・・・・・「以上」・・・・・。


しかし“素朴な質問”が“1つ”ある。

まず質問しても無益だと思うが~一応してみることにした。
それが~あまりに基本的な、基本的すぎるがゆえの、馬鹿らしいほど素朴な内容だったからだ。


           「 課長~ 四万十市じゃぁ~毎月24日が、商店や市場での給料日です。
                      行方不明の銀行員は、この給料日に~いなくなったわけですが、
    
             給料日なら~商店なんかに配った金もあるはずです。
             つまり、この銀行員は、朝、銀行を出るときには、
    
             行方不明当時の750万円位より、もっと多く金を持っていたはずだ。
             いったい、いくら持って銀行を出たのか判りませんか。
    
             ・・・・・・・・・・・・・どうせ逃げるなら~金が多いとき~逃げるだろうに」


 質問は、できるだけしないようにしている。警察では、何でも「はい」と言うに限る。
とにかく疑問を持たず、自分の頭で考えない事だが、あまりに素朴な疑問だった。

毎月24日は給料日、四万十市でメシを食う警察官なら・あたりまえの常識だろうが、
“その常識”を~公務員は知らないだろう?・・イヤミを込めた質問だ。
 
その常識の日・24日に銀行員が行方不明になった。
しかも最も多く金を持っていたであろう、銀行を出た際の失踪でなく、

ある程度・金を配送したと思われる昼頃の失踪である。

 ~これだけでも~おかしい~じつに素朴な疑問である。
だからあえて尋ねた。これでも警察では余計な言動と映ったらしい。

刑事課長と当直責任者の交通課長、両警部殿は不機嫌そうな顔になり

           「今そんな詳しいことは判ってない。今日はとにかく銀行員を探すことや」 ~

と言い残してサッサと~いなくなった。
                       
   アホの警察官は“ハラの中”で1人怒り狂った。
                              【~・・クソボケぇ~・・・今・銀行のエライさんと、話していたヤツが・・・ 
                                                                                          「・・・詳しいことは、解ってない」と、  
                                                                                                                      ・・・~オドレらぁ~何を話していた?糞ボケ】
                                       
・・・・・・・・・・・・・と、“ハラワタの中”では~そう思った。が、どうでもいい。


 警部殿が最も気にしているのは、いつの場合も警察本部に報告する“上向け”の報告文書を作ることだ。
まずは報告、敵は本能寺にあり。・・・である。

味方の大将に“可もなく不可もなく”上手に報告して、
自分の“足元”を守り抜くことが最重要課題である。


個人企業なら、第一に外の顧客に対するサービス及び利益を優先さすのだが、
親方日の丸の~お役人が考える事は、まず自分自身の保身・立身出世が先行する。

つまり、~「事件」と断言するな。事件なら警察に責任ができる。

 次に、いかにして~組織内の上層部に、精一杯努力しているかをアピールするか?・・・である。

おそらく今頃~無難な報告文書を頭の中で、一生懸命考えていることだろう。

とにかく署内におるより、外に出るのが気楽でいい。
相勤者と一緒に、捜査車で銀行員を探すことにした。


 探すと言っても~写真もない状態で~ただ失踪した銀行員と言っても判る訳がない。
・・・そんなことは、どうでもいい~ただ上から言われた「探す」と言う行動を起こせばいいだけだ。

結果はどうでもいい、課長殿がほしいものは、今日の事。~銀行員の捜索をしました~との 事実だけがほしい訳で、

~ヤリました~捜しました~この町のスミからスミまで捜しました。
~この既成事実を上手に本部報告するのが目的だ、

~まず、・・今日いくら探しても銀行員は見つからない。そんな事は判っている。
が、探した。捜した。ヤリマシタ。
・・警察はやった。・・やりました。・・明日もやります。・・頑張ります。

・・・の形が必要な訳だ。

・・・・・・・・・ 敵は本能寺に有り。
・・・・・・敵は外には居ない、味方の大将、警察本部が最も大事な強敵である。

まず本能寺、現場なんか~なんとかなる。
~本部に現場は見えん、見えん物は、後で何とでも ~報告できる。

・・・いつもの手だ。

 失踪した銀行員が銀行を出発した際、いくら現金を持っていたのか?

12年たった今でも、私は知らない。

たぶん銀行からは警察に報告があったと思うが、そんなことは本部報告の中だけに必要なことで、
他には取るに足らん事だろう。

銀行員がその気になり、内部の現金を横領する気になれば、数百万円程度の現金では済むまいが

   ~そんな事は、どうでもいいんだ。


 

  その日の 相勤者 今田刑事を捜査車の助手席に乗せ、四万十市内を ~くまなく走り回った。

どうせ、見つかると思って走った訳では無い。車の中で何を話したか全く記憶にない。
 
 ただ四万十川沿いを走った際、2人のワイシャツ姿の中年男が、
原付オートバイを近くに 置き
何か~さがし物をしているようだった。

どう見ても四万十川には場違いな2人組で、
一国銀行も失踪した銀行員を探している、と聞いていたので、
この2人組は銀行員では?・・と思い、車の窓から

               「銀行の方ですか」と声をかけた。

思った通り一国銀行の職員だった。

聞けば昨日の午後から、失踪した行員を捜しているとのこと

              「今日、男子行員は、ほとんどの者が、心当たりを探している」
                                         ・・・・・・・・・・・・・・ 汗を拭き拭き答えた。

銀行では昨日から探している、それなら昨夜のうちに警察に届け出れば、
警察は、今朝早くから動けた。~そうするべきだ、そうしないのは何か?

もし~持ち逃げなら銀行の失態になる、世間体を重んじる銀行が、すんなり~やるはずがない。
銀行の失態は、絶対に出さない。

  どこも~組織と言う所は、同じだ。と、つくづく思い知らされた。

 今思えば、これが酒屋の店員が失踪したのであれば、全然違う展開になったかもしれない。

組織防衛とは美しい言葉だ、組織を守る、その為にあらゆる手段が使われる。
個人の事なんか~どうでもいい、ヤクザの「組」とおなじだ。

まったく同じだ、昨日ヤクザの事務所前を通りかかったとき、
顔見知りの組員が、汗をかき ながら車を洗っていた。

    黒いベンツだ。
       聞けば親分が女と一緒に飲みに行く、その運転手をするそうだ。

一杯飲んで、どっかのモーテルにシケ込むまで、ハンドルを黙って握り続け

「親分、親分」と言いながら、女のケツに最敬礼するハメになるだろう。どこも同じさ、
カッコイイのは映画の中だけで、警察も銀行も組織と言う美名が先行し
中間管理職が出世 だけを考える者なら、

まず自分の立場が最も有利になるポジションを維持するため、
上向きに、当たりさわりの 無い報告を作文する。

      銀行は、持ち逃げを恐れた。警察は「事件」を警戒した。

事件となれば、犯人を割り出し捕まえなければならない。解決できれば出世の道が開ける。
が、できない時は、自分の出世に大変な汚点を残す。

・・・今の署長や課長は、今年一杯~無難に乗り切れば、来年は県本部に御栄転・間違いない
・・・・・・・・・・~若手の出世コースにあるエリートだ。

~自分の足元は、清く・正しく・美しく・きわめて清純に整えている。立派なモンだ。


 銀行員の死体でもあれば別だが、何もない・何の手掛かりも無い現状で、動けば損になる。
・・何が損で、何が得か?イエスか?・ノーか?・・・回答は1つ、

     ・・・・・・・・・・・・・・・・事件じゃ無い。持ち逃げだ。銀行は~それを最も警戒している。

相手が気にしている一点を突けば、持ち逃げで終わる。事の成り行きだ。 

 


  以前、東京の銀行員が路上で強盗に襲われ、九死に一生を得て生還した事件があった。
その時、テレビのニュースで、被害者の“銀行員夫婦”が

              「ご迷惑をおかけしました」と言いながら、何回も何回も頭を下げていた。

被害者が、しかも、銀行の仕事をしてない、その“被害者の奥さん”までが
テレビに出て、どうして頭を何回も下げ、あやまる必要があるのか?

              しかも・・・「ご迷惑を~おかけしました」と言う内容だった。

強盗の被害者である銀行員が、なぜ「迷惑をかけた」と、あやまる。
被害者が、なぜ~迷惑をかけた~ことになるのか?

日本のような治安国家で、白昼強盗に襲われた被害者夫婦が、どうして~あやまる必要がある。

              これも銀行の管理者が組織権力を振り回し、末端の犠牲者に強制したワザだ。

テレビで全国放映された~銀行名入りの被害者を抱えた銀行幹部が、体裁を取りつくろう為、
被害の銀行員に強要したんだろう。

そうでなければ、
どうして、被害者とその妻が謝る。~日本にそんな風習があるのか?
いくら銀行といえども、少し常識があれば、これほど馬鹿げた対応はしないだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・モノには限度と言う事がある。



 何か得体の知れない怒りが、フツフツと沸きだし、何もやる気が無くなった。

どうでもいい、失踪だろうが、なんだろうが、“上”が~やりたいように~やりゃぁいい。

どうでもいい。

どっか喫茶店にでも入って、時間潰しすればよかったが、
相勤者の今田刑事は、堅物だけにサボルこともできず、ただアホのように車を走らせた。

 

 この今田が、後で大変な敵になろうとは、この時は想像もしなかった。
銀行員失踪事件を蒸し込んだ一員である今田刑事は、その後4年間で、

巡査長、巡査部長、警部補、と、トントン拍子の出世をし、
今や、高知県警察本部のエリート警察官である。

何もかも既に仕組まれていた、最初から出来上がっていた。
が、それが判るまでに~7年間の時間が必要だった。

まさか、こんなことが。と、想像も出来ない組織のカラクリに気づくまで暗中模索、
手探りの歩みだった。



(四万十川・赤鉄橋)

警察の腐敗・・ 「悪魔と踊ろう」               ~尋問の儀これあり~

2007年11月07日 05時56分16秒 | 悪魔と踊ろう  vol 1-1~2
       

      


       ● はじめに



 私は、当初~ノンフィクション「悪魔と踊ろう」を下書きもなく、読み返しもせず
ただ感情だけで、慣れないパソコンに打ち込み~聞いた事もない“ブログ”とか?
言うモノに投稿しました。

ブログのやり方も解らないまま
・・・・・~gooブログに、私の資料をコピーで投稿した際。

「字数」に制限があって、全く隙間のない・ガチガチのブログになりましたが、

後で気がついても、書き直しもできませんでした。


しかし、~警察に読ます為に投稿した~・・この目的が 達成できたら~それでいい。と、
~そのままにしておきました。

が、この後~「高知白バイ事件」「鹿児島の志布志事件」「布川事件
「岩手17」(17歳少女殺害事件)等~など。

次から次へ~・・ただの「冤罪事件」ではない
「警察の“創作型”・冤罪事件」が全国で発生しました。


まるで「創作冤罪」の品評会。
・・・・・・~警察は“映画会”でもヤルつもりか?

・・・いくらなんでも~馬鹿にも限度がある。

そして~このまま~何もしなければ、警察は益々増長して、
いつどこで・誰が犠牲者になってもおかしくない

この現実に直面した時、初めて・私のガチガチのブログを
~・・“しまった”と、思うようになりました。

 特に「高知白バイ事件」の支援者に会える機会があってから
“冤罪事件に苦しむ”人達に出会う事ができました。

                 
  警察は、子供並のウソを“国の費用”を堂々と使って正当化し
・・・~マスコミは、このウソを報道し~

町行く~人々は「お上」には逆らわぬ ~我カンせず~・・で、
素通りする人間性を見るに

~明日は我が身~脱藩の里~土佐~は、江戸時代以前から何の変化もない。
と、絶望的な思いにもなりました。

 今や全国~アチコチで、

警察による「隠ぺい」「画策」「証拠隠滅」の警察犯罪が続発している~
・・・・・・・・・・これを“上品”に言えば「冤罪」~となるが、
 
これは冤罪ではない・・警察犯罪だ!


    「冤罪」とは“間違い”から生まれた事件
           冤罪の“冤”は ~“兔(うさぎ)に冠”~で“冤罪”と書く
            
おとなしい兔に冠を“かぶせ”兔を絡め取り~無理矢理~仕立て上げた事件だ。

最近の“冤罪”(例えば志布志事件や布川事件・高知白バイ事件など)は、
あきらかに~冤罪と呼ぶには程遠く

“創作型警察犯罪”
との~新しい言語が必要なありさまである。
決して“冤罪→兔(ウサギ)”のレベルではない。

まことに不幸な人達に出会い、今ごろになって

ただ感情だけで、ブログに打ち込んだ「悪魔と踊ろう」を
再度・やり直す必要を感じるようになったのです。



  「悪魔と踊ろう」は

        ●  すでに時効になった事件。
              ~それを読み返しもぜず、叩いた私の投稿。
                    
              ~まず読む人は少ない・・だろぅ~が
          
           しかし、私がどの様な思いで、定年より4年も早く警察を退職したのか~

            これだけでも警察に読ませてやりたい。(ヤツらは、常に視察中)

    
       

        ●  そして二度と「隠ぺい」「画策」「証拠隠滅」・・・~“警察犯罪”は~
                          絶対にヤルナ!と、警察に言いたい。


 内容は変えず、ブログを見やすく整理し、
風景などの写真を・私にできる範囲で入れて、

ど素人のブログを、少しでも良くしたい。
                                            




 私の名前は「斬馬」・・昔々・・私の御先祖が~土佐藩斬り込み隊として、
徳川幕府を倒した事を唯一の誇りに思っている

土佐の貧乏人の息子です。

   
 戦国時代、“斬馬刀”と言う長い刀があったそうです。
馬で攻めてくる騎馬武者を倒すため、まず馬の足を長い刀(斬馬刀)で切り
落馬させてから攻撃する。

 また「ざんば」と口で発音した場合。ザンバはラテン系の国々では
「伝説」の白いゴリラ。小さな最も凶暴な・白いゴリラを意味するらしい。

昔、そう言う名前のプロレスラーが、いたような記憶があります。


そして、もし高知県の警察幹部が、私のブログを見た場合は
 
   ・・・~「アホが、まだ生きている」と、実感ではなく体感すればいい。







   




        ●悪魔と踊ろう    vol 1-1           雪の涙


(四万十川上流の雪景色) 



 雪が降る~四万十川に雪が降る、白い雪が・・・・・・・・・・・・・
白髪まじりの男が、ぼんやり空をながめている。

雪は、空高く舞っているときは、黒い点だが、ふわふわ降りてくると白い真綿のようになる。
なぜだろう、男は思う、どうしてそうなるんだろう。・・ただそう思う。

・・・雪の色なんかどうでもいいだろう~・・が、なぜか白い雪が気になる。

時々、雪がまつ毛に落ち、ゆっくり融けて水になるが、これはたぶん涙じゃない。

・・たぶん水だ。

雪は四万十川の河原に薄く降り積もり、河原の石を隠した。

 
川に入った雪は一瞬のうちに消え、水の仲間になっている。雪には仲間がいる、
やがて四万十川の河口から太平洋に流れ込み、黒潮に乗って遠く見知らぬ国へ行くだろう。

雪よ、お前はいい、融けてしまえば、お前がどこからきたのか、どこの誰かも判らず、
ただ 行き先が決まっているだけだ。

雪はいい、純白の雪がフワフワと思い思いに飛んでいき、やがて仲間と一緒に流れている。

~雪のようになりたい。
なにもかも消し去り、どこか遠くに行きたい、どこでもいい、

何をするわけでもない。

汽車でもバスでもいいから、なにかに乗って、どこかに降り、
なにもかも消してしまいたい。そんな思いで白い雪をながめている。

・・・できもしないことを。

・・黒い制服の肩に積もった雪が、笑っているように思えた。


  
    たかが警察の制服さ、そこで笑うなら自然な成り行きだ。・・雪が笑ってる。

         「 やりゃぁ~いいだろう、やってみろ。
             西でも東でも、好きな所に行きゃぁ~いいだろう。
       
           できるものならやってみな、
              どうせお前さんにはむりだ。できっこない。
                                 
                  ・・・・・・・・・女房や子供をどうするんだ、~できるもんか」
 



急に周りがさわがしく、ざわざわ話し声がするように思えた。

雪が降る、白い雪が、ただ降るばかり。

人は来ない、カラスのような黒い制服をあざ笑う、白い雪が笑いながら舞い降りている。

雪の中にカラスが一羽いるだけだ。~男は、そう思う。
ほかには、なにもない。雪が全てを隠した。



  カラスが歩きだした。

四万十川の河原から、ゆっくり坂道を上り田舎町の商店街に出て、
まっすぐ自分の職場に向かった。

家と職場が一緒になった“カラスの巣” 高知県窪川警察署 
十川(とおかわ)駐在所が男の住まいだ。

ここに来てから4年になる、僻地(へきち)の駐在所なら普通は2年位で転勤になる。
1年で御栄転した者もいる。が、4年たってもまだここにいる。

これまでに最も長く、ここにいたのは、3年間いた者がいるが、
その人は家族同伴で赴任し、子供が中学校を卒業するまでの間。

本人の希望で勤務したので、自然な成り行きだった。
~それが4年目に入っても何の話もない。

過去最高記録4年の赴任期間、しかも51歳の~高知県で最高年齢の巡査長、

 つまり高知県で、最高に出世していない警察官が勤務している僻地駐在所である。
おそらく、これからも出世はない。まず絶対ない。・・ありえん。

飛ばされ、左遷され・また飛ばされ、今日までやって来た。 
         
               池 遊亀 巡査長 、 池で遊ぶ亀だ。



 あれから12年たった。10年~一昔と言うが、10年プラス2年、
12年間よくぞ、ここまで辛抱した。

こんな話を誰にしても信じまい。が、事実は小説より奇なり、12年前の事実が元になり、

以来単身赴任で左遷されている。


    12年前の、真夏に それがはじまった。

 12年前、一人の銀行員が、仕事中に750万円位の現金を持ったまま行方不明になった。

警察は、最も単純で・最も都合のいい推測を選考した。

        外回りの銀行員が仕事中に現金を持ち~“逃げた”。との結論である。

そうすれば、全ての責任は、銀行にある。

警察は行方不明の銀行員を、横領罪程度の罪名で指名手配すれば全てが終わる。

それも行方不明になった銀行員の家族が、損害賠償すれば、世間体を気にする銀行は

何も無かったことにして、警察に訴えはしない。つまり警察の仕事は何もない。

その後、“家出人捜索願受理票”を作成し、お役人の事務処理が終了したら、

・・・・・・・めでたし・めでたし~・・・一件落着で終わる寸法だ。

 事実「行方不明の銀行員は、フィリピン人ホステスと逃げた~」と、まことしやかな噂が
刑事課内部から流れ出した。

噂を流した、流れの源流を調べてみると、なんと刑事課長に行き着き
ビックリする以上に、あきれたものだ。

しかし警察と言うところは、上役が“カラスは白い”と言えば、黒いカラスが平気で白くなり、
お望みなら、ピンクのカラスでも平気で飛び出すところだ。

上役が、銀行員はフィリピン人ホステスと逃げたと言えば、フィリピンだろうが、
中国だろうが、何でもいい、ホステスと駆け落ちしたのであって、

それ以上のことは、何もないのである。・・~あっては、いけないのだ。
優秀な警察官は、常に“愚直”(ぐちょく)を旨とする。

愚直とは、組織の中では極めて美しい言葉である。


 ・・・ところが、馬鹿が1人いた。
馬鹿は、1人で半年かかって、自分の仕事が終わった時間外に捜査を進め、

銀行員が殺害され~現金を奪われている事実を解明した。
しかし、犯人と犯人の彼女は、警察幹部の親戚になる偉い人だった。

~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・偉い人なら、何だってかまわない。

“カラスは白い”と言えば、黒光りするカラスも白くもなる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・警察で偉い人は、天皇陛下より偉い、

コジキだろうが、詐欺師だろうが、強盗殺人犯人でも・コネのある偉い人は、偉い
・・・・・・・・・・理由なんかどうでもいい。

警察内部で“エライ”となれば~どうでもエライのだ。



 警察で言う常識と、世間の常識は全く違う。
・・・・・・・・・・・・・・で、・~行方不明の銀行員を殺害して現金を奪い取った・・・

・・~強盗殺人犯人を見つけ出した・・・・あの~馬鹿な警察官は、
理由も判らないまま、以来12年間・・・単身赴任で飛ばされている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こんな話、どこの誰が信じるか?


信じてくれ、と言うのがむりだ。
・・・・・・・・・・・・・しかし事実は事実、私がその馬鹿な警察官だから間違いない。