悪魔と踊ろう

犯人は警察幹部の親類だった。身内をかばう獣道で、犯人を割り出した警察官は、ミミズのように蒸し込まれた。ここは日本か?  

動く死体

2013年12月21日 17時54分18秒 | 荒雑録
                        動く死体           

 
 数年前に完成したトンネルの出入り口に、派手なベンチやイスが置かれている。
夏は山から~トンネルの中へ一日中~涼しい風が吹き抜ける。風が止んで凪ぎに成ることはない。

トンネル内は、自然のクーラーである。

冬は、トンネルの口から少し山際の窪みのコンクリートに太陽が当たり、周りは無風になるから一日中温かい。

トンネルの出口は、自然の掘りゴタツの様だ。

~数十億かけた地元の人間しか通らない “老人憩いの場” だと、悪く言う人もいるが

 南国土佐の過疎地の山間部には、どこかに高齢者の溜まりが有るもんだ。
ほとんどの溜まり場は、バァ~さん(女性)が牛耳っている。

男は溜まり場に来るまでに、墓へ行くようだ。
昔々から姨捨山(オバステ山)は有っても、オジ捨て山は無い。


溜まり場の話題は~なんでもアリ
まず体の健康~病気~韓国ドラマ・恋愛編~・・・どうでもいいから毎日おしゃべりができる。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長生きの秘訣だ。

が、最近いつもの常連が来なくなった。
からだのグワイが悪いと聞いていたから病院だろう~と言いながら~病院でも会わない。

一人暮らしのバァ~さん・・・溜まり場の連中しか話題にはしない。子供は県外だ。

よくあるパターンに落ちがつき~二度三度~おかしいと、話題になった後~ご近所へ連絡した。

冬の高齢者は家に籠(こ)もる。
竹の下に龍がいると~住家から外に出ず、中で髑髏(ドクロ)を巻く。

連絡を受けた住民は、鍵がかかってない玄関から三歩中に入ると即~警察へ連絡した。
腐敗臭がして~奥の居間で寝ているようだが、いくら声をかけても返事が無い。

    座敷までは、入りたくない。・・・悲壮感漂う高齢者の慌てふためいた
                            ・・・・・~入歯なし~の声だった。



 高知県では珍しい事ではない。
子供や孫は県外へ~老後は必要最小限の小さな家で、一人暮らしをする高齢者はいくらでもいる。

選挙になれば、必ず立候補者が理想論をトウトウと述べ、得票の荒稼ぎをする対象だ。
クソにもならん屁理屈が玄関の下駄箱の上に~一年前の選挙戦に配られた立候補者の名刺が二枚あった。

玄関から三歩で上り口~その先は、台所兼居間で奥に寝室がある。玄関から全てが見える範囲に~・・・
畳や床には、ゴミや小さな魚の骨か?夏の扇風機もそのまま~なにもかも放り出している。

・・・トイレのドアも開いたままになって~掃除なんかやってない様だ。

炊飯器は保温のまま~中に一合半位の飯が、黄色く変色しながら干からびていた。
まぁ~老人ボケが進行中の高齢者・一人暮らしは、こんなもんだ。

ガラス窓にピッタリくっつけてベッドを置き、老婆と思われる髪の毛が見えるが、
カーテンを閉めているので暗くて良く見えない。

髪の毛のすぐ下は、電気モーフ~温度は高い・・その上に布団。深く布団をかぶった様だ。

額の一部が見えるが、一部は白い。
白色とは白骨だろう~一部~白骨化。

胸のあたりまで布団や電気モーフを下げ見分していたが、腐敗臭がますますきつくなり
カーテンを開け、窓を開けようと~老婆の上から前かがみに~手をのばした途端

老婆が着ていたパジャマの胸の箇所が、ビクビク動き出した。
薄暗い窓際で、一部白骨化した美人の胸がビクビク動く?

この時、私の顔は美人の顔の上だった。

いくら~普段から死体を取り扱っていても、腐敗臭と一緒に胸が動かれたら~さすがにドキとした。
腐った死体が動いた。~瞬間~そう思った。

しかし~そんなはずはない。
動いた胸付近の衣服のボタンを外すと、下から太った“ウジ虫”が次から次から~わいてくる。

体の上にある電気モーフは、スイッチオン(高温)のまま~これではウジ虫の巣になる。

布団と電気モーフを除け、カーテンを開けたとたん温度と空気の流れが変わり、ウジ虫が騒ぎだしたのだろうが
顔の一部が白骨化している死体が、突然動きだしたと思い驚いた一瞬だった。


電気モーフは、暖かく冬場は重宝するから、高齢者は使っている人が多いが
自分の体で体温調節が取りにくくなるので、寝る前に電気モーフをオンにして温めた後

スイッチを切るか低温に設定して、就寝するのが良いようです。
高知県の様な過疎地には、この様な変死が、今後ますます増えるでしょう。

まったく、どうしようもない現象が確実に蔓延する一方で、選挙のたびに理想論が大きくなるようです。






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