3.まとめ

2008年06月25日 | 百里シンポジウム

 最後に結論として、私自身が考えますことを、2つ申し上げたいと思います。

 一つは、情報革命の時代に合わせて、空港利用促進に地域住民をどう参加させるかということです。私も、今、NPOを2つ、室蘭と洞爺で作っているのですが、つくづく思いますのは、地域独自のデータを持つことです。数値データを地域住民と共有することです。また、それを地域住民に知らしめるための組織が大事であります。

 地域住民の参加を得た、その次が、地域の政策能力を嵩めることです。ちょっと言葉が過ぎるかもしれませんが、戦後から今までは、霞ヶ関が中心になって航空・空港政策を作ってきましたが、その流れは、もう終わっている。皆さんが一所懸命努力しているがごとくに国の一元管理の時代は終わったのです。その時に、地域をどれだけ知っているのかが重要で、皆さんしかいないわけです。地域を知っている人が施策を作り、それが一般化すると制度化され、日本中のルールになっていくわけです。  

 他の一つは、アイルランドのシヤノン開発株式会社の話の中で申し上げましたが、競争であります。連携という言葉を使えばいいのかもしれませんが、私は、むしろ競争だろうと思います。競争というのは、もう一度シヤノン開発の方の言葉をそのまま申し上げますが、「地域に工場がある」ではダメなのです。「世界に通用する技術を持っている人がいる」ことなのです。地域開発をするということも、ICを作るということも、人づくりからなのです。シヤノン地域の人々がフィリピンのスーピックまで教育をしに来ているのです。

 皆さん、地域の方々が中心になって、自分たちの地域をよく見て施策を立案し、その中に世界に通用する技術を1点見つければいいのです。そこをグーッと広げて、地域住民にそれを説得すればいいのです。空港は情報を運んできてくれません。情報は自分たちの地域の中になければいけないのです。

 これからの日本が迎える社会は、少子・高齢化が進展し地方部の衰退がはじまります。地域が自らつぶれることは決してありません。しかし、競争によって周辺地域に人口が吸い取られてつぶされることはあるのです。地域間競争に打ち勝つために地域の航空・空港を、これから、どういう形で地域に結びつけていくかこれが重要です。

 つたない話でありましたが、小川町、玉里村、玉造町が一体となって、百里飛行場の民間共用を堆し進め、地域が発展にされますことを、切にお祈りいたします。ご静聴ありがとうございました。


『KURENAI プロジェクト』の3安

『KURENAIプロジェクト』ブログは、「百里シンポジウム」での過程、「整備街・牧場・公園」の構想、有志の動きを随時掲載し、『IBARAKI』といえば「安全な空・安心な食・安らかな体」という3つの安を日本全国、アジア、世界に発信します。  この動きがまちを考える人達に勇気を与え、それぞれが動く事で発展していくことを希望します。