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『真田丸』最終回 夏草に見た夢

2016-12-20 11:56:31 | 大河
2016年大河『真田丸』最終回のざっくりあらすじ&ネタバレ感想のようなものまとめ。




兵どもが夢の跡



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■めでたい~おぬし~♪


いよいよ火ぶたが落とされた大坂夏の陣。
明日は決戦。

と、その前に。


ダメ田十勇士の皆さん、何をしているのwww

この人たちさあ!
夕方のあさイチスペシャル(18日放送)のあとに
「三途の川をこれで渡って、皆で宴の続きをしよう」
って言ってたんだよおおお……

まさか本編に出るなんてなあ……(号泣




■「お」


徳川のスパイは「う」だけじゃなかった。



もう一人の間者、「お」大角与左衛門。
秀吉に妻子を奪われた過去から、豊臣を恨んでいました。

太閤殿下なあ…
きりちゃんのこともやらしい目で見てたもんなあ…


佐助が与八の遺体を確認し、幸村が突き止めるのですが、その場で自害。


なんとも不敵な笑みが、ぐぬぬぬぬ。


■蝉PTSD


幸村さん、鎧をつけてスタンバイ。

ミーンミンミンミンミンミンミン……
ミーンミンミンミンミンミンミン……



「私という男がこの世にいた証を何か残せたのか」


「人のまことの値打ちというものは、己が決めることではございません」
「誰が決める?」
「時でござる」


ミーンミンミンミンミンミンミン……
ミーンミンミンミンミンミンミン……



「戦国の世に義を貫き通し、徳川家康と渡り合った真田左衛門左幸村の名は、日の本一の兵として語り継がれるにございません」
「どんな終わりを迎えてもか」
「大事なのはいかに生きたかにございますゆえ」


49回「幸村」できりちゃんが言った(というか投げつけた)
「今まで何をしてきたの?何を残したの?」
に呼応するやりとりです。


ミーンミンミンミンミンミンミン……
ミーンミンミンミンミンミンミン……


季節外れの蝉にせかされるように、幸村は「せわしなく鳴いてくるとするか」と小さく笑うのですが。

いや蝉の鳴き声はあかんて。
蝉はあかん。


蝉はあかんよ。

平清盛PTSD的な)

だってほら、長いこと土の中で過ごした末にようやく日の光を浴びたけれど。
でも過ごすのは短い短い夏。
慌ただしい7日間が過ぎたら地面にポイって。
それこそ茶々様が団右衛門を見たときのような。

やっぱり蝉はあかん。



■ひとりひとりの思いとの戦い


秀頼は総大将として現場に出てきてほしい。
それが勝つための必要条件なのだから、と豊臣方が動き出すそのころ。

秀頼公が出てこられたら色々と厄介な徳川方。



悩めるヤッスに本多正純の策が炸裂。
幸村が寝返ったって噂流しちゃえばいいんじゃね?って。

又兵衛のときと同じ、相手の中での不信感を募らせる心理戦。
38回「昌幸」でパッパが遺した「ひとりひとりの思いとの戦い」がまさかこういう意味になっていたとは。


(正純さんと秀忠さんって似てるよね)



■勝永様に挨拶し隊


幸村の陣にて。


荒ぶる勝永様こんばんは!!

まだかよ遅いよ、何してんだよ、ってグダグダしているところに、毛利隊が徳川に攻撃を仕掛けたとの一報。


荒ぶる勝永様いってらっしゃい!!



■わい、大助贔屓


「ところで秀頼公マジで何してんの、ちょっと大助様子見てきて」と幸村が大助を大坂城に向かわせようとするんですが。


「大助は父上のそばにいとうございます」

大助ええええ……
あんた本当にお父さんのこと大好きで……
その目、その目、若い頃の信繁じゃん……


「父上と共に戦いとうございます」

やっぱり若い頃の信繁だ。
そうだよねえ、お母さんから「父上をお守りするように」って言われてたもんねえ……。
男の子だもんねえ……。

45回「完封」の高砂のシーンでも思いましたが、
浦上晟周(せいしゅう)さん、意図的に堺雅人さんに寄せてるなあって。
『真田丸』で初めて拝見した役者さんなのですが、今後の活躍が楽しみな俳優さんです。


それでも大助を大坂城に向かわせる幸村。

 
そうか、これが親子が話す最後になるのか。



■はったりに笑い、はったりに泣く


だから本当に秀頼公は何してるの?
あなた来なかったら勝ち目ないんですけどわかってます?
とヤキモキしているころ。


大角与左衛門、生きとったんかわれえ。
自害したんじゃなかったんかごら。



って大蔵卿局も与左衛門のはったりを信じるんじゃないよおおお。

秀頼公も決断したんだからもう。
それじゃ昨日が今日でも今日が昨日でも変わらない毎日エンドレスループだし、いつまでたっても明日には行けないよ。

大角与左衛門の自害はハッタリだったわけですが。

ハッタリが家風でハッタリで勝ってハッタリで生き抜いてきた真田が、ハッタリにやられる。
なんとも業が深い。




■源次郎様はもういない


毛利隊が真田信吉の陣に迫ります。
この後考えられる幸村隊との衝突にこの表情の茂誠様。



思えば1話、御屋形様の前で木戸を閉めた茂誠様の表情がとても印象的でした。

信政は毛利隊にいったん引き下がるのですが、問題はそのあと。
茂誠様から厳しく叱責された信政。

 

信吉からのフォローが入るも、陣を飛び出してしまい……
信政の家臣でもある三十郎が慌てて追いかけた先には……

 
源次郎様がいた。


三十郎に構わずに、去っていくその背中は振り返ることはありませんでした。
それは真田左衛門佐幸村。


あの日の源次郎様はもういない。


ここで『真田丸メインテーマ』がかかるわけですが、三十郎と源次郎のシーンって初回の冒頭のシーンでした。
この時と同じ「源次郎様~!!!」と三十郎が大声で呼んでいるシーンの後、赤備えで走り抜ける『幸村』のカットが入ります。

 

高木さん演じる小山田茂誠、迫田さん演じる三十郎。
初回で強い印象を残した2人に、最終話でこうした回収がなされるとは。



■燠火が燃え上がる瞬間


三十郎の声を振り切るように、幸村は進みます。


この荒野に映える赤が美しい。


「信繁は家康のいる本陣へとまっすぐ突き進んだ」


「目指すは家康の首ただひとつ!



それは、燠火が燃え上がる瞬間。



■絶対に笑ってはいけない伊賀越えリタ―ンズ


 
怯えるヤッスに迫る幸村。

 
なんとまあ躍動感あふれる大坂の陣。

まさかの伊賀越えまで伏線だったとは。


ただ伊賀越えと違うのは、それは帰り道ではなく戦場ということ。



伊賀越えを超える危機的状況に、家康はいよいよ切腹を覚悟する、の、ですが……



■この機を逃すな有働砲爆弾


明らかに豊臣方が有利だった状況。
だった、の、です、が。


「この小さな行動が歴史を変えた」

有働砲えげつないよ!!!!!!

何があったかというと、「秀頼公遅い!ちょっと様子見てくる!」と怒った大野修理が、大坂城に呼びに行こうとするんですね。
そのときに例の旗印・千成瓢箪を持ったまま戻ってしまった。
そもそもその千成瓢箪、雑兵たちに秀頼公がいるように見せかけるためのものだったんですが。

それを持って帰っちゃだめでしょうがあああああ!!!!
修理殿何やってんのおおおお。


さらに、ですよ。

「あれ秀頼公大坂城に帰った?」とかんつがいした雑兵たちも戻ってしまう。
その様子を見ていたヤッス。
「これはもしかして」と気づきました。


「この最後の戦国武将は、戦には流れが変わる瞬間があることを知っていた。」
「彼は決してそれを逃さない。徳川軍の反撃が始まった」


有働砲ううう、えげつねえよおおお。




■真田のために


大坂城に迫る徳川軍。
応戦する豊臣方。



内記ぃいいいい……。



作兵衛えええぇぇ……。


 
内記も作兵衛も倒れました。
最後まで、真田の家臣として。


それにしても作兵衛強い。
弁慶立ちの清盛倒れ。
さすがだよ元忠清の作兵衛。




■真田家の次男坊


炎上する大坂城。
そこを脱して、千姫を秀忠の陣に送り届ける途中のきりちゃん。
その目に映ったのは、


「源次郎様…」

駆け抜けていくその姿に何を思ったのか、きりちゃんは多くは語りません。



「きりちゃんは歴史の象徴なのではないか」
40回「幸村」で書いたのですが、このときも「時代を駆け抜ける真田幸村」を目撃したのではないのでしょうか。



■今だって愛と勇気の旗を掲げていいんだ。





徳川家康と真田幸村。

 
幸村は馬上筒を突きつけます。

 
「殺したいなら殺すがよい。されどわしを殺したところで何も変わらん。徳川の世は既に盤石。豊臣の天下には戻らん」

 
「戦で雌雄を決する世は終わった!おぬしのような、戦でしか己の生きた証を示せぬような手合いは生きていくところなどどこにもないわ!」

 
「そのようなことは百も承知。されど私はお前を討ち果たさねばならぬのだ。我が父のため、我が友のため、先に死んでいった愛するものたちのために」

この一連の幸村と家康の言葉と表情と色が焼き付いてしまった。



なんだか異空間で対峙しているみたい。
この世のものとは思えない幸村と家康。



幸村の言葉にある通り、父も友も皆そこにいたのかもしれない。

不思議な光景に目を奪われました。


だってほら、刀身に緑と赤が映り込んでこんなに美しい。




■逃げるは恥だが


夢のような光景を打ち破ったのは、将軍・秀忠でした。


「逃げるは恥だが最後は俺が勝ーーーつ」

星野源てめええええええ!!!!




■時代の終わり、見果てぬ夢


戦う源次郎を見ていたのは、上杉景勝と直江兼続、伊達政宗。

 
「さらばじゃ、源次郎」
「戦は終わり申した」


高台院様(寧様)と片桐さん。

 
「全ては夢のまた夢」

みんなが夢見た覇者への道。
その時代が終わろうとします。



■旅路の末に


安居天神で傷ついた身を休める幸村。


もうすぐ旅が終わる。
長い長い旅。


最後の一突きは父の教え。
源次郎が、昌幸に見えた。

 
あの日の六文銭を手に、川の向こう側へ。

 
目を閉じて空を見上げる源次郎が勝頼様に見えた。



■生きた証


千姫を秀忠の陣に送り届けたきりちゃん。

 
千姫の笑顔と、家康、それから秀忠の表情にどこか救われました。



きりちゃんもどうかそうであってほしい、とも。
きりが生きた証はここにある。




■同じ日に死ぬその日まで


炎上する大坂城。

 
大助、修理、大蔵卿局。
そして秀頼と茶々。


望みを捨てなかったものにだけ開ける道。

清々しい茶々の表情は、「日の本一幸せな女子でした」と言っているようにも見えて。(19回「恋路」

そこにあるのは絶望じゃなくて喜びだったんでしょう。
たとえ「同じ日に死ぬ」ことになっても愛した子がそばにいる。

秀頼も、幸村も。
その日までは確かに生きた。


生死を超越した不思議な存在でした。




■真田丸


全てが終わって、大坂でのことを知るののは信之。
偶然ながら隣にいたのは本多正信でした。

 
豊かな自然、農作物、領民たちの笑顔。
国づくりの基礎を目の当たりにする信之。


六文銭が鳴って。



「三途の川をこれで渡って、先に向こうで父上と宴の続きをしております」
そんな幸村からの声が聞こえるようで。


でもまだ信之にはやり残したことがある。

15回「秀吉」での昌幸の言葉を想いだします。
「だがいずれ世の中も落ち着く。そのときこそ源三郎の出番じゃ。荒れ果てた土地を再び耕し、国を立て直す。その時こそあやつの力が役に立つのじゃ。あの生真面目さがな」

空の上から昌幸たちの笑い声が聞こえる。


「これより7年後、真田信之は松代藩10万石の大名となった。そして幕末、松代藩は徳川幕府崩壊のきっかけを作る天才兵学者・佐久間象山を生み出すことになるのだが、それはまだ遠い先の話である」

物語は続いていくんだ。

それにしてもナレ倒幕っていう有働砲、最後にして最強の一撃。




■終わった……




終わっちゃいましたね。

いやあ、みんなかっこよかった。
生きてる人ってかっこいい。


大河ドラマは初めてのレビュー完走。
というか戦国大河の視聴完走も初めてか。

『真田丸』 最終回に今思うこと。←こちらにも書いたのですが、
ファンタジー要素、ホラー風味、コメディ感…色々ひっくるめて『歴史の重み』を感じました。
人間の側面が描かれたのがとにかく面白かった。

『真田丸』はドラマです。
描かれた「歴史」は、厳密にいえば違うものかもしれません。

でも、本当のことなんて誰もわからないじゃないですか。
わかってることより、わからないことの方が多い。


だからこそ面白い。

本当のこと知ってる人なんて、それこそ当時にタイムスリップしたような人でしかない。
文献史料や出土遺物をにらんで、「こうだったじゃないかな」「ああだったんじゃないかな」って考えをめぐらせる。
それが面白い。

1年間、すてきな番組をどうもありがとうございました。




当真田丸エントリーも1年間ご覧いただきどうもありがとうございました。
最初は視聴備忘録のつもりではじめたものでしたが、日に日に前のめりにはまっていってしまい……

毎度長文になってしまい本当にもうこの子は。

しかし『平清盛』のステマをしまくったことは一切反省は致しませんのであしからず。
あっそうそう、CSのチャンネル銀河で『平清盛』再放送やるよ。

【歴史好きの中ではNo.1大河との呼び声も高い隠れた名作】大河ドラマ「平清盛」2017年2月20日(月)よりCS初放送決定!

丸ロスのおのおのがたに、ぜひ清盛をオススメしたい次第。
なんで清盛清盛言ってたかがわかるはず。



『真田丸』もトゥギャッターの残りとか、あとまだいろいろまとめが草稿中。
ここまで乗り切った船、最後にゆっくり休めてあげたいと思います。
まとめページに載せますし、ツイッターで告知をする予定ですので、どうぞよしなに。

さあ2017年大河ドラマの『おんな城主直虎』。
神作のビハインドには定評のある森下佳子脚本。


ぞくぞくと情報が上がってきて楽しみな次第です。

 

井伊の赤備えが、大坂に至るまでの物語。
源次郎と内記、真田の人たちみんな一息ついて楽しんでくれてるといいな。





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4 コメント

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一年間楽しませていただきました (けい)
2016-12-20 22:32:58
初めまして。
真田丸にはまり、いろいろネットサーフィンしていてゆずずさんのブログにたどり着きました。
毎回レビュー記事楽しませていただきましたし、
ゆずずさんの鋭い洞察で、録画の楽しみも倍増でした。
毎週の楽しみがなくなるのは寂しい反面、そこまでのめり込んでいろんな角度で見ることができたので、最終回は清々しい思いで見届けることができたと思います。
素敵な作品を届けてくださったスタッフや役者さんたち、そして直接話したことはなくても一緒に楽しんできた視聴者の皆さんには感謝の思いでいっぱいです!
完走お疲れ様でした。
ひとこと、御礼まで。
返信する
ありがとうございました!! (もーりー)
2016-12-21 18:51:33
今まで毎週ひっそりとブログ読ませて頂いておりました。

真田丸を観た後はいつも更新が待ち遠しく、お陰様で今年の大河は何倍も楽しむことができました(*^^*)
どうしてもお礼が言いたく、こちらにコメント書かせて頂きました。ありがとうございました!
返信する
わたしも (あーせ)
2016-12-23 13:44:27
毎週コッソリ覗いていました^^*
ゆずずさんのブログのお陰で、また違った角度から見ることが出来て楽しかったです。
対比であったり、呼応していたりなど、自分1人で見る物語とは違う厚みを与えて下さっていたことに感謝です。
終わってしまって寂しいです、ほんとに…
清盛は見ていませんでしたが、DVD見てみようかな、ゆずずさんの解説とともに^^*
返信する
レビューお疲れ様でした。 (ようこ)
2016-12-23 16:59:45
真田丸では誰も川や海に投げ込まれなかったけれど、個人的にはげんじろを時々井戸に放り込みたくなりました。
中年俳優が老人役をやるとコスプレぽくなりがちですが、さすがは内野さん、おじいちゃんになりきってました。「またしゃなだか!」もう聞けないんだなあ。

一つだけ、げんじろがヤッスを「おまえ」呼ばわりしたところに違和感を覚えました。
愛するにしろ憎むにしろ、げんじろって、他者にあまり強い感情を持たないキャラに思えたので・・。
ヤッスを何としてもヌッ殺したいと言うより、「拳を降り下ろす所」が他に無かったという印象でした。
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