Cinema Cafe ~シネマ・カフェ~

ようこそシネマ・カフェへ
あなたの観てない映画探せます
どうぞ、ごゆっくり

パラノーマル・アクティビティ2

2011-10-06 | 洋画(な・は)
 パラノーマル・アクティビティ2


  あらすじ 
アメリカの小さな町に住むダニエル一家が外出先から帰ると、
家が不審な侵入者によって荒らされていることに気付く。
何故か盗まれたものはなかったが、不安が募るダニエルは、
何台もの固定されたセキュリティ用の監視カメラを設置する。
だがその初日の深夜、リビングのカメラに映ったのは、不気味
な大鏡、何モノかに吠え続ける犬、そして眠らない赤ん坊。
やがて、超常現象は日ごとにエスカレートし、やがてカメラ
は衝撃の映像を捉えるのだった…。

【出演】
ケイティー・フェザーストン
スプレイグ・グレイデン
ブライアン・ボーランド
モリー・イフラム
ミカ・スロート




  感想  ※ネタバレ注意

製作費15,000ドルで作られた『パラノーマル・アクティビティ』の
続編となる本作。
続編ではあるものの、物語としては『パラノーマル・アクティビティ』
で描かれる事件の前に起こった事件が描かれている。

本作の主人公・クリスティは、前作の主人公・ケイティの妹
ということで、ケイティや彼女の恋人・ミカも登場し、彼らの
運命も示唆されている。



残念ですが、これは完全に失敗作だと思います。
前作でモキュメンタリーとして、ビックリもののホラーとして
完成度が高かったのはわかりますが、人物が変わっただけで
続編もまったく同じです。
いや、まだ前作の方が怖かったと思います。

一応「1」の裏付けにあたる作品になるみたいですね。
「1」の時の登場人物が出てきます。おそらく「1」の時
のクライマックスにつながっているようなのです。

しかし、「1」へ繋がる前日談として描かれているのだが
結局ここでも、超常現象は何なのかわからないままに終わって
、一応続編に繋がる方向のようです。

きっと、次の作品も同じ手法でやるんですかね。
中身がほとんど変わらないような展開と内容なら、続編を
出し続ける必要もないと思うんですが。
新しい手法か展開でもない限り、次は観ないでしょうね。


【評価】
 (3.5点/5点満点中)

 パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT HP

マザーウォーター

2011-10-05 | 邦画(ま・や)
 



  あらすじ 
街の中を流れる大きな川、そしてそこにつながるいくつもの
小さな川や湧き水。そんな確かな水系を持つ、日本の古都、
京都に三人の女たちが暮らし始める。
ウイスキーしか置いていないバーを営むセツコ、疎水沿いに
コーヒーやを開くタカコ、そして、水の中から湧き出たような
豆腐を作るハツミ。
芯で水を感じる三人の女たちに反応するように、そこに住む
人たちのなかにも新しい水が流れ始める。
家具工房で働くヤマノハ、銭湯の主人オトメ、オトメの銭湯
を手伝うジン、そして“散歩する人”マコト。
そんな彼らの真ん中にはいつも機嫌のいい子ども、ポプラがいた。

【出演】
小林聡美
小泉今日子
加瀬亮
市川実日子
永山絢斗
光石研
もたいまさこ




  感想  ※ネタバレ注意

京都を舞台に、健気に自分を見つめながら暮らしていく男女
7人の姿を描く群像劇。



『かもめ食堂』のスタッフとキャストが再集結し、自由に生きる
女性たちを温かく描く。バーを経営するセツコ、コーヒー店を
営むタカコ、豆腐屋を開いたハツミ、そして、散歩する女、マコト。

とにかくこの映画は、音楽で言うところのBGMのような映画。
銭湯の主人オトメ、オトメの銭湯を手伝うジンとその赤ん坊の
謎は見え隠れするが、結局謎のままに終わるという、本当に観て
いるとぽかぽかするというか、バックで流していても気になら
ないというか、そういう映画である。

豆腐屋で豆腐を買って、豆腐屋の軒先で豆腐を食べたり、いつも
と少し違うことをすることで、違う発見が見えてくるのは日常の
小さなことでも、何だか色んな発見があるんだよと教えてくれて
いるように思えてくる。

監督は、あの『かもめ食堂』『めがね』でメイキングを担当していた
松本佳奈という人で、やはりフードスタイリストには飯島奈美が
料理制作を担当している。
この人が作る料理は『南極料理人』でもそうだったが、本当に
おいしく出来ているというか、撮る側もうまいというか、この
人の映した映画を観た時は、ご飯とお味噌汁が食べたくなります(苦笑)。

面白い展開はないにしても、忙しい喧騒から離れてゆっくりと
過ごしたい方におすすめです。
「今日も機嫌よくやんなさいよ」という声が今も聞こえてきそうです。




【評価】
 (3.8点/5点満点中)

武士の家計簿

2011-10-04 | 邦画(な・は)
 



  あらすじ 
江戸時代後半。御算用者(会計処理の専門家)として、代々
加賀藩の財政に関わってきた猪山家。八代目の直之は、
生来の天才的な数学感覚もあって働きを認められ、めきめき
と頭角をあらわす。これといった野心も持たずただひたすら
そろばんを弾き、数字の帳尻を合わせる毎日の直之にある日
、町同心・西永与三八を父に持つお駒との縁談が持ち込まれる。
自らの家庭を築いた直之は、御蔵米の勘定役に任命され
るが、農民たちへのお救い米の量と、定められていた供出量
との数字が合わないことを不審に思い、独自に調べ始める。
やがて役人たちによる米の横流しを知った直之は左遷を
言い渡されるが、一派の悪事が白日の下にさらされ、人事
が一新、左遷の取り止めに加え、異例の昇進を果たす。
だが、身分が高くなるにつれ出費が増えるという武家社会
特有の構造から、猪山家は出費がかさんでいく。
すでに父・信行が江戸詰で重ねた膨大な借金もあり、直之
は“家計立て直し計画”を宣言。
それは家財一式を処分、質素倹約をし、借金の返済に充てる
という苦渋の決断だった。

【出演】
堺雅人
仲間由紀恵
松坂慶子
草笛光子
西村雅彦
伊藤祐輝
藤井美菜
大八木凱斗
中村雅俊




  感想  ※ネタバレ注意

磯田道史の『武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新』を
原作に「わたし出すわ」の森田芳光監督が映画化。
江戸時代後期、激動の時代を世間体や時流に惑わされることなく
、慎ましくも堅実に生きた武士家族を描く。



昔の人にこういう人がいたと思うと何だか面白いですよね。
先人たちは、謙虚に、堅実に、筋の通った生き方を実に日本人
らしいといいますか、そんな姿を見せられたように思います。
現代の日本人も見習ってほしいことがたくさんあります。

そんなきっちりとしたそろばん侍を演じたのは、堺雅人。
彼はこの役にぴったりでしたね、その妻役に仲間由紀恵。
何より脇を固めた俳優陣が面白いです。
松坂慶子演じる母・常が財政の厳しい家計を助けるために
自分の大事にしていた着物を売らなければならなくなり
駄々をこねたりするのが、何とも可愛らしいというか(苦笑)。
それに父・信之がまた良いキャラしているというか。

倹約を続け、歳月が過ぎるにつれ、家族が亡くなっていき
そんな葬式の日にもそろばんを打つ父に、嫌気がさしていた
息子の成之。
しかし、そのそろばんによって、自分が助けられる事に
なったり、父の貫いてきた誇りに気付く辺りから、猪山家
がそろばん侍として、どのような位置で、先を見通して
いたのかがよくわかる。



作品自体はコミカルで面白く、一本筋の入った良い作品です。
ただ、物語があまりにも淡々としているといいますか、
せっかく良いキャラを出している俳優陣たちがいるので
もう少し面白おかしく、1つ1つの物語を掘り下げてみせて
くれたら、もっと良い作品になってたんじゃないでしょうか。

それでも、今の多くの日本人に足りないものは十分伝わる。
どんなに倹約しても、妻を大事にし、子供が産まれる時に
栄養の高いものを買ったり、必要な時に、必要なものを
うまく選んでいたのは、普段から家族に愛情を注いでいて
何が必要なのかをわかっているからでしょうね。


【評価】
 (3.8点/5点満点中)

 武士の家計簿 HP

ガリバー旅行記

2011-10-03 | 洋画(あ・か)
 



  あらすじ 
ニューヨークの新聞社で郵便係として働くガリバー。
うだつのあがらない彼だが、5年間片思いしている旅行記者の
ダーシーからバミューダ・トライアングルの取材を持ちかけ
られ、取材旅行に行く事に。しかしバミューダ沖で嵐に遭遇
した彼は、中世風の衣装を着た小人たちが暮らすリリパット
王国に流れ着く。一度は囚人として捉えられた彼だが、その
体の大きさを活かして敵国の襲撃を蹴散らした事から、英雄
として扱われるようになる。

【出演】
ジャック・ブラック
ジェイソン・シーゲル
エミリー・ブラント




  感想  ※ネタバレ注意

ジョナサン・スウィフトが1726年に発表した小説「ガリバー旅行記」
を現代風にアレンジした本作。



誰もが知るあの「ガリバー旅行記」をコメディタッチにアレンジ
した作品。主役を演じるのは、ジャック・ブラック。
あのガリバーをジャック・ブラックがどのように演じてくれる
のか想像しただけでも面白い。

でも想像し易い反面、思ったとおりの展開と内容なのがちょっと
物足りないと思いました、小さい子供と一緒に観るにはちょうど
良い内容で十分楽しめます。

ボクとしては、漂流してひょんな事から英雄になったガリバーが
ある事ない事を、有名なあの映画に準えて自分の物語にして
しまうところが面白かった。
「スターウォーズ」や「タイタニック」が面白おかしくガリバー
に調理されているのは、楽しかったです。

小人の国リリパット王国を現代のニューヨーク風にしてしまう
ところとか、手先の器用な民を自分の手足のように使って
思い通りにしていくガリバー。
ジャック・ブラックというキャラから何だか許せてしまうのが
不思議です。

現代ではしがないメール係だったことから、英雄として暮らす
王国生活に優越感を覚えるわけですが、いつまでもそのままと
いうわけにはいきません。
邪魔するものが出てこなければ面白くありませんからね。
そして登場するのが、まるであの「アイアンマン」にそっくりな
ロボットだから、最初から最後までパロディ全開で笑うしか
ないです(苦笑)!




【評価】
 (3.8点/5点満点中)

 ガリバー旅行記 HP

カラフル

2011-10-02 | 邦画(あ・か)
 



  あらすじ 
天上界と下界の狭間。死んだぼくの魂が漂っている。
そこにブラブラという天使が現れ、話しかけてくる。
“あなたは大きな過ちを犯して死んだ罪な魂ですが、もう一度
下界に戻って再挑戦するチャンスが与えられました。そして
自分の犯した罪を思い出さなければいけません”。こうして、
ぼくの魂は、自殺して息を引き取ったばかりの“小林真”と
いう名の中学3年生の体に入り込み、“小林真”として生きる
ことになる。生き返った真を囲んで、幸せそうに見える家族。
しかし、その裏では一人一人の思いがすれ違っていた。

【声の出演】
冨澤風斗
宮崎あおい
南明奈
まいける
入江甚儀
藤原啓治
中尾明慶
麻生久美子
高橋克実




  感想  ※ネタバレ注意

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」
「河童のクゥと夏休み」で不動の地位を築いた原恵一が、
森絵都の同名小説を映画化。自殺した中学生の体に乗り
移って蘇ったぼくが、その中学生として生きる中で、人生
を見つめ直していく。



直木賞作家・森絵都の同名小説をアニメ化。大きな罪を犯した
という“魂”がホームステイすることになったのは、成績も
クラスで最下位、友だちもおらず、放課後に美術部で絵を描く
だけが楽しみの小林真という少年。
ブラブラより言われたのは、生前の自分の罪を思い出すこと。

はじめは良い家族に見え、真がなぜ自殺したのか疑問に思って
いたが、次第に家族が抱える苦悩が見えてくる。
祖母と不仲で、不倫していた母親、能天気で人がイイだけが
取り柄の父親。自分に興味のない成績優秀の兄。
それと、真の自殺の原因が、密かに思いを寄せていた後輩の
ひろかの援助交際にあった。

真となって家族や学校で、様々な事を知る内に、嫌気がさして
いくのだが、初めて出来た親友や家族の心の奥に触れていく
ことで、真としてどう周りに接して、生きていくのか、ブラブラ
から言われた修行の意味を考えはじめる。


中学生特有の悩みや、多くの中学生が人生ではじめてぶつかる
進路の壁や友達関係の悩み、中学生と言えば、繊細な時期で
ちょうどボクも同じような悩みを持っていた。
生と死について深く考えたのもこの時だったように思う。

おそらく中学生の子供がこの作品を観たら、自分たちを見て
いるようで気恥ずかしくなるんじゃないだろうか。
でもこの歳になって観ると、それは甘酸っぱいような、大切
な思い出として、今はある。
友達とチキンと肉まんをわけあうシーンなど、漠然とした
未来の不安を抱きながら、手探りのまま進む。
そうやってみんな大人になっていく。

途中、廃線になった路面電車を巡る旅から親友になり、次第に
本当の自分に気づいていく展開は、今はない画面いっぱいに
映る廃線の美しさは情緒的で、なぜか観るものの心に触れるもの
がある。
映画の作中で、色んな色があって人はみんなカラフルでいい
というタイトルでもあり、この作品のテーマ、人間が生きる
ことに必要なテーマに気づく。
このテーマをじっくりと、最終的には重みのあるものとして
この作品は教えてくれる何かがあるとボクは思った。


【評価】
 (4点/5点満点中)

 カラフル HP