アルハラ

自分が、被害者にも加害者にもなり得た可能性のある事件・事故と
云えば、アルコールハラスメントによる多量飲酒事故だ。

３８数年前、私が入った考古学倶楽部は、恐ろしい程酒を飲む
倶楽部だった。
主に夏休み、春休みに発掘調査の手伝いに行くのだが、だいたい
発掘現場は田舎のことが多く、夜の楽しみは「酒」しかなく、学生
の癖に、所謂「アル中」の先輩がいた。

歓迎会でも学園祭でも、日本酒を丼で飲むのだが、イッキ飲みの
掛け声はなかったが、全員が見守る中で、男VS女の１対１の飲み
比べ勝負が必ず行われていた。

どう云う訳か女性に酒豪が多く、負けた男達が部屋の隅で数人
ダウンしていた。
学園祭の時だった。Ｙ（男）がトイレに行って戻って来ないこ
とに誰かが気づき、探しに行くと、便器の中にもどした自分の
吐瀉物の中に顔を突っ込んで、ダウンしている。

同級生と２人で、徹夜で泊り込んでいる展示室（教室）まで両腕
と足を持って運んでいる途中、Ｙが「ウッイ」と云う嗚咽とともに
両腕を持っている私の腕に、大量のゲボをかけた。

私が咄嗟に腕を放したためＹの後頭部は、階段の角で「ゴツン」
と鈍い音を立てた。
この部では、飲み会のたびに、このような事件が頻発していたが
幸いなことに、このような環境でも死亡事故は起きなかったことは
ただ幸運だっただけだと、今は思う。

先日の中国新聞にもアルハラの特集があったが、この１０年間で
大学生の急性アルコール中毒による死亡は１９人らしい。
その記事の中でも「お酒を拒否できない状況をつくること」を強く
戒めています。

今年大学生になった子を持つ親としては、少しだけ心配になる。
可愛いいわが子が、こんなつまらない事故で亡くなってしまっ
たら、どんだけ情けないだろうか。

そして、酒を強要し後輩を殺してしまった先輩も、一生重い物を
背負い込んでしまうだろう。

「酒は飲んでも飲まれるな」と、よく言われるが、これも付け加
えよう。
「酒は飲んでも飲ませるな」

さあ、今日は今から半べぇで老亀酒造の「仁保嶋」の発表会。
上手に飲んで来たいと思います。

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