モローのこの絵
何が描いてあるかやっとわかった
オルフェウスの物語は
日本のイザナギノ命がイザナミノ命を黄泉の国に迎えに行く話と似ているので
少し知っていたが
この絵はそのオルフェウスの首が竪琴と一体になっているのを
トラキアの乙女が拾い上げているところ
って 何?
と思っていたけれど
この絵はオッフェンバッハのパロディ「地獄のオルフェ」の話が元らしい
カステラ一番電話は二番のカンカン踊りの曲はこの中の曲で
浅草オペラでもさんざんやった
「天国と地獄」という題だとは知ってたが
って
あ そうか
ともかくオルフェはアポロンの落とし種だとかで
竪琴の名手 音楽の上手で大変な人気者
奥さんのエウリディケとの間に愛なんかもはやなく
毒蛇にかまれた彼女を悼むこともなく冥界に探しに行くなんてこともなく
それが
世間の顰蹙を買って
仕方なくあの世に探しに行くけれど
天国に行っても見つからない
で 好色親父のゼウスがおせっかいをして一緒に探してくれるんだが
エウリディケはもはやオルフェウスなんかそっちのけで
冥界の王プルトンの愛人になってルンルン♪
しかもエウリディケも浮気者で
ゼウスが蠅に化けて入り込んで すっかり気に入って
モノにしようと迫れば いいわよん♪ といういい加減さで
ともかくめでたくオルフェウスはエウリディケを連れて帰れることになるけれど
愛もないから気にもせず振り返りもせずすたこら連れ出すので
ゼウスはエウリディケを欲しいので
雷でびっくりさせて
振り向かせて
その隙に
エウリディケを奪い取ってバッカスの巫女にするという話だそうだ
全く!
で このオルフェはのちには女嫌いになって女を寄せ付けない
それで まとわりついていたトラキアのバッカスの巫女たちが
相手にされないのに腹を立てて 八つ裂きにして
首をちょん切った
その首と竪琴をへブロス川に投げ込んだら
首と竪琴は歌を歌いながら流れて行った♪
それを ゼウスかアポロンが 空に昇らせて 竪琴座ができたというわけだ
その岸辺に流れ着いた首と竪琴をトラキアの乙女が拾い上げて
丁重に葬った
というところを
モローが描いたのがこの絵だそうだ
足元になぜ亀がいるかということにもいろいろ説があって
レビ記(知らん!)には罪のある乙女が贖罪の捧げものに二匹の亀を捧げた
そういう話があるんだそうだ
だから
この亀はトラキアの巫女(そもそもこれはエウリディケだし)の贖罪の象徴か?
と
話を読まないと
この絵からそんなことはわからなかった