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文責 小林博子

音更町東和から

児玉清さんが亡くなった

2011年05月18日 | あれこれ

文藝春秋の5月号 「われらは何をなすべきか 叡智結集41人」に児玉清さんが寄稿されています。

病を押して書かれたものだと思います。他の方の行数よりもずっと少ないのです。でも、みんなが思っていることはここに集約されていると思われるのです。

以下に全文を引用します。

児玉清(こだまきよし)(俳優)

大人のリーダーを求む

 この国の危機管理のお粗末さに日々唖然としている。予測不能な自然災害は当然起り得ることだ。たしかに今回は国内史上最高のマグニチュードであった。未曾有の地震であることはわかるが、問題はその後の対応だ。政府並びに関係各省庁の対応の至らなさは歯がゆいばかりだ。総理大臣も“決死で頑張る”とか精神論を披瀝するだけ、まるで昔の旧軍人総理となんら変わらない幼稚さだ。そんなことは当り前のことで、それは当人が、そう決心してことに当ることで、具体的にどのような手段で、今、そこにあるこの国家的な危機を乗り越えるために何をするか、また出来るかが急務なのだ。TVの現地報告で時々刻々訴えてくる窮状に対して何故即刻手を打てないのか。灯油、ガソリン、食糧に水。ピンポイントで一刻の猶予を許さぬ地域へヘリコプターで落下投下するとか、方法はいくらでもあるはずだ。世界を震撼させた原発問題も同じ。東電のエリート集団の後手後手にまわった慌てぶりを含め、まさに日本は完全に幼稚化した人間たちがリーダーシップを握っていることが露呈した。その命令下で働く人間たちこそ最悪だ。そして国民も。智恵と想像力と決断力のある大人のリーダーを今こそ日本は求めている。

この間亡くなったスーちゃんにしても、病を得ている方々は、自分のことはさておいて、この国の先行きを心から心配されている。

明日をも知れないのは確かなのに、自分が死ぬことはまだ大分先のことと思っている私。

この人なら大丈夫そう、というリーダーがあらわれてくれたら、少しは安心できるかな・・・。

リーダーはどうやったらあらわれるんだろうなあ。