有志舎の日々

社長の永滝稔が、 日々の仕事や出版・学問などに関して思ったことを好き勝手に 書いていきます。

「差別・暴力を考えるための有志舎ブックリスト」を作ってみました

2020-09-12 19:53:42 | 出版
世界中で差別や暴力の問題が取り上げられています。
そこで、有志舎の既刊書の中から、「差別・暴力を歴史の中から考えるため」のオススメ本リストを作りました(品切本は除く)。
それぞれ、上から、

著者名・書名・定価・ISBNコード
簡単な内容紹介文
目次など詳細情報が載っている版元ドットコムのサイトリンク

となっています。
書店さんなどで自由にご利用ください。フェアなんかしていただけると嬉しい。
よろしくお願いします。

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「差別・暴力を考えるための有志舎ブックリスト」

伊藤定良著『改訂新版 異郷と故郷―近代ドイツとルール・ポーランド人―』(本体2800円+税)ISBN978-4-908672-40-8
異郷の地で生きざるを得なかったポーランド人の運動を描き、日本社会における在日朝鮮人への視線をも考えつつ、マイノリティから国民国家の問題を析出する。旧版に加筆・修正を施した「改訂新版」。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784908672408

早尾貴紀著『パレスチナ/イスラエル論』(本体2600円+税)ISBN978-4-908672-37-8
パレスチナ/イスラエルの歴史と現在のなかに、自民族中心主義・ヘイトクライムという暴力の極限を見る。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784908672378

黒川みどり・山田智著『評伝 竹内好―その思想と生涯―』(本体2800円+税)ISBN978-4-908672-36-1
同調を強いる日本社会、その社会の頂点にあって個の自立を阻む機能を有する天皇制を見すえながら、戦後日本の差別や隷従を強いる力と闘った竹内の思想と生涯を描く。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784908672361

桐山節子著『沖縄の基地と軍用地料問題―地域を問う女性たち―』(本体6800円+税)ISBN978-4-908672-35-4
「女性の権利は黙っていてはつかめない」。日常生活の問題から基地被害を考え経済的な権利、地域の政治に参加する権利として軍用地料問題をとらえ直した女性たちの闘いを描き出す。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784908672354

伊藤定良著『近代ドイツの歴史とナショナリズム・マイノリティ』(本体2800円+税)ISBN978-4-908672-13-2
ナショナリズムによって侵略と支配を推し進めたドイツの近現代史と、それを反省しナチ時代の過去との取り組み(「過去の克服」)につとめている戦後ドイツの姿。そこから私たちは何を学ぶのか。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784908672132

黒川みどり著『創られた「人種」―差別と人種主義(レイシズム)―』(本体2600円+税)ISBN 978-4-908672-01-9 ※残部僅少です。
明治以後、問題は「人種が違う」といった「人種」のアナロジーとして常に語られてきた。国民化の語りのなかで人種主義(レイシズム)を形成し、差別を継続し続けてきた近現代日本社会のありようを問い直す。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784908672019

若林千代著『ジープと砂塵―米軍占領下沖縄の政治社会と東アジア冷戦1945-1950―』(本体4800円+税)ISBN978-4-903426-99-0
第二次大戦末期、米軍占領が始まると、人びとはジープに巻き上げられる砂塵のように、不確かな生活を強いられた。しかし、人びとはたんなる「砂塵」ではなかった。冷戦と占領という国家暴力が吹き荒れる中でも独自の政治空間をつくり上げた沖縄の姿を描く。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784903426990

藤野裕子著『都市と暴動の民衆史―東京・1905-1923年―』(本体3600円+税)ISBN978-4-903426-98-3
20世紀初頭、民主化の波の中で湧き上がった民衆の暴力は独自の論理と文化を持ちながら、関東大震災時の朝鮮人虐殺を経て、やがて排外主義とファシズムの地ならしとなっていった。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784903426983

平井和子著『日本占領とジェンダー―米軍・売買春と日本女性たち―』(本体4800円+税)ISBN978-4-903426-87-7
軍隊を維持するために「性的慰安」は本当に必要なものなのか?敗戦後の日本占領をジェンダー視点から問い直し、兵士の性暴力は軍隊が生み出す構造的なものであることを明らかにする。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784903426877

檜皮瑞樹『仁政イデオロギーとアイヌ統治』(本体5800円+税)ISBN978-4-903426-80-8
幕末維新期、アイヌの人々は否応なく幕藩体制と近代国家へと組み入れられていった。19世紀におけるアイヌ統治政策を分析し、異民族支配を可能にした統治イデオロギーや世界観の変容を明らかにする。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784903426808

中田英樹著『トウモロコシの先住民とコーヒーの国民―人類学が書きえなかった「未開」社会―』(本体2800円+税)ISBN978-4-903426-70-9
人類学者たちは先住民「未開」社会に何を「発見」したのか?近代的な「知」によって綴られた歴史から削除されていった人びとの姿を描き出し、多文化共生が掲げられる現代において、他者を理解するという行為が無自覚に孕んできた問題を問い直す。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784903426709

『シベリア抑留と戦後日本―帰還者たちの闘い―』(本体2400円+税)ISBN978-4-903426-49-5
戦後日本はなぜシベリア抑留者の補償を拒否し続けたのか? この国家暴力に抗い、国会で否定され裁判で何度敗れても、不屈の闘志で運動を続け、ついに補償を実現した抑留者たちの闘いの記録。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784903426495

竹中千春著『盗賊のインド史―帝国・国家・無法者(アウトロー)―』(本体2600円+税)ISBN978-4-903426-36-5
盗賊や武装勢力とは何者で、なぜ戦うのか? 「盗賊の女王」にして後に国会議員となったプーラン・デーヴィーはじめ、近現代インドを席捲したアウトローたちの世界に分け入りその真の姿を描き出す。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784903426365

今西一著『遊女の社会史―島原・吉原の歴史から植民地「公娼」制まで―』(本体2600円+税)ISBN978-4-903426-09-9
「かぶき者」、島原・吉原の歴史からはじまって、近代の植民地「公娼」制まで。日本の「性的奴隷」制の歴史を遊女・遊郭史から解明する。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784903426099


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