有志舎の日々

社長の永滝稔が、 日々の仕事や出版・学問などに関して思ったことを好き勝手に 書いていきます。

東浩紀さんの「ゲンロンの未来――創業八周年に寄せて」(『ゲンロンβ24』)を読んで

2018-04-23 19:17:21 | 出版
「ウラゲツtwitter」さんにあった、東浩紀さんの「ゲンロンの未来――創業八周年に寄せて」(『ゲンロンβ24』)、読みました。
たしかに新しいビジネスモデルなのだろうが、それでもやっぱり「東浩紀」のブランドありきのビジネスモデルであると思うので(本人は否定しているが)、そこは我々のような無名の零細出版者は同じ事をやっても無理だろうと思うのです。
ただ、いま高円寺で展開されつつある、本に関連した(必ずしも本に関わらない事業者も含めてもよいが)独立した個人・事業者が水平にネットワーク化すること=「協同化」によってオルタナティヴなもの(それがビジネスとは限らない)が創り出されうるという事はあり得ると私は思っています。

それは、「ゲンロン」のような一社でやるのではなく、独立したプロ同士の連携によるものということ。
そして、ゲンロンのようなソフィスティケートされた「知」とはまた違うスタイルの「知」で勝負することはできるとも思うのです。
逆に言えば、そういう個々の組織の壁を壊さなくても、壁を接しつつ互いに理解し合う努力ができるもの同士ならば、一社・一人でやるよりずっと色々なことができるはず。
そして、嫌になったらそこから抜けて他の組織・個人と連携すればよいだけ。
そういう方向で、商店街の小規模事業者・編集者や出版者(出版社)・映像制作者・書店と書店員・学校・教員・研究者・文化機関や団体・文化人・主婦・勤労者・ご隠居・子どもたちなどなどが協同化・連携して新しい「知の拠点」ができないものか、と思っています。
それを、まずは高円寺という具体的な空間で考えてみたいのです。

とはいえ、実現するには大変なことではありますが。