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空のものがたり

雲の造形、風のいたずら、注がれる光、
そんな空の一角を撮ってみました。
一緒に楽しんで頂けたら、うれしいな♪

ボクを忘れないで。

2009年08月05日 | ちょっとしたお話


 
僕らが出会ったとき、君は、まだほんの小さな女の子だった。

ママに手をひかれ、チョコチョコ歩く君を

ボクは毎日、ウィンドウ越しに見ていたんだ。

そして、ある日、キミと目があった。 

キミはママの手を離れ、小さな手をボクに向けた。

そんな日が数日続いた後、カランコロンと鳴るドアからキミとママ。

キミは真っ先に、ボクの前に駆けてきて、抱きしめてくれたね。

少し日焼けしたボクを見て、ママは「別の子にしたら?」って言ったけど、

キミはボクがいいって言ってくれたの覚えてる?

 

あれから何年経ったのかな?

小さかった君はママと同じくらいに背が伸び、

ボクの名前を呼んだ唇からは好きな男の子の名前がこぼれる。

キミの一番の友達だったボク、

ボクの全てだったキミ。

 

ボクの役割は終わっちゃったみたいだけど・・・

ううん、

キミが小さかった頃の思い出を語るとき、

そこにいたボクを忘れないでいてほしいんだ。

ううん、たまにでいい、思い出して。

その時、キミが優しい気持ちになれることが

ボクたちの最後の役割だと思うから。

 

 

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ねぇ、おばあちゃん♪

2009年06月14日 | ちょっとしたお話


 
ねぇ、おばあちゃん、あの空の雲はどこに行くのかな?

 

そうだねえ、遠く遠く、あの山の向こうの もっと遠くに行くんだよ。

 いろいろな形に姿を変えて、たくさんの国を巡るんだよ。

 

ふ~ん、いいなぁ。

あれ?おばあちゃんの形が変わっていくよ。

 

お前だって 変わっているよ。

さぁ、どこまで行こうかねぇ。


小さなお話 2

2009年05月11日 | ちょっとしたお話


 

ほら、葉っぱの団扇で地球にそよ風を送る女の子がいるよ。

 

誰も自ら地球を破滅させようとする人なんていない。

色んな利を求めた結果、地球を傷つけている。

地球を守ろうとする小さな気遣いを 大きな実行にうつさなくちゃいけないよね。

 


小さなお話 1

2009年05月10日 | ちょっとしたお話


 

人間が身勝手に汚していく地球

そんな汚れが 魔物たちをつくりだしているとしたら・・・

地球の温度を上げて、木々を奪い緑をなくせ。

海に浮かぶ氷を融かせ。

全てをカラカラに干しあげろ。

 

ほら、空では魔物たちがクスクスと忍び笑いをしている。

 


ありがとう1(旅人)

2009年03月06日 | ちょっとしたお話


 
人生を旅してきた おじいさん、

今は杖をつきながら一歩一歩緩やかな時間を歩んでいます。

たくさんの人と出会い、いろんな出来事を体験しました。

のんびり立ち止まっては 後ろを振り向き、

思い出にも浸ります。

だけど、だんだん思い出すことが少なくなってきました。

だけど、今のうちに言っておきたい言葉がありました。

『みんな、みんな、ありがとう。』
 

ふと、空を見上げた時、

雲のかたまりが空からゆっくりと降りてきました。

おじいさんがそっと手を差し伸べると

柔らかな雲のかたまりは、

引き寄せられるように おじいさんの手のひらに乗っかりました。
 

これから雲は少しずつ姿を変えながら 地上へ降りていきます。

 

そして、おじいさんの旅は終わりを迎えそうです。

 

え?雲のかたまりが何になるかって?

 
 
それはね、徐々に人間の形になっていくんです。

かわいいかわいい赤ん坊になって、

新しい家族のもとへ行くんですよ。
 
 
 

そう、この写真は、空の世界での ひとコマなのです。

 

 


竜姫と蛇姫8(再生)

2008年12月16日 | ちょっとしたお話


 
竜宮の姫は 水晶の珠を手に取り ハラハラと涙をこぼしました。

姫の涙が 一粒水晶に零れ落ち 

不思議なことに 水晶の中へと広がり キラキラと輝きました。

 
やがて、天界で 海の世界の報告を終え

浄化により 再び無垢な魂となった竜宮の姫は

水晶の珠を 竜王の手に託し 

深い海の底へと かえって行きました。

 
その後、竜王は 水晶の珠に向かい 言いました。

「姫の涙を吸い込んだ 蛇よ、

今より300年後 新たな生命を持ち

この珠から 生まれ出ることを 許そう。

まかりなりにも お前は 慈悲の涙という

姫の魂の一部を 受け取ったのだからな。」
 
 

 
 
おしまいです。

いやー、終わって良かった。

行き当たりばったりの お話で どうしようかと思いました。

こっぱずかしい というのは こんな事なんでしょうね。

 

 


竜姫と蛇姫7(恋慕)

2008年12月15日 | ちょっとしたお話


 
蛇姫の姿が無くなる頃 炎は、やがて虹色に縁取られていきました。

その間竜宮の姫は ずっと小さな切ない声を聴いていました。

 
竜王様 まだ 地に在りし時 怪我をした 小さな蛇を助け

小さな蛇は その優しい若き王に 心を寄せ

やがて たくましき王は 天に上り

いつかは 自分も竜となり、空へ上っていく日を 夢見るも

悲しいかな 蛇は竜になれぬことを 知り

それでも あきらめることが出来ぬ身は

ついに 魔性と成り果てるも 天の門をくぐること叶わず

竜宮の姫君 天界へ 上る噂を耳にし・・・

 
やがて 炎が燃え尽きると そこには輝く水晶の珠が浮かんでいました。
 
 

 
 
え~、忙しさにかまけて、2日間お休み。

実は、なんだか恥ずかしくなってきて 止めちゃおうかなと思っていました。

でも、このおはなしは ともかくとして、

いきなり 違う写真に跳んじゃうのも どうかと思い、

とりあえず 終わらせてしまおうと・・・。

次でおしまいです。

・・・え?別に待ってないって?

そんなぁ!

 


竜姫と蛇姫6(嫉妬という炎)

2008年12月12日 | ちょっとしたお話


 
「ギャー! 熱い!」

なんということでしょう。 蛇姫が 炎に包まれていきます。

「父上様?」

竜宮の姫は 空を見渡しました。

「父上様、おられるのでしょ?」

「おろかなり   蛇姫とやら。」

空の気全体を震わすように 太く 静かに響く声がしました。

「そやつ、あまりの嫉妬と憎悪の激しさに、

自ら灼熱の炎を呼び込んでしまったのだろう。

さあ、かわいい私の娘よ かまわず我が許へ参れ。」

 
その時 竜宮の姫の耳に かすかな声が聞こえました。

「竜王さま 私は ただの蛇・・・わ・たしは・・・」