私は昨年の12月、それまで治療に通っていた鹿島市の歯科医院の先生から、
下あごの両方の「奥歯は悪化がひどいので、抜歯して入れ歯にします」
「正月は美味しいものを食べたいでしょうから、
正月を過ぎてから抜歯にかかります」ということで1月に予約をしてきました。
しかし、自分の歯で食べたいという心を押え切れず、
佐賀大学農学部を退官された人類学者の、武田先生に相談しました。
武田先生は山形県生まれであられるが、佐賀の地をこよなく愛され、
退官と同時に佐賀県小城市に土地と中古住宅を購入され、
リフォームを夢木香にご依頼いただきました。
歯の事を相談すると、それは角町先生に相談するしかないと、
角町先生の携帯に電話を入れていただきました。
その日はつながらなかったですが、翌日、武田先生からご連絡いただき
その週に来て下さいと日を決めていただきました。
角町先生は私の住む田舎で志を同じくする仲間で開催する
「浅浦の自然に学ぶ会」の”あさうら里まつりホタルとともにと”
銘うって開催するホタル祭りの講演会の講師をおひき受けいただきました。
講演料もない講演会に手弁当で講師としてお越しいただきました。
そのようなご縁はあっても、いつも忙しい先生に治療をお願いするのを
躊躇していた私に武田先生、角町先生の暖かいご厚意で診察が叶いました。
最初の診察の日は、12月の暮れでした。
診察して、最初に「これは企業戦士の歯だ」とおっしゃられました。
そして、「相当に悪いが、できるだけ残して治療してみる」という
言葉とともに治療をはじめていただきました。
ちょうどその夜は大工さん、左官さんを集めての職人会議の日でした。
治療を終えて参加した私は、職人さんを前に専門家の言葉の大切さを話しました。
たとえば、私たちが古民家の相談を受けたとき、「これ家の再生は無理です。
解体して新築をすすめます」といえばほとんどの家が壊されてゆくと考えます。
事実、まだ十分に再生可能な家が壊されているのが現状です。
職種は違っても志す思いの大切さを角町先生から学びました、
代表 松尾
先日掲載いたしました、夢木香創立10周年記念で池田先生に講演いただき
ました「あきらめないで!口から食べること」の皆様からのご感想の続きを
紹介したいと思います。
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・ 私自身高齢者が3人、介護が必要な状態で必ず口から食べさせるという
言葉を信じて、できるだけあきらめず努力していきたい。
・ 私の家内も訪問介護の仕事をしているのでまた機会があれば一緒に
お話を聞きたいと思います。
・ 義理の母の痴ほうと毎日付き合っていますが「おいしい!!」と言って
何でも食べてくれることは、ありがたいことなのだと改めて思いました。
また食生活は小さい時からの積み重ねだということも学びました。
・ 口から食べることで、栄養が充分取れる大切さを感じました。
・ 歯だけでなく、口の動きが大切。そしてそれを考えてくれるドクターとの
出会いが大切だと思いました。
・ 介護中なので先生のお話は大変参考になり、また、励まされました。
ありがとうございました。
・ 感動しました。先生のお話の中に繰り返し出てくる「適切なケア、適切な
医療」という言葉、世の中には適切でないケアや医療が沢山あるような
気がします。私達は自分なりに情報を求め、納得できる専門家と出会う
必要があるのでしょう。
・ 口から食べること、物を噛むことの大切さを学びました。「家で死ぬ。」
という言葉に胸を打たれました。これから年老いていく両親を見る立場と
して聞かせて頂きました。
・ 今日の講演ありがとうございました。生と死で棺に入れる時にそれまでの
医療がわかるとは驚きでした。食べることは楽しい事ですが、失うことは
悲しいことです。少しの酒と食事が口から取れるようにしたいと強く思い
ました。
・ 素晴らしいお話ありがとうございました。歯そのものの重要性は勿論、
口腔の働き、体全体との機能的関係、食と命の関係に至るまで、改めて
深く考える機会を与えて頂いたと思います。
・ 口から食べることの大事さがよくわかりました。
・ 身近に要介護の人が居ませんので、これからの心構えとして大変参考に
なりました。自分の経験に照らし合わせると、小学校中学校まで甘いもの
を制限したのは良かったのかなと思いました。息子二人ともいまだに
虫歯がありません。(30才前後)これからは家族、身のまわりの人達に、
気をつけて口の健康を広めたいと思います。
・ 姑と実母介護通算14年いたしました(私52才~66才まで)今74才です。
もっと早く先生のお話聞きたかったです。口に氷を含ませることは知りま
せんでした。返す返すも残念です。
・ 「6才までに…」との話を聞いてちょうど子どもが産まれたばかりで
参考になりました。
・ 年老いた母がいますので、先生の話等を参考にし、実践していきたいと
思います。
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以上が参加者の皆さまよりいただきましたご感想になります。
池田先生・角町先生の両氏の講演は職種・テーマは違えども、語られる
お話には相通じるところがありました。
ご参加いただきました方々にとっても、とても有意義な時間となったのでは
ないでしょうか。
ご感想ありがとうございました。
夢木香 松井
先日の池田先生に続き、夢木香創立10周年記念講演会で講演して
いただきました角町正勝氏への参加者のご感想を紹介したいと思います。
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「あきらめないで!口から食べること」
~家族や仲間と共に住み慣れた家で最期まで食卓を囲むために~
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・ 訪問歯科の活動がますます広がっていくといいなと思います。
これからもお身体に気をつけて頑張って下さい。
・ 口から栄養だけではなく、口からの刺激の大切さがよく理解できました。
・ 将来、介護福祉士として現場で働きたいと思っています。先生の講演内容
では在宅でしたが、私は現場で口腔機能の大切さを広げていきたいと
思っています。まだ知識も技術も未熟ではありますが、介護福祉士として
行える口腔ケアや口腔機能向上につながる支援を行っていきたいと
思います。今日の講演の中からもたくさん学ぶことがあったので、
私にできることをこれから現場で活かしていけるようにしたいと
思いました。今日はありがとうございました。
・ 遺体は医療の質を語るとのお話がありました。医療に携わる者として
責任のある医療を行わなければいけないと強く感じました。
・ 母を10数年前に亡くしましたがもっと早くこの様なお話を聞かせて
頂けていたら母も長生きできたと思い反省させられました。
とても参考になりこれから実践していきたいと思いました。
・ 私の母は71歳でガンで亡くなりました。今日の講演を聞いて
少しだけでいいから家に帰るか、それか、葬儀場に行けばよかったと
思いました。(残念です)
ただ、緩和ケアで最期を向かえましたから、終わりまで口から食べさせる
ことができました。今日の講演を聞いてそれだけがせめてもの救いと
思いました。
・ 訪問診療の事でいずれお世話になるかもしれません。その時はどうぞ
よろしくお願いいたします。(長崎市在住)
・ 素晴らしい講演ありがとうございました。
いつか私の住む地域でも講演をお願いしたいと思ってます。(福岡市)
・ 口から食べることの大切さが理解できました。ありがとうございました。
・ 私は歯が丈夫です。これから食べることの意味を考えていきます。
・ 私も介護することになったら、この事を忘れずにいたいです。
・ 口から食べることが生きるということに直接的につながっているとは
思ってのいませんでしたので、本当にいいお話を聞くことができたと
思っています。最後まで幸せに生きるということに建築以外にも
さまざまな分野が関わっている事に気付かされました。
・ 人生の最後の最後まで自分の口から食べるということが、とても大切な
事なのだと痛感しました。自分も親もまだ若く“介護”するということが、
いまいちイメージできませんが、その時が来たら今日の講演会で言われて
いたことをぜひ実践しようと思いました。私にとって未来を描く上で
とてもとても勉強になりました。この事を、自分の身の回りの人達にも
伝えていくことができるように頑張りたいと思います。
ありがとうございました。
・ 住み慣れた家で最期を迎えられる様に、歯科の在宅医療を行うことは、
とても素晴らしいと思います。この様な活動をされている方がいることを
初めて知りました。人が生きていくにあたって、口から食べる事はとても
重要だというご説明に同感だと思います。先生の考えられている考え方や、
システムをたくさんの人に広めていっていただきたいと思います。
・ 元気で老いる、大切なことを教えていただきました。
・ 食べること、生きることが大切と思いました。人に自分に生かせれば
いいと思います。
・ 大変役に立ち、90歳の母をかかえていますので、入院する事になれば
口から食べさせる事を肝に命じました。
・ 今後自分が介護する立場になることもあるでしょうし、また、自分の
子どもを成長させる中で、参考にさせて頂きます。
・ 口腔に関する事はあまり情報として得られていなかったのでとても
参考になりました。もっと若い時に聞きたかったです。新聞連載で
知っていたので今回話を聞くことが出来て良かったです。
まだまだたくさんいただいておりますので、
次回ご紹介させていただきます。
夢木香 松井