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夢木香のブログ

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邦九庵を訪ねて ③

2010-02-12 07:20:08 | ブログ

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 長い間休眠していましたが、もう春も間近、冬眠から覚め、活動を始めたいと思います。   邦久庵訪問紀の最後から始めます。

九州民家塾では、最初に邦久庵の室内を見学させていただきました。

茅葺屋根と伝統的構法の木組みと生活するための機能性を備えた住まいに、参加者の皆様から多数の感動の言葉が聞こえてきました。

 伝統的木組みのもつ、構造的力強さと優美さを満喫しました。

 続いて、囲炉裏を囲んで、池田先生と邦久庵を手掛けられた棟梁を囲んで講話会がおこなわれました。

 先生と棟梁の話の中で、棟梁が本格的な和小屋を若い時に建ててから、和小屋を建てたことがないということを聞き、若い人たちへの伝承を含めて、木組の住まいの設計を行い、施工を依頼したとお話しいただきました。

 しかし、伝統構法の仕事の依頼が多く発生すると思ったが、意に反し、依頼がないことをなげいておられた。

 興味深い話も伺った。先生の知り合いの設計事務所では、所員に農地を与え、給料の何割かは収穫物で購うようにされている事務所があるということです。

自然の恵みを感謝するとともに、農作物を育てる楽しさも味あうことができます。

耕作放棄地が多数存在する現代において、見習うべきものがあると思いました。

 また、子どもたちを育てる環境も、多少の寒さや暑さに耐え得るような環境で育ててゆくべきであるということで、自然素材の住まいが良いというお話もされた。まさに古民家に学ぶものが多くあると考えました。

 自分の取り組みに対して、力づけていただく言葉をいただいたことは、

邦久庵を訪ねた最高の喜びでありました。

                          代表 松尾

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邦久庵を訪ねて ②

2009-03-24 06:49:55 | ブログ

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私がはじめて邦久庵を訪ねたのは、昨年の7月、体感的にいちばん暑さを感じる梅雨あけの日でした。

池田先生ご夫妻がデッキで、お出迎えいただきました。

大村湾の自然をながめながら、いろいろな話を聞かせていただきましたが、何よりおどろいたのは、涼しさです。

自然の涼風がデッキを吹抜け、自然の風の素晴らしさを満喫しました。「海は年間を通じて、温度が一定で、夏涼しく、冬暖かいのです」ということも教えていただきました。

住まいと隣接して、雑木林があります。それも、涼しい風が通り抜ける一因ではありますが、隣接しているゆえに、住まいのためには良い建築条件とは言えません。

池田先生は「この条件のなかでは、伝統的構法の石場建てしか持ちません」とおっしゃいます。

 20218日(月)に放送された、NHKハイビジョン特集

 日本の風景を変えた男たち

廃墟から超高層ビルそして……

~建築家・池田武邦が語る戦後~

のなかで語られていることは

「新宿三井ビルの50階にあるオフィイスから降りて来て雪の降る自然の環境にふれたときに、すごく気持ちよかった、やすらぐ気持ちを感じた、寒いけれど温かった。人間は自然なんだな、人間は自然の一部だと感じた」と言われています。また、人間の住む最適の環境に管理された環境の中にありながら、つくられた環境が生み出すストレスを感じ、自分は間違っていたのではないかと疑問を持ったことを話されています。

 今、84歳の高齢にもかかわらす、自然との共生と文化の伝承を標榜されている現実に接することにより、私たちも先生に力づけられるものを感じます。

 

 自然との共生を感じる住まいづくり、これも住まいづくりの楽しみのひとつです。

  代表  松尾

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 邦久庵を訪ねて ①

2009-01-14 04:42:22 | ブログ

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年は改まりましたが、まだ昨年のことからはじめます。

 昨年の1026日(日)に池田武邦先生の

“邦久庵”におじゃましました。

 主催はNPO日本民家再生リサイクル協会

    http://www.minka.gr.jp/trust/trust.html

 九州・沖縄事務局の主催です。

 以下の要綱のご案内をしたところ、募集定員の30名になり、

申込みが遅れた方は、お断りしたと事務局の方にうかがいました。

第七期九州民家塾第二回目

「これからの現代建築は、土地の風土

を読み取り、土に還る素材でつくる」

池田武邦氏

今回の民家塾は、日本初の超高層ビル霞ヶ関ビルの設計者であり、

日本設計の元会長池田先生の自宅「邦久庵(新築の茅葺きの家)」

を訪ねます。

 超高層ビルを建ててこられた池田先生の終の棲家が何故茅葺の家

 になったのか、とても興味があります。講演の後は円座になっての

 談議を行います。

【テーマ】21 世紀の生き方

近代技術文明をどう見るか。

何故この形(=民家)になるのか。

日時2008 10 26 日(日)14:0016:30

場所】長崎県西彼杵郡西彼町

主催】特定非営利活動法人日本民家再生リサイクル協会(JMRA)九州・沖縄地区事務局

 池田武邦先生プロフィール

1967 年日本設計事務所設立(1990 年日本設計に社名変更)

1993 年日本設計会長

主な作品/筑波研究学園都市工業技術院研究センター、新橋演舞場、長崎オランダ村・ハウステンボス、

『大地に建つ200 年後の建築家と子どもたちへ』(ビオシティ)

2005 4 月号の住宅建築に「邦久庵」が紹介されています。

・池田武邦先生に学ぶ会(佐世保)

http://www13.ocn.ne.jp/~k.nakao/kouenn-ikedatakekuni.html

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私と武田先生のご縁は、佐世保市在住で、鹿島市出身の福田さんからの紹介で、池田武邦先生の講話会に参加させていただいてからです。

民家塾の日まで、講話会に4回参加させていただき、邦久庵には3回訪問させていただいています。

講話会の内容や邦久庵についてはこれから何回かに分けてお知らせしたいと思います。

池田先生とはじめてのお会いした時に、私が住む、浅浦地区の

活動や、夢木香の資料等をお渡ししていたら、数日後お電話がありました。

「池田です」とのお言葉でした。まさか、池田先生からお電話をもらえるとは思ってなかったので、最初戸惑いました。

「古民家のお仕事をなされているのですか」とのご質問の後、

「たいへんでしょう」との質問に、「はい、たいへんです」と答えますと、「これからはあなたたちの時代がきますよ」と励ましていただきました。

自分たちの取組んでいる、仕事の内容を、認めていただき励ましていただけるということは、最高の感動と喜びです。

            代表  松尾

 


子育てと老後のための古民家再生内覧会③

2008-12-19 05:16:11 | ブログ

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 見学会のアンケートを書いていただくときの

雑談の中で、「このようになるのならうち

(私の家)も壊さなければよかった」との声を

 

 何人かの方からお聞きしました。

見学会のお客様に感じていただいたのは、

 “古いものは古く、新しいものは新しく”

というところではないかと推察いたします。

 

 古民家再生住宅と文化財の保存とは根本的に違います。

 それは、人が住まうための建物か

残すための建物かの違いですが、

つくりかたに大きな違いがあると考えます。

 つまりその建物に、血が通っているかいないかの

違いではないかと思います。

 私は、再生したら何十年も耐えてゆけるような住まいが、

簡単に壊されゆく現実を見てきました。

 壊される原因のひとつに、居住性があると考えます。

暗い、寒い、使いづらいとは古民家の

欠点としてあげられてきました。

 採光はガラス瓦でとり、断熱不足のところは断熱材で補い、

木材を多用することにより、暗い、寒い欠点は改善されます。

 しかし、使いづらいという欠点は、

根本的な取組が必要だと考えます。

 

 夢木香は全体的な計画を提案します。

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家族の生活の中心となる

居間の近くに水廻りを配置し、

水廻りは新しくという提案です。

 現在、大手の住宅メーカーが

提案するモデルハウスや、

住宅機器メーカーの

システムキッチン、

ユニットバスが主流ですが、

はたしてそれが住む人にとり、

使いやすいものかということは

疑問です。

 夢木香の住まいづくりは、

そのほとんどを

手作りで提案します。

 

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再生工事や大規模な

リフォーム工事は約半年

から約1年の工期を要します。

設計段階で間取りを

最初に決めていただきます。

 各部屋の詳細な仕上げや、

キッチン、水屋、洗面台等の

細部については、工程の途中で、

住まう人に提案をしていただき

つくりあげてゆきます。

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 夢木香は、各家庭にはそれぞれに伝承されてきた

歴史や文化があり、住まい方もそれぞれに

違いがあると考えます。

 住まう人と夢木香が一緒になってつくりあげてゆく

住まいづくりを目指します。

 お引き渡しをして、しばらくしてたずねると、

奥様と若奥様にお迎えしていただきました。

「明るいです! 暖かいです! 使い勝手が良いです!」

と喜んでいただきました。

 住まう人に喜んでいただけるということが、

 なによりの住まいづくりの楽しみです。

                  代表  松尾


子育てと老後のための古民家再生内覧会②

2008-12-13 10:15:26 | ブログ

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“子育てと老後のための古民家再生内覧会”に多くの子ども連れのお客様に

ご来場いただきました。

 子どもたちのほとんどは、二階の空間で楽しく遊んでいました。どんどんという音が、 一階まで響いてくるほどでした。

この住まいは、約築100年の古民家です。

 その時代の特徴として、間取りは農村部において、田の字づくりがほとんどです。

 その多くが、客間を優先して、

いちばん日当りのいい南側に配置し、

座敷も天井が高くつくってあります。

高さは土間と茶の間、お客様を接待する、

座敷、次の間と天井の高さが違います。

 その理由は、私の推察ですが、そのほとんどが、

近くの山の木が使われていた時代でも、

その運搬に多くの労力が必要でした。

 木材を有効利用するため、お客様を接待する部屋には

天井を高くして、