夢木香のブログ

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第6回夢木香セミナー

2011-02-07 22:21:41 | インポート

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作日は佐賀市のエスプラッツで第6回夢木香セミナーを開催しました。

 お忙しい中をおよそ20名の方々に参加いただきました。

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 講師の先生は、小林建築設計工房の小林利武氏です。

先年には 第2回佐賀の木・家・まちづくり賞 知事賞を受賞されました。

常に真摯にものごとに取り組まれ、誠実という形容がぴったりの方です。

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 木組みの住まいづくりを追求しながら、意匠と構造の両立を目指しておられます。水平の線を重視しながら、雁行という折り返しの多面的な平面を取り入れてゆく

設計手法には奥深さを感じました。

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 講演の後、テーブルを囲んでコーヒーとお菓子の懇親会を開きました。

参加者お一人お一人の方々の感想と質問をいただきました。

その質問にも、小林氏は丁寧に回答いただき、

和やかな中にも有意義なる懇親会だったと嬉しく感じました。

それに、木には詳しいつもりでいましたが、人工乾燥木材は、

乾燥の工程の中で、導管のなかのにある調整弁の機能を無くしてしまい、

木の性質なかで最も重要である、調湿作用の低下がいちじるしいと

いうことを知りました。

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 また、懇親会の感想なかで、いつも夢木香セミナーや見学会に

参加いただいている、若いOさんの言葉に共感いたしました。

「伝統的住まいはあつみがあるように感じる」という言葉です。

私が感じているのは、機械設備を効率よく使うためには、高断熱のうえに

高気密にしたら簡単な工法でできます。

しかし、夏・冬にエアコンをできるだけ使わない住まいにするには

あつみが必要だと考えます。

停電で機械設備が使えないときに、

耐えられない住まいが多すぎるように感じます。

Oさんの若い感性を素晴らしいと感じました。

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 もうひとつ感謝したのは、いつも夢木香セミナーや

見学会に参加いただいている、Eさんの御家族です。

いつも子どもたちと一緒にご参加いただきます。

これは大切なことだと考えます。

なぜなら、私が小さい時の経験を今も鮮やかに

思い出として残しているからです。

夢木香がある通称浅浦という地区に、“おひまち”という行事があります。

この日はお日様を休ませる日だから、洗濯物などを干してはいけないと

祖母言っていました。

8戸か10戸ぐらいの家族全員が当番の家に集まり、餅をつき、

その後大人たちは酒を飲み、子どもたちは餅を腹いっぱい食べ、

そこで遊ぶのです。それが楽しかったいう記憶だけが残っています。

たとえ大人の集まりでも、小さい子どもたちも一緒に参加できるような

集まりを数多くつくってゆくべきだと考えます。

小林氏がセミナーの中でおっしゃられていたように、

ふるえるような感動を与えるような住まいづくりや

セミナー等のふれあいの場を、

生み出してゆかなければならないと強く感じました。

非常に有意義なセミナーだったと感謝いたします。

講師の小林先生はじめ参加いただいた皆様に御礼申しあげます。

有難うございました。

                    代表 松尾


現場三態

2011-02-03 00:26:33 | インポート

 先月末に三つの現場をまわりました。

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 一つ目は白石町のリフォームの現場です。

1月中旬に解体にはいり、骨組だけになりました。

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二階も解体され、少しさみしい外観になりました。

新築時の上棟後の状態ですが、完成した住まいを見なれた施主様にとっては、今が

一番不安な時期です。

 間取りの自由度と補強を兼ねながら完成させてゆくには、

私たちにとってもこれから頭を悩ませるところです。

しかし、ひとつひとつ乗り越えてゆく楽しさがあります。

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 二つ目は、112日に上棟した、佐賀市若楠の現場です。

やっと、屋根の木工事が終わりルーフィングが貼られました。

その間2週間余、あらわしの天井や化粧軒での仕上げではいつものことです。

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 三つ目は現場といえないかもしれませんが、5年経過し塗装等のリニューアルを

今月の中旬に予定しておられる、唐津の玄海町から古民家を移築した店舗、

蔵出しめんたい本舗 弥生が丘店で、工程の打ち合わせです。

八角形の囲炉裏や古材のテーブル、外観等をながめているとわずか5年ですが、風格が出て来たように感じました。

 やはり本物は進化する楽しみがあります。

 鳥栖にお出かけの際はお立ち寄りください。

 新築、リフォーム、移築再生、

三態三様に特徴があり尋ねる楽しさがあります。

                    代表 松尾


丸太実験&Eデェフェンス

2011-02-01 23:43:36 | インポート

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125日熊本で丸太の実験がありました。

熊本のすまい塾古川設計室の古川さんの提唱ではじめられた実験です。

熊本県林業研究指導所でありました。

木構造振興株式会社の協賛で行われているという説明がありました。

 梁に使われる丸太とタイコ丸太の実験です。

荷重をかけてたわみを計測します。

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 結果は丸太が第一位でした。

タイコ丸太も曲り丸太のタイコと比較的直材のタイコ丸太では、

比較的直材のタイコ丸太の方が試験結果が良かったのですが、

両端の固定の関係で数値が違ったのだとの池田工部長の説明がありました。

状況により試験結果だけでは判断が難しいのが自然素材の特徴です。

 その後、Eデェフェンスでの石場建の伝統構法の実物大実験の結果を、

伝統構法設計法の実務者として、実験に参加しておられる古川さんより、

ビデオを見せていただきました。

 神戸地震波でも伝統構法は一部損壊したものの立派に残り、倒壊しないと

命を守るということが実証されたことを嬉しく思いました。

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 実は私も、120日の一般公開の実験には、見学に行っていました。

建築基準法でいう極たまに起こる地震が80秒間揺れる地震を実感しました。

中越地震を経験された、設計士長谷川さんともお会いし、地震の渦中にいた人が、

洗濯機の中にいるようだったということを言っておられたことを聞き、

なるほどと思いました。実験でもそのような動きをしました。

建物が固定されていないため足元が動くことにより、ショックを吸収しました。

 長谷川さんが中越でも、石場建てで茅葺屋根で8棟のうち、7棟残っているところがあったという話をされました。倒壊した1棟は無理なリフォームが行われていたそう

です。

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 実物大実験も、丸太梁の実験も、伝統的構法が強いということが実証されたとうれしく思います。しかし、丸太を組める職人、伝統構法を伝える職人が減りつつなる今、若い人への伝承の大切さを感じました。

                                     代表 松尾