夢木香のブログ

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子どもたちの喜ぶ家 ⑤ 上棟式

2010-02-27 23:12:02 | インポート

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 214日(日)が上棟式でした。

朝、五色の旗を掲げ、夕方、上棟式を行い、そのあと鹿島では"ひとき餅"と言いますが餅まきを行いました。おおぜいの子どもたちが来てくれました。

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先日、入賞の内定をいただいた木の建築賞

http://www.forum.or.jp/menu2_10.html

の設計趣旨の送付依頼があり以下のように送付致しました。

 

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古民家再生 子どもたちが喜ぶ家

 鹿島市の中山間地に位置するこの地区は、里山があり家の前には、小川が流れ、田園風景が望める子どもたちの育つ環境としては最高です。

3世代8人の同居生活のため、築100年余の古民家の再生計画がなされました。

大人たちの生活の場である一階はバリアフリーに、若夫婦と子どもたちの生活空間である二階は、一階の天井の段差や、中央に残る草葺屋根当時の、流梁を乗り越える階段や、ロフト・書斎・スタディルーム等をつなぐ5か所の階段を設けました。また、自然界に直線がないように、古材の梁組をあらわし、丸太の曲線をいかしながら、曲線を多用しました。

近年、山林の荒廃が進んでいます。古民家の建築当時の思想である、山林や家は子や孫たちのために大切に育て、住みついでゆくような思いを込めて、

子どもたちが喜ぶ家を提案しました。

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現在、住宅の寿命は30年です。一説には26年とも言われます。ヘルメットをかぶって手伝ってくれた、子どもたちやその子どもたちの代まで暮らせるような住まいを残していかなければいけないとの思いを込めた上棟です。

7 この子らの将来を思い、この子らに幸多かれと願うこと。これも住まいづくりの楽しみのひとつです。

                                               代表  松尾

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 子どもたちの喜ぶ家 ④ 建前Ⅱ

2010-02-22 01:42:37 | インポート

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 昨晩、「佐賀のがばいばあちゃん」をテレビで見ました。仕事がらつい茅葺民家のほうに目がゆきます。しかし、ばあちゃんが野菜を川から拾いながら「拾うものがあっても、捨てるものはなか」という言葉に考えさせられました。 6_4

前回、プレカットのことを書きましたが、プレカットも含め、木製品が規格化されだしてから、ある一定の寸法の材の価格が高く、大きくても需要が少ない材の価格?あたりの単価)が安いという現象がおこっています。たとえば3.5寸角(105mm)や4.0寸角(120mm)の柱材を製材するに最適な寸法、140mmから180mmの丸太の価格?あたりの単価)が高く、200mmから240mmの丸太の価格?あたりの単価)安いという現実があります。佐賀県の木材市場で取引されている現状でありますが、おそらく他県でも変わらないと考えます。私は38年木材業にかかわってきましたが、以前は小径木の単価より大径木の単価が高く取引されていました。単純に大きい方が良い材とは言えませんが、生育のための年数を考えれば、大きい材のほうが価格的に高いのが自然だと考えます。61_4

古民家再生の仕事をいただいて思うことは、そのほとんどが一山の立木を捨てることなく適材適所に使ってあるということです。

7_4 現在の木材流通の中で、山に置き去りにされている木材が数多くあります。山から搬出されている木材でも集成材をつくる板材やのこくずに加工される材が多くなってきました。

8_2  今、日本の国は80%の木材を輸入して30年の住宅しか造っていないのが現状です。30年で住宅を造る木材は育ちません。これでは、日本の森林は守れても世界の森林は守れないと思います。先人たちが残してくれた古民家の技術に学びながら、がばいばあちゃんの言う“もったいない”の思想を考える時代ではないかと考えます。

9_3子どもたちの喜ぶ家とはどういう家でしょうか、自然に近い家だと考えます。この住まいは、末口5cmの丸太から末口60cmの丸太までを製材して使用しています。小屋梁や二階床梁もできるだけ丸太をいかした小屋組にしました。自然の環境にできるだけ近く造り上げてゆくということが大切だと考えます。

10_3  今日、長崎街道八戸の家のI様が完成慰労会を開いていただきました。そのご挨拶の中で、「子育ての始まりは生まれ時からではなく、子どもが宿った時から、母親はどのような子どもに育てようかと考え始める。子育ては生まれる前からはじまっている」というお話をお聞きしながらなるほどと感心いたしました。

11_2  子どもたちが喜ぶ家も、内装を仕上げる以前、建前のとき、いやそれ以前、丸太を選別するとき、いやそれ以前造る計画を考えはじめた時期と考え始めたら限りはありませんが、少なくとも建前のときにはその骨格が出来上がるとの思いでいます。

骨太の木を職人の手で刻み、立ち上がってゆく光景をながめる時、“がばいうれしい”がばい楽しい“気持ちが生まれます。

                         代表 松尾


子どもたちの喜ぶ家 ③ 建前

2010-02-19 09:45:46 | インポート

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すこし戻って建前から上棟までのことを書きます。

今、プレカットという機械加工の木造住宅が主流です。現在、佐賀でも80%以上になっているのではないでしょうか ?

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プレカットの住宅は、土台を敷くまでは前日に終わり、建前と屋根材のコンパネの上にルーフィングまで葺く工程をほぼ1日で完了します。短いホゾを金物で補強する工法です。

3_3 夢木香は手刻みで長ホゾ込栓差しの工法です。土台敷までは前日までにおこない、建前は上棟まで早くて3日間、野地板(合板は使いません杉板です)を張りルーフィングを葺くまでは、およそ1週間ぐらいは要します。

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昨日、再生古民家 長崎街道八戸の家でI様とそのご兄弟の方々とお話をしました。 ひいおじいさんである榮吉氏が建てられた、古民家を再生して住まうことに喜びを感じ、残すことに賛成してくれた兄弟に感謝しておられました。 

子どもたちの喜ぶ家とは、現在の住まいかたとともに、50年後、100年後に子や孫たちが、感謝してくれるような住まいではないかと、あらためて感じました。

50年後、100年後に思いをはせることも、住まいづくりの楽しさのひとつです。

                         代表 松尾


子どもたちの喜ぶ家 ② 構造見学会

2010-02-16 07:46:00 | インポート

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 昨日も引き続き、構造見学会を行いました。14組の方々にお越しいただきました。長崎街道八戸の家でお世話になっているI様ご兄弟、今プランをすすめているY様、バスツアーや勉強会に参加していただいているI様やN様等日頃お世話になっている方々に多数お越しいただきました。ありがとうございました。

また、若き職人の方々もお越しいただきました。

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若い子ども連れのご夫婦も多くお越しいただきました。

夢木香は自然素材の住まいづくりにとりくんできました。古民家の移築や再生を手がけることで、建物の耐久性や自然環境に対する優しさなど身をもって学びました。なにより、自然素材の環境は子どもたちが喜びます。

佐賀の古民家I様邸の生後間もない孫さんは、ぐずっていても家に入ると機嫌が良くなるそうです。元順天堂大学病院の教授の奥様は、同じI様邸で「天井が高いと、賢い子が育つそうですね」とおっしゃられました。日本初の超高層ビルを設計された池田武邦先生は、現在長崎県の西彼町に自ら設計した茅葺民家で暮らしを営まれています。超高層ビルの中では、温度も湿度も最適の環境ではあるが、機械設備により造られた環境が与えるストレスを危惧されます。「子どもたちは自然に近い環境で育てるべきだ」とおっしゃられます。

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現在、日本の住宅の寿命は30年でしかありません。30年後は退職金も年金も現在より少なくなることが考えられます。古民家に学び、100年後も住み続けられる住まいを造るべきです。

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骨太の材で手刻み長ホソ込栓差しでボルトを使わず、曲がった梁を使い、仕上げは木と土と紙で、夢木香は常にハイクオリティ(高品質)の住まいづくりをめざしてきました。

この2,3年、この住まいを含め、若い人々の夢木香へのご依頼が増えてきました。子や孫の代まで残し、歴史と文化を伝承してゆく、若い方の見学会への参加が多かったことは、たいへん嬉しく感じました。

                                 代表 松尾

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