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UMA君のお部屋

山遊びのページ

黒部五郎岳

2017-08-28 21:41:48 | 山歩き…アルプスの山
山行日:2017年8月26日(土)~27日(日)

天気:26日雨のち晴れ 27日晴れ

山行者:単独です。

CT:
26日 飛越新道登山口6:13…1842分岐点7:45…寺地山8:38…北ノ俣岳11:03…赤木岳11:50…

黒部五郎岳13:48~14:11…黒部五郎小舎15:34…テント設営完了16:04

27日 黒部五郎小舎4:56…黒部五郎岳6:46…北ノ俣岳9:45…寺地山11:44…1842分岐点12:29…

飛越新道登山口13:59

2年前にも飛越新道登山口から黒部五郎岳へ登りに行っている。

その時は北ノ俣岳でまさかの呼び出しをくらって引き返した。

今回はそのリベンジ。

≪26日≫
登山口に着いた時はまだ雨。

予報では六時頃雨上がり回復するとのこと。

6時過ぎ、予報通り雨上がり晴れ間が見えてきたので出発する。

朝方まで余程降ったのだろう、登山道がまるで川のようになっている。

寺地山を過ぎ木道が出てくるまではヌタ場多し、

木道がある辺りは池糖が点在する感じのいいところ。

木道が終わると大きくえぐられた道、最後はまともな道が稜線へと続く、

稜線で太郎平からの道と合流し少しで北ノ俣岳。ここへは2年前に来ている、

ここから先は未踏の地、登ったり下ったりの道で奥には黒部五郎岳が待ち構えている。

晴れてはいるが稜線は風が強く寒い、カッパは朝から着込んだまま、

赤木岳を過ぎた辺りで日差しが多くなり風も弱まり暖かくなってきたのでカッパを脱いだ。

登山道から見える景色は絶景で時おり足を止めてしまう。

赤木平辺りはなだらかで池糖もありペポーニだ。

黒部五郎岳への登りはジグザクの急登、一旦肩に出て最後の一登りで山頂。

念願の黒部五郎岳は感無量、ここから見える景色は贅沢の極みだ。

今夜の幕営地黒部五郎小舎はまだ遥か遠く、

面倒くさいのでそこら辺でビバークしようかと思うが水がないので向かうことにする。

黒部五郎岳のカールの中を下っていく。

影にはまだたくさんの雪渓がありそこから川が流れている。

幾つも渡渉して下っていく、ゴーロ地形なので石が多く足に負担がかかる。

もうそこら辺でビバークしようかと思いつつも頑張り歩く。

ほうほうの体で小屋に到着、手続き済ませ、テントを張った。

小屋前で冷やされていたリンゴを買った。

適度に冷えて食べごたえがあった。

テントに戻り、笠ヶ岳を見ながらビールで乾杯。こ

の時間帯でもいい天気、大陸性高気圧に覆われているのだろうか、

空を見ると筋雲にウロコ雲、空はすっかり秋模様だ。

翌日朝方に東の空にオリオンが見えた。着実に夏から秋、そして冬へと向かっている。

≪27日≫
今日は昨日の逆の行程。

テント場を出発ししばらくしたところで日の出。

後ろからやってきた単独男性と飛越新道分岐まで御一緒するになった。

一人だと長い道のりも二人だと会話も弾み苦にならない。

楽しいひと時を過ごしあっという間に飛越新道分岐、またどこかでと言葉を交わし別れた。

避難小屋から少し進んだ右手の藪の中、大きな黒い生き物。

僕の存在に気付き藪の中をものすごい勢いで奥へと走り去って行った。

あれは…熊?

往路もヌタ場に悪戦苦闘しつつもなんとか登山口に到着。

温泉により汗を流し、途中で渋滞に巻き込まれつつも20時に自宅に到着。

ザックをガソゴソやったらヘッドライトが見つからない。

どうやら山にお供えしてしまったようだOTZ

2日間ともよく晴れてくれてサイコーの山旅でした。


(まずは北ノ俣岳グー)


(振り返ると薬師岳がこんにちは)


(水晶岳もこんにちは)


(遠くに白馬、唐松、五竜辺り)


(北ノ俣からの稜線と薬師岳)


(目の前黒部五郎岳)


(山頂直下でライチョウさんとこんにちは)


(リベンジ成功)


(山頂からの槍様)


(薬師岳と黒部五郎小舎)


(テント場からの笠ヶ岳)


(27日もいい天気に恵まれました)

悪沢岳西小石尾根(ハイマツ帯撤退)、塩見岳北俣尾根

2017-08-14 21:18:00 | 山歩き…アルプスの山
山行日:2017年8月12日(土)~14日(月)

天気:12日晴れのち曇り、夜一時雨 
   13日晴れ一時曇り、夕方一時雨
   14日晴れのち曇り

山行者:単独です。

CT:
12日 鳥倉ゲート5:45…登山口6:23…三伏峠8:29…烏帽子岳9:10…前小河内岳9:52…
   2253.8三角点11:55…慣合13:09…左俣取水堰堤下流右岸台地(テント設営完了)13:49

13日 左俣取水堰堤下流右岸台地4:40…西小石尾根取り付き4:50…新蛇抜沢源頭ナギ6:43…
   ハイマツ帯2680付近7:40~8:10…左俣取水堰堤下流右岸台地(テント撤収)10:08~10:17…
   北俣尾根取り付き11:32…2160飯場跡12:43テント設営完了13:20

14日 2160飯場跡4:40…東池ノ沢ノ頭付近7:32…塩見岳東峰8:17…西峰8:23…
   塩見小屋9:06~9:19…本谷山10:31…三伏山11:12…三伏峠11:21~11:32…
   登山口12:44…鳥倉ゲート13:13





≪12日≫
長い長い鳥倉林道を登っていくと右手に見える駐車場はほぼ満車、

しかしこれは第二駐車場鳥倉ゲートから1キロ以上も離れている。

いちるいの望み胸に奥へと走らせる。所々路肩駐車してある。

鳥倉ゲート前駐車場はどう見ても満車。

悲しみを胸に第二駐車場へ戻ろうとすると1台空きを発見!嬉しさを胸に駐車した。

すぐに下からもう一台、すんでの差だった。

鳥倉ゲートから登山口までは一時間ほど歩き、日に二本のバスはゲートを越えて登山口まで乗り入れる。

これに乗ればちょっとは楽できるのだろうが…。

登山口から三伏峠までは緩やかな坂道が続く、

2248標高点を越え右山を見てのトラバース路は所々崖っぷちを

丸太を組み合わせた橋が掛かっているのだが濡れてぬめっているため滑りやすい、

帰路に通った時少し冷っとした。

三伏峠は7年振りくらい、以前縦走したときテント場、トイレなどお世話になった。

小屋は古いまま、あの時と変わらぬままの三伏小屋だった。

まず目指すは前小河内岳。そこまでは一般登山道だ。

お花畑を見、幾つか崩壊地の脇を通り進んでいく。

予報より大分よくなって晴れ間が見える。

雲が沸き起こり山々が所々隠れてきているが晴れの登山は気持ちがいい。

烏帽子岳から南は小河内岳の小屋辺りまでクッキリ、荒川三山は雲に隠れ見えなかった。


方向を変えると明後日登る予定の塩見岳の頭と、北俣尾根もなんとか見える。


烏帽子岳から前小河内岳へ向かう道は一部崩壊に飲み込まれそうになっていて

すぐ脇に新しい踏み跡ができていた、三伏辺りから続く西側の崩壊はじわじわと進んでいて、

そのうち完全に縦走路を飲み込んでしまいこの区間は通れなくなってしまうのではないかという感じだ。

そうこうしている間に前小河内岳の山頂に着く、

標柱の類はなし、事前に得た情報通り青ペンキでTの字が書かれている石を見つけた。


Tの横棒は縦走路を、たて棒の末端はハイマツの藪の中を指している。一息いれてからハイマツの藪に突入する。

人丈近くありなかなか手強い。踏み跡すらないかと思われたが、

踏み跡と思わしき足元にはハイマツの幹を切った残骸、

上はハイマツを漕ぐ必要はあるが足元は道がハッキリしているので先へ進んでいける。

情報通り青ペンキが導いてくれる。しかしある程度進むと目印は消えてしまい、


尾根を忠実に辿ると思われる道もわからなくなってしまった。

どうにかこうにか見つけた道は尾根を外し右手へと下っていく、

途中青ペンキとは違う目印を見つけたが結局完全に道をロストしてしまった。

GPSを頼りに藪を掻き分け強引に尾根へと戻った。かなりのロスだ。

なんとか道型を見つけ下っていくが、その後も目印はたまに見つける程度、

(道?二重稜線の間?)


(ハナビラタケ三兄弟、触った感じは硬い)


(毒きのこウスタケと思われる)


(チチタケ、千切ると切れ目から乳液がじわじわ出てくる)

ハイマツ帯を抜けると歩きやすくはなったが道は踏み跡程度でたまにロストしてしまい、

仕方なく尾根を外さないように歩いているとそのうち見つかるという感じ。

獣道も錯綜しており、目印を見つけてもなんだか疑わしい。

尾根が痩せてくると歩けるところは限られるので踏み跡はしっかりしてくるのだが、

尾根が広くなると踏み跡はわからなくなってしまう。

結局のところ目印はあまり頼りにはならずGPS頼みの下降になってしまった。

以前歩いたことがある新蛇抜尾根上の廃道はまだわかりやすくちょっと

手入れすれば登山道として使えそうな感じだったが、

こちらはかなり廃れている感じで歩いている人は記録があるのだからいるのはいるのだが、

登山道として使うにはかなり無理があり、完全にバリエーションの部類になっている感じだ。

2253.8三角点を越えるとごつごつとした大きな岩がある痩せ尾根が続きその先はいよいよ急斜面の下りとなる。




不思議なことにここから先は目印を割りとよく見つけることができた。

しかし踏み跡の方はよくわからず、尾根を外さないように歩き、急な箇所は巻く

、下りていくと段々沢音が大きくなり終わりも近いと感じる。

林業の名残か鉄ワイヤが落ちている辺りから踏み跡が明瞭となり九十九折りで下っていく。

(慣合に降り立つ直前の九十九折りに埋め込まれた謎のカップ)

最後は崖もなく河原に降り立った。

沢へと近づくと二俣のすぐ下に西俣取水堰堤。


二俣の左俣側、小西俣を素足になり膝まで使って対岸へ渡る、水はかなり冷たく水流も強い

、転けないように踏ん張りながら渡ったが足は冷たさに負け痛かった。

堰堤脇を抜け少し下流へ、右岸にテントを張れそうな台地を見つけて設営。


体力があれば西小石尾根をある程度上がっておきたかったが

前小河内岳東尾根の下降で大分体力を奪われたのでここで本日の行程は終了。

設営後ビールを飲んでしばらく昼寝した。うとうとしていると下流から鈴の音、

最低二名が上流へ向かってあるいていく足音がした。

釣り人だろう?それとも同類の登山者だろうか。

暗くなる前に川辺へ降り立ち体を拭いた、辺りは誰もいない。

風呂に入れぬ山中泊、風呂に入れずとも川の水で手拭いを濡らし体を拭くだけでもさっぱりし気持ちがいいものだ。

≪13日≫
夜に小雨が降ったのでフライシートも辺りも濡れている。

スパッツだけ付けて日が明ける前に出発。


(堰堤付近にあった標識)

取水堰堤を越えたところで尾根に取り付いた。

最初はとにかく急で前日の東尾根末端のような感じ、


標高差300m程登ったら多少緩やかになってきた。目印はほとんどない。


栂と苔の森、暫くしたら栂の幼木も混じって歩きにくくなった。

新蛇抜沢源頭ナギの辺りは東側が一部開けた痩せ尾根、蝙蝠尾根の徳右衛門岳が見えた。


朝も早いのにガスがどんどん上がってくる。


(ハイマツの海の下にある草原)

そうこうしているうちに2620辺りからハイマツの海に突入した。




普通ハイマツというと背の低いやつを思い浮かべるがここのは人丈を越える3mはある感じ、

手前(尾根の下の方)に向かって幹や枝が延ばしている。

全くもって打つ手なしで強引に突破を試みるも跳ね返されてしまう。

ハイマツの幹や枝に弄ばれ30分程経過、一向に進まない、ハイマツ帯は標高差で100mくらいあるようだ。

これではここを通過するだけで1時間2時間は余裕で掛かってしまいそう。

体力の消耗もかなり激しい。

悪沢岳ピストンは時間的体力的に厳しい、

西小石岳ピストンは出来たとしてもヘロヘロでこの尾根を下ることになりそうだし

そんな状態で末端の急坂を下るのは危ないだろう。

それに今のテント設営地で行程が終了してしまいそうだ。

予備日を使えば西小石岳ピストンは叶ないそうだが悪沢岳まで行くなら西小石岳までテントを上げた方がよさそうだ。

本来3泊4日を都合で2泊3日に変更した計画。

ルート同じで2日目3日目行程を1日に集約したのはかなり無理があった。

悔しいが自分のミスもある、ハイマツ帯の中で撤退の決断する。

そうと決まれば下りは早い。テント設営地には意外と早く二時間ばかりで到着。

中身はまとめてあるのでテントをささっと畳んでザックに仕舞い次の目的、北俣尾根へと向かう。

小西俣を渡渉し、中俣と北俣の出合までは右岸の目印を追って進む。

踏み跡バッチリで渡渉ゼロで出合に着く。

北俣尾根への取り付きは中俣を渡渉しなければならない。

一番浅いところを狙って渡渉、なんだか靴を脱ぐのが面倒くさくなってそのまま突っ込んだ。

あたりまえだが靴の中はぐしょ濡れ、やっぱり脱いだ方がよかったか?面倒臭がりに得は無い。

一旦休憩し尾根に取り付く、事前に得た情報ではあり得ないほどの急坂とのこと。

(尾根の末端にあった謎の杭)


(写真を取る余裕のあったところでこんな感じ)

まさにあり得ないくらいで垂直とは言わないが150m程は完全に崖、坂とは程遠い感じ。

死にたくないので三点支持で木の根、岩を掴み慎重に登った。

最後に大きな岩を乗り越すと小さな広場、その先は尾根が広がっており大分斜度も落ち着いている。

北俣尾根を登り終えてから思うとここが核心部のような気がする。

登るのは我武者羅にいけば何とかなったが、ここを下るのはとてもじゃないが考えられない。

崖のような尾根を登りきって完全に退路を断たれたような気がした。


(この尾根にいっぱい生えていたヤマドリタケ)

標高差220m程登ると飯場跡と呼ばれるところに着く。

ここは平坦地が所々に見られ池もあった。飯場跡とは林業の小屋跡と思われる。


一斗缶や酒瓶などが散乱している。

昔ここでは仕事の合間に飯を食い酒を酌み交わし賑わっていたのだろうか。

しかしここに辿り着くまでは絶壁を上がってこなければならない。

他に安全に辿りつけるルートがあるのだろうか?

飯場跡から20mほど斜面登ると水が湧き出しているところがある。


水は10mほど岩肌を流れるとまた地中へ染み込んでいった。

昔の人はそれを知っていてなおかつ平坦地という事でここに小屋を建てたのだろうか。

湧水をいっぱい汲み平坦地へ戻りテントを設営する。

ハエが多い所でフライシートに気持ち悪いくらい寄ってきた。

それも不思議な事に日が落ちるとほとんどいなくなっていた。

今日は西小石尾根のハイマツ帯で撤退したため気分が悪い。

おまけに衣類やザックの中身が濡れていて二重で気分が悪い。

しかしあそこで撤退を決断して尾根を下ってきたからこそ、

早い時間にここまで登ってこれてテントを張ることが出来たのも事実。

明日順調に行けばそのまま下山できる。100%悪いわけでもない、そういうことにした。

≪14日≫
日の出前、まだ薄暗い中出発。

ヘッドライトの光を頼りに進む。道どころか踏み跡すら見えない。

ほぼま南から上ってくる主尾根に乗っかるため西(左手)を意識しながら登っていく。

割と急なところもあるが岩や倒木を避けつつ自由に登っていく。

標高2400辺りで主尾根に乗っかる。

上の方は木と木の間が密で通りやすい所を選んで蛇行するように登っていく。

途中南アルプス特有の二重、三重稜線が見られた。


(2560付近から振り返り荒川三山を望む)

2687ピークの手前あたりから背高ハイマツ帯となる。


これは左手斜面の緩い所が栂とダケカンバの混生林となっていてそこを通って避ける。

2687ピークの北側のコル辺りでハイマツ帯は切れているので

そこを目指してトラバース気味に登り尾根上に復帰する。

2700辺りにもハイマツ帯、これは避けることができずに強行突破する。

(ハイマツ帯突入前、向こうには東池ノ沢ノ頭が見える)

よく観察すると小さな沢状の真上にはハイマツが生えていないのがわかる。

そこを狙って進みハイマツを漕いで行くと足は取られずなんとか前に進んでいくことができた。

一旦岩肌がむき出しの小ピークに脱出、しかしさらに人丈ハイマツ帯。

(一旦ハイマツ帯を抜けるが…)


(最後のハイマツ帯。これを抜ければ天国。)

これを越えなければあの地獄の崖尾根を下るんだと思えば必死になって漕いでいける。

意外と長く続かず人丈ハイマツ帯との勝負に終止符を打ち最後の脱出をすることができた。

その先はザレ場の続く尾根歩き、森林限界上だ。

たまに現れるハイマツは普通に見かける低いヤツ、なんの恐れもない。

一旦休憩し登ってきた尾根を振り返る。奥には荒川三山…撤退した西小石尾根が。


右奥には中盛丸山、大沢岳が見える


左手に目を向けると蝙蝠岳。


右手には一昨日下った東尾根が見える。遠くに恵那山、中央アルプスも。

やっとこさ泥くさい登りも終わり、アルプスらしい歩きができる。


東池ノ沢ノ頭辺りまで登ると目の前に目指す塩見岳が見える。

(東池ノ沢ノ頭付近でピース)


(塩見岳と岩峰群をバックにグー)

蝙蝠岳のバックに富士山が見えた。


東峰、西峰ともに頂上には何人か登山者が見える。

あそこから僕は見えているのだろうか?見つけてくれた人はいるのだろうか?

尾根上に岩峰群が見えるが西側の緩くなっているところを簡単に巻いて行ける。

(岩峰群の巻きはラクチン)


(巻き中振り返って)

森林限界を越えてわかったのだがここを歩いている人は

みな同じところを歩いているようで明瞭な踏み跡が出来ている。

岩峰群を巻きその先のコルへ。

東池ノ沢ノ頭付近から見た稜線への最後の詰めはとてもキツそうに見えたが

いざ近寄ってみるとそうでもなく簡単に登っていけた。

(塩見岳東峰への最後の登りから振り返り岩峰群を下に眺める)


(山頂まであともうちょっとだというのに…入ってはいけませんの×印w)

稜線に出て少しの登りで東峰頂上。


以前来た時は悪天候で今日は高雲に覆われているモノの概ね晴れ、

北俣尾根を登ってきた甲斐があるというものだ、これは天からの贈り物と感じた。

頂上には北俣尾根を登ってくる僕をじっと見ていたという方がいた。

なんだか恥ずかしいような…嬉しいような…。

東峰から少しばかりで西峰、若い子が賑わっている、

下からは若い女の子たちがデカイザックを背負って上がってくる。

聞いてみたら高校の山岳部だそうだ。

もう山なんてブームもひと段落して下降気味だと思っていたが、

こんなに若くて山に登るのが好きな子たちが沢山いるとなんだか嬉しい。

塩見岳からの下降は三点支持で慎重に…北俣尾根の上部よりこっちの方が危ないような気がする。

これまた数年振りの塩見小屋は新しくなっていた。

小屋番さんに聞いたら2年前に建て替えたそうだ。

どうしても炭酸が飲みたかったので500円だして500mlのコーラを買った。

キンキンには冷えてないがメチャクチャウマかった。

こんなうまいコーラは久々かもしれない。

この辺りからガスが取れ出して青空が広がりだしたがそれも本谷山へ着く辺りまでだった。

(短い間だったけど晴れ間に見える塩見岳と北俣尾根)

すぐさまガスに覆われて三伏山へ着いた頃には辺りは何も見えなくなってしまった。

塩見小屋から三伏峠までの道はヌタ場が多い。

これでもかこれでもかと出現する。

スパッツを履いているのでそれ程気にならないが…閉口する。

三伏峠で一休みして一気に下る。

登山口まで1時間12分、ゲートまでさらに29分掛けて歩いた。

しかしアスファルトの道を歩くのは酷である。

道の無い尾根を歩くのが足に一番負担が掛からず楽かもしれない。

登山道は踏み固められていて石も多く意外と足に負担が掛かる。

ゲート前の駐車場は大分空きが多くなっていた。

人目を盗んでちゃちゃっと着替えて水場で歯磨きと顔洗いを済ませて帰路に着いた。

今回の山行、後ろ髪を引かれるようなところもあるが、

天気もおおむね良好で満足な三日間を過ごすことができた。

なんといっても前小河内岳東尾根と塩見岳北俣尾根をやったことは大きいだろう。

西小石尾根はまたの宿題、計画を練り直しいつかまたチャレンジしたい。



中崎尾根~千丈乗越~槍ヶ岳~飛騨沢 槍平から周回

2017-05-05 14:30:59 | 山歩き…アルプスの山
山行日:2017年5月3日(水)から5日(金)

天気:3日間晴れ

山行者:単独です。

CT:
3日 新穂高P4:23…登山ポスト4:38…穂高平5:33…白出沢6:25…

滝谷7:52…槍平9:11(テント泊)

4日 槍平4:10…中崎尾根上5:09…2500m付近6:44…千丈乗越7:17…

偽槍を越したところ8:15…槍ヶ岳基部8:37…槍ヶ岳頂上9:06…槍ヶ岳基部9:48…

槍ヶ岳山荘前10:13…宝の木11:04…槍平11:56(テント泊)

5日 槍平4:53…滝谷5:28…白出沢6:17…穂高平7:01…登山ポスト7:40…新穂高P7:48



≪3日≫
まだ暗い中、新穂高登山者用駐車場に到着。

下の方はガラガラ、一番上に二台停められるスペース見つけ停める。

幸先いいなぁ。

準備をしたら出発、登山ポストにはマジメに提出。

暫くすると一人で歩いてきた単独男性に追い付かれる。

自分より早いペースの人、必死でついていきながらも話を伺う。

登山歴は自分よりも短いがなかなか凄い人のようだ。

他人は他人なのに凄い人の話を聞くとなんか萎えちゃうな。

穂高平で休憩してお別れ。


その男性は槍ヶ岳山荘までが今日の行程とのこと、再びお会いすることはなかった。

白出沢から登山道となる。

白出沢はデブリで埋め尽くされていたが、ブドウ沢、チビ沢のデブリは酷く、


辺りの木々はなぎ倒され、トレースも完全に消えていた。

槍平で会った男性に聞いたら前日あたりらしい。

確かに折れた木の幹は真新しかった…ゾッとした。

滝谷を越えたところでアイゼン装着。

南沢合流付近までこればなだらか斜面となり、林を抜けると槍平だ。


時間的にはかなり早いがテント設営後は一寝りし、昼過ぎにビールを飲んでまったりした。

この日は槍平まででほぼ一日なにすることもなくのんびり。

こういう時間は普段ないから贅沢なんだな。

≪4日≫
三時起床し四時過ぎに出発、前日確認しておいた中崎尾根取り付きから登る。

それほど寒くはないが、ユルくもなく、またカリカリの雪質でもない。

どこまで”雪質が安定しているか”と”核心部”が今日の勝敗を決める。

トレースはしっかりあり、最低二人は入ってる。

中崎尾根上には一時間程で到着。

ここまでの尾根は割りと痩せてて急なとこもあり引き返すのは億劫かもしれない。

奥丸山へと続くトレースに後ろ髪を引かれつつ先へと進む(奥丸山往復で手を打とうかとも思った)。



(中崎尾根に乗っかり続く尾根と目指す槍)

いきなり急な下り、慎重にコルに降り立つとテント一張り。


真新しいトレースが続く、先行者(コルのテントの持ち主?)のようだ、もう一つは過去のものらしい。

最初は踝くらいまで沈んだが先に進むとアイゼンの食い付きがいい雪質に変わっていく。

広いところもあるが全体的に痩せ尾根続く、両側切れ落ちているところもありビビる。

(広い尾根は気持ちいいが…)


(広い尾根は気持ちに余裕、中崎尾根振り返りパシャリ)


(痩せ尾根のトラバース、緊張、そして通過後は…快感!?)

右は落ちても死ななさそうだが、左は間違いなくヤバイ。

途中で先行者を捉える、距離にして10~15分くらい。

トレース&先行者が居るのはありがたい、気持ちが落ち着く。

2500mを越えて核心部に近づく。

(2500m付近から核心部 右中小さい点は先行者)


(核心部を前にして)

遠くから眺めたらほぼ垂直の壁に見えた核心部は近くに寄り見てみると思ったほどキツくない。

といってもアイゼンの前爪を蹴り込みピッケルを打ち込んで慎重に登るくらいの斜度。

岩峰に直は厳しいので尾根の右手を詰める。

途中で先行者に追い付き、向こうから声を掛けられる。

「この先でトレースが消えています…あっ、ありました」だったかな?

先行者は単独女性だった。

失礼かもしれないけど正直びっくりした。男性かと思っていたからだ。

こんな急斜面で言葉を交わしつつも先に越えて行かさせてもらった。

尾根に上がりチョイチョイで千丈乗越。

(西鎌尾根に乗っかり槍方面を望む)



まずは一安心、ちょっと休憩していたら単独女性も追い付いてきた。

また少し言葉を交わし、こちら先行で歩を進める。

一部だけだが夏道が出ている箇所もあった。


(西鎌尾根を振り返る)

偽槍は基部の下をトラバースぎみに登った。

(偽槍通過後)

核心部に近い感じだったが割りと安心して通過できた。

奥穂の壁より距離はある感じに見えるが下まで雪が続いているので安心感はある。

奥穂のアレは落ちたら終わってしまう。

偽槍を過ぎると尾根の傾斜はなだらかになっていく。

しかし槍の基部までは慎重に行った。

油断してズルッと…あり得る、オッチョコチョイの自分なら。

槍の基部に着き、まずは一安心。

(槍の基部付近にて振り返ってヤッタゼ)

そして槍を見上げ、やっぱ行かなあかんかな~と思いつつ歩を進める。

(小槍と槍)


(あれの上でアルペン踊りですか??登るのもチョータイヘン)

こちらの雪質は最悪。

完全に氷化しておりアイゼン、ピッケルのくい込みが悪い。

食い込むというか当てれば表面の氷は割れ、引っかかる感じが弱い。

間違えて途中から下りルートに突っ込む、しかもカリカリで怖い。

戻るのも怖く強行、最後の二つのはしご手前までヒヤヒヤ。

(スゲーとこ登らせれるな 夏道と変わらないんだけど雪が付くだけで…)


(下は見たらあかんね、特にずーっとは)

頂上に着いて安堵したが、下りのことを思うとズーンとなる。

(ヤッタゼ!でも気持ちはブジニクダレルカナ…)

意外と狭い山頂、夏に登ったときは人だかりの山頂でもうちょっと広いイメージがあったが。

下りはやっぱり怖く、分岐の下の氷斜面はカリカリすぎて恐怖マックス。

みんなこんなところよく下るなーと思いつつ

登ってくる人にごめんなさいして登りルートを下った。

こちらは岩が出ているところも多く割りと安心して下ることができた。

基部まで戻るとやれやれだ。

(槍沢を登ってくる行軍)

暫くすると単独女性も降りてきて、飛騨沢途中までお話ししながら下った。

(飛騨沢を下るのはサイコーに気持ちいいです)


(振り返る でもこれを登るのはイヤ)


(中崎尾根をゆくパーティ)


(宝の木と呼ばれてる木)

話を伺っていたら、この女性実力ある人だということがわかって…。

見た感じは山の会元会員M女史になんとなく似ていた。

違いはお酒飲めるか飲めないか…かな?

楽しいひと時もあっという間、もっとお話ししたかったのだけれども

別れ惜しいかな、彼女は中崎尾根のテントへ戻るため2500m付近でお別れです。

単独だとこういう出会いがあるから嬉しいんです。

そして出会う相手もなぜか単独で…ある意味似た者同士だからめぐり会うのでしょうか。

中崎尾根に設営してあるテントまでワイン飲みに来てと言われたけど

腐った雪、槍平から推定二時間の登りを考えたら諦めざるをえませんでした。

飲んでから槍平までは酔って下るのも怖いしね(笑)

槍平まではただ下るだけ、槍ヶ岳山荘から二時間かからずでした。

(槍平に到着)


(ただいま)


(ビアサイコー)


(単独女性に教えてもらった大福ぜんざい 水入れ過ぎた)

途中で奥穂へ登ってる春合宿メンバー全員が登頂できた知らせをSNSで知り歓喜。

テントに戻ってのビールは最高に旨かったです。

昼前下山して午後からは濡れものを乾かしながらのんびり、本日の行程は終了。

翌日も早朝出発し雪崩に気を付けながら新穂高へ下る予定です。

≪5日≫
今日は新穂高へ下り、そして帰路に着く。

テントを撤収し5時前には出発。

(さよなら槍平)


(北穂?)

前日にテントを出た時よりもずいぶん明るくヘッドライト要らず。

3日には無かったような気がする真新しい雪崩の爪跡が白出沢へ至るまでに何箇所。




自然の脅威にビビらさせられる。

翌日雨予報だからかすれ違った登山者は数名ほど。

槍平から3時間ほどで新穂高の駐車場に到着。


この時知ったのだが、奥穂・北穂で雪崩・滑落事故で死亡者、負傷者が出たようだ。

この時期この付近は毎年のように死亡者、負傷者が出るが…。

今回も事故は起こさず下山出来たが、自分だってあり得る話。

気をつけても…気をつけていたとしても…こればかりはわからないなぁ。

同じ日程で穂高岳へ春合宿に行っているメンバーも無事下山したと知らせを聞いてホッとした。

天候も良く、計画した通りの行程をこなすことができ充実した3日間だった。

山は怖い部分もあるけれど、また計画してこの時期この山域へまた来ようと思う。


(今年初めて見たコゴミ、採ってませんよ)

鎌崩岳~鹿ノ平(~不動岳)~六呂場山 戸中川林道ゲートから周回

2017-04-30 21:17:56 | 山歩き…アルプスの山
山行日:2017年4月29日(土)から30日(日)

天気:29日 晴れ、一時雪 30日 晴れ

山行者:単独です。

CT:
29日 林道通行止め地点5:11…ゲート5:30…不動岳登山口7:08…三山展望平9:02…

鎌崩岳9:34…鹿ノ平10:05~10:33(テント設営)…不動岳11:04…鹿ノ平11:34(テント泊)

30日 鹿ノ平5:30…六呂場山6:50…六呂場峠7:29…矢筈尾根分岐7:56…

矢筈山8:57…南矢筈山9:17…821標高点の尾根に入り林道直上で引き返す⇒

1040m付近まで戻る…林道11:42…ゲート11:57…林道通行止め地点12:16



≪29日≫
情報通りゲートの1.5キロほど手前にて通行止め、他に車はいない。

500m程歩くと通行止め理由の落石箇所、

通行には問題なさそうだが上を見るといつ崩れてもおかしくない状況、

無理に突破しない方が帰路のためか。

ゲート付近には一台駐車、入山届けによると六呂場日帰りのようだ。

写真で見たことある特徴あるゲートに歓喜し先に進む。


長い長い林道を歩く、途中何ヵ所か右手に立派な滝が現れた。

どれも直登不可で巻きも厳しそうだ。

作業小屋か登山休憩小屋が二ヶ所ほど、中は入れる、トイレもあった。

ゲートから一時間半程で登山口、ザレていて崩れそうな斜面をジグザグに登っていく。


暫くすると尾根に忠実な道となる。

最初の頑張りどころを過ぎると1424標高点辺りは広い台地でツガの大木が目につく。

1485辺りから枯れ笹が出てきた。

漕ぐ程の密度ではない。

踏み跡はしっかり、テープはイッパイある。

1650辺りから再び頑張りどころ。

これまで枯れ笹だったがこの辺りから葉っぱのついた生きた笹に変わる。

1800辺りから再び緩やかな尾根に。

1863標高点付近の三山展望平からは丸盆~黒法師~バラ谷の頭が見える。

さらの左に目をやると悪名高き鎌崩と言われる痩せ尾根が見える。

まるでノコギリの歯、とても歩いていい場所には見えない。

鎌崩岳への最後の急登は人丈もありそうな笹を掴み上げ登る。

鎌崩岳は特に展望もない地味な、深南部にありがちなピーク。


鎌崩を覗いてみようか迷ったが止めた。

鹿ノ平までは笹生い茂る痩せ尾根を行く。


大体左をトラバースする感じ。

一部道がわからず藪こぎもあったが。

30分ほどで鹿ノ平、高くとも膝丈の笹の原が広がる別天地。




しかしこことて南西から崩壊が進んでいる。

いずれ鎌崩のようになってしまうのだろうか?

路地が出ているところにテントを設営し余計な荷物をデポして不動岳へ向かう。

不動岳は今回の縦走路からは外れている。

目印はいっぱいあるが道は登山道なのか獣道なのかハッキリしない、道が錯綜している。

とりあえず尾根に忠実な道を選びながら進む、


途中雪渓を歩いたりしながら笹の原をショートカット。

デポしたぶん荷は軽く足取りも軽い。

不動岳頂上には南アルプスらしいお団子型の山名標識に三等三角点。


ちょっと北に進むと北の方角に真っ白な高い山が見えた。


鹿ノ平に戻るとまだ自分のテント一張り、

GWだっていうのに、夕方までには増えるだろうか?

外で飲んでいると北から黒い雲がもくもくと、テントの中に入り暫くするとパラパラと音が。

やけに寒いし雨音とも違うなと思ったら雪だった。


小一時間ほど降ったら止んだが夕方前にも一降り。


おまけに夜は風が強いうえ寒かった。

夏用シュラフでは寒くて持ってる物すべて着込んで

サバイバルシートまで出したがそれでも寒くて眠れなかった。

日付が変わる頃ようやく風が収まって寒さも和らぎ意識が遠のいていった。

≪30日≫
朝起きるとうっすらと積雪、しかし空は晴れ渡り御来光も望む事ができた。

鹿ノ平からの下りは最初踏み跡もよくわからない様な感じだったが

尾根が痩せてくると自然に踏み跡がしっかりしてくる。

目印もそこそこあり迷わない。

一旦大きく下ると5mほどのミニ岩峰、直登している。

手掛かり、スリングありで難しくは無いが逆ルートだと下りになるので怖いかな?

この後も矢筈尾根分岐まではキレッキレの痩せ尾根が続く。


南アルプス特有の灌木&笹でスリルは若干抑えられている感じはあるが

怖い所はやっぱり怖い。

六呂場山の頂は長細く、チョットした広さがありこの頂の前後が痩せ尾根だなんて感じは思わせない。

有名な「耳目は欺かない判断が欺くのだ」の看板を拝み先へと進む。




ここまで下草に笹が目立ったがこの先は全くと言っていい程笹を見みない。

この先等高線がかなり混んでおり、尾根直登だったらどうしよう…と心配するが、

実際はジグザグ路であまり恐怖感は無かったが、下に降り立ち振り返ったら壁だった。

この先も痩せ尾根続く、六呂場峠の手前は地形図では台地のようになっているが

全然そんなことなく痩せ尾根!地図間違ってるね。

六呂場峠からは下ってきた分丸々登り返し、しかも急登。


矢筈尾根分岐手前まで痩せ尾根でヒヤヒヤさせられた。

この先も道は無く、踏み跡程度。

しかも尾根が広くなるからわかりにくい。

目印はいっぱい付いているので目印を頼りに進むと踏み跡らしきものが見えてくる。

この尾根は巨木が印象的。

倒木すら元巨木なので、跨ぐのがとっても大変。

1456標高点と矢筈山とのコル辺りは木立あるとても感じのいい平原となっていて、つい足を停めてしまう。


矢筈山を越えると一旦激下り、痩せている所もあるが鹿ノ平~矢筈尾根分岐のと比べたら屁でもない。


南矢筈山はテッペンてるてる。


木立の間から鎌崩~丸盆が見える。

南矢筈山から林道までが激下りなのだが、途中の植林帯で目印&踏み跡を完全に見失って

(激下り区間、斜度40度ほどか)

821標高点のある尾根に乗ってしまう。

この尾根は地形図上では正規ルート!?よりなだらかな箇所があり魅力的に見える。

同じ林道へ下るのでこれでもいいかと思い下って行くのだが、

まさか林道手前で悪魔が口を開けているとは…。

廃営林小屋を越えてさらに下っていくとトンデモナイ激下り…

その先には林道直上が5~10m程崖になっている。

そういえば記録を漁っていた時に最後はゴボウで下りたという記事を見つけたけど、

この尾根のことだったのか…。

かろうじて生えている木々の幹や根を掴んで下りれば大丈夫かな?とも思ったが

落ちたら痛いだけでは済まない感じ。

5分程考えて下ったきた尾根を戻ることにした。

標高差300m程の無駄な仕事、その内の高度差100m程の樹林帯の激登りはシンドカッタデス。

正規の尾根?に戻り下っていくと、目印が程良い感じで現れる。

しかも踏み跡もしっかり見える。

導水管の所まで下れば完全な道となり林道まであともう少し。

あともう少しなんだけどショートカットできそうな九十九折りを見つけてそっちへ下っていたら

またまた林道直上に2m程のギャップ。


もうまさにですね「耳目は欺かない 判断が欺くのだ」ですね。

まずザックを林道へ投下してから最後に身一つで飛びおりました。

暫く林道を歩いていると正規ルートの末端に到着。


横着しない人はここへ下りてくるんだなと横目で見つつ反省した。

ゲートに戻ると通行止め突破した車が2台、通行止め地点には5台車があった。

2日間、誰にも会わなかったけど入ってるんですね。

静かな山旅が出来てサイコーでした(一部を除く)

甲斐駒ケ岳 リベンジ成功

2016-12-31 21:36:02 | 山歩き…アルプスの山


山行日:2016年12月30日(金)~31日(土)

天気:両日とも晴れ

山行者:単独です。

CT:
30日 戸台駐車場6:57…丹渓山荘跡9:10…北沢峠11:14…長衛小屋11:23(テント泊)

31日 長衛小屋5:25…仙水峠6:14…駒津峰7:24…甲斐駒ケ岳8:32~8:47…

仙水峠10:36…長衛小屋11:17~12:12…北沢峠12:23…丹渓山荘跡13:33…戸台駐車場15:15



≪30日≫

今年の年末登山は3年前の年末登山で敗退した甲斐駒ケ岳へリベンジに行った。

戸台駐車場で登山計画書を提出した時に情報収集。

今年はどうやら雪少なめで積雪50cm程、吹きだまりで1m程とのこと。

天気は大丈夫、あとは風だけ、3年前も強風で撤退した。

今日は風強いみたいだけど明日は少し落ち着くみたい。

ただ予報ではガスがどんどん上がって昼ごろには稜線は真っ白の予報、大丈夫か。

丹渓山荘までは河原歩き、確かに雪少なめのような…。

何度かの渡渉で靴を濡らしてしまう、しょっぱなから思いやられる。

2時間強で丹渓山荘跡に到着、小休憩後出発。

八丁登り始めで単独の男性に声を掛けられる。

インドや中東へのバックパッカーの話、トレッキングの話など聞かせてもらった。

ひと月ふた月海外へ出掛けることがあるそうだ。

羨ましい!ひと月あったら太平洋日本海縦走とかしてみたい。

単独登山は他の単独登山者との交流も楽しみの一つ。

僅かな時間だったが話を楽しんだ。

途中で別れて(僕の足が速すぎて?)最後はマイペースで長衛小屋に到着。

テント設営後、小屋にてキンキンに冷えたビールとあったかいおでんを頂く。

サイコー。

昼に着いてしまい、特にすることもなく、昼寝したり地図を見たりしてのんびり過ごす。

天気がよくテントの中はぽかぽか。

濡れものは夕方までにバッチリ乾いた。

早めの夕食を取り、就寝。

しかし他のテントはワイワイガヤガヤ。

結局眠りに着いたのは21時過ぎだった。

夜目が覚め外に出ると満天の星空。

頭上にはオリオン座、他にも知らない星座がいっぱい、流れ星も見えた。

≪31日≫

前日の予報ではガスが上がるとのことなので計画より早めに出発。

駒津峰200m下辺りでご来光。


地蔵岳のオベリスクの左辺りからお日様が出た。

駒津峰から先はこの時期は初。


緊張とともに先へ進む。

まずは痩せ尾根、両側が落ちているところがありビビる。

六方石までは痩せてる所や急下降するところがあり滑落に注意した。

六方石で風をよけながら小休憩後、目の前に立ちはだかる岩山に挑んだ。


完全に岩と氷のミックス。

アイゼンの前爪とピッケルを積極的に使い登っていった。

なかなかのやりがいのある登り。


しかし気を抜くと落ちそう、緊張しながら頂上を目指した。

頂上に着くと感無量、リベンジを果たしなんとも言えない気分になった。



(北岳方面)


(フジヤマ)


(八ツ)


(仙丈)

黒戸尾根からのパーティが先に登頂していた。

北沢峠からは僕が本日初登頂みたい、やった!

周りの景色を十分楽しみ下山に移った。

下山はやっぱりというか緊張した。

登りはエイヤで登ってきた感があったが、下りは下が見えているだけあって怖かった。

下からパーティが幾つも幾つも上がってくる。

駒津峰に到着した時はヤレヤレ。

気が抜けてしまったのか仙水峠から先ではなんでもない平坦なところで

アイゼン引っかけて2、3度コケた。

長衛小屋には11時半前に到着。

計画では翌日元旦に下る予定だったが、

なんとか日没前に下山できそうだったので予定変更して下山することにした。

菓子パンだけの食事を済まし、テントを片付けパッキングし出発。

戸台駐車場までノンストップで下った。

今年の登り納めは甲斐駒ケ岳でした。

しかも念願のリベンジ成功。

山自体も夏とはまた違って楽しめました。

リベンジを果たさなくてはいけない?山orルートはあと3つ。

二つはかなり難しい、いつか…いつかリベンジしたい。